RISU算数で中学受験勉強!!(魔方陣、変数、立式の場合)!」からの続きです。⇒

 

ゆうくんの課題は数え出したらキリありませんが、深刻なのは計算ミスと読み間違い(勝手読み、読み飛ばし)です。「難問を捨てる代わりに、検算しなさい」「一行問題に、印を付けなさい」と言い聞かせていますが、なかなか約束は守ってくれません。約束を守ってくれた場合でも普通にミスしているため、「約束を守ること」の成功体験を得られていないことが、サボる理由にもなっていそうです。

読み間違いのクセは、一旦横に置いておいて・・・。

計算ミスの方は、速度と正確性の仕上がり不足が原因です。ケアレスミス自体はなくせませんが、計算速度を向上させることで、テスト中に検算する時間を捻出しないといけません。
必要な打ち手は分かっています。去年の夏休みにチャレンジしていた、ゆうくんが泣いて嫌がる「たぶお式」です。実は今年の夏休みから再開したのですが、後半はRISU算数お試しのために中断していました。

<たぶお式の本来の姿>

既に何度もご紹介していますが、たぶお式はスモールステップ&スパイラル! 大量のプリントで、解く計算をするというよりは、基本パターンを叩き込みます。優れているのは全体の構成とレイアウト。目線を動かさずに解き方の見本を見ることができて、隣や上に並んだ関連問題を見ながら作問の意図を理解できる作りになっています。

 

 

<ゆうくんの姿>

たぶお式ユーザの大半を占める「できる子」の成功事例が、ゆうくんで再現できなかったことは、以前にレビューした通りです。

たぶお式を使っている子=「できる子」が多い。ここまでは事実です。疑いようがありません。例えば、浜学園の公開学力テスト(小2・9月)で、全国2位とか「普通」です。たぶお式でフィボナッチ数列や三角数など直接学ばなくても、基礎をしっかり固めて、頭の回転を速くすることで、それらもすらすら理解できるようになります。

それでは、たぶお式を使った子=「できる子」になる、という法則は成立するのでしょうか。残念ながらレアケースとして、ゆうくんには当てはまりませんでした。正確に表現するのなら、たぶお式を使えなかった子、となります。
ということはつまり、たぶお式を使える子=「できる子」、という法則なら成立するのではないでしょうか? 通常、たぶお式で挫折すると、そのままフェードアウトして報告されなくなります。そのため、前例を聞いたことがありません。新たな使い道の使い道の開拓を目指します!

1年前、自作プリントで一応は九九を覚えたゆうくん。当時の挑戦で挫折したポイントは、たぶお式において最も基本となる「百割(余りあり割り算)」でした。失敗した要因は、おそらく次の何れかと思われます。

  1.  九九と繰り下がり引き算が、仕上がり不足でした。「解ける」のと「式を見た瞬間に即答できる」には、大きな開きがあったのです。発話や音読を泣いて嫌がるゆうくん。九九の暗唱をすっ飛ばして、指折り算の積み上げで掛け算を覚えてしまった弊害です。
  2.  たぶお式のスモールステップが、ゆうくんにとって全くスモールではありませんでした。九九→余りなし割り算から、余りあり割り算へのステップを乗り越えることが出来ませんでした。
     原因の1つは、療育の診断でも指摘されているワーキングメモリ不足です。58÷7を解く時に、ゆうくんの脳内では、7×7=49、7×8=56と順に計算しています。ベースが指折り算ですからね。そして58-56で「余り」を出すタイミングで、問題式に書かれている「58」をチラ見しないといけません。ここで、一瞬前に計算したばかりの「56」が、脳内メモリから失われてしまいます。ここの対策は、次記事で深掘りします。
  3.  キッチンタイマーでの計測が、ゆうくんを追い詰めてしまった反省があります。やってもやっても減らない大量のプリントが、たぶお式恐怖症を招いてしまいました。キングファイルで、ドーンと用意したのも失敗でした。隠しておいて、少しずつ小出しにすれば良かったです。


反省を踏まえて、リベンジでは以下のように取り組んでいきます。

  1.  つまづいたステップから、解けるステップまで戻って、すらすら出来るまで仕上げます。小2になった現在、速度を問わなければ百割(余りあり割り算)は解けるようになっています。まずは百割を仕上げます。58÷7の文字列を見た瞬間に、8余り2という答えがひらめくまで繰り返しです。
  2.  ワーキングメモリ不足は、外部メモリで代替できます。つまり計算メモです。たぶお式本来の進め方と比べて大幅に遠回りとなりますが、泣いて拒絶されるよりマシです。ゆうくん向けにアレンジしたインド式メモ算で、まずは拒絶感を払拭しておきます。メモ算のままでは遅すぎるため、ここから先で、たぶお式を仕上げツールに用いる目論みです。
  3.  本来は制限時間にこだわってほしいところですが、当面は計測を見送ります。ゆうくん本人の様子を見て再開したいと思います。プリント枚数も当面は無理せず、1日2~4枚からリハビリを始めます。


「できる子」ができるようになる、たぶお式。
先生によると、ゆうくんに不足しているのは繰り返し練習の絶対量です。「できなかった子」の場合は、できるまで繰り返すことで、必ずできるようになるそうです。

1枚を片付けるのに時間が掛かり、繰り返さないといけない回数も増えます。たぶお式の成功事例として登場する皆さまと比べて、かなりのスローペースになるでしょう。それでも目指すゴールに近づくには、まずは一歩ずつでも進むしかありません。

 

⇒「インド式メモ算で、ワーキングメモリ不足を解消?(前編)」に続きます。

 

最初から読む◆ 「中学受験」に療育っ子がチャレンジ!
◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
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