ユニバーサルスタジオ・ジャパンにて2011年からもう13年(※2008年のユニバーサル・サプライズ・ハロウィーン時代から入れると16年)以上開催している、秋のハロウィンイベント「ハロウィーン・ホラーナイト」。投稿された記事を整理して、各年の開催概要をまとめました。

 

○「スペシャル・ハロウィーン・ナイト」(2008年~2010年)

(2011年から始まった)「ハロウィーン・ホラーナイト」の前身は、「スペシャル・ハロウィーン・ナイト」という通常営業終了後に追加料金(単体4000円、通常券とのセットでは+2500円程)を支払うことで参加できる特別イベントでした。パーク内のゾンビ等は主に普段ショーやパレードに出演しているアクターが担当、追加料金が発生するためか(当時流行していた)お笑い芸人を招いたライブなども開催。また「常連向け」という一面もあったようで、「ビートルジョーズ」や「綾小路麗華」、「ディーコン」もホラーエリアやショーに出演したり、またホラーアトラクションも内輪ネタ的な要素が強かったみたいです。

 

USJ「スペシャル・ハロウィーン・ナイト2008」

ホラーゾーン:「アミティビレッジ」、「ジュラシックパーク」

ホラーアトラクション:「ジョーズ」イベント時のアトラクション名は「呪いの泉 ~ジョーズが怨念!?~」、「ジュラシックパーク・ザ・ライド」イベント時のアトラクション名は「ゲット・ウェット」、「ハリウッドドリーム・ザ・ライド」(どのサウンドトラックを選んでも、イベント用のロックミュージック+悲鳴になってしまう)

ショー:「お笑いライブ」、「ピーターパンのネバーランド特別版」(※当時園内のラグーンで実施されていたナイトショー)

 

 

USJ「スペシャル・ハロウィーン・ナイト2009 ~エンジョイ・ホラーなフライデーナイト~」

ホラーゾーン:「アミティビレッジ」、「ジュラシックパーク」、「セントラルパーク」(新)

ホラーアトラクション:「ジョーズ(呪いの泉 ~続・ジョーズが怨念!?~)」、「ジュラシックパーク・ザ・ライド(「ゲット・ウェット」)」、「ハリウッドドリーム・ザ・ライド」、「バックドラフト」(新) (通常とは逆に、火災シ-ンの部屋から進む)

ショー:「お笑いライブ」、「ピーターパンのネバーランド特別版」、「ホラー トークライブ ~桜金造のテレビでは言えない怖い話~」(新)

 

 

USJ「スペシャル・ハロウィーン・ナイト2010 ~さらにとんでもない夜になりそうだ~」

ホラーゾーン「ゾンビワールド」:「アミティビレッジ」、「ジュラシックパーク」、「セントラルパーク」

ホラーゾーン聖飢魔II プレゼンツ・スーパースケアリーゾン」:「サンフランシスコ」(新)

ホラーアトラクション:「ジョーズ(呪いの泉 ~続々・ジョーズが怨念!?~)」、「ジュラシックパーク・ザ・ライド(「ゲット・ウェット」)」、「ハリウッドドリーム・ザ・ライド」
ショー:「お笑いライブ」、「ピーターパンのネバーランド特別版」(聖飢魔IIキュートンとコラボ)(新)、「THE 執事ナイト」(新)

 

 

2011年より現在の概要となった「ハロウィーン・ホラーナイト」が実施されますが、初年度2011年では昨年までの特別イベントと区別化をするためか「今年のハロウィンイベントは、追加料金なしでお楽しみいただけます」と強調されていました。

 

○「ハロウィーン・ホラーナイト」(2011年~)

USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2011 ~全てはここから始まった、園内に100体のゾンビ~」

2022年現在における「ハロウィーン・ホラーナイト」記念すべき第1回目の開催。この年は金・土・日のみの開催で、まだホラーメイズや映画等の作品とのコラボもなく、ホラーVerになるアトラクションも2機種のみでストリート・ゾンビも園内の一部のみと、やや小規模なものでした。今となっては信じられないと思いますが、当時のナイトパレードもホラーナイトと同時に実施されています。

