〜アレクサンダーテクニーク教師養成講座学校で学ぶこと(16)〜

「異次元の自分」の開拓(私のストーリー)

〜東京アレクサンダーセンター(TAC)のトレーニングコースでAT教師になろう!〜

 

【ATへの向き合い方】

私自身、この20年以上、色んな国(英国、フランス、オランダ、日本)のAT教師トレーニングに関わってきて、学校に入学する生徒さん達の根本的な態度を見分ける観察力がついてきました。

大きく分けると2つのタイプを見分けることができます。

1 自分のキャリアに色付けする為に有利な資格として「AT教師」になりたい人

2 自分の今までやってきた方法で壁にぶつかり、根本から自分を変えたい必要性を持ってAT学習に身を投じようとする人

 

ここで出てくる差は、自分の人生をどう捉えているかを反映しています。

勿論、どんな態度で臨もうが、AT学習を積み重ねていくと、「自分」と向き合わなくてはならないことになるので、段々と態度が変化することは多いです。

しかし、途中で抜け出す人や、とりあえず資格だけもらっておこうという人も少なからず存在するのも事実です。

同じAT教師のトレーニングを受けて教師になっても、向き合い方は様々です。

 

【「ATの捉え方」と「自分の中の矛盾葛藤」】

ATの成り立ちを見ると明らかなのですが、一人の俳優が、声を出せなくなった理由を「自分の内面」に見いだして、医師や周囲が常識と思っている治療や考え方に左右されないで、自分の中に答えを探そうとしたことから始まります。

今の「自分」という前提自体に疑いを持ったわけです。

自分の知っている「当然」「当たり前」「常識」「慣習」「道徳」みたいなものでは説明できない現実が背後にあるのではないかと疑うしかなかったのでしょう。

 

対照的に、私自身は、小学生高学年の時、将来何になりたいか?という質問に

「医師になって社会貢献をしたい!」

って言っていたのを思い出します。

私自身、何になりたいかは実は漠然としていて、

質問の答えとして誰もが納得する、みんなの常識に合わせた答えを言うのが無難だと思っていたのでしょう。

それでも、何でこう言う表面的な不本意な答えを言うことが本当に必要なのか、憂鬱な気分になったのを思い出します。(苦笑)

 

【自分を生きることは社会への反駁?】

日本文化で大学卒業まで過ごした私にとっては、

こう言う杓子定規的なことを言うことと、

自分の心の底で起こっていることは

分けて考える習慣がついていましたが、

これは自分と社会の関係性の「矛盾」と捉えていました。

 

そして、医大卒業後国家試験も無事合格して、英国に音楽留学してから、私の心の中の矛盾が面白いほど解消されていきました。

 

音楽大学では、音楽に対するそもそもの取り組み方について、先生方や学生どうしで夜が明けるまで話をしたり、アンサンブルでは、ほとんど喧嘩に近い意見のぶつけ合いもしました!笑

 

ロンドンから2時間くらい車で通って毎晩オペラの仕事をしていた時なんかは、車の中で、音楽感の相違で車を停めて同僚と揉み合いになったこともあったなあ!笑

(あの時は、「フィガロの結婚」についてだったかな?全然詳細を覚えていない!笑)

なんか、そう言う青二才なことがとても尊い経験に思えていたのを強く覚えています。

「俺は、自分に本音で襲いかかる奴らと関わりたかったんだ!」って。

 

今までこうやって色んな人と関わってきたのも、

色んな職業(医師、音楽家、音楽療法士、カウンセラー、イベントのプレゼンター、ホールのチケット切り、音楽教師、そして勿論AT教師)として接してきたけれども、

背後にあるテーマは、

「自分を職業という役割を超えた人間同士の存在として関わる」

って言うことです。

 

【ATが作り出す、偽りのない「自分」という基準】

さて、本題のAT教師としての活動が、なぜ私のライフワークとなったかと言うと、

「自分」という設定に対して取り組むことで、自分がどんな活動をするにも、どんな世界を見るにも、色眼鏡をかけないで関わり、体験を深める基礎(基準)が現れるからです。この基準は、意識の世界から見ると異次元の世界です。

 

ある分野でどんな功績を作っても、どんなに深い経験を得ても、

肝心な「自分」を偏見なく捉え、

「自分にとって本当に大事なものに関わっているのか?」を検証し続けないと、

ある分野で秀でた専門家にはなれても、

自分が深く納得して活動することとは縁が遠くなる可能性が強いからです。

 

例えば、この前の都知事選に立候補した石丸伸ニ氏が、「政治屋」に成り下がらないことを強調していた理由。

きっとそれは、

政治家を志ざす多くの人は、はじめは、皆、「社会を変えたい!」「公平な社会を実現したい!」という心の底からの願いから出発したとしても、

いつのまにか、選挙戦を戦うスキルや、支持者と上手くいく関係性が大事になったり、挙げ句の果てには、政党で地位を確立するためになったりして、

本来自分が本当にしたかったことから離れた活動をしているのに、

その経歴や経験に価値を持つようになる。

そんな専門家や職業政治家になる人たちに対する警告。

「そもそも政治家に何の為になりたかったのか?」

を問い続けない人間に対する挑戦だったのかもしれません。

 

【ATがライフワークとして相応しい理由】

結局、パティシエになるのにも、経営コンサルになるのも、

合気道を極めるのでも、ゲームの達人になるのにも、

テクニックやスキルを伸ばして、

ある地位を築いたり、目標を達成することにエネルギーを注ぐことはできても、

「自己」という尺度で見た時に、自分の生き様にどんな価値を創出するかという基準がないと、

地位を保ったり、保身に走ったり、自分の心にとって不本意なことまでしてしまうのです。

「自分」と「社会」の関係が矛盾しているのではなく、自分自身の中に矛盾を抱えているのです。

 

だから、自分を生きる基準をじっくりと作り上げる作業は、

多くの人にとってとても価値のある作業なのです。

 

私は、医師であるし、収入や社会的地位を考えたら、割に合わない、かなり外れたことをしている様に外からは見えるのかもしれないけど、

蓋を開けてみると、私は、ATの活動に取り組み自分の基準を構築することで、

自分が輝き続けていることに気づきます。

(そんなこと思ってやっているわけではないけど、、)

異次元の自分に遭遇し続ける体験ってすごく気持ちいい!笑

 

ATの価値は、魅力というより、ブレない「基準」を作る活動って考えると、

多くの人が、豊かな人生を送るためには必須の取り組みにしか思えない自分がここにいます!

 

以上、私のストーリーでした!(あんまり自分のことばかり書いてても面白くないだろうけど、たまには書こうと思いました!)

