歯科衛生士の中村です。
勉強会に参加致しました。
CASE:1
矯正治療で使うマイクロインプラントについて、
症例を拝見しながら使い方や注意点などを教えていただきました。
部分的歯牙移動をするケース:下顎左右7番を抜歯し、
両側8番を近心移動する目的でマイクロインプラントを使うという症例でした。
マイクロインプラントを6番近心に埋入し、
プラス6番を固定源とし引っ張りましたが、
固定源が少なくアンカーロスを起こし、6番が圧下しました。
臼歯をひっぱり動かすにはかなりの力が必要なので、
この場合は、固定源を多数歯に求めたほうが良いとのことでした。
セクショナル(部分矯正)は、簡単ではないということがわかりました。
アンカー=固定源
アンカーロス=動かしたくない歯が動くこと
CASE:2
態癖のある混合歯列期男児 矯正治療症例
上顎歯列不正や左右のズレがありました。
上下顎咬合面観を見ると、右上2.3クラウド、
左上下の歯列が舌側に入っているので、左からの態癖を疑います。
上顎1.1が正中より右にズレてみえる、
そのため上顎6.6の位置に左右差があるようにみえます。
この症例で学んだことは、上顎咬合面観写真の見方です。
正中口蓋縫合は曲がっていたりすることがあるということと、
上唇小帯は上顎前歯1.1番に合わせて付くので、
正中の目安にはならないということです。
それを踏まえこの症例を診ると、
上顎左右の6.6番の位置は、左右差があるように見えますが、
臼歯関係はそんなにズレていないという結果になるということでした。
森田先生プレゼン「咬合平面の斜面を伴った一症例」
左右差、前後的な差を矯正治療していくことの難しさをお話いただきました。
所見:
顔貌口角左上がり、左クレンチング、左臼歯てい出、
下顎左にズレ、バイトが深い
左下5番インプラント、左下7番欠損
右下4番先欠
右アングルⅠ級、左アングルⅡ級
右上1.6.7と左上2.5失活歯、右上近心根抜歯
パントモで右上6.7.8と右下6.7.8が、近心傾斜しているので力がかかっていそう
側貌セファロで顔が下向きになっており、
気道が狭く、逆彎曲頚椎、アングルⅡ級
MRIで、左は非復位性関節円板前内方転位、右復位性関節円板前方転位でした。
しかし左にはクリックを認めたとのこと
診断:顎関節症を伴った骨格性Ⅱ級、父方遺伝的要因と生活習慣を含んだアングルⅡ級症例
RP(TP)で治療の方向性を探り、スプリント、OCC、
アライメント、ASBP、バイトタブ、ブラケットで治療を進めていく
治療後、セファロにて気道が広がり、
頚椎も逆だったのがストレートになり戻ってきた
舌骨があがったなど良い結果が得られた
ただ関節円板の位置に影響しているのか、
咬合平面の左右差の改善は想定していたようには行かず左下がり、
咬合平面の改善は難しい経過をおっているとのことでした。
顎位の偏位症例は難しいが、咬合平面が歪んでいる症例はさらに難しい
とおっしゃっていました。
先生のアドバイスとして、
拡大をしたあとにOCCをした方が顎位は安定するとのことでした。
全体を通して、難しい症例を治療する場合、
予想と反することが起きてもさまざまな手法手札を用い
修正していくことが大事だと教えていただきました。
今回はマイクロインプラントの治療の仕方などを学ぶことができてよかったです。
また態癖によりさまざまな歪みが起こるので、
子供に対する態癖指導の大切さや、
大人に対しても態癖指導をしていくことが大切だと思うので、
これからも取り組んで行きたいと思います。
歯科衛生士 中村由希子