「ジョーズ ~ホラーバージョン~」(新)
「スペースファンタジー ザ・ライド ~ホラーバージョン~」(新)


USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2012 ~2年目の開催は全てがパワーアップ!~」 

2年目の開催より有名作品とのコラボも始まり、「バイオハザード」はアトラクションだけでなく、ストリート・ゾンビでも1つのエリアになりました。2023年現在のホラーナイトの基礎はこの年で大方固まっています。2023年現在のホラーナイトで唯一、この年はゾンビのダンスパフォーマンス「ゾンビ・モブ」が実施されていません(恐らく、バイオハザードのエリアがあったのが大きい)。

「バイオハザード tウイルスエスケープ」(新)
「ジェイソンのブラッドダイナー」(新)
「ザ・マミー・ミュージアム2」(新)※この年の4月~6月に「1」を実施したため
「ジョーズ ~ザ・ゴーストボート~」(2)
「スペースファンタジー ザ・ライド ~イン・ザ・ダーク~」(2)
「ハリウッドドリーム・ザ・ライド ~ホーンテッドBGM~」(新)
「ウォーターワールド ~ディーコンのスケアリーバックステージ~」(新)

 

USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2013 ~ゾンビ3倍、絶叫無限大!~」 

タイトル通り、ゾンビの数や対象エリア拡大がプッシュされました。「園内だけでなくアトラクション待ち列やレストラン、ショップの中までゾンビが侵入してくる!」と宣伝がありましたが、実際はそこまで行われなかった、気がする。一般客の振りをしたアクターが紛れていて、ゾンビ達に襲われる演出も登場。一方で、昨年まで様々な衣装・タイプのゾンビがみんなほぼ同じ外見(ボロボロの服装)になってしまったのは不評でした。
夜のホラーアトラクションはその年に公開された映画「貞子 3D 2」に合わせて、各アトラクションにて貞子が出現する演出に。

「ダークレストラン」(新)
「バイオハザード・ザ・リアル」(新)
「ジェイソンのブラッドダイナー2」(2)
「ザ・マミー・ミュージアム3」(2)※同上
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」 (新)
「貞子 ~スペースファンタジー・ザ・ライド~」(新)
「貞子 ~バックドラフト~」(新)
「貞子 ~ジョーズ~」(新)
「貞子 ~ジュラシックパーク・ザ・ライド~」(新)


USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2014 ~今年はマジでヤバい…!~」 

凶悪な囚人のゾンビ「スーパー・ゾンビ」が登場。刑務所へ輸送中の囚人が脱走し、USJ方面へ逃走。USJでは突如、謎の「ゾンビウイルス」が蔓延しており、その結果ウイルスに感染しゾンビ化した囚人達が、USJ園内で殺戮を繰り広げる、という明確なバックストーリーが作られました。園内各所に設置されたスクリーン及び特設サイトにて、ニュース番組としてUSJの現在の被害状況が報道される演出も。
ホラーメイズでは「チャッキー」(映画「チャイルド・プレイ」)がこの年初登場、ホラーアトラクションは貞子に代わって「呪怨」が登場しました。

※余談ですが、この年の2年後に貞子(リング)と呪怨のクロスオーバー作品「貞子 vs 伽椰子」が製作されています。監督インタビューを見る限り、USJの本企画とは全く関係はないようです。

「ダークレストラン」(2)
「チャッキーのホラーファクトリー」(新)
「バイオハザード・ザ・リアル2」(2)
「ジェイソンのブラッドダイナー3」(3)
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」(2)
「貞子 ~スペースファンタジー・ザ・ライド~」(2)
「貞子 ~バックドラフト~」(2)
「呪怨 ~バック・トゥ・ザ・フューチャー~」(新)
「呪怨 ~ジュラシックパーク・ザ・ライド~」(新)


USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2015 ~過去最大のボリューム~」 

この年から10月は毎日開催となりました。新作のホラーメイズは3つで、その1つが過激な内容で話題になった強要型ホラーメイズ「トラウマ」。開催から8年経った2023年現在でも伝説のホラーメイズとなっており、そして現在もこのブログぶっちぎりでアクセスを頂いている記事が、このトラウマの記事になっています。

