平野先生プレゼン

 

主訴:

10年間右顎痛い

 

現症:

いつもくいしばってしまう、痛い部位は右頬骨部分

 

所見:

右咬筋発達、口腔内右上歯列舌側傾斜(口腔外圧+)、

左上下歯列の歪み(左頬杖)、

前歯部BOX型(下口唇巻き込み)下顎正中左にズレ

 

パノラマ所見:

ペリオ(-)、カリエス(チップからのカリエス+)

=力のコントロールが必要

 

CT所見:

骨格的な歪み無し

 

顎関節:

右ジョイントスペース小さい、左関節頭変形、

左回転し右奥へ押し込まれている、クリック無し

 

MRI診断:

右Ⅲa,Ⅳ合併、左Ⅰ,Ⅲa合併、左右円板小さい

 

以上により崩壊の過程を推測:

・睡眠態癖(右)により歯列の狭窄、咬合高径低下

・グラインディング斜め卵型咀嚼による歯の摩耗

・上下大臼歯部はまり込み、窮屈な咬合に

・長期にわたる仕事時強度のTCH

・右咬筋の痛み発症

 

診断:

咀嚼習慣等に起因する咬合低下による咀嚼筋痛

 

治療方針:

①    生活習慣指導(その時の患者さんが受け入れられることを1つずつ行う方針)

「1週間だけ歯を離してみましょう」

 

→一週間後、痛みが10から8に減少

(患者:治るかも、自分で治せることがあると気付く=モチベーションアップ)

 

②    全身写真で体軸が左に倒れているため、説明し、バッグ癖を指導

 

→リュックにしたら体の傾きがまっすぐになってきた

 

口唇癖や右肩下がり(右下うつぶせ寝と仕事の姿勢によるもの)は、

これからも時間をかけて指導していく

 

③    診断用スプリント(スタビリ)でRP模索

 

④    はまり込み咬合面形態のリシェイピング

(上顎3,3にCRを足し、ガイドをつける、C斜面の抱え込みをなくす)

 

→下顎が安定し、咬みやすくなった

 

ここまでが、咬合の基本治療。

 

まとめ:

咬合基本治療は、患者の協力度が大きくかかわっている。

特に序盤の生活習慣指導では患者の生活状況が第一であるため、

無理をせず、その方に合わせた指導が大事で、

平野歯科では1つずつ行っている。

患者の生活、人生、時期など全体でとらえ

その人の一番適したときに介入できるように行う。

患者のことを分かろうとすることが大事で術者は謙虚な気持ちでいること。

また、患者は自分のこととして改善に臨めるようにすること。

治療の中盤は術者主導になり、

終盤は患者=術者の対等な関係で治療を進めていっている。

 

感想:

主訴から診査、崩壊の道の考察、診断、治療計画、

基本治療と一つ一つ丁寧に行っている様子が印象的でした。

患者さんとの関係を大切にし、

患者さんのライフスタイル全体を考えた中での生活習慣指導は勉強になりました。

たくさんある態癖指導の中でも、

患者さんができそうなことでなおかつ効果が出そうなことをひとつ選び、

期間や目標を決めて提示する。

実践後効果が出たとき、

患者さんはその効果を実感できてモチベーションが上がり、

次につながっていくというステップはとても勉強になりました。

 

 

歯科衛生士 中村由希子

Webセミナーに参加いたしました。

 

 

①    咀嚼運動(グラインディング):

咀嚼側(作業側)と非咀嚼側(非作業側)の開閉口に時間差があり、

1.5㎜~2㎜程後ろに下がりながら開き、

顎関節窩の形の影響を受けるので垂直水平成分の要素を持ちながら

後ろサイクル状に咀嚼する。咬合面形態と歯列の影響を受ける。

 

後ろサイクルなので、

ICPから1.5~2㎜後ろの咬合面形態に干渉(下顎遠心、上顎近心部)があると、

サイクルが乱れ干渉になり、上顎前歯部などに咬合性外傷が出てくる。

 

 

・バイトが浅い人

チューイングサイクル:

水平成分が大きく左右の咀嚼サイクルの時間差が少ない

加齢変化:

グラインディングしやすく、横に咬耗して咬合面が削れていき、

咬合がズルズルしてくる。逆三角形チューイングサイクルになりやすい。

 

・バイトが深い人

チューイングサイクル:

垂直成分が大きく時間差が大きい

加齢変化:

下顎C斜面が立ち上がりやすくなり、はまりこんで破折しやすくなる。

 

 

咬合面形態:

咬合面展開角130度

 

