全統小テスト(小1秋)の結果:国語編」からの続きです。⇒

 

中学受験生にとっては、2月から新年度ですね。小1夏から半年ほど挑戦してきた「たぶお式」ですが、結論から申し上げれば、ゆうくんには合っていませんでした。文字通り、泣いて嫌がる拒否っぷりで、どうしようもありません。ただ、中学受験の資質を持っているお子様には、とても優れた教材であることは間違いないです。実際、アメブロでも高評価なレビューが目立ちますしね。

 

 

中学受験に必要な資質として真っ先に挙げられるのは、「素直さ」だとされています。「勇者たちの中学受験」には、以下のように表現されています。

 


・ 大量の課題をこなす処理能力と忍耐力と、与えられた課題に疑問を抱かない能力の高い者ばかりが有利になる

ネガティブっぽい表現ですけど、中学受験の本質を表しているのではないでしょうか。私立中学や企業から求める人物像そのものであり、現代日本で働くサラリーマンや公務員の大半に求められる能力でもあります。起業家や経営者、創造性を求められる職ならまた違うでしょうし、より重要なのは人心掌握力だったりもしますが。

「たぶお式」は、スモールステップ&スパイラル形式で、徹底的に基本パターンを叩き込みます。毎日たったの10分、たった10枚のプリント学習を処理できれば、「SAPIX α1」や「偏差値70台」も軽々とクリアできるのでしょう。
ただし、それには大前提があります。
1枚当たり1分で処理できる能力。毎日10分続ける忍耐力。与えられた定型パターンの反復練習を、楽しみながら素直に受け入れられる能力。トップ集団の環境で物怖じせず切磋琢磨できる能力。まさに中学受験の資質そのものを備えていなければ、「たぶお式」からは脱落です。プリントをやり遂げる能力がなければ、効果も得られないのは至極当然の話です。

ゆうくんの場合、どうしてもクリアできなかったのが、1枚当たり1分で処理できる能力でした。たぶお式開始前に自作プリントで事前学習していた「ブロックK」の範囲までは、嫌々ながらも泣くほどは拒絶しませんでした。ところがゆうくん本人にとって、未学習の範囲だった「ブロックP」の後半になると、完全に手が止まりました。「知らない」「難しい」「嫌だ」そして大泣き。
九九自体は小1の夏休み中に自作プリントで一通り覚えたのですが、スピードと正確性が足りません。それから半年。本人比では若干マシになってきましたが、たぶお式ユーザが短期間で習得した水準の暗算力は、全く得られませんでした。掛け算はともかく、いわゆる百割(余りあり割り算)の壁が乗り越えられませんでした。


1枚1分でサクサク処理できるのなら、毎日10分続けるのも苦ではないはずです。そして次々と新しい範囲に進めるのであれば、反復練習を単調に感じる間もなく、楽しくて仕方ないことでしょう。

 

ところがゆうくんは、プリントのどこか一箇所でつまずくと、そこで癇癪を起こします。気持ちの立て直しに30分~1時間は要するので、効率が悪いこと、この上ありません。どうやらたぶお式が謳う「スモールステップ」というのが、ゆうくんにとっては全く「スモール」ではなかったようです。

冷静に考えれば当たり前です。

小学校入学前に、19×19までの九九を暗唱し、青い鳥文庫を精読する。小1では1001までの素因数分解を丸暗記し、たぶお式では扱わない全統小の文章題まで何故か読解できて偏差値70を叩き出す。これが「普通の子」扱いとなるたぶお式のユーザ層と、同じ段差でステップアップできるはずがなかったのです。もっと丁寧に、もっと小刻みに教えないと昇れません。
結果は残念ですが、損切りは大切です。少なくとも基礎力を鍛えないといけない今の段階で、「たぶお式」を取り入れるには能力不足でした。たぶお式のもう1つの特徴とされる面積図や線分図による特殊算も興味深いのですが、ゆうくんの実力からすると時期尚早でしょう。

大失敗に終わった「たぶお式」ですが、挑戦した半年で、トップ層との資質の差を把握できたことは収穫です。課題が分かれば、後は対策あるのみです。
元々は四谷大塚(リトルくらぶ)の授業に付いていけないことから、藁にも縋る想いで始めた「たぶお式」。授業に付いていけない状況は、ますます悪化してきました。何か別の手段を考えないといけません。

 

⇒「四谷大塚と浜学園の併用プラン」に続きます。

 

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