独眼竜”臨床頭痛学” その12 片頭痛体験 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 私の独眼竜”臨床頭痛学”の原点は、私の片頭痛にあります。以前にも、このブログでも紹介させて頂いたことがあります。


http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11949839076.html


 私の場合は、極めて特徴的でした。それは、入院患者さんのなかで、特に糖尿病性昏睡の患者さんを受け持たされ、患者さんが覚醒するまで3日3晩徹夜し、やっと患者さんが覚醒し経口摂取可能となった夜に祝杯を挙げ、その晩、爆睡した翌朝には必ず片頭痛発作に見舞われました。これが外来日に当たりますと、まさに地獄・悲惨でした。まず、セデスGを服用し、15分経過をみて、軽減しなければオプタリドンを追加して外来に出ていました。 診察中は、薬の影響でフラフラ、ふらつきながらの診察で、女性の甲高い声が頭に響き、くどくどした会話が耐えられず、親身になって訴えに耳を傾けるなど、到底できる状態ではありませんでした。診察が終われば、医局のソファーに倒れ込んで、ひたすら頭痛が去るまで、セデスGを繰り返し服用していました。
 また、人工透析患者さんも受け持たされ、当時は、キール型の透析器であったため除水効果が悪く、肺水腫を併発することも多く、こうした際は夜を徹して腹膜透析を行わなくてはなりませんでした。おまけに現在のように内シャントでなく、外シャントでしたので、血栓で閉塞することも度々で、一度詰まり出すと頻繁に閉塞することになり、昼夜を問わずシャント掃除に呼び出しをされることも多く、こうしたことが重なれば、当然、睡眠時間は不定期になり、これも片頭痛の発作の誘因(引き金)になっていました。
 当時から、「頭痛外来」を担当していた自分ですが、ミイラ取りがミイラになった心境でした。自分では、発作の引き金が「睡眠不足」と判っていながら、これだけは入院患者さん次第であり、自分ではどうにもならない”もどかしさ”がありました。このため、幾度か、医師の道を断念しようかとも考えはしたものの転職のあてもなく我慢せざるを得ませんでした。しかし、呉共済病院を辞して、富永記念病院へ移ってからは、救急の当番日以外では、徹夜することもなくなり、徐々に発作回数も減り、田辺に来てからは重症患者が入院することもなく、さらに平成19年以降、入院病棟を廃止してからは、殆ど起こらなくなりました。しかし、大阪での勉強会に出席するため、空腹の状態で特急「くろしお号」に乗車して帰った後には、なお発作に見舞われますが、最近では、大阪の勉強会に出ることもなくなり、発作もまったく起きなくなりました。考えてみれば、70歳も超えれば当然といえば当然のことかもしれません。
 こうした実体験をもとに、私の「臨床頭痛学」の原点があります。このため、片頭痛の論文を読む視点は、自分の頭痛を何とかしようという考えそのものでした。しかし、このような医学論文からは、何一つとして得られるものはありませんでした。ただ、「規則正しい生活をし、食事もバランスよくとり、ストレスをなくしましょう」というだけのことであり、このように睡眠が十分とれ、食事もまともにとれ、ストレスのない生活等々は、また夢のまた夢であり、到底実行できるものは何一つとしてありませんでした。こうするためには、医師としての生活を止めることでしかありませんでしたから・・・。


 田辺に移ってから、覚えたインターネットの世界に道を踏み入れてからは、こうした考え方に変化が見られるようになりました。医学書では、片頭痛は遺伝的疾患であり、不治の病というのが一般的で、これが常識とされています。
 ところが、ネットで検索しますと、多くの方々が自分で、改善されていることに興味をもつようになりました。その初めとするのが、「ゲルソンの食事療法」でした。


