吉里颯洋オフィシャルブログ 「微風爽々」 -5ページ目

【作詞教室・爽塾】2023年前期_Lesson04

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のコース生も4回目のレッスンを終えました。生徒さんのツイートも交えながら、今回のレッスンをレポートします。

今回のレッスンを終えると、全体のカリキュラムのちょうど 1/3を終えることになるので、これまでをざっと振り返ってみましょう。
レッスンの滑り出し、初回の3回はこんな内容でした。

▼1回目 : オリエンテーション、コンサルティングと目標設定。
 ※今回の生徒さん、Ruさんはビギナーということもあり、「最低でも○曲完成させましょう」といった数値的な目標は定めませんでした。
▼2回目 : 作詞法(1) 〜作詞概論、企画・着想〜
▼3回目 : 作詞法(2) 〜作詞の実際、替え歌制作企画会議〜

と、こんなプロセスを経て迎えた4回目のレッスンでは、いわゆる『座学』の締めくくりに「表記上のルール」の説明を少々。歌詞のレイアウトに関するルールや課題提出時の注意点などのお話をしました。「ちょっと面倒」と思うかもしれませんが、ルールのそれぞれに効率アップのための必然性があります。ですので、生徒さんには順守していただければ幸いです。

少々の休憩時間をはさんで、2時限めのレッスンへ。

さて、本日のメインイヴェント、予定より前倒しして制作をスタートしてもらっていた課題、替え歌制作の講評を行いました。替え歌の元歌は、教材のCD『虹』に収録された「Scarlet」。原曲の歌詞では、女性目線で「かつての恋人との2年ぶりに再会とリスタートして始まる新しい恋への期待」がロマンティックに描かれています。前回のレッスンの企画会議では、Ruさんが選んだ『元歌へのアンサーソング』というテーマに添ってコンセプトのディテールを固めていきました。

今回のレッスンでは、前回考えた「歌詞の企画、コンセプトがどれだけ実際の歌詞に落とし込めているのか?」というポイントで歌詞をチェックしていきました。提出にあたって繰り返しお伝えしていたのは、「たとえ未完成でも、1行しか書けなくても、締め切りまでに書けたものを提出してください」ということでした。替え歌というスタイルで多少ハードルは下げているとは言え、生まれて初めて取り組む作詞なのですから苦労して当たり前。いや、むしろ、自分の思いの丈を込めた1編の歌詞を独力で書き上げることが受講期間の切実な目標なのですから、最初のトライアルは「苦労したけど、何行かはメロディに載せて言葉を紡げた、歌詞らしいフレーズが書けた」くらいの達成感があれば充分なのです。

このクールでは初めて生徒さんの歌詞のチェックをすることになるので、少々ドキドキしましたが、提出された初稿は未完成の箇所こそあれ、考案したストーリーに添ってきちんと歌詞の形を成していました。真摯に作詞に取り組んだことがフレーズの端々から充分に伝わってきましたので、生まれて初めての作詞という視点で言うなら及第点と言って差し支えありません。

今回実現した、「講師の私が主導して作詞のリライトをその場で手取り足取り行う」レッスンというのは、実は「爽塾」始まって以来、初の試み。実施にあたって私が心がけたのは、「生徒さんの作品を自分の作品だと思って、修正、リライトを行う」ということでした。
では、具体的にはどんなことをしたのかと言えば、至らない部分はテキストで説明した内容を反芻しつつ、実際の修正、リライトを行なっていきました。
例えば、企画書にはなかったワードがなぜタイトルになっているのかをヒアリングし、サビの歌詞と連動させつつ修正。
メロディと歌詞がフィットしていない箇所があれば、どんなフレーズならフィットするのかを実例を交えて歌いながら底上げのプロセスを示し、修正を行うといった具合です。

一度書いたものを客観的な視点でチェックして、リライトを繰り返し、完成と向かっていく。小説やエッセイ、その他あらゆるスタイルのテキストにも同様のことが言えると思いますが、「直すことは当たり前で、完成に向けていかに適切に直すか」が大切なのです。
初めてのトライながら、生徒さんのリアクションを見る限り、「手取り足取りの歌詞のリライト実体験レッスン」は目指すハードルを何とか超えられたような手応えがありました。

