俺たちの箱根駅伝 下 (文春e-book)
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当代きっての売れっ子小説家、池井戸潤氏の
を読んだ。(上下巻逆)
今wikiで数えたら、少なくとも池井戸潤氏の作品は20冊以上読んでいるし、その文章力に今回もうるっと来た。
…ただ、過去の『ルーズベルトゲーム』や『ノーサイドゲーム』といった、野球やラグビーのようなボールが行きかったり点を取ったり取られたりするスポーツではなく、ひたすら走る駅伝というテーマの上、複数の大学が襷をつなぐため、その登場人物の多さに、なかなか感情移入ができなかった。
どうもこの作品自体は短編でも収まるような、少なくとも上下巻にしなくても良いのでは、という印象を抱えながら読み進めた。
結果、最終的には面白かったし、予想の範囲の展開であっても感動させる筆力はさすがだと思った。
既にドラマ化の予想なんかもネットに出ていたりして、ずっと感じていた違和感の原因を勝手に予想すると、この本の売れない時代に売れる作家の人気スポーツがテーマになっているので、出版社の強い要望で上下巻になったのかなぁ・・・と。
登場人物が多いのも池井戸潤枠ともいえる日曜夜のTBSでドラマ化するためにだったのかなぁ・・・と、独断と偏見で勝手予想して勝手に納得している。
でも、珍しく本作には青山学院大学をはじめ、実名の大学も出て来るので、大学生のみなさん、是非読んでみてください。
映画『マミー』を見た。
珍しくリンクを貼ったので、詳細はクリックしてもらうとして、そもそも大学生向けに書いているこのブログでは、読者をしている大学生の皆さんが生まれる前の事件だ。
私もあの時期の林眞須美容疑者は、犯人だと思ったし、旦那まで殺そうとしているなんて恐ろしい女性だと思っていた記憶がある。
まだ世の中にSNSが普及する前だったので、あのような報道になっていたのかと思う部分もあった。
特に当時の容疑者夫婦宅の落書きされたり、窓ガラスを割られたりという様子を見ると、今の日本でここまでの反応があるのかと、思ったりもした。
この映画は間違いなく司法に一石を投じる映画だし、法学部の学生には特に見て欲しいと思う。
当時報道側にいたという二村真弘監督だからこそ、闘う姿勢に覚悟を感じた。
私の年齢と広告会社の経営者という立場のせいかもしれないが、強いて気になったことが二点。
和歌山のあの田舎町を取材するのであれば、監督は髪型を変えた方が、取材拒否率が少しは減ったであろうというのと、「マミー」というタイトルが検索的にも埋もれてしまい、私のように日経新聞の映画評で見つけた程度の観客からすると、あの事件だと分かる題名の方が商業的には良かったのでは、と思った。
いずれにせよ、この映画をひっぱるのは顔が出なくともイケメンと変わる息子と、とってもオープンな夫の林健治氏だ。
結局悪質な保険金詐欺であったことは事実で、当然その罪は死には値しないまでも、この作品がどれだけ世論を動かせるかは、難しいかなぁという印象も持っていた。ある面は、正しく情報を伝えているだけに、世間が事件を忘れようとしたり「触らぬ神に祟りなし」という部分も否めないからだ。
ただ、さきほどwikiで時間を検索したら、今年になって再審請求が受理されたというので、いよいよ再審の過程でこの作品が生きる気がした。
時間が掛かったものの『坂の上の雲』読破し、途中で映画『203高地』と見て、『司馬遼太郎と「坂の上の雲」 (朝日文庫)』も流し読みし、何となく50年以上生きて、ようやく日露戦争と向き合った気がしていた。
しかし、どうも司馬遼太郎の乃木希典に対する「愚将」呼ばわりする部分が、毎日のように乃木坂駅を使い、乃木神社を通る私には、鵜呑みにしたくない部分もあり、客観的な情報が欲しいと思っていた。
Wikiを見ても児玉源太郎が指揮をとって203高地を攻略したという記述は、乃木希典のwikiと嘘だと書いてあるし、司馬遼太郎の取材記事等を読む限りでは、なかなか信ぴょう性があるように思える。
