「去年のレパードSで初めて重賞を勝った調教師」が、函館記念で… | 元JRA調教師・山田要一のブログ

元JRA調教師・山田要一のブログ

厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

y-photo01.jpg

前走、6月25日(土)の東京ジャンプSで初めての重賞勝ちを飾った、清水英克厩舎のケイティクレバー(牡7歳・父ハービンジャー)は、次走の予定が7月30日(土)の新潟ジャンプSになっています。

この馬を管理している清水君は、千葉県の市川市出身で、小学6年生だった頃、お父さんの車でたまたま中山競馬場の近くを通った時に、「ここには馬がたくさんいるんだぞ」と教えてもらって、それから、馬を見るために自転車で1時間くらいかけて競馬場に通っていたそうです。

ある日、競馬場で馬を眺めていたら、厩務員さんに声を掛けられて、馬に乗せてくれたそうで、それですっかり馬に乗るのが好きになって、中学生になってからはずっと乗馬をやっていました。

結局、体が大きくなってしまったので乗り役になるのは諦めたんですけど、それでも、将来は競馬に関わる仕事をしようと決めていた清水君は、1984年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の4月から、天皇賞・秋を勝ったプリテイキャストなどでお馴染みの石栗龍雄厩舎で厩務員をやって、11月からは調教助手をやっていました。

その後は、エルムSを勝ったタイキシャーロックや、クリスタルCを勝ったタイキバカラなどでお馴染みの土田稔厩舎と、オークスや秋華賞など、重賞を6つ勝ったメジロドーベルや、高松宮記念を勝ったショウナンカンプなどでお馴染みの大久保洋吉厩舎で調教助手をやって腕を磨いていたんですよ。

トレセンで働き始めた頃の清水君は、調教師になることを考えていなかったんですけど、土田厩舎にいた時、息子さんが生まれたことがきっかけで、「今よりも頑張っている姿を子供に見せよう」と思って、調教師試験の勉強を始めました。

そして、7回目の挑戦だった2005年に調教師の試験に受かっています。

2006年に自分の厩舎を開業した清水君は、最初の年こそ8勝止まりでしたけど、次の年は15勝と、大きく勝ち星を増やしていましたし、2010年は、ガルボを使ったシンザン記念で初めての重賞勝ちを飾ると、その次の日のフェアリーSをコスモネモシンで勝っていて、2012年には、ガルボで東京新聞杯とダービー卿CTを勝つなど、18勝を上げて、今までで一番多い「4億0448万円」の賞金を稼いでいました。

でも、その後は伸び悩んでいて、去年までの5年間も、

2017年→11勝・獲得賞金1億7568万円
2018年→7勝・獲得賞金1億1746万円
2019年→10勝・獲得賞金1億6411万円
2020年→9勝・獲得賞金1億1174万円
2021年→16勝・獲得賞金1億8190万円

という物足りない成績でしたから、今年の清水君は、「必ず巻き返したい」と考えている筈です。

実際、今年は、ケイティクレバーを使った東京ジャンプSで、8年振りに重賞を勝つなど、先週までに7勝を上げて、稼いだ賞金は「1億3243万円」と、去年の同じ時期(7月11日【日】まで)の「9967万円」を上回っています。

もちろん、今の清水君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

という訳で、1着賞金が2900万円の新潟ジャンプSに向けて、彼がケイティクレバーをどう仕上げてくるのか、注目したいと思っています。

そしてここからは、和田勇介厩舎が函館記念に登録しているアラタについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のOさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

・・・・・・・・・・

東京都出身の和田勇介君は、中学生の時に、サクラバクシンオーが勝った1993年のスプリンターズSをテレビで見て、「自分も競馬の世界で働きたい」と思ったそうです。

最初、騎手を目指していた彼は、背が伸びてしまったため、その夢を諦めて、高校を卒業した後は、新冠にある「上井農場」(2010年の中山大障害を勝ったバシケーンなどを生産)などで働いていました。

そして、1998年のジャパンCなどを勝ったエルコンドルパサーなどを管理していて、2018年の2月に調教師を引退した二ノ宮敬宇(よしたか)さんが牧場に来た時、「大学に行って馬術部に入って、調教師を目指したらどうか?」と勧められて、そのアドバイスに従って、二ノ宮さんと同じ東京農業大学に進んで、馬術部に入ったんですよ。

大学を卒業してからは、2005年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の10月から田村康仁厩舎で厩務員をやって、それから久保田貴士厩舎と中川公成厩舎で働いた後、2007年の2月からは、高橋裕厩舎で調教助手をやって経験を積んで、2016年の12月、8回目の挑戦で調教師の試験に受かっています。

試験に受かった後は、調教師になるきっかけを作ってくれた二ノ宮さんの厩舎で技術調教師になって、馬のことはもちろん、厩舎の色々なことを教わった後、二ノ宮さんと小島太さんの管理馬を引き継ぐ形で、2018年の3月に自分の厩舎を開業しました。

開業した年の和田君は、「4勝・獲得賞金9064万円」という成績でしたけど、2019年は「6勝・獲得賞金1億3226万円」、一昨年は「17勝・獲得賞金2億3194万円」、4年目だった去年は「22勝・獲得賞金3億6750万円」という形で、成績が完全に「右肩上がり」になっていましたし、特に去年は、メイショウムラクモを使ったレパードSで初めての重賞勝ちを飾っていたんですよ。

でも、今年は、先週までが「8勝・獲得賞金1億4961万円」という成績で、去年の同じ時期(7月11日【日】まで)の「12勝・獲得賞金1億9123万円」を大きく下回っていますから、きっと今の和田君は、「早く巻き返したい」と考えている筈です。

そんな中、今週は、1着賞金が4300万円の函館記念にアラタを登録してきましたので、全力でこの馬を仕上げてくるでしょうね。

・・・・・・・・・・

和田勇介厩舎が函館記念に登録しているアラタについて、「元調教師のOさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、万馬券を取りたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

「パーフェクトホースマンズ」のホームページ
↓↓↓
【 こ ち ら 】

元JRA馬主で、一口馬主クラブの代表も務めていた小栗範恭さんのブログ
↓↓↓↓↓
【 こ ち ら 】

今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。