ちょっとでもこの活動が気になる方、是非私達の学校(東京アレクサンダーセンター)のレッスン、クラスにご参加ください!お待ちしております!

 

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9月  2  3  4  6

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アレクサンダーテクニーク教師養成講座学校で学ぶこと(15)

「努力」について学ぶ!

〜東京アレクサンダーセンター(TAC)のトレーニングコースでAT教師になろう!〜

 

【努力の本質】

辞書的には、

「努力」とは、目標の実現の為、心身を労して努めること。そして、

「努める」とは、困難や苦しさに耐えて、何かを成し遂げようとすること。多くの場合、自分のしなければならない仕事として、、また自分の義務として何かをする場合に使う。

 

なので、努力とは、自分の為にするもの。

対照的に「務める」とか「骨を折る」は、他者の為にするもの。

「勤める」は、給料を貰って仕事する。

という差異があるようです。

 

セルフフルネス(AT)の取り組みは、「自分の使い方」を中心にしているので、

特に「自分の為」の努力という意味合いが強いです。

 

【努力が自分の為からズレる?】

そもそも「自分」という感覚が、本来の自分とずれている為に、

「自分の為だ!」と思い込んだところで、「自分の為の努力」にはなりません。

 

偽りの自分に色付けしたり、筋肉をつけたり、パターンを習得しても、

「偽りの自分」を大きく強く見せるだけになってしまいます。

 

そして、こう言う「的の外れた努力」を長年一生懸命にやってきた人にとっては、

「自分のやってきたこと」の意味が凄く大きい分、無駄な努力だったことを認めたくないし、見て見ぬ振りをしたくなります。

 

だから、ある分野に「経験豊かな専門家」が、本当に自分の為の努力をすることは、とても難しい要素もあるわけです。

逆に言えば、そこを正直に認めて「新しい自分」「本来の自分」にとって必要なことの為にエネルギーを費やす様になると、自分をありのままに認める「正直力」がパワーとして輝き始めます!

 

【「投影する理想」に近づく努力はやめろ!】

ところが、人間って難しい存在で、瞬間には正直に向き合っているはずなのに、段々と自己愛的なナルシシズムに溺れて、正直な自分に酔うことも起こります。

「自分は努力しているんだ!」って思い込んで自己陶酔したり、

壁にぶつかって苦しむこと自体に快感を覚えたり、

できない自分を悲劇のヒロインに仕立て上げたり、

偉い人の言った言葉を偉そうに復唱して気持ちよくなったり、

 

何か、理想の様なものに近づこうという気持ちが働き出す時に、「自分の存在」の理想に向かわずに、

他人から見て評価してくれるものや、

他人への憧れや、

自分が素晴らしい存在であるという妄想を掻き立てる為に

何かに投影して、エネルギーを使い始め出すんですね。

 

だから、パフォーマンスとか、良し悪しとかに気持ちが持っていかれて、

自分の手の届かない存在をアイドル化したり、

「自分が凄い」錯覚に陥ったりしてしまいます。

 

だけど、「本当の自分」の為なら、

評価や良し悪しより、自分が最大限に使われていることを中心に取り組むだろうし、

他人の凄い所の何が自分に響き、何を自分の中で実現化したいかに気持ちが行くし、

見せかけより、内面から湧き上がっている自分を表現する様になるし、

苦しさや辛さの様な自己憐憫の感情はスルーして、

自分から発したり、心を開いたりする方向に向かうわけです。

理想が「自分という存在の実現」になる訳です。

 

【理想のイメージなんてドンドン変わる!】

「自分という存在」自体が掴みどろこがなく、変化し続けるために、

固定した自己イメージに近づこうとしても、これも「過去の自分」つまり「偽りの自分」を追い求める努力になってしまうわけです。

 

じゃあ、どういう取り組みをすればいいかというと、

セルフフルネス(AT)では、(いつも言ってるけど、、、笑)心と身体の統合体(本当に自分)として体験を重ねていくことです。

 

1 「心」という目には見えないけれど色んな可能性やオプションを作り出す部分と、

2 「身体」という動き(心の動きも!)や、イメージや思考が具体的に可視化できるものとして現れる部分

 

が入り混じり合って、自分という一つのまとまりとして生きている自分で生き続けることです。

これは、

今まで使ったことのない種類のエネルギーを使ったり、

大きな流れに自分が開いていることで任せることであったり、

自分が自然と表現していることに任せたり、

心深くに外の世界の情報が入り込んでいったり、

物や動植物や人との関わりの中で変わっていく自分の全体像であったり、

意識が飛んでしまうほどの情報処理しきれないものに向き合ったり

人の魂に触れることだったりします。

(他にも色んな体験はあると思うけど、、)

 

そんな感じの体験が、心と身体の統合機能(本当の自分)を垣間見せてくれることでしょう。時間と共にドンドン変わる「自分」の瞬間(点)が積み重なって流れ(線)になり、一つの流れが渦巻いたり、他の流れと融合したり(空間)する体験を積み重ねていくと、

「本当の自分体験」(psycho-physical process)が、心や身体に秩序を作り、「本当の自分」が宿りやすい素地が形成されていきます。

 

【体験の積み重ねが自分をゆっくりと変えていく!】

これは、サーフィンに例えると、

波が押し寄せ、変化し続ける外の世界に、サーフィンボードに乗って、バランスを取りながら進んでいる体験を積み重ねると、サーファーらしい身体付きになっていくみたいな感じです。

 

「本当の自分」になる為の身体作りが、体験を重ねることで段々とできていく。

そんな努力なのです。

 

音楽家が、毎日なぜ何時間もかけて練習するのか?

自分の専門分野でなぜ自分は労力をかけて向き合っているのか?

世話のかかる子供になぜ身体をすり減らして育てるのか?

なぜ、私達は、何かに取り憑かれたかの様に没頭して取り組むのか?

 

こうした疑問、そもそもなんの為?

に対する本当の奥深くからの答えは、すぐには出てこないかもしれません。

 

だけれども、この奥深くから心と身体を動かし、取り組んでいく積み上げこそが「本当の自分」として生きる様に導いているのだと言えます。

 

セルフフルネス(AT)の活動は、そもそも「本当の努力」とは何かを修正しながら、積み重ねていく活動です。

一時の成功や結果の為ではなく、自分の人生の舵取りの為に、じっくりと取り組んでみたい方!

人生の方向転換、再検証を迫られている方、

一緒に効果的に取り組める学習環境を作りましょう!

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)でお待ちしております!

