2024年3月1日(金)お台場にオープンした「イマーシブ・フォート東京」に行ってきました。3月1日オープン初日に行けたのでオープン初日レポです。

 
ここは2018年USJ「ハロウィーン・ホラーナイト」のコンテンツ『ホテル・アルバート』で一躍有名になった、体験型演劇「イマーシブシアター」を始め、各アトラクション・ショーに”イマーシブ”=没入感の要素を全面に取り入れた、世界初のテーマパークになります。公式サイト
というより、このパークを製作した「株式会社 刀」はそのホテル・アルバートなどホラーナイトのコンテンツを作られた製作陣が多数関わられている企業なので、簡単に言えば同じく同社が手掛けた西武園ゆうえんちにUSJホラーナイトのコンテンツを当て込んでいる感じです(雑)。

また、2022年3月に閉館した「ヴィーナス・フォート」の跡地に開設され、基本的には当時の造形・内装をほぼそのまま再利用している形になります。

 

 

◯チケットについて

今回初日レポ=Webチケットの争奪戦に勝利!しましたので、その忘備録なんかを。

 

1月18日(木)17時より販売開始になりましたが、予想通り開始直後はアクセス集中でサーバーダウン。チケットの争奪戦、そして後に転売ヤーとの攻防・全面戦争が繰り広げられ

と思ったら1時間後くらいにはサーバーも復帰し、チケットもオープン直後の特定日だけ限定の「パス・オールインクルーシブ」(※後述)は全日売り切れてたものの、その他はオープン初日や直近の土日含めて、チケットは全然余裕で購入できました。

 

このパークのチケットは色々種類があって一見複雑そうですが、実は結構単純です。まず、基本チケット「1dayイマーシブ・パス・カジュアル6800円があり、それに追加料金が必要なコンテンツが下記の3つ。

「ザ・シャーロック」  3500円

「東京リベンジャーズ」 3500円

「江戸花魁奇譚」    9000円

 

上記のアトラクション料金が含まれたセット券「1dayイマーシブ・パス・スタンダードプレミアムだと、それぞれ単体で買うより500円(江戸花魁奇譚は1000円)安くなります。

 

待ち時間をスキップできる「VIPラインパス」は「第五人格」、「ジャック・ザ・リッパー」、「イマーシブ・ストーリーズ」にあって(「推しの子 イマーシブ・ラリー」はなし)、それぞれ1000円。3つセットになったのは3000円と金額は単体で買うのと変わりませんが、これにはレストラン「カーサ・ディ・ペローニ」(「ザ・キャバレー」じゃない方)の優先案内が付きます。

 

前述のよう、各チケットは土日含めて発売開始後にすぐ売り切れるって感じではなく余裕をもって購入できる状態(2024年3月現在)ですが、「江戸花魁奇譚」は売り切れになりやすいので購入はお早めに。

理由としては、人気・話題の他にザ・シャーロックや東京リベンジャーズは一度に120人とか180人くらい参加できるのに対し、江戸花魁奇譚は30人しか体験できないというのもある。

 

以上に加え、開業記念チケットとして追加料金が必要な3つのアトラクションとVIPラインパスが全て含まれた「パス・オールインクルーシブ」が、3月1日(金)、2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)限定で販売されました(前述のよう、チケット販売開始後すぐに全日分売り切れています)。

なお、価格は23800円。単体で全部購入すると24800円(パス・プレミアム14800円+追加料金アトラクション2つ7000円、VIPラインパス3000円)なので、金額的に実はそんなにお得でもない。

 

なお、チケットは全てWebチケットのみで、現地にチケット窓口はいっさい無いので、ご注意を。有料コンテンツの当日券も(在庫あったら)現地でWebにアクセスして買う感じです。

 

 

→これらのチケットの名称がぶっちゃっけ分かりにくかったからか、3月26日より名称が変更されました。内容・金額は変更なしです。

 

 

◯2024年3月1日(金)グランドオープン初日レポ

相変わらず前置きが長くなりましたが、お待たせ致しました「初日レポ」をしていきます。

 