ホラーアトラクションは「学校の怪談」が新たに登場しましたが、その他は昨年の貞子と呪怨のがそのまま続投。

「エイリアンVSプレデター」(新)
「エルム街の悪夢」(新)
「チャッキーのホラーファクトリー2」(2)
「バイオハザード・ザ・リアル3」(3)
「トラウマ」(新)
「学校の怪談 ~シネマ4D~」(新)
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」(3)
「貞子 ~スペースファンタジー・ザ・ライド~」(3)
「貞子 ~バックドラフト~」(3)
「呪怨 ~バック・トゥ・ザ・フューチャー~」(2)

 

USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2016 ~Jホラーエリア新登場~」 

この年から"毎日開催"になり、新たに和製ホラーエリア「Jホラーエリア」が登場("J"はJAPANのJ)。そしてこのエリアに"本物の曰く付きの人形を使った"ホラーメイズ「TATARI」も登場。ただし、倫理的な観点から問題視され、このホラーメイズ及びJホラーエリアはこの年が最初で最後になってしまいました。
企画内容が問題視されるのは、"炎上商法"としてある程度は認識・想定されていたことであったらしい。
また、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」では同作品の悪役がエリア内でパフォーマンスするイベント「デスイーター・アタック」が初開催(これも最初で最後の開催)。完全日本オリジナルのイベントで、日本の製作チームが考案、ハリーポッターシリーズの原作者に監修して貰ったものとのことです。その後、2019年頃?にフロリダの同エリアで"逆輸入"という形で実施されたという情報もあります。

「デスイーター・アタック」(新)
「Jホラーエリア」(新)
「TATARI」(新)
「エクソシスト」(新)
「エルム街の悪夢」(2)
「学校の怪談 ~バックドラフト~」(新)
「トラウマ2」(2)
「チャッキーのホラーファクトリー3」(3)
「学校の怪談 ~シネマ4D~」(2)
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」(4)

 

USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2017 ~バラエティ豊かなゾンビ達に会える~」 

ストリート・ゾンビに、ピエロや巨大ゾンビ等が登場。2022年までに行われたストリート・ゾンビの原点になった年です。ホラーメイズでは、「バックドラフト」の設備及びその裏手に作られた森で行われる「デッドマンズ・フォレスト」(※)が初登場。また、2022年まで行われた「カルト・オブ・チャッキー」もこの年初登場です。
※発表当初は「デッド・オア・アライブ」というタイトルでしたが、1週間後に変更になりました。同名ゲームがあるからでは?と言われていましたが、商標登録上は分類(この場合はゲーム作品とお化け屋敷等の娯楽施設名称)が違ければ問題はなく、実はこちらの商標が問題であったと思われます。

「デッドマンズフォレスト」(新)
「カルト・オブ・チャッキー」(新)
「エルム街の悪夢」(3)
「エクソシスト」(2)
「トラウマ3」(3)
「学校の怪談 ~シネマ4D~」(3)
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」(5)

 

USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2018 ~大人ハロウィンでコンテンツ一新~」 

新たに「大人ハロウィン」というコンテンツが登場しました。当時日本では一般的には殆ど知られていなかったイマーシブシアターという演出を取り入れた、「ホテル・アルバート」は話題になり、イベント期間後半はチケットの入手が非常に困難になったほど。また、「インシアディス ザ・ラストキー」、「サイレンス・イン・ザ・ゴーストシップ」とこの年限りになったホラーメイズも多いです

「ホテル・アルバ-ト」(新)
「インシアディス ザ・ラストキー」(新)
「サイレンス・イン・ザ・ゴーストシップ」(新)
「ブラッド・レジェンド」(新)
「ザ・サバイバル ~デッドマンズフォレスト2~」(2)
「カルト・オブ・チャッキー」(2)
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」(6)

 