 

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「自己の使い方」(4)

AT教師の多様性について

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

今回は、アレクサンダーテクニーク(以下AT)の多様性についてお話しします。

 

【AT教師によってやることが違う!】

数人のAT教師にレッスンを受けると、レッスンの内容が教師によって全然違うことを体験することは多いようです。

お話しがすごく多い教師もいれば、

黙々と同じ動きを繰り返す教師もいるし、

自分の事情をただひたすら聞いてくれる教師もいれば、

生徒の事情はスルーする教師もいる。

 

これだけ聞くと、教師のキャラによってレッスン内容が変わるように聞こえますが、

実際には、「生徒さんのニーズによって対応の仕方が違う」

という要素もあります。

 

【AT教師が求めているもの】

「AT教師自身が、教師として活動することから何を求めているか?」

という観点から見ても、様々です。

自由に動けることが大事に思う教師もいれば、

自由さより、自分の中の違和感の解消の取り組みになっている教師もいるし、

見た目の美しさ、自然さに重きを置く教師もいれば、

内面の充実が全てに思う教師もいます。

カリスマ性を自分の中に求める教師もいれば、

誠実さや正直さを大事にする教師もいます。

 

【AT教師の多様性】

そう考えると、各々のAT教師にとって、事情や求めるものに差があるし、

社会環境や自己に対する態度により、

ATレッスンの進め方も、態度も、求めるものが違うのは当然です。

 

と言えども、AT教師は、自身がATを実践することを基礎に、

レッスンで生徒さんと「自己の使い方」の取り組みを共有していく作業なので、

「ATの実践」がどういうものかが共有されていることが、多様性の前提となります。

 

例えば、都知事選の立候補者に、ヌードポスターを出して、「表現の自由」を主張する人もいますが、

そもそも、都知事になる目的という前提が共有されていなければ、これを多様性の一部として認めることは難しいわけです。

 

同様に、AT教師の活動も、

教師自身の都合や良かれと思うものは違ってもいいのですが、

「ATの実践」がそもそもどういうものかが共有されなければ、お互いを認め合うことはできません。

 

【ATの実践】

「ATの実践とは何か?」

私が世界のAT界を見てきた経験と、創始者FMアレクサンダー氏の著作や周辺情報を総合して見えている現実では、

 

自分自身の根底を変えるような力に任せること。

自分の認識していることや身体の感覚を当然の事情としてスルーするのではなく、

心も身体も全身全霊で、この「当然」と思い込む自分を検証すること。

そうした態度で、繰り返し時間をかけて「自分」という設定を少しずつ変えていくこと。

これが、人間として「本当の自分」を生きることになるし、

「私達には、こうした変化をもたらす力がある」

ことに目覚めさせてくれる体験に触れ続ける。

 

これが、「ATの実践」の基礎と捉えます。

この基礎からズレて活動しているAT教師について、「ATの多様性」の一部として認めることは難しいです。

実際、日本に限らず、世界のAT教師を見ても、私にとって、ATの取り組みとして認められない教師は多く存在します。

 

同時に、「ATの実践」の観点から、私が他のAT教師達を認められないのは、

私自身の思い込みを検証する機会でもあり、

もっと多様に「人間の機能」を捉える為のプロセスにいるとも言えます。

 

【今後のAT界の在り方】

そういう意味で、AT教師どうし、「ATの実践」の捉え方の差異を埋めるには、

お互いの取り組みを示し合うことに私は活路を見出しています。

私のブログを、ただの「他のAT教師批判」と捉えないで、

交流を恐れない態度や、「自分」と自分の「ATの取り組み」を再検証する機会としてお互いに関われると、ATの将来に希望が見えてくるのではないでしょうか?

 

「AT教師になっていても、何も知らない!」

これは、恥ずべきことではありません。

受けたトレーニングとの相性や自身の心の開き方が上手くできなかっただけかもしれません。

しかし、恥ずべきは、何も知らないことを認めようとしない私達の閉ざされた心の在り方であるのかもしれません。

 

私達には、自分の現状を正直に客観的に評価する力があります。

そこに多くのAT教師は魅了されて関わり始めたのではないでしょうか?

 

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)の取り組みに興味があるAT教師の皆様、是非足をお運びください。

もちろん、AT教師以外で、ATを知りたい初心者から実践されている方も歓迎いたします!

 

 

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アレクサンダーテクニーク教師養成学校で学ぶこと(14)

よいAT教師とは?

〜東京アレクサンダーセンター(TAC)のトレーニングコースでAT教師になろう!〜

 

【AT教師の役割】

日本で活動しているAT教師のATの捉え方、取り組み方は、実に様々で、

私自身が捉えるATとかけ離れている活動をしている人も多くいる為に、

彼らをAT教師として評価することは難しいです。

 

ここでは、私達の学校(東京アレクサンダーセンターTAC)の教師養成トレーニングを通じての「AT教師の役割」を視点に、

「よい教師」の要素についてみていきましょう。

 

TACでは、クラスでの日頃の学習は、「自分に取り組む」(work on self)ことです。

ここで言う「自分」とは、流動的に変化する身体や意識をまとめていく力のことであり、

それに気付き、任せ、「統合された自分」の体験を積み重ねていく活動を意味します。

 

これは、なにも生徒さんのみの課題ではなく、スタッフも、どんなに経験が深い教師も、

みんなが取り組む課題として共通しています。

 

そして、この取り組みをATレッスンでも学んでいきます。

AT教師の役割は、生徒さんに「取り組み」に価値を見出してもらって、

自分自身で取り組んでいく基礎を築いていくことです。

 

【よいAT教師の要素】

①教師自身が自分に取り組んでいる

       生徒さんがレッスン室に入る時から、既に(よい)AT教師は、「自分の取り組み」をし続けています。

自分を整えて、ATレッスンという場で、自分であり続けることが、ATレッスンの根底に流れるテーマです。

もし、AT教師の統合された存在感が欠如しているように感じるのであれば、基本的な態度がない可能性があります。

 

②学習環境を大切にする

       ATレッスンは、トレーニングジムの一室、自宅、コミュニティセンター、大きな部屋の一角、狭い部屋など、様々な場所で行われます。

理想を言えば、ゆったりと自然の見える豊かな環境であればいいのかもしれませんが、

実際には、財政的、地理的な事情で、理想的なお部屋でレッスンできないこともあるでしょう。

しかし、そう言う制約とは別に、「この空間と時間を、自分の為に使おう!

