行ってみた! 進学館ルータス体験授業の口コミ・感想(前編)」からの続きです。⇒

 

レポートするのは体験授業の様子です。もしかしたら通常授業とは進め方が違うかも知れないので、そこはご了承ください。
流れとしては、まず復習テストがあって、それから先生の解説、演習、解説、演習、これの繰り返しです。これはどの塾も同じだと思います。

限りある授業時間のうち、大きな割合を占めるのが演習時間です。大手塾では校舎によってクラス数は違うと思いますが、多くの場合は、お子様のレベル別にクラス分けがされています。SAPIXのようにクラスによって教える内容を変えない(という噂)のケースと、浜学園や四谷大塚のように基礎クラスでは応用問題を扱わないケースがあるかと思います。
どちらのケースでも、同じクラスにレベルの違う子供が混ざってしまうと、「できる子」は他の子が解き終わるまで手持無沙汰、「できない子」は何もできないまま時間切れ、となりがちです。

進学館ルータスが掲げるコンセプトは、集団指導塾と個別指導塾(または家庭教師)のハイブリッド型。1クラス10人弱に対し、講師はメインとサブで2名ついていました。先生1人で生徒5人以下。演習時間では、それぞれの子供が問題を解く様子を観察していて、1問解く度に次々と丸付けしながら指導していきます。
そう! 解説時間は集団指導塾、演習時間は個別指導塾というスタイルだったのです! 「できる子」は次々と問題を解いていくので、応用問題までどんどん進んでいきます。理解のペースが早いお子様に対しては、限りある授業時間を有効活用するため、難題への挑戦を促していきます。「できない子」は逆です。基本問題にじっくり取り組みます。

ゆうくんの様子はというと・・・、ぼーっとしてるーーーー!! 「できない」ということもあるのでしょうが、「そもそも、やっていない」がより正確な気がします。たまに想い出したかのように、鉛筆を動かします。
体験授業に来ていた他のお子様というと、テストのような集中力とスピード感で、問題に食らい付いていきます。ここ! ゆうくんの成績が上がらないのは、ここが原因! 同じ勉強時間でも、頭を回転させている時間が全然違います。

やっぱり「できる子」とは意識が違いますよね。体験授業だけの特別サービスだったのかも知れませんが、授業が始まる少し前から教室を開けてくれて、復習テスト向けの勉強ができる時間帯が設けられていました。みんな、ゆうくんと同じ低学年なのに、先生や親から言われるまでもなく、自発的にテスト勉強してるの! すげー! マジですげー! うちのゆうくんなんて、親が言ったところでやりませんよ?

そのうち消しゴムに鉛筆をぶすぶす刺して遊びだすゆうくん。当然、先生に優しく注意されます。集団指導塾では、そんな子は放置されておしまいです。やる気のない子供のために、クラス全体の授業を遅らせるなんて許されません。個々の面倒見の良さは、少人数ならではでしょう。もちろんその分だけ、料金(=人件費)は上がってしまう訳ですが。

そしてどの塾でも、競争心を煽って切磋琢磨させる仕掛けが導入されています。クラス分けや、席順です。進学館ルータスでもそれは同じ。復習テストの結果が、毎日貼り出されます。
実際には低学年向けにオブラートに包んだ表現に化かされていますが、上から順に「最優秀賞」「優秀賞」「奨励賞」「努力賞」を意味するランクが示されます。ボリュームゾーンである大半の子は、「優秀賞」か「奨励賞」の何れかに区分けされます。「最優秀賞」と評価されるのは、10人弱のクラスで1~2名だけです。

ゆうくんですか?

もちろん「努力賞」でしたよ?

「最優秀賞」の逆側なので、これまた10人弱のクラスで1~2名しかいません。つまり、最下位、または下から2番目で確定です。それがクラス全員の前で晒されます。

ここでのフォローも、ちょっと他塾にはない取り組みでした。成績発表は、1人ずつ立たされます。そして、先生がものすごい大袈裟に褒めまくります。「最優秀賞」だろうが「努力賞」だろうが関係ありません。その子供1人1人の良かったところを見つけ出して、盛大に褒め称えます。
「難しい問題にも負けずに挑戦していたことを先生は見ていた! すごい! よく頑張ったね! 努力賞! みんな拍手ーーーー!!」わー、パチパチパチって感じです。

ゆうくんガン泣き。

泣きながらプリントを破り捨てようとします。どれだけ褒められたところで、「努力賞」がクラス最下位だってことは、ゆうくん本人が理解できていますからね。自己肯定感が低い(脳の報酬系機能に障害あり、褒められた時の脳反応が乏しい、できない自分を受け入れられない)ゆうくんにとっては、とんでもなく堪えがたいシチュエーションだったはずです。

受験自体が相対評価。他人と比較してはいけないと言いつつも、結果はシビアに他人との比較で評価されます。ここで自分を振り返って奮起できるか否かが中学受験聖としての特性なんでしょうけど、その特性が完全に欠けているゆうくん。でもそれは、塾とは関係のない別のお話しです。進学館ルータスに限らず、どの塾を選んだとしても、クラス分けや席順争いからは逃げられません。

これも体験授業だけかも知れませんが、テストは持ち帰りできませんでした。そのため自宅での振り返り学習は出来ません。「お金はあるけど、時間はない」パワーカップル向けがコンセプトなので、親塾でのフォローは想定されていないのかも知れませんね。

体験授業の結果、今のところ通塾は叶っていません。その理由は3つ。1つ目は料金。すばらしい塾ですが、無い袖は振れません。通塾するとしても金銭的な都合で、高学年になってからかな。2つ目はロケーション。近くに校舎ないんですよねー。渋谷ダンジョンはちょっと無理! 近くに開校されることを願うばかりです。今のところ(2024年2月時点で)は、渋谷校と吉祥寺校のみとなっています。そして3つ目は、

入塾資格をもらえそうにないからだよ!!!!!!

一体いつから、塾を選べる立場だと錯覚していた? 塾は選ぶものじゃない、塾に選んでいただくものだ!! 塾授業を理解できるレベルになるまで、受講する資格なしです。
とりあえず浜学園の授業を、自力で聞けるレベルまでは持って行かないと駄目ですね。授業中、消しゴムに鉛筆を刺したり、ノートに落書きして遊んでいるようでは、どうしようもないって感じです。自走できるようになるまでの道程は、まだまだ果てしなく長そうです。

 

⇒「浜学園プリンター「ハマプリ」(Hama-Pri)がやってきた!」に続きます。

 

最初から読む◆ 「中学受験」に療育っ子がチャレンジ!
◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
◆ 「療育」(発達グレー)のあれこれ!