A点せん断、B点圧断、C点切断し、咬合面のグルーブにより食べ物を切り、

三角形のあそびがあることにより、食べ物が流れていく。

グルーブがないと切れないので余分な力を入れて咀嚼する(包丁の役割)、

顎、歯周組織に負担をかけ、歯も沈み込む。

 

A斜面とC斜面部と中心の窩に三角形のあそび(空間)は、

咀嚼サイクルに影響する。

 

・オーバージェットがない(三角形のあそびがない)窮屈な咬合だと、

咀嚼サイクルは窮屈でクレンチングしやすくなる

 

・適切なオーバージェットがある(三角形のあそびがある)と

きれいな咀嚼サイクルになる

 

・オーバージェットがおおきいと、

ワイドなチューイングサイクルになる

 

 

オーバージェットが大きいと下顎の機能咬頭が上顎A斜面に届かなくなる。

そのため、下顎を大きく上顎のA点の方へ持っていき咬まないといけないので、

咬みにくく、疲れる。

 

クロスバイトはC斜面で切る(上顎のオーバージェットのあるところで咬む)

 

 

②側方湾曲、スピー湾曲の意味

 

下顎歯列およびボンウィル三角の半径4インチ(約10センチ)の球面の湾曲

 

前後的湾曲(スピー)、側方湾曲(ウィルソン)

 

咀嚼運動が顎関節と連動し、垂直水平的に動くので、湾曲を描く形となっている。

 

顎関節(関節窩)の形態:外側水平的な形、内側垂直的な形

 

・咀嚼作業側:開口(水平成分強い動き)、閉口(垂直成分強い動き)

・咀嚼非作業側:開口(垂直成分強い)、閉口(水平成分強い)

 

逆側方湾曲は、左右的な咬頭干渉となり、食べにくい形態

上顎A斜面が垂れ下がり、逆側方湾曲になると、Aを避けて食べるので、

サイクルが崩れ咬みにくくなる。

さらにグルーブがなくなると力を入れて咬むので、

歯が圧下埋まりこんでいき、咬合高径も低くなり、

さらに力を入れて咬むようになる。

くいしばり、肩こり、頭痛、全身の筋肉が緊張する。

 

ME機器でチューイングサイクルを調べなくても、

口腔内の形態、歯列咬合面形態を観察することにより、

ある程度理解できるようになる。模型のハンドリングも有効。

 

 

 

咬合面形態のリシェイピングにより、歯歯周にかかる余分な力が減少し、

咬耗や力による症状を軽減できる、食事もしやすくなる。

せん断、圧断、切断が容易になり、

食べ物の流れる溝ができることにより力の負担が減る。

 

・リシェイピング:

展開角強いところ、とがっているところを落とす、

三角形のあそびをつくる、ABC点をつくる、干渉部を取り除く

・グルービング:

面で当たっている咬合面に溝を入れる

 

下顎遠心、上顎近心部に干渉があると、後方の干渉になる

 

窮屈な咬合は、クレンチングを誘発し、

ペリオになると前歯唇側傾斜や骨欠損、バイトが低くなっていくので、

リシェイピングにより、改善させる。

 

 

感想:咬合面形態、前後側方湾曲を観察することにより、

良くない形態を見つけ、Drへ報告できるようにしようと思います。

「患者さんの訴えは95%が正しい」と筒井先生はおっしゃっていました。

なぜそのような症状が出ているのか理解するためには、

正しい形態を理解し、良くない形態を見つけること、

患者さんに詳しく聞き取りをすることだと思います。

患者さんが症状をおっしゃったときに、

なぜなのか原因を探せるように、観察聞き取りをしようと思います。

 

 

 

スプリント

 

・診断用スプリント:

スタビリ

 

・治療用スプリント:

改良アムステルダムスプリント、改良アムステルダムミニ、

改良アムステルダム片側ミニ、ASBP、ひさし型、アクチバトール、オクルーザル

 

・メンテナンス用スプリント:

側方ガイドスプリント

 

 

スタビリゼーション型スプリント:

一旦咬合を排除することにより、顎位を探す、短期使用

(長期使用するとバイトが低くなるので原則3か月まで)、犬歯ガイドは付けない

 

改良アムステルダム:

臼歯を自然挺出させる

 

改良アムステルダムミニ:

上下臼歯を自然挺出させる、

下顎をRPの位置でホールドさせることもできる

例)左下がりの咬合平面の場合:

右だけ入れる、左下伸びてほしくないときはとめておく

 

改良アムステルダム片側:

顎の偏位があるとき、提出させたいとき

 

ASBP:

夜、下顎がさがらないようにするもの、

バイト深い人(無呼吸症候群のひとなど)