と思える環境は、教師と生徒さんの心の開き方によって変わります。

よい匂い(主観が入るのでチェックは必要!)のお香やエッセンシャルオイル?(好き嫌いもあるのでびみょうですが、、、)が漂っていたり、

清楚でニュートラルな感じの部屋に模様替えされていたり、

騒音が少なかったり、もし、騒音があっても、それに気にならないような心の置き方をもったり、

湿度や温度調整も、生徒さんの状態(時間に遅れないように焦って来て、心臓パクパクして汗かいているなど)を配慮し、

時間を作って整えるようにしたり、

環境も、「自分の置き方」次第で外的環境が悪くても、調整できる部分も多いです。

そう言う学習環境を作ろうとして、環境に配慮するAT教師は、自分の取り組みの設定にも心がけているでしょう。

 

③生徒さんの状態に心を向ける

        AT教師自身が、自分に取り組んでいると、自分の中に余裕が生まれ、レッスン室に入ってくる生徒さんの状態に心を開いていることができます。

生徒さんの言葉のみならず、言葉の強さや癖や身体の状態、バランス感覚、飾らない正直さ、

「本質を見つめようとする状態」に向けて、何が障害になっているかが見えて、

クリアにしていくプロセス(道筋)を一緒に作っていきます。

生徒さんからしたら、無理矢理誘導されるのではなく、

もっと大事な話題「自分」に対して心を開いていく体験に映るでしょう。

 

④生徒さんに教師自身の取り組みを体験してもらう

       AT教師自身が「自分に取り組む」と、「心と身体の統合機能」として生きるとはどういうものかを生徒さんが垣間見る体験になります。

人間の機能ってこんな風に入り混じって一個体としていきているのか!」

という感覚と、

「これ、そのまま自分に当てはまるじゃないか!」

という感覚が交差して、徐々に「自分」という統合機能に心が開くようになります。

AT教師自身の取り組みが、生徒さんに人間としての「自分」の機能を体験させる力となるわけです。

 

⑤生徒さんが主体となり外の世界に影響する

      この「自分体験」を生徒さんと教師で積み重ねていくと、生徒さんが「自分」に取り組むことが主体になっていくようにAT教師は誘導できます

AT教師自身の機能より、生徒さんの機能が周囲に影響するのを見守る役割になっていきます

 

以上、5つ。AT教師の役割として、ATレッスンがいい循環をしている状態(よいAT教師のレッスン)を描写しました。

 

【「本当の自分」の追求】

以上の要素を見ると、エゴや自己顕示欲が起こりにくい状態に「自分」を設定していることに気づきます。

なぜなら、「本当の自分」は、エゴや上下関係や人を蹴落としたり、優越感に浸ったりと言った日常の人間社会で起こることの前段階の世界だからです。

だから、AT教師の取り組みは、「良い人間」「エゴのない人間」「自己顕示欲の少ない人間」を目指しているわけではなく、

もっと深く根底に流れる「自分」が何であるかを体験し続け、

自分」の基準をじっくりと変えていく学習なのです。

 

罪悪感、優越感、やってもらう、してやる、みたいな人間関係の中から起こる感情体験は、

あるレベルでは必ず起こる反応かもしれませんが、

もう少し深いレベルでは、こうした感情を作る以前の1個体としての自分があることに気付き

使っていくことができます。

 

私達人間には、「原初的な自分」という深いレベルでは、こうした感情や刹那の体験に導かれる前に、

「自分」として何をすべきかを選択する力があります。

 

この「本当の自分」を探求し続けて、AT教師として生徒さんと関わることで、

「自分の取り組み」をせざるを得ない状況が、自分を刺激し、自分を積み重ね、成長し続ける。

よいAT教師とは、生徒さんと共に「自分」にじっくりと深く取り組んでいく活動をしている教師と言えます。

一緒に成長し続けるAT教師ということです。

 

スキルや経験は、勿論役には立ちますが、それを支える「基礎」に心が開いていることの方が、ずっと大事なのです。

 

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)では、

教師養成トレーニングのクラスでは、スキルや知識より、

自分の取り組み」にどれだけ価値をおいて、じっくりと取り組めるかが大事になります。

興味のある方、是非、レッスン、クラスにご参加ください。

お待ちしております!

 

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7月  8  9 10 12

8月  5  6  7  9

9月  2  3  4  6

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「自己の使い方」(3)

ATの「使い方」(Use)とは?

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

今回も、日本でのATに対する大きな誤解についてお話しします。

 

【一般に言う「使い方」】

一般的には、「ハサミを使う」というと、ハサミ✂️という道具は、元々紙や髪などを切って、形を作ったり整えたりする為にデザインされています。

だから、ハサミの「使い方」がいいと、紙や髪が上手く切れます。

 

と言えども、もう少し踏み込んでみると、「ハサミの機能」が最大限に活かされる為には、

「髪切りの達人」にだったり、「切り絵の天才」が、ハサミを使うと、

多様で創造的なハサミの「使い方」が反映されます。

 

「使い方」というのは、本当はすごく多様なわけです。

 

また、いくら「使い方」が良くても、「ハサミ」の機能と「ハサミを扱う人」の本来の機能が妨げられていたり、相性が悪いと、「結果」に多様性、創造性、可能性は失われます。

 

「道具」と「使う人」、

「使い方」と「機能」は密接に結びついています。

もの同士の関係性が大事なわけです。

 

【「使っている」「使われている」の共有関係】

人間関係でも、いつも他人を「使っている」感の強い人と、

他人にいつも「使われている」感の強い人がいます。

いずれの場合も、何か損得感情が働いてしまう。

こういう人間関係の「使い方」は、あまり上手く働きませんね。

 

逆に「よい使い方」は、現象として、双方の機能を高め合います。

「使っている人」(主体)と「使われている人」(客体)が、同じ目的や共通性がある時に、融合して機能します。

 

会社の上司部下の関係もそうですね。

 

音楽家と楽器の関係もそうです。

音楽家が楽器と関わりながら、同じ音楽を創造するという共通の目的のために一緒に働く。

(「弘法筆を選ばず」と言えども、筆は必要なわけで、、、、、笑)

 

【「使い方」の極意】

FMアレクサンダー氏は、この「使い方」を邪魔するものが、一つのパターンに凝り固まってしまった習慣的な「使い方」だということに気付きました。

彼がこのテクニックを開発する過程で、

声優として「声」が出ない問題に直面した時に、今まで習慣的に培ってきた「声の出し方」のパターンが自分自身の「声」の機能を逆に妨げてしまう。

身体の反応を観察して、声を出そうと思う瞬間に頭が下に後ろに引き下げられるのはわかって、それと反対のことをしたら、ちょっと良くなったりはするけど、

結局、もっと深く根付いた習慣的なパターンを変えることはできない。

 

「声」の出し方を色々試みてみても、無意識に根付いた「声の出し方」が根本的に妨げていることに彼は愕然とすると同時に、この自分の知らない分野に大きな可能性を感じて、更に深く取り組む気持ちが湧き上がり、奮い立たされる!

(彼の著書「自己の使い方」の中で、彼は、自分の中で、起こった心の描写を興奮気味に書いています!)