この施設は初日3月1日を含めて、特定日を除いて平日・休日共に11時オープン(※閉園は平日19時、休日20時という感じ 営業カレンダー)。

しかし、私は今回「ザ・シャーロック」(初回11時15分~)付きチケットだったので、混雑を見越して1時間前の10時頃に到着・列に並びました。

(10時頃の様子。まだ全然並んでいませんが、30分後にはりんかい線方面の、デッキに上がる階段下までの列ができていました。)

 

お台場自体、何気に1年ぶりに来たのですが、パレットタウン(観覧車等)の跡地って今こんな感じになっているんですね。

 

ちょっと早めに、10時45分頃に開園。初日だからセレモニー的なものあるかなと思ったら、何もなく普通に開園しました。

 

というか11時頃には入場待機列はほぼ無くなってたみたいだから、別に早く来て並ぶ必要なかったね。

 

まぁ時間あったので、まずはパーク内を見回りました。結構ヴィーナス・フォートそのまんまって感じです。

 

こちらが「イマーシブ・フォート東京」のマップ。

 

それに対し、「ヴィーナスフォート」時代のマップがこちら。

 

ヴィーナスフォートにイマーシブ・フォートの配置を当て嵌めると、恐らくこんな感じになります。

「東京リベンジャーズ」と「江戸花魁奇譚」はともかく、「ジャック・ザ・リッパー」は2階部分に空いてるスペースがたくさんあるのに、なぜわざわざ3階の端かつ分かりにくい位置に作ったのだろう…?

 

 

サックス演奏している人とか、カフェで黄昏ている人(アクター)もいたり、これらが”イマーシブの世界”なのでしょう。

 

華やかな通路と、その脇には暗い(iPhoneの機能で明るく撮れてるけど、実際はもっと暗い)路地裏みたいな通路もある。

 

でも、ここを何か演出で使っているかというと特に何も無し。というか何も使っていない部分がまだ多くて、一部シャッター街みたいになってるんですよね・・・。

 

長めの通路の先にもトイレや喫煙所しか無かったり、行き止まりで本当に何も無い所もある。

一応このパークは”夜”という設定で「治安が悪化しているため夜間営業を自粛している店舗が多い」というバックストーリーがあるようですが、正直こじつけ感が強い。

なお、ヴィーナスフォート時代は朝から夜の変化を表す照明演出がありました。

 

時間になったので、いよいよメインの”イマーシブシアター”のアトラクション「ザ・シャーロック」を体験します。

 

一番上のキャッチコピー「人生、全とっかえ。」とあるよう、きっと自分以外の何かになれるような、凄い経験が待っているのでしょう・・・!

  

「ザ・シャーロック」体験中・・・

image

 

「ザ・シャーロック」を始め、パークの各アトラクションについては下記記事にまとめましたので、ここでは簡単に所感を。

 →「イマーシブ・フォート東京のアトラクション」

 

うーむ、イマーシブシアターの要素が「色々な所を歩き回るから疲れる」というデメリットしか感じなかったぞ・・・。アクターさん達の演技も、まぁみんな勿論プロなんでしょうけど、そこまで凄いって訳じゃ・・・?

 

つまらないって訳じゃなかったけど、自分はこれの良さがあまり分からなかった・・・。

 

 

90分という長丁場というのもあって、時間も13時近くだったので、昼食休憩。

◯昼食(レストラン「カーサ・ディ・ペローニ」)

 

イタリアンレストランで、確かヴィーナス・フォート時代もこういう感じのレストランがここにあった、はず。

 

ここのお店は「店員みんなが昔からの知り合いのように話しかけてくれる」、「自分がお店の常連だと思ってしまう」という演出がコンセプト。なので店員さんは

「そのコート、この前と同じですよね?」

「髪切りました?」

「メニュー、今日もいつものにしますか?」

みたいな感じで話かけてくれます。

かなり無理して聞いている感じで凄く不自然です。こんな演出、ぶっちゃけいらない・・・。

 

食べたのはポークカツレツ(2800円)とビール(1000円)。高いけど味は美味しい。

 

なお、今回上記のVIPラインパス・セットにて優先利用ですぐ入店できたのですが、席はガラガラだったので別に必要なかった

と思いきや外には入店待ちの行列ができていました。席が空いてても、オペレーションの関係で案内を絞っていたようです。

 