 マックス・ゲルソン博士は、1881年10月18日、ドイツのウオンゴロビッツで、ドイツ・ユダヤ系家族の次男として誕生しました。
 医大生となったマックス・ゲルソンは、とてもひどい片頭痛に悩まされ続けていました。
研修医となった時期、この頭痛はあまりにも難治で頻繁だったので、彼は週に3日は暗い室内に閉じこもり、吐き気と嘔吐、目の過敏症、そして頭蓋骨が割れるようなひどい痛みに耐えながら過ごさなければなりませんでした。
 彼は、教授たちに助言を求めましたが、彼らにも助ける術はなく、「病気とうまく付き合っていくことを学ぶべきだ」と言われてしまいました。
 マックスは、こんなひどい苦しみは我慢できないと感じ、自分自身で答えを見つけるほかないと決心したのです。
 沢山の書物と医学論文を読みあさり、その道の権威たちの意見を聞きましたが、何の方向性も見つかりませんでした。
 最後に、彼は「イタリアン・メディカル・ジャーナル」誌に載った症例報告に目を見張りました。
 それは、片頭痛に悩んだ女性が、食事を変えることで救いを見いだしたというものでした。その報告は詳細にはふれていませんでしたが、その着想が彼を後に「ゲルソン食事療法」として有名になる食事療法へと導いたのでした。
 彼を襲ってくる吐き気と嘔吐を伴う激しい痙攣は、自分が消化できないある種の食べ物に原因があると、若き医師は結論を出しました。

 さて、その食べ物とはいったい何なのか?
 はじめ、彼はこう考えました。すべての乳児は牛乳を消化できる。
 自分の体は、それをうまく消化できないのではないか。そこで彼は、牛乳抜きで10日間を過ごしてみました。
 しかしながら、片頭痛は何の改善もみせませんでした。
 次に、彼は動物は成長したら乳を飲まなくなると思い至ります。
 さらには、人間の肉体的な構造は草食動物のそれと同じであると考えついたのです。
 そこで、マックスはこう考えました。おそらく、果物、野菜そして穀物で生きるべきであると。 
 彼は、まずリンゴだけのダイエットに挑戦しました。
生、そして焼きリンゴ、リンゴのソース、リンゴジュース。リンゴの砂糖煮。
その結果は上々で、全く片頭痛が起こらなくなったのです。
 その後、彼はゆっくりと、ある食べ物、次に別の物をと試していき、リンゴ以外の食べ物を付け加えていきました。
 彼の体にとって合わない食べ物があれば、20分もしないうちに片頭痛の形をとる過敏な反応が襲ってくるというわけです。
 さらに進んで、マックスは調理された食べ物からの感受性を試してみました。
 その結果、本当の原因は調理の過程にあるのではなく、むしろ塩の添加にあるのだという仮説を立てるのです。
 こうして、自分の食事から塩を抜くことで、マックスは調理した食べ物だけでなく、どんな種類の野菜もジャガイモも、その他穀物も食べることができるようになったのです。
 この片頭痛から自らを解放してくれた新しい食事プログラムを、彼は「片頭痛ダイエット」と命名しました。
 それは、新鮮な果物と野菜を大部分は生のままだが、時には調理して、しかも全体としては塩抜きで摂取する方法でした。
 こうして、ゲルソンは「塩は食事と結びつくことで病気の原因になっている」と判断したのです。
 やがて、片頭痛を訴える患者たちが彼のもとを訪れるようになります。
 教科書に則った治療法ではありませんでしたが、ゲルソンは自分が開発し、追体験をした片頭痛ダイエット、つまりは塩抜きの食事をするまで自分は片頭痛に苦しんできたことを公表したのです。


 さらに、”親知らず”を抜歯をしたことで、片頭痛が起きなくなったというものもありました。(片頭痛は簡単に治ります! 「片頭痛に悩む女性にお勧めです」から)


 そして、私の「片頭痛とストレートネック」の考え方の原点となったのが、小橋雄太さんのブログ「イミグラン錠・副作用なしで偏頭痛を治しちゃえ」でした。

 小橋さんは、10年以上、閃輝暗点を伴う片頭痛に悩まされ、おまけに”トリプタン製剤”が全く効かない「トリプタン・ノンレスポンダー」でした。このため、頭痛発作時の前日と当日の発作時の状況を詳細に記録を繰り返していくことによって「体の歪み」に頭痛発作の引き金があることに気付いて、当初は整体師さんの指導を受け、この指導を毎日忠実に守り・実行することによって片頭痛を改善された状況を自らのブログで詳細に記されております。
 このなかで最も興味を持ったのは、”閃輝暗点を伴う片頭痛”でした。
 実際に、閃輝暗点を伴う片頭痛の患者さんでストレートネックを呈する方々に対して、ストレートネックの是正を行わせることによって、まず最初に閃輝暗点が改善され、これを継続させることによって片頭痛が改善されたことはまさに驚きの一言でした。