 

彼は「自分」という得体の知られないけれど、すごく大事なものに気づいてしまったんです。

この「未知の世界」への旅は、人間に共通する生き方なのです。

だからこそ、ATの学習に触れる人は、心の底で何か大事なものがここにあるのではないかという予感が起こるのではないでしょうか?

(私自身、初めてのATレッスンを受けた時の「予感」は、35年経った今でも鮮明に覚えています。そして、今も変わらず心の中により強く存在しています!)

 

【未知のものを扱う「使い方」】

日本でATの広告を見ると、ATが、「身体の使い方」を改善したり、「身体の正しい使い方」を学ぶ様な印象を受ける事があります。

何か特定な考え方やメソッドを想定しているのでしょうか?

 

私自身は、こういうATの捉え方には違和感があります。

「使い方」が、何か安っぽく、価値を貶めている様に感じます。

「自己の使い方」って、捉えどころのない、だけれど、深く価値のあるものが自分の中に潜在している。この深遠な何かは、自分のプライドとか虚勢をはることを止めることで、少しずつ見えてくる「自分」という宝物。

他人に誇示したり、証明する必要のない、もっとパーソナルな体験。

 

アレクサンダー氏は、人間に共通する大事な「自己」の取り組みをもっと深く、もっと広く共有したかったのだと思います。

彼の言葉で言うと、

Pass from the known to the unknown 

「知っていること」から「未知のものへの取り組み」への変遷

「これが、人間の活動として大事な時代になっている!」

って100年前に熱く語っています。

 

さて、100年経って、私達はこの取り組みを深めてきているのでしょうか?

科学技術や理論が発展して、「自分」の研究(探求)は、進んでいるのでしょうか?

科学的に証明されるものが、「自分」という存在を通じて証明されているでしょうか?

科学が生きることに直結していない違和感?

 

残念ながら、私達は、彼が警告した通りに、

外からの情報で自分が左右され、

「自分を構造や理論で定義して納得しているふりをしている時代」

の最先端にたどり着いてしまった印象を受けます。

 

しかし、同時に、こんな時代だからこそ、私達に本当に必要なことが明らかになっているのだと思います。

人間の高い機能、楽器や道具の機能、ものの機能なんて、

未知で未開拓だからこそ必死で取り組むものなんです。

「使い方」をなめるな!笑

 

「自分」という未知の領域を、各々が開拓せざるを得ない時代になってきたのではないでしょうか

 

あなたは諦めますか?それとも「未知の世界」への旅を始めますか?

始めたい人!セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)の取り組みに是非ご参加ください!お待ちしております!

(いやらしい洗脳商法みたい!苦笑)

 

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新シリーズ!「自己の使い方」(2)

ATは「身体の使い方」?

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

今回は、日本でのATに対する大きな誤解についてお話しします。

 

【「身体の使い方」って誰が言い始めたの?】

AT界では、世界的、歴史的にアレクサンダーテクニーク(AT)を、ボディワークと位置付けることに抵抗感がある教師が多いです。

なぜなら、FMアレクサンダー氏自身が、人間は、psycho-physical mechanism (心と身体の統合体)と定義している為、

「ボディ」って偏りのある印象を与えることを危惧するからです。

 

英語でネット検索するとわかりますが、

ATを「how to use body」の様な描写をすることはほぼないです。

 

確かにATを学習した結果としては、身体を自由に楽に使える様になったり、

「身体の動き」の教育として、身体に対する気付きが拡大したり、

効果的に動けるようになることはありますが、

AT自体を「身体の使い方」と表現していることはなかなか見ないです。

 

ATを「身体の使い方」と表現するのは、日本AT界の独特の捉え方と言っていいと思います。

 

【「身体」と「からだ」】

日本のAT界では、ボディーマッピングを学習教材として利用する教師がかなりいます

確かに、「からだ」(ひらがな表記)は、ただの「身体」ではなく、脳(ここでは主に感覚運動野)で身体を捉えた世界(身体のメタ認知)を表現していて、自分の身体の内部変化に注意を向けることを奨励するにはいいかもしれません。

しかし、いくら「身体のメタ認知」が促進されても、いくら認知を修正しても、

習慣付いたパターンによる様々な歪みに対して直接全存在(心と身体の統合機能)を使って取り組まない限り、

歪みの原因である「習慣的パターン」と「本当の自分」が切り離されて、

「習慣的パターン」を客観的に扱う「自分」になることは永遠にないでしょう。

だからこそ、教育として、「自分に取り組む」必要性がある。

というのが、ATの基本姿勢です。

 

【人間の性質】

ここが、「自然」「普通」「在るが儘」の捉え方として、人間の特性が顕著に出るところで、

人の教育でも、放任しているだけでは淘汰されるものを、

教育者や教育環境が、生存に必要なものを抽出して、少しだけ介入することで、

人は方向性を持ち、全身全霊で生きる力を駆使して外の世界と関わるようになります。

 

例えば、赤ちゃんが笑った時に母親が、「笑いましたね!可愛いね!」と心の底から関われば、赤ちゃんは、

「自分が笑うことでこんなに喜んでくれる大人がいるんだ!」

という気持ちから、笑う事が自分の存在を肯定する力となると確信し、

生きる方向が舵取りされます。

 

大人の私達も、「本当の自分」を生きるためには、全身全霊でサバイバルのために

必要なことを淡々とすることが基準となる状態を、真の意味で「自然」「普通」「在るが儘」の姿と表現します。

 

人間は、ただ野放しにすると、歪んだ身体と認知を助長し、1個体としての生存力が低下します。「自分」を育てる「基準」(方向性)が必要なのです。

ATでは、この基準作りが「教育」の役割であると捉えます。

 

【「結果」より深い世界へ】

「身体」も「からだ」(身体のメタ認知)も、こうした自分を生きる活動の「結果」として見えてくるものです。

私達人間が、本当に求めているものは、

「身体」を変えることでも、

「からだ」(身体のメタ認知)を変えることでもなく、

自分という全存在が、枝葉の習慣的なパターンに妨げられずに、

細かいことに悩んで病むことなしに、

自分の力を最大限に発揮して生きる。

これ以上でも以下でもない、飾る必要のない「自分」

を生きることなのです。

 

っと、少し熱めにして書きましたが(苦笑)、

ATの学習が本来のものから遠ざかっていくことを私は残念に思っています。

日本で活動する私達AT教師は、各々が置かれた状況の中で、皆善かれと思って活動していると思います。

受けたトレーニングや学習環境によってATに対する捉え方がまちまちであるのも当然です。

しかし、そもそも、AT教師として自分が活動しようと思った原点(本当の動機)があるはずです

勘違いしていることもあるでしょう。ATの基礎を分かっていないこともあるでしょう。

でも、そこで今までの知っていることから判断したり、自己防御に走ったりするのではなく、心を開き、お互いに修正し合い、ワークを共有する。

そういう態度からしか、私達AT教師が日本の中で、ATの活動を自分を最大限に生かす為の活動に方向付けをすることはできないのではないでしょうか?

