独眼竜”臨床頭痛学” その13 私の思考過程  | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 このシリーズの最終章を迎えるにあたって、これまでの思考過程の概略を整理しておきます。


 2010年11月の日本頭痛学会総会で「慢性頭痛の新しい概念:脳過敏症候群」が提唱されて以来、平成23年当時は、テレビ、ネットさらに出版物などありとあらゆるマスコミを通じて「脳過敏症候群」が宣伝されておりました。それも、学会を主導される方々が提唱されておられる論説でもあり、一般の方々には如何にも真実のことのように受け止められました。特に、患者団体は、この論説を盲信されておられました。これとは別に、高齢者の方々の「めまい」の方々はあたかも「脳過敏症候群」によるものと錯覚され、こうした高齢者の頑固な「めまい」で悩まれる方々がトリプタン製剤を求めて、医療機関に殺到されることになり、社会問題とまでなったことは皆さんもご存じであろうかと思われます。 これに対して、平成24年には、学会の理事長名でHPに異例とも言える「脳過敏症候群」に対する見解が出されましたが、いつの間にかこうした見解もHPから削除されてしまい、現段階では何も触れられることはありません。ここが不思議でなりません。
 当時から、私は「慢性頭痛の新しい概念:脳過敏症候群」について疑問を持っておりました。この診断の根拠となるものは、脳波所見でした。ここに疑問を持っていました。
 私のように、現在のようなCTとかMRIといった画像検査のなかった時代から頭痛診療を行ってきた人間には、「頭痛の外来」でできる簡単な検査としては、詳細な問診、神経学的検査法、脳波検査、眼底検査、頸椎X線検査しかありませんでした。(特殊な場合に限り、髄液検査と脳血管撮影を行うこともありましたが、あくまでもクモ膜下出血を疑った場合だけでした)
 こうしたことから、慢性頭痛患者さんには、”脳波検査”と”眼底検査”と”頸椎X線検査”の3つが必須の検査項目とされておりました。これを必ず行っていました。
 当時の国家公務員等共済組合連合会 呉共済病院内科に勤務していた時代、こうした慢性頭痛患者さんにみられる脳波所見上の”高電位速波”をどのように解釈するかでした。てんかん波との異同がとくに検討されました。私は、当時から頸椎X線検査でみられるストレートネックとこの”高電位速波”との関連に注目しておりました。それも、ストレートネックが長期間持続した極めて難治な慢性頭痛患者さんに”高電位速波”がみられる傾向にあるように思っておりました。ところが、「脳過敏症候群」の論文を詳細に検討してみますと、頸椎X線検査でみられるストレートネックとこの”高電位速波”に関する検討項目がまったく存在しませんでした。それもそのはず、こうした「脳過敏症候群」を提唱される方々は、「頭痛と頸椎X線検査でみられるストレートネック」がまったく念頭になかったことが、その理由として挙げられます。これは2004年の「国際頭痛分類第2版」の改訂以降このようになってしまったことは、これまでも明らかにしてきました。


 そこで、平成23年12月以降、「頭痛と頸椎X線検査でみられるストレートネック」に注目し、果たして”無意味なものかどうか”を検討する目的で、開院以来当医院を受診され、頭痛の有無に関わらず頸椎X線検査を行った方々すべてを抽出し、「頭痛とストレートネックの関与」の検討を行うと同時に、「頭痛と頸椎X線検査でみられるストレートネック」に関してどのように考えておられるのかに関して、学会を主導される方々と近畿地区の頭痛専門医の方々全員へのアンケート調査をさせて頂きました。


