函館記念で、「武豊君と同期の調教師」に感じる勝負気配 | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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前走、6月25日(土)の青函S(函館・芝1200m)で、すぐ近くを走っていた2頭が落馬するというアクシデントがありながら、勝ち馬ヴァトレニからコンマ4秒差の4着に入っていた、菊川正達厩舎のリンゴアメ(牝4歳・父マツリダゴッホ)は、次走の予定が8月14日(日)のUHB賞(札幌・芝1200m)です。

知っている方もいると思いますが、この馬を管理している菊川君は、メジロティターン(1982年の天皇賞・秋など重賞3勝)などでお馴染みの尾形盛次厩舎から、1982年に乗り役としてデビューしました。

1988年には、盛次先生の長男の充弘さんの厩舎に移って、1998年には、天皇賞・秋と安田記念を勝ったギャロップダイナでお馴染みだった柴崎勇厩舎に移っていて、その年の4月に乗り役を引退するまで、通算63勝という成績を残しています。

それから菊川君は、柴崎厩舎で調教助手をやって、2000年に調教師の試験に受かると、次の年に自分の厩舎を開業しました。

最初の年は「3勝・獲得賞金6280万円」、2年目は「7勝・獲得賞金9624万円」という結果でしたけど、3年目に「10勝・獲得賞金1億2663万円」という成績を残すと、それからは、毎年勝ち星を2ケタに乗せていて、2006年には、今まで一番多い24勝を上げて、「3億2581万円」の賞金を稼いでいましたし、2010年には、コスモヘレノスを使ったステイヤーズSで、乗り役時代には縁がなかった重賞を初めて勝っています。

そして、2014年には、22勝を上げて、「3億3705万円」という、開業してから一番の賞金を稼いでいました。

ただ、その後は伸び悩んでいて、去年までの5年間も、

2017年→13勝・獲得賞金2億8282万円
2018年→13勝・獲得賞金1億8439万円
2019年→18勝・獲得賞金2億5178万円
2020年→9勝・獲得賞金2億4080万円
2021年→10勝・獲得賞金1億5834万円

と書けば分かる通り、物足りない成績が続いていましたし、特に一昨年は、17年続いていた「2ケタ勝利」が途切れていて、去年は、2014年と比べて、半分以下の賞金しか稼げなかったんですよ。

ですから、今年の菊川君は、「必ず巻き返したい」と考えているのでしょうし、実際、先週までの成績が、「7勝・獲得賞金1億0849万円」と、去年の同じ時期(7月11日【日】まで)の「4勝・獲得賞金7059万円」を大きく上回っています。

もちろん、今の菊川君は、「この勢いでもっと稼ぎたい」と考えているのでしょう。

という訳で、1着賞金が2300万円のUHB賞に向けて、彼がリンゴアメをどう仕上げてくるのか、キッチリ確認して馬券に活かしたいと思っています。

そしてここからは、蛯名正義厩舎が函館記念に登録しているランフォザローゼスについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のMさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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蛯名正義君は、1987年の3月に矢野進厩舎から乗り役としてデビューしていて、それから引退するまでに、エルコンドルパサーに乗った1998年のジャパンCや、マンハッタンカフェに乗った2001年の菊花賞や、マツリダゴッホに乗った2007年の有馬記念や、アパパネに乗った2010年の牝馬三冠など、JRAで、GIの26勝を含めて、重賞129勝、通算2541勝という素晴らしい成績を残しています。

ちなみに、蛯名君と競馬学校時代の同期には、武豊君がいて、二人はとても仲がいいんですよ。

そんな蛯名君は、一昨年の12月、3回目の挑戦で調教師の試験に合格して、去年の2月に乗り役を引退した後は、藤沢和雄厩舎で技術調教師をやっていました。

そして今年の3月、定年で引退した藤沢君の厩舎から、33頭の管理馬と9人のスタッフを引き継ぐ形で、自分の厩舎を開業しています。

JRAで、GIの34勝を含めて重賞を126勝、通算1570勝という素晴らしい実績を残している藤沢君の厩舎を引き継いだのですから、きっと蛯名君は、「早い内から結果を出したい」と気合いを入れていたのでしょう。

でも、蛯名君と同期の調教師は、嘉藤貴行君と中村直也君と西田雄一郎君と堀内岳志君の4人がいて、

■嘉藤貴行厩舎→コスモコラッジョを使った3月20日(土)の中山7Rで初勝利
■西田雄一郎厩舎→リリーブライトを使った3月21日(日)の中山7Rで初勝利
■中村直也厩舎→エグモントを使った5月1日(日)の阪神1Rで初勝利
■蛯名正義厩舎→バニシングポイントを使った5月8日(日)の東京7Rで初勝利
■堀内岳志厩舎→アスティを使った7月10日(日)の横津岳特別で初勝利

と書けば分かる通り、初勝利は3人の同期に後れを取ってしまいました。

それに、先週までの成績も、

■嘉藤貴行厩舎→6勝・獲得賞金7294万円
■中村直也厩舎→4勝・獲得賞金7117万円
■蛯名正義厩舎→3勝・獲得賞金5590万円
■西田雄一郎厩舎→2勝・獲得賞金4285万円
■堀内岳志厩舎→1勝・獲得賞金4905万円

という形で、嘉藤君と中村君の2人が蛯名君よりもいい数字を残していますから、きっと今の彼は、「同期に負けたくない」と考えている筈です。

そんな中、今週は、1着賞金が4300万円の函館記念にランフォザローゼスを登録してきましたので、「勝負懸かり」と私は見ています。

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蛯名正義厩舎が函館記念に登録しているランフォザローゼスについて、「元調教師のMさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、万馬券を取りたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

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元JRA馬主で、一口馬主クラブの代表も務めていた小栗範恭さんのブログ
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今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。