 

私達は、皆不完全です。盲点もあります。わからないことだらけです。

だからこそ、その無能でちっぽけな「自分」から出発して自分に何ができるのか?

正直に向き合うことから、

自分のできる事、生きることが見えてくるのだと思います。

 

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)の活動に興味のある方、AT教師の方、是非、レッスン、クラスにご参加ください!お待ちしております!

 

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新シリーズ!「自己の使い方」(1)

ATって一体何の学習?

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

新シリーズです!

そもそも「アレクサンダーテクニーク(以下、AT)」って何を学習するのか?についてお話しします。

 

【「学習」の概念を変えろ!】

一般の「学習」の概念では、

何か新しい物に接して、考えたり体験する中で、理解して、知識や知恵として自分を肉付けして豊かにするという印象を受けるかもしれません。

しかし、「ATの学習」は、そもそもの「自分」という設定を見直して、様々な刺激に対して反応して歪んでしまう自分を修正していく学習です。

それも、頭も身体も一緒に使って、「自分の全部」を巻き込む体験を積み重ねていきます。

 

 

私達には、自分の既に知っている知識や経験をもとに、新しいものを取り入れる「習慣に基づいた学習」というとても強い習性があります。

でも、既に知っていることを前提に学習することは、自分の癖を助長するだけで、知識や体験に対する捉え方がどんどん歪んでいくだけになってしまいます。

 

知識や知恵を自己正当化の為に使って、自分の成長(自分の大きな変化や根底から覆るほどの価値のある体験の積み重ね)をむしろ妨げてしまいます。

 

新しい自分、心新たに取り組む自分、今までの経験では通用しない問題に挑んでいく自分は、「学習」が、自分の表面を飾るのとは対照的に、

自分のプライドや虚栄心を捨て、

自分をさらけ出して、

本来持っている底力を発揮したり、

取るに足らないものに悩まないで、

自分をもっと大きく深く大事に扱って、

生活が心の底から納得する為の活動にシフトしていきます。

 

なぜなら、周囲への気配りや体裁を整える為のエネルギーを最小限にして、

「本来の自分」が基準になっていくからです。

 

【ATの学習】

ATの創始者FMアレクサンダー氏の著書「The Use of the Self」の中で、彼のレッスンでどの様な事が行われているのか描写する部分が多数あります。

吃音を持つ人、

目をボールから逸らす癖のゴルファー、

病弱で何ヶ月も寝たきりで歩けない人、

 

こうした人達に、アレクサンダー氏がしたレッスンは、 

1. 人間の全般的な機能を妨げない基準を毎日の様に繰り返し体験させて、

2. 習慣的な反応が出てきそうな時に(特に、習慣的に「しよう」という刺激が一番出そうな時critical moment)、習慣的な反応が出ない方向に向けて、自分を歪ませない方向に導ける(direction を与える)様にする為に、一緒に体験をしていきます。

3. そして、活動の最中でも、自分をリニューアルし、次々と出てくる習慣的反応が出ない方向(inhibition)に自分を形成し続けられることを基準に生活することを習得させます。

 

彼の言葉では、

You cannot know a thing by an instrument that’s wrong.

壊れた道具(既に習慣化されているパターン)によって、新しいものを知ることなどできない。

 

You can’t do something you don’t know, if you keep on doing what you know.

(既に習慣化されて)「知っている(と思い込んでいる)こと」を続けていても、自分の知らないことを習得することはできない。

 

You are not here to do exercises, or to learn to do something right, but to get able to meet a stimulus that puts you wrong and to learn to deal with it.

あなたがこのレッスンにくる理由は、与えられたエクセサイズをしたり、正しい何かを学ぶことではなく、あなた自身を歪めるような刺激と向き合い、それにどう対処するかを学ぶ為なのです。

 

【ATの学習を見直そう!】

アレクサンダー氏が強調している所は、私達人間が簡単に陥る習慣的な反応に対して、自分を歪めずに、「本来の自分」が対処することの重要性なのです。

 

脳科学、心理学、機能解剖学などの知識をいくらつけた所で、自分が歪んで、歪んだ自分が好き勝手に解釈して、良し悪しをきめ、「習慣的な自分」を助長する様な学習は、

ATの学習とは、真逆なのです。

 

AT教師の発信するものの中には、

「最適な身体の使い方」「独自の理論」

の様な、その教師が作ったより新しい有効な「やり方」?

をうたったものもあります。

新しい考え方やアプローチを入れて、改善する手法などを示すAT教師もいます。

 

しかし、これらが、もし、既に知っている世界にちょっと色付けして改善するものであるとしたら、それは、ATの学習からは外れています。

 

それらは、もしかしたら役に立ったり、楽になったりするかもしれないし、価値のあるものになることもあるかもしれないけれども、「本来の自分」を取り戻す取り組みではないからです。

 

ATに興味を持っている人、ATを学んでいる人、AT教師として活動している人、

どのくらいATの世界に入り込んでいるかは関係なく、

私達は、本当に「自分」の為の学びになっているのか、再度検証する必要があります。

 

ATを便利で、わかりやすく、楽にできるイメージを持つこと自体、悪いことではないかもしれませんが、ATを実際に体験していくと、こうした既存の言葉で描いたイメージや感覚とはかなり違うものになります。

 

と同時に、今までの自分が知り得なかった世界が展開していることに目覚めていく体験になるでしょう。「自分」の設定を整えることで、既存の価値を超えた、もっと大事なものを発見することになるでしょう。

 

セルフフルネス(AT)の取り組みに参加しませんか?

東京アレクサンダーセンター(セルフフルネスアカデミー)でお待ちしております。

 

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アレクサンダーテクニーク教師養成講座学校で学ぶこと(13)

「浅い人」の特徴

〜東京アレクサンダーセンター(TAC)のトレーニングコースでAT教師になろう!〜

 

今回は、「浅い人」についてです。

 

【「浅い人」の意味】

こいつ、「本当に浅い人間だなあ!」って言う印象を与える人いますよね。笑

これって、突き詰めるとどう言うことかと言うと、、、、、

 

自分の心から出てくるものを出さないで、

きれいな言葉で飾り付けたり、

誰かが言ったことをただ真似したり、

自分の直接の利益の為に行動したり、

自分の興味対象以外のことは格下に格付けしたり、

卒なく目立たない様にしたり、

ハッタリをしたり、

プライドが高い為の行動だったり、

体裁を整えようとしたり、

 

とにかく、本人自身が人生経験の中で培ってきたものの一角も見えない人。

 

知識があったり、

真っ当そうなこと言ったり、

感動したふりしたり、

盛り上がったふりしたり、

難しそうな格言や偉い人の言葉を引用したり、

まことしやかなことは言うけど、全然心に響かない人。

 

そんな印象ではないでしょうか?