 頭痛専門医の「片頭痛とストレートネック」に関する考え方


   http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11950038138.html


 そして、この検討結果は、以下において公開させて頂きました。


  頭痛とストレートネック


   http://taku1902.jp/sub105.pdf


 問題は、こうしたことを一般開業医の立場から行って来たことです。このような成績を”私独自の自己満足”に終わらすべきでないと考え、専門医の方々から直接御意見・ご批判を拝聴すべきと考えました。いきなり、学会の場で問うことは、余りにも”烏滸がましく”思えてなりませんでした。そこで、思いついたことは、当地区には近畿地区の頭痛専門医で構成される「関西頭痛懇話会」という絶好の研究会の場があると思い付いた次第でした。
 しかし、その年の4月に行われる「関西頭痛懇話会」は、演題の発表予定が決定していたことから、この中には入り込むことはできず、ただ会員の樋口真秀先生が同年1月に亡くなられたこともあり、開会に際して”追悼の辞”を述べる役を私がする際に、ここで、この成績を述べるようにとのことでした。それも”たったの1分間で”行うようにとのことでした。これが「関西頭痛懇話会」の世話人会での決定でした。
 私には、このような”たったの1分間で”(追悼の辞を述べれば、たった30秒前後です。馬鹿にしていると”屈辱感”しかありませんでした)成績だけを述べて何になるのかということでした。最も大切なことは、どうしてこのような成績を出したのかという思考過程が重要であって、それから導き出されることによってどのようなことが考えられるか、といったことを述べた上で、今後「関西頭痛懇話会」の頭痛専門医全員が一丸となって、データの集積を行うべきであるとの”提案”を行う予定でした。あくまでも”話題提供”の形ということで・・・。
 こうした論点で提案する積もりが、たったの1分間の追悼の辞を述べる”ついでに”ということです。私にしてみれば、1時間かけてもまだ時間が足らないと考えていました。このためには、一般開業医の思いつきの戯れ言でなく、文献的検討を含めた膨大なものであったはずです。(こうしたことから、昨年10月25日から現在に至るまで500回にも及ぶ連載で記事にしてきた程、膨大なものであったことが理解されたはずです。これを学会で毎年、1編ずつを発表すると仮定すれば500年以上要することになり、1個人では到底なし得ないものであることが理解して頂けたかと存じます。このために、敢えて”当ブログ”でその真偽を問いました)。

 ところが、この会では皮肉にも「片頭痛、不思議で神秘的な病気」といった対照的な「特別講演」が1時間の予定で組まれていました。このような馬鹿な特別講演よりは、もっと”実りのある・将来性のある提案”であったはずです。このため私の方から中止した次第でした。
 こうしたことから「関西頭痛懇話会」での”提言”の機会は失われてしまいました。


   http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11972182156.html


 しかし、この検討を行う際に同時に行った学会を主導される方々へのアンケート調査を行うなかで、貴重なことを教わりました。それが東京脳神経センターの松井孝嘉先生の「ストレートネックが長期間持続した病態」としての「頸性神経筋症候群」の存在でした。「ストレートネックが長期間持続した病態」として、頭痛では緊張型頭痛と片頭痛の一部が挙げられ、さらにあと12の病態を挙げられ、これらは全て「脳内セロトニンに関連した病態」であり、まさに”片頭痛の共存症”として従来から挙げられていたものでした。
 このように、ストレートネックが、慢性頭痛とくに緊張型頭痛さらに片頭痛と直結するものであり、脳内セロトニンと関連があり、これが片頭痛の共存症を引き起こしてくるものであり、さらに片頭痛が緊張型頭痛と連続したものであるということを示していました。 こうして、「関西頭痛懇話会」での提言の機会は失われてしまったものの、”想定外”の収穫が私には得られることになりました。1990年代から鳥取大学神経内科の下村登規夫先生の片頭痛と”ミトコンドリア、脳内セロトニン”との関与、MBT療法の考え方が存在し、鳥取大学神経内科の古和久典先生の片頭痛が”多因子遺伝”によって受け継がれるという考え方があることは認識してはおりましたが、これが実際の臨床現場でどのように関わっているのかが実感できず悶々としておりました。


 ところが、平成25年2月には分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が医師の立場でなく分子化学の立場から、片頭痛の大半は、遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患であり、生活習慣病の一種とされました。まさに明快な論説に眼を見開かされた思いでした。
 この「ミトコンドリアの働きの悪さ」があるために、当然「セロトニン神経系」の働きも悪くなり、結果的に「脳内セロトニンの低下」を来すことになります。この「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」があれば、当然、「体の歪み(ストレートネック)」を併発して来ます。そして、日常の食生活の問題から、「ミトコンドリアの働き」と「脳内セロトニンの低下」が増悪されることになります。
 いろいろな生活習慣により”ミトコンドリアの働きがさらに悪化する”につれて、「活性酸素」を過剰に発生させてくる「片頭痛体質(酸化ストレス・炎症体質)」を形成することになります。この過剰に発生した活性酸素が引き金となって片頭痛発作を誘発してきます。
 また、活性酸素を発生させる生活環境によって、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、脳内セロトニン低下と相まって、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、ストレートネックが日常茶飯事にみられるようになってきました。(この点から、専門医の方々の否定される根拠になっていますが・・)
 このように、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の出現によって、これまでの謎とされていた部分が一挙に明らかにされたことになりました。
 すなわち、ミトコンドリアの働きの悪さがセロトニン神経系の働きの悪さを引き起こすことになるということから、これが「体の歪み(ストレートネック)」に連結することになり、全ては一挙に氷塊することになりました。ただ、この論点に至るまでは、これを理解して自分の考えとするためには、後藤先生に”執拗に”質問を繰り返しましたが・・。