 

ひさし型:

反対咬合の人(ミニやアムスプや片側型もある)

例)右前だったら右につけて左をてい出させる

 

オクルーザル:

歯の足らないところに歯を作ってあげる

 

アクチバトール:

寝ると下がるので臼歯自然挺出させるように、

頬舌を排除しながら下顎位をそこで安定させる、関節を安定させる

 

側方ガイドスプリント:

側方ガイドがない人にメンテ用で使用

(オープンバイト、バイトが浅い人など)

 

 

スプリント目的:

・低くなった咬合は、前歯テーブル当てて、臼歯を自然てい出させ元の高さに戻す

・下顎RPへ持っていき、関節を安定させる

・顎関節症の治療(Ⅲb、4型だと関節が安定するのに5年はかかる)

 

Ⅱ級Ⅱ類の人には、日中アムスプ、夜ASBPを使用

 

スプリントは非可逆的な矯正装置のようなもの。

正しく使えば、生体本来の治癒能を引き出す。間違うと生体を壊す。

歯は、圧下やてい出をする、

対合歯との間に空隙があると当たるところまで伸び出る

間違った状態でスプリントを入れると歯は沈み込む、

バイトが深くなる、顎関節に症状が出る、全身に症状が出る。

 

加齢現象の中で咬合高径は低くなる、

筋肉の長さは同じ、過剰な力が関係している。

個体差はあるが、加齢の中でバランスが崩れると症状が出る。

咬合高径を戻してあげることで、崩壊のスピードを緩め、

症状が出ない程度に戻し、長期安定できるようにしてあげると、

身体は崩壊が止まり、良い方向へリモデリングしていく。

 

 

感想:

個体差の把握をし、治療の方法がたくさんあると

その方にあった対応ができると思いました。

何が原因か崩壊の道筋を考え、その逆をたどると身体は治っていく。

筒井先生は治すためにはどうしたらよいのかを常に考えていらっしゃいました。

不定愁訴や顎関節症などは、

全身から診ていかないといけないということを学びました。

 

 

歯科衛生士 中村由希子

福島県立医科大学 吉岡先生ご講演

「明日からの診療に役立つ『新型タバコ×歯周病』アップデート」

 

大阪国際がんセンター 田淵先生ご講演

「新型コロナ・新型タバコ時代の禁煙支援」

 

 

新型タバコとは…

 

・電子タバコ(ニコチンを含むもの、ニコチンを含まないもの)

・加熱式タバコ(アイコス、プルームテック、グロー)

 

 

・加熱式タバコ:

蒸気を吸う、タバコ葉を温める、タバコ製品、公に流通している

 

・電子タバコ(ニコチン入り):

蒸気を吸う、リキッドを温める、医薬品・医療機器、公には流通していない

(ニコチンを含まなければ電子タバコは一般に販売されている、

ニコチン入り電子タバコは日本では法律により医薬品と定義され、

現在承認されているものは無い)

 

患者さんが「電子タバコ吸っています」と言われたら、

加熱式タバコかもしれないので製品名などの確認が必要。

 

 

①    喫煙と因果関係がある(とされる)口腔疾患:

歯周病、口臭、う歯、インプラント周囲炎、歯槽骨炎、

口腔がん、口腔潜在的悪性疾患、白板症、紅板症、

口腔扁平苔癬、口腔粘膜化線維症

②歯周病は禁煙と歯周治療により改善する

① 、②はエビデンスがある。

 

 

禁煙指導は簡単ではないが、行動変容のステージ・関心期にカウンセリングとニコチン置換療法を併用した集中療法が禁煙に有効であるとの研究結果がある

 

(行動変容のステージ:無関心期→前熟考期→熟考期→準備期→実行期→維持期)

 

 

現在は新型タバコと口腔疾患の因果関係はエビデンスが乏しく研究結果が出ていない。

 

しかし、電子タバコ使用者は非喫煙者と比較したとき、

 

1,歯垢指数

2,臨床的アタッチメントレベル

3,歯周ポケットの深さ

4,インプラント周囲の骨吸収

5,レントゲンでの骨レベル

が悪いようである

 

新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの一つに喫煙がある

 

 