そんな時に、2018年から私がほぼ全てを視聴しているPodcastの歴史プログラム『COTEN RADIO(コテンラジオ)』で日露戦争の会があったのを思い出した。
聴いたことがない方には、大オススメのコンテンツで、1つのテーマをかなり掘り下げてまなぶことができる。
私1人だと2年位掛かる量の情報を、COTENの方々が取りに行って精査して、要約した内容を聴けるのだから、とってもお得だ。
これまでも個人的に面白くて『性の歴史』と『教育の歴史』、それにウクライナへの侵攻が長引き始めたころに『ウクライナとロシア』をそれぞれ2回ずつ聴いたことがあった。
いつもだとランニングしながらか、運転しながら聞いているので、『日露戦争』の会は長尺の割に、当時私の興味がなかったので、印象残らなかったが、2回目の今回はとっても勉強になった。
特に私が知りたかった乃木希典像については、株式会社COTEN代表の深井龍之介氏が、慎重に話していて、戦争下のその状況に置かれた立場じゃないと分からないというような意見を仰っていて、その解釈がもっとも正解に近いんだろうと腹落ちした。
そして、この数カ月、日露戦争や坂の上の雲の検索が多かったせいか、まさかのニュースが流れてきた。
来週からNHKでドラマ化された『坂の上の雲』の再放送があるそうだ。
いずれ過去を振り返った時には、2024年のマイブームは『坂の上の雲』になりそうだ。
全く情報がないまま、たまたま時間がぴったりで、ライアン・ゴズリング主演、デヴィッド・リーチ監督の『フォールガイ』を見た。
思わず見終わってから「最高やん」と発したほど、とても映画愛に包まれた良い映画だった。
悪役ですら不快な思いもないまま痛快に終わった。
なぜかあまり話題になってないけど、大オススメです。
恐らくこういう単純明快な内容は、記憶から消えてしまうのが早いんだろうけど、問答無用に面白い映画でした。
司馬遼太郎氏が40代の時に書いた近大歴史小説『坂の上の雲』を読み終えた。
…と言っても実は半月前位には読み終えて、自分の中でどう咀嚼できるか、敢えて時間を置いてみたが、今となっては、史実に近い小説であろうが、フィクションであろうが、力作であったという事実は変わらないと思えるようになった。
若い時には、主役の知名度から読む気が起きなかったが、秋山好古と秋山真之という兄弟をこの世に知らしめただけでも、この小説の価値は大きいと思う。
二人の活躍自体は長い小説のごく一部でしかないが、松山時代から描いているせいか、思い入れを持って主役の活躍を見ることができた。
これまで、ぼんやりとしていた日清・日露戦争が、本書と映画『二百三高地』によって、かなり具体的で歴史的や役割も自分なりに理解できるようになった。
ただ、私も50代でこの小説をもう一度読もうという時間とエネルギーはない。
若い大学生の皆さんには、終戦の日の今日、その前に大国に勝った日本の歴史を学ぶきっかけに、是非読んでみてください。
皆さんならまだ人生で何度か読めるはずなので。
この2カ月以上、ずっと司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読んでいる。
日露戦争の旅順攻囲戦における、203高地の攻防戦については、小説では乃木希典が、かなり出来の悪い役で書かれているが、約40年前のこの映画では、主役になっている。
全てを読み終えてから公平な目線で観ようと思っていたが、ロシア軍との距離感とか山の大きさとか、イメージをつけたくて、途中で観てしまった。
結論、やはり死んだり手足が取れたり、映像で見ることによって、戦争の惨さを確認できた。
『坂の上の雲』は、日本の奇跡に愛国心が芽生える部分があると感じたが、映画で見ると国と国ではなく、死ぬのは人間だとわかる。
そして、小説でも映画にも紹介されていたエピソードで、戦地で戦った同士がウォッカを飲んだり、日本酒を酌み交わしたりしたという場面だ。
それを騎士道と武士道という表現をしていた。