 平成24年の1年間は、「関西頭痛懇話会」での”提言”によって近畿地区の頭痛専門医だけででも「頭痛とストレートネック」のエビデンスを確立すべきと再三再四、「関西頭痛懇話会」の会長に進言致して参りましたが、一向に聞く耳を持たれず、やむなく平成25年11月には、文芸社から「片頭痛治療の考え方・進め方」を出版することによって日本全国の頭痛専門医に向けて発信を試みました。このような無駄なお金を使うべきではなかったと後悔しています。これまでの先達の業績を総合して理論的に構築すれば簡単なことだったわけでしたから・・・。意外なところから解決されたわけでした。

 こうして、「片頭痛とストレートネック」に関する検討が端緒となって、片頭痛の病態解明が一挙に進展したように、私自身は確信しております。ここは、エビデンス云々の問題以前のことであり、論理的に考えれば至極当然のことでした。


 このように考える限り、現在の頭痛専門医の申される”エビデンスとは”何なのであろうかと考えれば、その根源は「国際頭痛分類第2版」にありました。この点はこれまでも、明らかにしてきました。この点に関しては名古屋の寺本純先生が示されますように、「国際頭痛分類第2版」がトリプタン製薬会社およびトリプタン御用学者が作成されたものであるということを認識しなくては理解されることはないと思われます。
 こうしたことから、現在の日本頭痛学会の生い立ちの歴史を明確にしなければ、現在の頭痛医療の実態を理解できないということで、歴史を紐解く重要さを思い知らされました。


 以上のような、経緯によって私は「頭痛とストレートネック」は因果関係があると断定するに至っております。そして、慢性頭痛の根本を理解するための基本となっています。
 この論点が明確にならなければ、すべてが闇に閉ざされることになります。
 現在、頭痛専門医は、頭痛とストレートネックは全くエビデンスなしと因果関係を認めることはありません。このため慢性頭痛の起点が見失われることになり、片頭痛の発症様式自体が闇に葬られているわけです。
 こうしたことから、未だに「国際頭痛分類 第3版β版」に従って、頭痛診断を繰り返しているに過ぎないことになっています。

 ここが、専門医と一般開業医である私との根本的な考え方の相違です。



 以上から、今回の「独眼竜”臨床頭痛学”」のまとめとして・・・


 慢性頭痛は緊張型頭痛と片頭痛で9割(97%前後)を占めるとされています。

 問題は、緊張型頭痛と片頭痛が全く別物・別個のものかどうかということです。
 私がこれまで述べて参りましたように、以下からこれらは一連のものと考えます。
 それは、まず、私の”問診方法”による考え方の差にあります。
 片頭痛の場合、受診時に頭痛を訴えていない場合は、どのように時間がかかろうとも、詳細に最初の頭痛から現在に至るまでを明らかにすることを建前としています。ということは、現在の「頭痛外来」で汎用される「問診表」を使わないことです。患者さんに自分の思い出せるまま、まず語ってもらうことです。その上で、必要なことを改めて、こちらから質問し、確認することにしています。この詳細は「問診の技術」で示しました。
 このような、最初の頭痛がどのように現在の頭痛にまで変遷してきたか、悪化して受診されておられることが大半ですので、悪化した誘因として何が考えられるかを想起して頂くことです。何もなければ、生活習慣の変化(職場環境や睡眠習慣の変化等々です)をこちらから質問して確認していくことです。このように行うことで、その患者さんの頭痛の背景・様相が明らかにされてくることになります。
 そして、先日の「レーザー治療」でも述べましたように、最初は緊張型頭痛でしかなかったはずの患者さんが、”適切な生活指導”がなされなかった場合に、片頭痛へと変わってくる患者さんを多く経験します。
 さらに、竹島多賀夫先生は「頭痛診療の極意」(丸善出版)のなかの「この患者は片頭痛か緊張型頭痛かと考えるのはやめて、片頭痛があるかどうかと考えよ」でも明らかにされますように、先生は機能性頭痛一元論を支持されます。
 しかし、実地臨床の利便性から「問診表」を利用して、患者の”メリット”を最優先すべきとされます。このことは、あくまでも便宜的に区別しているに過ぎないということです。このように、片頭痛の謎を解く鍵は、実際の患者さんの中にあるはずです。
 現実の患者さんそのものを蔑ろにして、「国際頭痛分類 第3版β版」という人為的な分類のみに拘ることは”慢性頭痛の本質”を見失うことになります。
 こうしたことから、私は「緊張型頭痛と片頭痛は連続したもの」と考えております。