以下、生徒さんの感想Tweetです。


次回は、いよいよ、田村信二さん作曲による最初の課題曲を聴きながら、どんな歌詞を書くのかという企画をプランニングしていきます。
併せて、今回、初回の好評を行った替え歌の歌詞の2度目の講評も行う予定。歌詞がどれほど成長したのかを見るのが楽しみです。


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セーブ記念日



新座市野火止運動場、13時プレイボール。所属チーム・MONSTERSのアークスリーグ公式に参加。2点リードの最終回にマウンドへ。
草野球と言えども、勝敗が問われる「公式戦」のマウンドは人生初。当たり損ねのアンラッキーなヒットも打たれましたが、何とか1失点で切り抜けて、人生初のセーブポイントを記録できました。最後のバッターを見逃し三振に討ち取った瞬間、審判の方がNPBの敷田直人審判よろしく「卍」ポーズ(拾い物ですが、画像参照)でコールしてくれて、しびれました(笑)。


「そうさん、初セーブおめでとうございます!」と監督からハイタッチしてもらい、うれしかったですね。
ライオンズのストッパー、増田達至投手が最終回にピンチを作るたびに、「まっすー、劇場やってんじゃねーよ!」とか言ってましたが、2度と言いません。レベルは違えど、勝敗がかかった最終回にマウンドに上がるビッチャーの大変さ、1ミリぐらいは体験しましたから。
登板予定は知らされていたので、この日はライオンズ黄金を支えた、オリエンタルエクスプレスこと郭泰源の実使用グラブ をゲン担ぎで使用しました。
大人を長いことやってると「人生初」という出来事が減ってきますから、得難い経験ができたこと、起用してくれた監督、堅守でサポートしてくれたチームメイトに感謝です。これに慢心せず、精進あるのみです。

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※1面の広いグラウンドでしたが、マウンドはほぼ傾斜なしでした。

【作詞教室・爽塾】MUDDY LOVE(生徒作品)

リライトの末、完成した生徒さんの歌詞を初稿のレビューと共に公開します。
双方を比較してみると、歌詞のクオリティが上がったのがわかります。
※修正された箇所は赤字、講師からのコメントは文字色をグリーンにしています。

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↓原題と同じ意味の英語タイトルに修正して良くなりました。
MUDDY LOVE 
 
作詞:沢村正一 
作曲:田村信二

1A)
 初めての口づけに 愛しい熱を初めて知った

1B)
 ↓ヒロインのキャラ、2人の関係性が端的な描写されていて良いと思います。
 右の手首 残るCross  
 醜い傷跡 抱きしめて 

1C)
★泥のように 闇に溶けて
 君と混じり合い 沈んでいくの
 ずっと孤独だった 私のこと
 顔も声も 赤のシャドウも 愛して
 ↑ここも初稿より良いです。
2A)
 夏近いキャンパスで 独(ひと)りの私気づいてくれた
                     ↑字余りにつき、下線を引きましょう。
2B)
 「コミュ障なの? 俺も一緒」
 遊びも本気も知らぬまま 

2C)
 泥になって 君を汚(けが)し
 二人で堕ちてく 心も捨てて
 もう逃げないでね 笑っていて
 顔も声も 青い髪も 愛して
      ↑この修正で、初稿チェック時の疑問が解決しました。
3C)
★Repeat

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【総評】

■印象
・初稿提出時に投げかけた疑問がほぼ解決し、これにて完成とします。
・「横文字(英語)のフレーズは英語として発音する」のが昨今のJPOPの趨勢ということを思えば、1B)の1行目の「Cross」はカタカナ表記がふさわしいのですが、カタカタの「クロス」は「十字架」ではなく「布地」という意味に取られる可能性もあり、ここでは現行のママでOKとします。

以下に、初稿とレビューを転載します。

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ご本人の了解のもと、以下のとおり、レビューの一部を公開します。

 

※秀逸な表現は青字にしています。


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泥愛 ←読み方不明なので、ルビを入れてください。

作詞:沢村正一
作曲:田村信二

1A)
 初めての口づけに 愛しい熱を初めて知った

1B)
 青い髪と胸のTATTOO ←これは、ヒロインの相手の描写で合ってますか?
 私の身体に刺す月光(げっこう)

1C)
★泥のように 闇に溶けて
 君と混じり合い 沈んでいく
 ずっと孤独だった 私のこと
 顔も声も 傷も痣(あざ)も 愛して ←かなり内向的なヒロインの設定ですが、傷や痣の由来は?