感想:新型タバコの種類と特性を知ることができました。

日本の加熱式タバコのシェアは、

世界一(世界シェアの96%)だということを初めて知りました。

それは、2016年日本のテレビ番組で加熱式タバコが紹介されてから

急激に増加したそうです。

販売品には健康を害する可能性を書いていますが、

はっきりと見やすく書いていなかったり、

テレビ番組で紙タバコよりも害が少ないような報道がされたため、

日本での流通が多くなっているようです。

紙タバコと加熱式タバコの血中ニコチン量は紙タバコの方が多いが、

血中濃度の時間的推移に差はなく、

量が少ない分、加熱式タバコの方が依存度が高くなる可能性があるため、

吸う回数が増えたりするということです。

そのため、虚血性心疾患や肺がんになるリスクは変わらないというお話でした。

日本では、副流煙が少ないという理由で、

周りに配慮したい気持ちから加熱式タバコにされる喫煙者が多い。

そのため、禁煙指導では頭ごなしに喫煙が良くないということをいうのではなく、

喫煙者のそういう配慮を尊重したうえで、

どういう理由で吸い始めたのかなどを聴くことから

禁煙への手助けをするといいとおっしゃっていました。

たばこの害は明らかなので正しい知識を知ってもらうように

歯科衛生士としてお伝えすることが大切だと思いました。

 

 

歯科衛生士 中村由希子

歯科衛生士北山阿巳先生の勉強会に参加致しました。

 

<シャープニング>

シャープニングが正しくできているかを確認するためには

側面の研いだ面をみて評価することも重要になる。

砥石の動きは安定しているか、ヒールからトゥまで研げているか、

カッティングエッジに対して正しい角度で砥石を合わせているか。

 

ポイント

・一面に研ぐ

・シャープな側方=エッジがある=反射しない

 

<ミニファイブスケーラー>

・ミニはヒールからトゥまで一面で研ぐ、

スタンダードと同じように研ぐとすぐに細くなってしまうので注意

・スケーラーと砥石を少し斜に倒すと一面で当たる

・スタンダードを研ぐ回数の三分の一のストローク

 

<シックルスケーラー>

第一シャンクは真っ直ぐ

砥石は20°傾ける

テストスティックにかける時も傾けない

内面に丸みがあるときはヒールからトゥの順に研ぐ

 

<SRP>

-先端1/3を使って歯石をはじく-

自分の問題点

SRPを見ると力が入り、先端が歯から離れ無意識にミドルではじいている

深い縁下歯石を弾く時に終点を決められていない

 

改善

先端1/3で触る角度を常に意識すること

手指屈伸で縁下を取ると滑って終点を決められない、

前腕回転でのSRPをくせづける

動かす距離を小さくする、現在は滑って長くなっている

グレーシーのスタンダードを隣接に挿入する際、歯肉を広げ過ぎている。

手の力を抜き、カッティングエッジを歯面に沿わせる

 

 

講義を受けて

 

実技を見てもらい、SRPの良くないクセを直していただきました。

正しい角度と動きを再確認できました。

よく研げたスケーラーを使い、

患者さんと術者双方に負担の少ないSRPができる様日々練習に励みたいと思います。

 

 

歯科衛生士 芦澤真理

 

穴沢 有沙先生

「こんなに丁寧に聞いてもらったのは初めて!」

と言ってもらえるカウンセリングの技法

 

・カウンセリングとは

・個人のもつ悩みや不安などの心理的問題を助言・解決していくこと。

・顧客満足度は、「実際に感じた価値」―「事前の期待値」からなる。

・丁寧にヒアリングして相手のニーズを理解することが大事である。

 

★カウンセリングテクニック

1)ヒアリングファースト

  相手の知りたいことを見極めて伝える。他の説明はその後。

2)話を受け止める

  ペース・視線を合わせる・オウム返しをする。

3)聴き手の状態を想像する

  思い込みを捨てる。フィルターを排除して、自分の意見は入れないように。

 

ヒアリングし、患者さんを「目的志向型」か「問題回避型」か見極める

目的志向型・・・目標達成のためやる気を出す→もっときれいになりますよ

問題回避型・・・リスクを回避するためにやる気を出す→このままでは歯が抜けますよ

アドバイスの伝え方を変えることで効果が上がる

 

ヒアリングした後は、過去(どうして?)、現在(問題点)、未来(どうなるか?)

をお話しし、患者さんに治療内容を「選んでいただく」ことが重要。

 

 

講演会では、患者さんの「聞きたい」ことをピンポイントで伝えることで、

期待以上の価値を感じてもらえ、満足度がアップすることを学べました。

人それぞれ目標ややる気が違うので、

伝え方を工夫する技法は目からウロコでした。

ぶっきらぼうに見える患者さんにも、先入観を捨てて接することで、

その方のためになる診療ができると思います。

どんな方にも「この人は私に合っている」と

信頼してもらえるような衛生士を目指したいと思いました。

 

 

歯科衛生士 穂積明枝