なお、このパークは再入場不可なのでご注意を。というかこれが想像以上にキツい。飲食店はレストラン2つと後述の軽食がテイクアウトできるカフェの1つしかなく、こんな感じのオペレーションなので混雑時は食事難民になりやすい(それ以前に飲食の価格が総じて高価なのも問題)。

また、アトラクションが少なく、有料コンテンツもショーも時間が指定されているので、変に間が空くとパーク内でする事が無くなります

※これは同じく株式会社 刀がリニューアルを手掛けた「西武園ゆうえんち」が抱えている問題点と同じ。つまり…

 

まだ小腹が減ってたので、隣のカフェでデザート。

 

「白玉と季節のフルーツのパフェ」、1200円

 

あと1つ、「東京リベンジャーズ」とコラボしたレストランもあります。

 

 

◯午後の部(ショー編)

アトラクションのVIPラインパスがどれも16時台だったので、午後はまずパーク内のショーを見て周りました。

 

ちょうど食事終わりに始まった、「パーティ・フェスタ!」

 

これは確かに華麗なショーで素直に凄かった。こうやって選ばれたお客さんがステージに上がって一緒に踊るのもあります。

 

最後はUSJでもお馴染の、紙吹雪でフィニッシュ。

 

 

トイレ行ったりちょっと休憩してたりしてたら、またちょうど近くで「スパイ・アクション!」が始まった。

※このショーは「突如始まる銃撃戦に巻き込まれる」という設定のためか、いつやるかスケジュールに記載されていない。また、平日だとやってない日もあるみたい。

 

こうやって観客が犯人達に銃を突きつけられて人質にされたり、袋を頭に被せられてロシアンルーレットを強いられたりします。

 

しかも人質の1人はお客さんではなくアクター(サクラ)で、撃たれて血を流して苦しむという生々しい演出も。

 

最後は銃撃・格闘戦が繰り広げられます。

うーん、これはなんか安い三文芝居見てる気分だったな。

 
またしてもタイミング良く(というか運営の都合上そうなってる?)、ショーレストラン「ザ・キャバレー」が始まっていたので、店外から見ます。

 

内容的にパーティフェスタに似ている、というかキャストが一部同じ? そうだとしたら、こういうところは効率化してるんだなぁ・・・。

※なお、日本で「キャバレー」というと風俗店、ちょっとアレなお店を想像しちゃうかもですが、本来の「キャバレー」とはダンスやコメディショー等のパフォーマンスをする舞台のあるレストランやナイトクラブのこと。

 

因みに日本のキャバレーは2010年以降は殆ど姿を消し、2020年2月に新宿歌舞伎町のキャバレー「ロータリー」が閉店した今、全国に8店舗くらいで関東圏には1つも無いらしい。

 

あと、アトラクション・ショー 一覧にない(スケジュールリストにはある)ショーで「ベイカーズ サーカス」というのがありますが、これは上記の「ザ・シャーロック」にて終盤に行われるサーカスショーを、アトラクション参加者以外でも見れるというものです(少し離れた所で柵にて仕切られてて、そこから見る)。

 

 

◯午後の部(アトラクション編)

時刻はまだ15時過ぎでしたが、この時 「ジャック・ザ・リッパー」が10分待ち程度だったので、VIPラインパスを待たずに利用。

 

これはもう、普通にUSJのハロウィーン・ホラーナイトのアトラクション(ホラーメイズ)です。演出もUSJでこれまでに使われた物が多数流用されています。

 

USJとかに比べると造形にやや荒削りな部分があるのと、肝心のジャック・ザ・リッパーのアクターだけ何故か演技が下手なのが気になりましたが、クオリティは高め。

それに一時休止するタイミングの関係で、本来複数人で行くこのアトラクションに私1人で入ったから、めちゃくちゃ怖かった。

 

 

「イマーシブ・ストーリーズ」は常に待ち時間が無かったので、これも普通に利用。内容的には可もなく不可もなく、って感じ。

①「ヘンゼルとグレーテル」ルートと②「魔女」ルートの2コースあってそれぞれ演出が異なるので、2周した方が勿論良いのですが、時間が無かったら①は一般的に知られているストーリーなので、②「魔女」ルートを優先した方がいいかな。