2A)
 夏近いキャンパスで 一人の私気づいてくれた
  「一人」は↑「独り」の方がいいかも?

2B)
  「コミュ障なの? 俺も一緒」
  遊びも本気も知らぬまま

2C)
  泥になって 君を汚(けが)し
 二人で堕ちてく 心も捨てて
 もう逃げないでね 笑っていて←ヒロインにこう言わせた伏線は?
 顔も声も 滲む血さえ 愛して
 ↑1Cの同箇所と同様の疑問を感じました

3C)
★Repeat

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【総評】

■印象
歌詞の世界観はよくまとまっており、普通のアマチュアレベルなら、この作品にあれこれ言う人はいないでしょう。ただ、爽塾はスキルアップの場ですから、以下の通り、底上げが可能なポイントをお伝えしていきます。

■修正希望点
1)タイトルについて
造語かと思いますが、読み方は「どろあい」ですか? 
「どう読むんだろう?」と思う人が大半かと思いますので、ルビを入れてください。タイトルとしての可否ですが、仮に「どろあい」と読むとして、そのまま歌詞に入れても意味が分かりづらいところが今ひとつかなと思います。同様のストーリーの小説であれば問題ないのですが、歌詞の場合、1コーラスなら1分ちょっとで歌が終わってしまうため、それまでにリスナーにインパクトを与える、要は少しでも印象に残るかが勝負です。それを踏まえて、「テーマは変えずにタイトルを改変」することができるか、ぜひトライしてみてください。
2)サビのディテール
1Cの4行目に「傷も痣(あざ)も愛して」とありますが、企画書で設定されたヒロインのキャラだと「ほぼ引きこもり」状態なので、微妙な違和感を感じます。2Cの「滲む血さえ」という表現も同様で、いずれも、この恋に出会うまでに、そこそこ壮絶な人生を歩んできた人間でないと、今ひとつフィットしない感じがするのです。それよりもむしろ、まったく恋愛音痴で男性に免疫のない女性が初めて男性を知ることの恐れやドキドキ感、気持ちの昂まりなどをここで表現する方が当初の企画に見合う歌詞になるかと思います。2Cの3行目の「もう逃げないでね 笑っていて」という表現も、前項同様、企画書のキャラ設定から微妙にずれている気がします。こう言うからには、過去の恋愛で相手に逃げられた経験があるのだろうと思うのが自然ですし、相手に「笑っていて」と懇願するなら、辛い恋の果てに(本作に描かれた)新しい恋に出会ったことを示唆しているように思われてなりません。企画と歌詞との間にズレが生じたのは、前回のレッスン後に年齢設定などについて私が再考を促した影響もあるのかもしれませんが、せっかくまとめた企画ですので、企画に添ってリライトをお願いします。ライターの仕事もされている沢村さんに分かりやすくお伝えすると、企画書にまとめた内容はライターの仕事で言えばクライアントからの発注内容のようなものです。「こういう趣旨の企画に添って、〇〇の紹介記事を書いてください。○月に公開するので、季節感を踏まえたライティングをお願いします」という指示であれば、そのオーダーにフィットするようにテキストをまとめていきますよね。ここでの企画の起案者は自分自身ですが、自分でまとめたアイディアを第三者からのオーダーだと捉えると、企画と歌詞の乖離や微妙なズレが防げるように思います。

>沢村さん
 爽塾で書いていただいた歌詞、いずれも世界観がしっかりあって力作揃いです。
 ぜひとも完成させてくださいね。
 リライトした歌詞の提出もお待ちしています!

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