 

【ATの学習には強く現れる「浅い人」の傾向】

ATの学習を進めていくと、「自分の使い方」の探求をするように仕向けられるわけですが、そんな環境にもかかわらず、

頭で理解しようとしたり、

自分の知っていることを誇示する為に「知ったかぶり」したり、

感動体験として頭の中がドラマ化されたり、

何か一つのアイデアに固執したり、

「わかりました!」「すごい!」とか、感動しているふりをしたり、

わかったふりをして乗り切ることに慣れていたり、

 

何か的外れな方向に行ってしまうことがあります。

その理由として、

「自分」を扱うことに慣れていないとか、

「自分」に取り組んできた経験が少ないとか、

「自分」を曝け出すしかない状況に身を置いたことがないとか、

人とのコミュニケーションが全て「感情交流」にしか置き換えられないとか、

「良いか悪いか」「わかったかわからないか」結論付けようとしたり、

 

まとめて言うと、心と身体を統合して物事を捉える経験値が少ないことが原因としてあります。

 

【結局、「自分」に取り組むのは「自分」しかいない!】

だから、いくら時間を費やしても、良い環境にいても、「自分」を蔑ろにして「取り組んだ気」になる現象は起きやすいわけです。

 

AT経験がいくら長くても、自分では努力してきた気分になっていても、実は「自分の使い方」には慣れていないことは簡単に起こり得るのです。

 

私達の学校での学習環境では、このずれが生じたと感じる時、お互いに指摘しあえる関係性を大事にしています。

人の浅はかさをバカにするのではなく、自分の取り組みとして外れていないかを確かめ合う関係。

 

そして、各々が自分に正直に取り組むことで、自然と「自分も正直に取り組もう!」と思う様になる雰囲気。

これは、各々の努力が影響し合うことから生まれます。

 

【東京アレクサンダーセンターの取り組み】

私達は、ATの大事なエッセンスを継承しつつ、学習環境は、各々の真摯な取り組みが反映されるものになる様にみんなで作りあげています。

 

経験ある教師も、生徒という立場であっても、レベルの違う取り組みができてもできなくても、人間である以上、各々には盲点があります。

この盲点を生徒が教師に指摘できない環境は、自分の取り組みから目を背けることに直結します。

 

私達がこの様な学習環境を目指すのも、私達自身が不完全で、盲点だらけで、新鮮な目で素朴に見えるものが見えなくなりやすい存在だと深く感じているからです。

 

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)では、自分に真摯に取り組みたい方を歓迎します。みんな落ち度はあります。過ちも犯します。

だけれども、それを恥や後悔を超越して正直に自分を認める姿勢が大切なのです

セルフフルネスアカデミーで学びたい人!まずは、レッスン、クラスにご参加ください!

 

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Being の時代の幕開け(30)〜

アレクサンダーテクニーク界の大きな誤解

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

今回は、かなり突っ込んだ話題ですが、

「アレクサンダーテクニーク(以下、AT)界の大きな誤解」についてお話します。

 

【AT界のリニューアルの必要性】

武道の世界の継承でも、音楽界のテクニックの発展でも、ダンサーや俳優のテクニックでも、伝統や文化を継承しようとすると、必ず流派が分かれたり、分裂が起こりがちです。

 

なぜなら、元祖自身が、「実践すること」と「その捉え方」がズレていることは必ずあるし、

 

継承者達も、元祖から受けたことと、それに対する捉え方に様々な解釈が入り、各々が、

「本当の〇〇道は、これだ!」

と心の底から確信したものを基礎に取り組むからです。

そこには、時代や価値の置き方の変化も起こるでしょうから、

各々の解釈がお互いに違ってくるのは避けられないでしょう。

 

しかし、この差異には、深さの程度もあって、

表面をコピーしたものと、

深く人間の本質、本能に関わるもの

との違いは明らかに存在します。

 

そういう意味で、現代社会では、

簡単に得られる結果に行動が流される傾向(ポピュリズム)、大衆から人気があれば、支持されていることになり、それを良しとする傾向。

再生回数を増やしたり、「いいね👍」がいっぱいつけば、認められたことになる。

と言った動きが可視化されやすい世の中になって、

薄っぺらい、中身のない、うわべだけのものが、世の中を動かしている様に見えます。

(なんか、悪いことばっか書いてるけど!苦笑)

 

だけど、そういう薄っぺらいことだけでは、心の底から動くことはないので、

結局は、深い納得感が得られない活動に成り下がります。

 

AT界は、そういう意味で過渡期に来ています。

 

本来の意味が失われていることも知らないうちに、

「ATはこんなもの!」みたいな実体とかけ離れた常識が形成されている面が顕著に表れています。

 

【AT界の大きな誤解】

これは、私個人の視点(バイアス)も入るので、参考程度に読んで貰った方がいいのですが、何個か書き出してみます。

 

①ATは、医学的、科学的な情報の学習ではない

創始者FMアレクサンダー氏は、周囲に医師の支持者は沢山いましたが、医学や科学的な知見を基礎に取り組むことはしませんでした。

むしろ、医学界や医学教育の「前提」に警笛を鳴らしています。

(彼の著作「自己の使い方」の第5章 「診断と医学教育」参照)

 

②ATの学習に解剖模型は必須ではない

ATの学習は、解剖学の知識の裏付けは必ずしも必要ではありません。

アレクサンダー氏のトレーニングでも、解剖学の知識を学んだ形跡はありません。

トレーニング室でも、骨格模型もなかった様です。

 

③ATの学習は、知識や理解をすることを主眼にしていない

彼の著書全てに書かれていますが、人間の刺激に対する反応やそれによる歪みを認識し、修正できる素地を形成する学習であり、

より信頼できる感覚認識(more reliable sensory perception)(頭と胴体のバランスのとれた統合機能が働いた状態)があって、初めて、自分の全体を介した裏付け(reasoning)が可能となると述べています。

ATの学習が、「自分の在り方」に取り組むこと自体、知識や理解だけでは無理なことは明らかです。

 