 もう一点大切なことがあります。それは、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考えているのが、学会を主導される方々です。
 しかし、その遺伝の様式は、メンデル型の遺伝様式でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。ということは、”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。
 これは、現実の片頭痛患者さんを診れば、言うまでもない至極当然のことです。
 私は、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であると考えております。現実の患者さんが、緊張型頭痛から片頭痛へと移行するまでの期間に”諸々の要因”が追加されるのを臨床経過から確認してきました。
 これとは別に、昔から片頭痛治療上「セルフケア」が重視されてきました。これらの具体的な内容を検討することも大切と思っております。このなかに、こうした”諸々の要因”が含まれていることが明らかにされるはずです。
 これまで、「その他の一次性頭痛」「慢性頭痛の周辺」で延々と述べて参りましたように、これら慢性頭痛(一次性頭痛)には”共通した病態”が存在することは理解されたと思います。
さらに「その他の一次性頭痛」「慢性頭痛の周辺」で述べてきましたように、これらに関与する病態・要因を抽出することも大事であると思っております。
 こうした観点から、その”環境因子”を推定する作業が必要になるものと思っています。 こうしたことから、私は現段階において、「ミトコンドリア」「セロトニン神経系」「体の歪み」「ホメオスターシス・・自律神経系・ホルモン・免疫(腸内環境)」「生理活性物質・・脂肪酸との関連」といった要因を”環境因子”として、想定するに至っています。
 このような知識は、これらの各分野の最新の”エビデンス”をもとに考えていくことが絶対条件になります。これらは、”頭痛”とは離れて独自に行うべきです。


 そして、慢性頭痛(一次性頭痛)と診断する場面では、まず、最初に行うべきことはCTもしくはMRIといった画像検査で、二次性頭痛を除外することです。この上で、次に「頸椎X線検査」を行うことです。慢性頭痛の大半は「国際頭痛分類 第3版β版」でいう緊張型頭痛か片頭痛です。これらには共通してストレートネックが確認されるはずです。
 これを確認した上で、ストレートネックを引き起こした原因(要因)を確認することが重要になってきます。姿勢の問題か、ミトコンドリアの問題か、脳内セロトニンの問題か、あるいはもっと別に原因があるかもしれません。ここをキチンと把握しませんと、今後の治療上の禍根を残すことになりかねないからです。
 ストレートネックは緊張型頭痛の原因ともなるものです。ここを出発点として先程の「ミトコンドリア」「セロトニン神経系」「体の歪み」「ホメオスターシス・・自律神経系・ホルモン・免疫(腸内環境)」「生理活性物質・・脂肪酸との関連」といった要因が関与して片頭痛へと進展していくことになります。
 
 以上、3つの観点から慢性頭痛に関する「臨床頭痛学」を構築しました。
 現在の頭痛診療のように「国際頭痛分類 第3版β版」に従って、頭痛診断を行って、これにより”薬物療法だけで”対処しないようにしています。
 それよりは、プライマリー・ケアを担当する一般開業医の視点から、身近な方々が頭痛を訴えて受診された場合、まず、何をどう考えて対処すべきかについて考えています。
 当然、最初は緊張型頭痛の段階で受診される場合が大半です。なかには稀にいきなり片頭痛から発症されたかのような印象を持たせられることもあるかもしれません。いずれにしても、早期から”適切な対処の仕方”が何かを念頭において、指導を行うことが大事と思っております。こうすることで、頭痛が”ややこしくなる”以前の段階で、片頭痛の芽を摘んでしまうことが重要と思っております。
 この点が、頭痛専門医と一般開業医の「頭痛診療」に対する考え方の差異と思っています。
 最後に、このような”未病”という予防医学的な観点なしに頭痛診療を行う限りは、片頭痛を熟成させているとしか言えないはずです。このように予防的な考えなしに頭痛患者さんを野放しにすることは、どなたに有益・有利なのかは申すまでもないことです。
 このように考える限り、学会を主導される方々は何を考えておられるのか、私にはまさに疑問だらけでしかありません。

 こういうことから、頭痛を最初に自覚した場合、何をどう考えるべきか、ということです。ややこしくなる前に、するべきことはあるはずです。

 少なくとも、”片頭痛はあくまでも予防すべき頭痛”です。それも初期の段階から対処するのが原則です。片頭痛に至るまで、熟成させることは、あってはならないということです。


 これが、今回のシリーズ「独眼竜”臨床頭痛学”」の結論です。


 最後に、平成24年1月に、近畿地区の頭痛専門医の先生の方々にアンケート調査をさせて頂きながら、その後のご報告が何もなされてなく、心苦しく思っておりました。
 今回、このブログで、これまでの思考過程を整理することによって、その御報告の代わりとさせて頂きます。その節は、大変、お世話になりました。今後の診療の一助になれば・・望外の喜びとするものであります。