 

 

あと「推しの子 イマーシブ・ラリー」もやりました。これは受付がパークにあるとかではなく、パーク内の看板もしくはガイドマップにあるQRコードを読み取って、LINEを使用した謎解きラリーをするというものです。

 

このパーク最大のガッカリポイントだと思います。謎解きラリーが凄く陳腐で、肝心のライブショーはパークワイドで行われて誰でも見れるという・・・。

はっきり言って、アトラクション(謎解きラリー)に参加する意義はありません。暇つぶしには良いかもしれませんが・・・。

 

 

「第五人格」は普通に75分待ちとかだったので、VIPラインパスで利用しました。

 

賞賛する声もちらほら聞こえますが、個人的には上記の「推しの子」に並ぶガッカリアトラクション。単純にミッションクリア型としてクソつまらない。

 

前述のよう、各アトラクションの詳しい内容については、こちらの記事もご覧ください。

 →「イマーシブ・フォート東京のアトラクション」

 

VIPラインパス・セットを購入したものの、結局使ったのはレストラン優先案内と第五人格だけだったな・・・。まぁ、両者とも効果は大きかったから良しとしよう。

 

 

〇所感

一言で言えば「西武園ゆうえんち」がもっとマニアックなコンテンツになったみたいなもんです。基本チケットが(大人)6800円はパーク内のパフォーマンスありきの設定でしょう。


本格的な「イマーシブシアター」の要素があるのは追加料金が必要であるアトラクション(「ザ・シャーロック」、「東京リベンジャズ」、「江戸花魁奇譚」)で、その他の(入場チケットのみで楽しめる)アトラクションは確かにイマーシブな要素があるけどぶっちゃけ普通なので、良く言えば気兼ねなく楽しめると思います。

イマーシブの意味は”没入”、なので言ってしまうとスタッフが話しかけてきたり、選択・行動によって演出がちょっと変わるとか、ミッションクリア型もイマーシブと言えばそうですからね…。

 

イマーシブシアター等の要素を一般層にも広めていくというのがここのコンセプトらしいですが、各コンテンツや金額設定的にはとても一般向けとは思えず、今は話題性で集客できていますが(※)、最終的には結局「一部のマニア」にしか受け入れられないと思います。

※オープン間近になるとニュースやバラエティなどメディアに多数取り上げられ、「ガイアの夜明け」にて開業までの密着取材による特集がオープン日当日に放送されるなど、メディアによるゴリ押しがウザ

凄く宣伝に力をいれていて、きっと莫大な広告費をかけているのでしょう。

1番の懸念は「コスパ」かなぁ。チケットは6800円、有料コンテンツ含めば10000円から15000円くらいするから、それなら(割と近くにある)東京ディズニーランド行こうかって、普通は思いますよね・・・。

 

前述のようにまだまだ未開拓のスペースが多いので順調に拡張していけば凄く良いパークになりそうですが、ぶっちゃけそんなに持つかな。(ここのエリアは元々再開発が予定されていて、建物の耐用年数的にも長期の存続は厳しい、はず。)

実際、Googleでの評価は平均3.0を切っており、口コミも辛辣なコメントが多い。(3月15日現在)

 

また、3月7日にはGoogleのポリシー違反である「(Googleの)口コミ投票でクーポン券プレゼント」という行為が行われ、運営が謝罪するという事態も発生しています。

 

4月22日の日経MJには「没入できた! は追加料金次第」といった調査記事が出ました。

 

上記にもあるよう、高評価続出の「江戸花魁奇譚」はこの日以降もチケット売り切れの日が続いてなかなか体験できませんでしたが、先日なんとかお金の工面

予約と休みが取れたので体験してきました。下記のリンク先をご覧ください。

 

 

でも、今の私には家族がいて、平凡・普通に生活できているので・・・

 
「人生 全とっかえ」なんか必要なく、そんなことしなくても十分幸せなことに、改めて気付けました。

 -完-

 

 

 

いや、それ

没入体験が売りのテーマパークで言っちゃ駄目じゃ⁉︎