私は個人的には、映画を通じてコメディタッチにするお道化た役に新沼謙治氏が出演していたところで、さすがに40年も前だと今の大学生には全く分からないとは思うが、それでも是非見て欲しい。
さだまさしは何となく知っていると思うが、名曲「防人の詩」が、劇中歌として出てくるのだが、映画が止まって歌詞がバーンと出てとても重要な役になっている。それで思い出したが、最近は3時間を超える長編映画がまた多いが、本作も3時間を超える。そのため、昔はトイレ休憩が間に入り、その合図として歌詞だけの映像が流れていたのだ。やはり映画は映画館で観たいが、このトイレ休憩復活してくれないかしら。
歴史が苦手だったり興味のない若者も、もうロシアとウクライナが戦争を始めて2年以上経つのは知っているだろう。
あのロシアがアジアに侵攻してきて、日本が戦って勝ったという史実は、是非知って欲しいと思う。
映画好きを自負する私でも、全くこれまで興味のなかった『ゴジラ-1.0』を、見た。
私のようにアカデミーで視覚効果賞を受賞したのをきっかけに『ゴジラ-1.0』を見ようと決めた方も少なくないだろう。
そして、『ゴジラ-1.0』でヒロインの浜辺美波氏と『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のヘイリー・アトウェルが全く、全く同じような列車落下シーンに気づいたのも、私だけでは当然なくて、検索したらいろいろな意見がありようだが、私はミッションインポッシブルの方が緊迫感も映像にリアリティもあってよかった。
ただ、戦争映画として若い人たちが当時を知るきっかけに『ゴジラー1.0』を見るのは、いいなと思った。
久々にたっぷり時間を取って、漫画『ゴールデンカムイ』を読破した。
壬生義士伝ブームが終わって3月から4月頭はほぼゴールデンカムイがマイブームだった。
とても面白かったし、珍しくあの愛らしいキャラクターのイメージを崩したくないから実写映画を見ないでおこうとすら思っている。
本来の楽しみ方とは違う気がするけど。
おかげでアイヌ文化も学べたし、脱線して獣姦についての歴史も勉強した。
当初は獣姦が出てくるくだりで、子どもには見せられないと思ったが、人類の歴史とほぼ同じくらい獣姦の歴史があるので、まぁ広い意味では勉強になるから見せてもいいかとも思った。
土方歳三も『燃えよ剣』以来、久々に学びなおせた。
逆に今は司馬遼太郎がマイブームになっている。
何より勉強になったのは、普段漫画を読まない私が、この漫画を読むために『シーモア』とか『メチャコミ』とか『ピッコマ』を駆使して、デバイスを複数使ってイッキに読み進めたことだった。
どれかは、無料が多いとかコマごとに縦スクロールで進むとか、各サービス特徴があるんだと感心した。
もう忘れてしまったけど。
もうゴールデンカムイマイブームから1カ月位経って、いろいろ忘れてきているけど、なぜかキロランケという単語(名詞)だけ脳から離れない。
を読んだ。
未成年での芥川賞受賞したあの作家が、いつの間にか40代になっているんだから、私も年を取るはずだ。
その間、私も起業して結婚して子どもも生まれて今に至るが、綿矢りさ氏も何かすごい作家になっていた。
この短編集でも、主人公が男性なのか女性なのか主人公との関係が友人なのか夫婦なのかなど、
「若い女性作家」という固定観念のせいか、「あ、主人公男性なのね!」とかしばらく読み進めないと分からない不親切さは絶対的にあるなとは思う。
それでも、人にできないワードの巧みさ面白さが、すごかった。
思わずメモってしまったのは、ユーチューバーの推し活をする女の子が「うれしさの余りウザがらみ」とか、
「段々好きになってリアコ」とか、「どうせ私なんかアダチルのファザコンだし」とか、
舌を巻くような表現の中に、フツーに「時すでにお寿司」と入ってきて、
ストーリーだけでない言葉のリズムができていて、やられた。
特に最後、綿矢りさ氏本人が登場する話は、彼女が自分をいい感じの距離感で弄っていて、また読もうと思わせる凄みがあった。
大学生時代から作家をやっていた彼女の作品を、是非今の大学生にも読んで欲しいです。