 そしてネット上に多くの「片頭痛改善マニュアル」が販売されていることを知りました。 代表的なものは、頭痛解体新書(山崎有為)、片頭痛改善マニュアル(岡田俊樹)、驚異の片頭痛克服法(山本幸一)、片頭痛大革命(坂戸孝志)、N.H.R 頭痛解消法(内田信友、)片頭痛はきっとよくなる(和田昌)、頭痛よサヨウナラ(細見岳央)佐藤式 頭痛改善術、
 でしょうか。1本1万円でしたが、私は、これらすべてを購入し、拝読しました。
 このなかで最も共感したものは、山崎有為さんの「頭痛解体新書」でした。
 これは、片頭痛と脳内セロトニンの関与から改善させる方法でした。まさに、私の片頭痛そのもののような錯覚を覚えたくらいでした。ここから、片頭痛と「セロトニン神経系」という観点が生まれました。
 岡田俊樹さんは、「自律神経」の観点から、山本幸一・細見岳央さんは「デトックス」の観点から述べておられます。坂戸孝志さんは、胸鎖乳突筋の異常な筋緊張を緩和させる方法を説いておられます。歯科医の内田信友先生は、歯の噛み合わせの問題からストレートネックを来すことから、ストレートネックの改善とテンプレート療法を提唱されます。和田昌さんは「生活習慣の改善」を中心に述べられます。最後の佐藤さんは、ツボ療法を東洋医学の立場から論じておられます。


 つい最近では、以下のブログに感銘を受けました。
「kaolune のSweet Days」 http://ameblo.jp/kaolune/themeentrylist-10024006090.html  です。

kaoluneさんによれば、「生理痛」の原因として、10の要因を挙げておられます。「冷え」「血液の量」「血液の質」「骨盤の開閉」「カラダの歪み」「ストレスによるホルモン異常」「エストロゲン過剰」「毒素の排泄」「マグネシウム不足」「子宮が未成熟」です。
kaoluneさんによれば、決して「ストレス」だけが原因ではないようです。単純に述べれば、マグネシウム・セロトニン・メラトニン・有害物質の摂取(脂肪酸・環境ホルモン)・生理活性物質の乱れを指摘され、まさしく「生理痛」とは「片頭痛」そのもののような錯覚を覚える程類似しているようです。
 さらにkaoluneさんの述懐によれば「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされ、まさに、その仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」ということでした。
 まさに、私が、これまで構築した考え方そのものを具現していました。

 これほど酷似していたとは信じられない思いにさせられました。


 さらに、片頭痛体験談ではありませんが、ネット上で最も多いのは、カイロプラクター・整体師・鍼灸師さんのものです。とくにカイロプラクター・鍼灸師さんは、自分たちの施術で片頭痛が改善すると公言されます。こうした方々の理論的な根拠は「体の歪み(ストレートネック)」です。しかし、「慢性頭痛診療ガイドライン」での推奨ランクはCとされ、まったく論外とされる点がまさに奇異な思いにさせられました。


 これ以外にも、多くの方々が、自分で治された体験談を公開されます。
 こうした方々の体験談をまとめれば1冊の書籍になるのではないでしょうか?