USJ「ハロウィーン・ホラーナイト2019 ~新要素が盛り沢山!?~」  

「ラタタ・ダンス」が登場し、2022年度まで使用されるヒットになります。

「大人ハロウィーン・エリア ~呪われた薔薇園~」(新)
「パークサイド・グリル ~呪われた薔薇の宴~」(新)
「バイオハザード ザ・エクストリーム」(新)
「エリア51」(新)
「スペースファンタジー・ザ・ライド ~ブラックホール~」(新)
「ホテル・アルバ-ト」(2)
「カルト・オブ・チャッキー」(3)
「ブラッド・レジェンド」(2)
「貞子 ~ターミネーター2:3D~」(7)

 

〇2020年のホラーナイトは実質中止

本来であれば2020年も開催予定であったハロウィーン・ホラーナイトですが、年初から広まった「新型コロナウイルス感染拡大」の影響で開催が危ぶまれていました。そして9月3日、USJより「2020年は例年とは異なるハロウィーン・イベント」を開催と発表。実質的にハロウィーン・ホラーナイトは開催中止ということになりました。前年2019年好評であった「ラタタ・ダンス」は、パークキャラクターによるライブショーの1つとして取り入れられました。

 

〇2021年、2年ぶりにホラーナイトが開催

USJ「NO LIMIT! ハロウィーン(ハロウィーン・ホラーナイト2021)」 

ホラーアトラクションは2つのみと小規模ながら、形式的には「ホラーナイト」が再び実施できた年になりました。

「ゲゲゲの鬼太郎・ザ・リアル ~祟られた廃村~」(新)
「シャーロック・ホームズ ~呪われた薔薇の剣~」(新)

 

〇2022年

「NO LIMIT! ハロウィーン(ハロウィーン・ホラーナイト2022)」

コンテンツ数としては例年のボリュームには程遠いですが、公式にはこの年の開催で"完全復活"としています。

「ユニバーサル・モンスターズ ~レジェンド・オブ・フィアー~」(新)
「バイオハザード・ザ・エクストリーム+」(2)
「シャーロック・ホームズ ~呪われた薔薇の剣~」(2)
「カルト・オブ・チャッキー ~チャッキーの狂気病棟~」(4)

 

〇2023年

「ハロウィーン・ホラーナイト2023」

「ラタタ・ダンス」に代わり、歌手の「Ado」とコラボした楽曲が新登場。また、ホラーナイトのコンテンツではないですが、ポケモンのショー「ポケモン・ジャンピン・ハロウィーン・パーティ」が初開催。

「チャッキーズ・カーニバル・オブ・カオス ~チャッキーの血塗られた祭典~」(新)
「貞子の呪い ~ダーク・ホラー・ライド~」(新)  
「ユニバーサル・モンスターズ ~レジェンド・オブ・フィア― ~」(2)
「バイオハザード・ザ・エクストリーム+」(3)

 

〇2024年

「ハロウィーン・ホラーナイト2024」

Adoの楽曲は続投され、新たに「チェーンソーマン」のアトラクションが登場。

「バイオハザード ナイト・オブ・ヒーローズ」(新)
「チェーンソーマン ザ・カオス4-D」(新)

「チャッキーズ・カーニバル・オブ・カオス ~チャッキーの血塗られた祭典~」(2)

 

 

○その他

・2011年から「ホラーナイト」の開催については、当時(株)ユー・エス・ジェイのチーフマーケティングオフィサー執行役員で、後に「経営難に陥っていたUSJを劇的にV字回復させた人物」として知られる『森岡毅』氏の同戦略の1つであることが知られている。

 

・「ハロウィーン・ホラーナイト」自体は日本USJ独自のイベントではなく、海外の本家ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで1991年から始まった伝統的な行事で、現在はハリウッドだけでなくフロリダ、シンガポールと各国のパークで実施されている。詳しくはこちら(英語版Wikipedia)。なお、追加料金なしで通常営業時からそのまま参加の形式は日本だけである。

 

・間違えられやすいが「ハロウィン・ホラーナイト」ではなく「ハロウィーン・ホラーナイト」の表記が正しい。

 

ホラーメイズ等の製作・演出についてはUSJやユニバーサルスタジオの直営ではなく、それぞれ異なる制作団体が請け負っている(1つ製作団体が2~3つ担当する感じ)。過去お化け屋敷製作の実績がある方等が担当していたこともあるみたい。