雑学日記 その494(素朴な疑問編19)
皆様、お疲れ様です。
もう早くも12月末の年の瀬になってしまった今日このごろですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
それでは、前回の続編と参ります。
『電子体温計があっという間に体温を図れるのはなぜ?』
水銀体温計の場合、検温のための所要時間は3分です。熱のあるとき、3分間じっと待つというのは、けっこうまだるっこしいものですが、いまどきの体温計はデジタル式の電子体温計が主流です。これなら、わずか1分で体温が測定できます。
なぜ、こんなに短時間で体温が測れるのでしょうか?
電子体温計が短時間で検温できるのは、一言でいうと、その人の体温を“予測”しているからです。
これは「平衡温予測」といわれる計算方法で(「平衡温」とは、それ以上は上がらない温度のこと)、そのカラクリはつぎのとおりです。
まず、電子体温計は、最初にキャッチした体温が初期段階でどういうカーブで上昇するかを測定します。
電子体温計のなかにはマイコンが組み込まれており、そこには、さまざまな体温の上昇パターンがインプットされています。そのため、その人の体温の上昇パターンがわかれば、あとはマイコンにインプットされた多くのデータから、最終的に体温がどこまで上昇するか、つまりその人の「平衡温」が予測できます。つまり、検温のために必要な1分間は、その人の体温の上昇パターンを読み取るための時間というわけです。
最初に体温を測るのは、電子体温計の先っぽに取り付けられている「サーミスタ」というハイテク装置です。
サーミスタは、温度が上がるにつれて電気抵抗が小さくなるようにつくられています。そして、電子体温計のスイッチを入れて脇の下にはさむと、サーミスタが作動しはじめます。体温が上昇するにつれて、サーミスタの電気抵抗は小さくなるため、そこにはたくさんの電流が流れるようになります。この電流変化から、初期段階における体温の上昇パターン
が読み取れます。あとはマイコンにそのデータをインプットするだけであっという間に平衡温が予測できるわけです。
さて、いかがでしたでしょうか。
皆様がご覧になっていただいているおかげで、このブログは今年も続いておりまして、そういう面で、とてもお世話になりました。
来年もまた、よろしくお願いいたします。
では、良いお年をお迎えください。