 しかし、頭痛専門医は、片頭痛は”遺伝的疾患”とされ、一生治らないとされ、一生お付き合いしましょう。発作があればトリプタンを服用しましょう、ということです。


 さらに、不思議で奇異な思いにさせられるものがあります。

 それは、慢性頭痛でお悩みの患者団体があります。学会が創設された時期と同じ時期に結成され、いわば学会と同じような歩みを辿ってきています。この会のトップの方は片頭痛をお持ちのようで、なお発作に見舞われるとのことです。
 ネット界では、きわめて多くの方々が自ら改善されておられるようです。こういった方々は、医学に関しては、まさに素人の方々です。こうした素人が工夫され改善されます。
 ところが、患者団体は、毎年・年数回、それも14,5年間継続されてこられ、毎回、日本頭痛学会の蒼々たる専門医を招かれ、お勉強会をされて来られた方々で、私のような一般開業医以上に”頭痛専門医”並の知識をお持ちのはずです。ところが、ネット界では、まさにズブの素人が工夫を重ねることによって、自ら片頭痛を克服されていながら、こうした偉い先生方から指導されておられながら、この有様です。何か奇異な感じがします。
 どういった指導を受けてこられたのでしょうか。まさに疑問に思っています。
 学会の偉い先生方からどのような講演を聴かされておられたのか、興味津々といったところですが、こうした情報は一般人には入手不能となっています。
 専門医の考えていることは実際に何なのかと疑ってしまいます。


 これまで、ご紹介してきました、ゲルソン、小橋雄太さん、kaolune をはじめ、ネット上でマニュアルを販売される方々は、血の滲むような努力と工夫から”一定の考え方”を構築されてこられたのが、これまでの”私の勉強”でよく理解されました。
 私も、片頭痛の現役時代は、それこそ真剣に”片頭痛克服”を考えました。
 このような方々の片頭痛への取り組みには、真剣みというか凄みを感じざるを得ません。


 こうしてみれば、「頭痛をサイエンス」とされるような一種の”趣味(遊び)感覚”では、片頭痛解明には到底至ることはできない、ということを示しているようです。


 私には、こうした意味から片頭痛の”痛みだけの改善”には「頭痛外来」があり、片頭痛を根治を目指すならネット界を、というのが現段階ではあたっているように思えてなりません。
 このように片頭痛を改善された方々の考え方を学ぶことこそ、片頭痛解明の道筋と思えてならないところです。
 実際、「国際頭痛分類 第3版β版」と「慢性頭痛診療ガイドライン」をいくら反芻して繰り返し・繰り返し読み直そうとも、何ら解決の糸口はありませんでした。
 ここが最も問題にされなくてはならないはずです。


 私は、小橋雄太さん、kaolune さん、山崎有為さん、SHOGOさん等々の片頭痛を改善された方々の考え方をすべて総括した上で、これを理論的に構築しなおすといった方法論もあって然るべきではないかと思っております。
 そして、現実には片頭痛を改善された方々の場合、何がよかったのかを確認し、さらに片頭痛が何時までも改善されない方々の、不治の要因を探る手法も大切と思われます。
 こうしたことを総括した上で、臨床頭痛学は構築されるべきと思っております。


 頭痛専門医は、片頭痛は”遺伝的疾患”とされ、一生治らないとされ、一生お付き合いしましょう。発作があればトリプタンを服用しましょう、ということです。
 要するところ、頭痛の専門家は片頭痛は治らないとされます。これはなぜなのでしょうか、先程の患者団体の方もそのように指導されてこられたようです。
 学会を主導される方々は、これまでトリプタン製薬メーカーとこれまで頭痛診療および研究を二人三脚で常に進めてこられ、現在でも継続されます。

 ここで改めて、 DR.RATH HEALTH FOUNDATION の「製薬業界は一般大衆を欺いている」http://www4.dr-rath-foundation.org/japan/chemnitzprogramme/chemnitz08.html
を念頭におくべきと考えております。


 ”製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPRおよび宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
 製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。したがって、製薬業界は人類救済の伝統にもとづいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIGファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。”


 こうしたところに、片頭痛は一生お付き合いしましょうという論点があるのかもしれません。
 最近では、ネット界にこそ片頭痛解明の糸口が隠されているように思えてなりません。


 ただ、こうした情報を閲覧する場合、トリプタン製薬メーカー・サイドの論理かどうかを厳然と区別し、取捨選択が当然必要とされることは言うまでもありません。