④時間をかけないとATの学習は成り立たない

FMアレクサンダー氏のトレーニングを受けて、アメリカに戻り、ATを広めたMajorie Barstow女史は、FMアレクサンダー氏に手紙を送って、

「自身がワークを短時間で習得させる方法を開発した旨」

を伝えたと言われています。

その時のFMアレクサンダーの反応は、うやむやになっていますが、

「時間をかけることの意味」の解釈が、彼と彼の生徒達の間でもかなり異なっていたことが想像できます。

 

⑤手を使って直接関わる必要がある

FMアレクサンダー氏のワークは、音声は残っていませんが、動画はかなりあります。

彼が生徒さんと取り組んでいる時は、ほぼ手を使ってワークをしています。

後に、「手を使うのは最小限にする」と彼は言っています。

ここで、2つの解釈に分かれます。

一つは、手を使うことをスキルやテクニックと捉えると、逆に、必要性のない「使い方」が含まれてくる為に、新たに「本当の自分」から関わる為に洗練しなくてはならないと考える教師と、

2つ目は、手を使わないで、ガイドした方がバイアスがかかりにくいと考える教師がいます。

 

(因みに、私は、「手を使うこと」を「自分の使い方」とリンクさせる経験は、ATの学習には必須だと捉えています。FMアレクサンダー氏自身がこのテクニックを開発してきたプロセスを体験することでATの成り立ちを体験できるからです。)

 

⑥ATは、身体の使い方ではない!

日本で活動する多くのAT教師が、「カラダの使い方」という言葉を頻繁に使ったり、身体のアラインメントや、骨や筋肉の構造や運動学を教えることがATの学習であるかの様な印象を与えています。

実際、そう思っている教師も多いようです。

しかし、創始者FMアレクサンダー氏の著作「自己の使い方」という言葉を使っている為、いくら筋肉や生理学を理解しても、「自己」を扱うことにはならないことは明らかです。

 

【ATに対する根本的な誤解】

FMアレクサンダー氏が、「自己の使い方」の第5章「診断と医学教育」で述べている様に、医学界では、専門家が部分的な現象を細部にわたって研究することをいくら追求しても、根本的な「自分」という道具が機能しなかったり、壊れていたら、全体として歪んだ感覚でしか判断できないことを描写しています。

 

人間の内部を可視化する科学技術は格段に進化して、詳細なデータを集めることができても、人間全体の機能として見なければ、決して養うことができない捉え方があります。

 

彼は、医師、教育学者、哲学者など様々な学術分野で影響力のある人達と親交を重ねましたが、根本的な立場を共有した人はとても少なかった(というか皆無だった)様です。

彼は、学術的な客観性を持って研究を深め、真理を追求する立場にいる人達こそが、自分の根本的な「在り方」に取り組むことが必要だと力説したかったのだと思います。

 

現代に生きるAT教師達が、ATを科学的に証明されることに信頼性を高めると感じている現状を、もし彼が生きていて、見たらどう思うのでしょうか?

これは、推測の域を出ません。答えはもはや自分で探求するしかありません。

だからこそ、AT教師達は、「アレクサンダー氏がどんな風景を見ていたか」(彼の視点)を共有するため、何度でも心新たにし、取り組んでいく態度が一番大事だと思います。

 

セルフフルネス(AT)の取り組みは、異なるトレーニングを受けた教師達も、ドンドンチャレンジしてお互いに影響し合う環境です。

AT教師の卒後教育の場としても、是非とも参加して欲しいです。

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7月  1  2  3  5

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8月  5  6  7  9

《福岡での個人レッスン》は、2024年7月14日(日)、15日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

7/14(日)7/15日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会 (alextech.net)

 

いずれのクラスの予約、ご質問は、すべてメールにて、

yoshiinadabsn@gmail.comにお問い合わせください。 

 

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Being の時代の幕開け(29)〜

「北風と太陽」効果

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

情報化社会にどっぷり浸かっている私達は、何でも頭で処理することに慣れ、部分的な対処(正解のある学習や合理的な考え方やメソッドなど)は上手になりますが、自分の心を捉えるのは凄く下手です。

セルフフルネスは、今までのパターン化された学習から自分を解放し、自分や周囲の現実に向き合う体験を積み重ね、「beingの世界」に身を置く取り組みです。

このシリーズでは、現代社会に今こそ必要とされる「beingの世界」を一緒に見ていきましょう!

 

今回は、「北風と太陽」効果についてお話しします!

 

【北風効果と太陽効果】

人が自ずと動く、動かされる時、

心が自ずと動く、動かされる時、

人間は活き活きとしているように見えます。

 

生きている活動を取ってみても、

「自分」を防御し、維持する為に精一杯になる時と、

「自分」を開いて、外の世界と交流することで、自分を成長させる

という、相対する営みがあります。

 

「北風と太陽」の物語の様に、

北風のように、

無理矢理服を脱がそうとすると(猥褻な意味ではなく!弁解がましく!笑)、

人は自己防御に走り、心も身体も閉ざします。

 

太陽の様に、

自分にとって必要なもの(暖かさとか紫外線とか)と出会うと、

人は両手を広げて、心も身体も開きます。

 

【北風効果】

この現象を私達の「筋肉活動」に還元すると、

自己防御、現状維持を目的とした活動とみなすことができます。

自分を変えないで、与えられたものを吟味もせずに消費したり、

(「メソッド」や「やり方」をなぞるだけで利益を得ようとしたり)

自分の意見が一番正しいと思い込んで、意固地になったり、

権威主義になったり、

「心と身体」全体で関わるのがめんどくさくなり、

頭で解決しようとしたり、

効率的、合理的なものと思われることしか価値を持てなくなり、

自分全部を使って吟味することを諦めたり、

偏狭な、認知の歪みを持った活動になりがちです。

(悪いことばっかりじゃねえか!笑)

 

【太陽効果】

対照的に、自己開示(オープンになり)し、外の世界をドンドン吸収している状態になると、

外の世界と自分の内面の世界を深く知る体験に結びつき、

外の世界と関わる自分を最適化する様に導かれます。

「メソッド」や「やり方」は、自分の中から自然に作られ、

「自分の意見や視点」と「外からの視点」にズレがあることに気付き、

自分の意見を表現することは、そのズレを修正する為の問いかけに過ぎなくなります。

効率的、合理的よりか、自分が納得して関われる方法を模索します。

自分全部を使って最適解が刻々と浮かび上がるので、

偏狭な考え方に固執する暇もなく、

自分の中の変化を許容します。

(いいことばっかり書いてる!笑)

 

【筋収縮がもたらすもの】

同じ筋肉活動でも、「北風効果」と「太陽効果」のどっちを基礎に見るかよって、

私達の体験では対照的な結果をもたらします。

 

多くの人は、「筋活動」を無駄な力として、ネガティヴに捉えがちで、

自己防御のため、自分を外の世界から隔絶するために緊張で壁を作ります。

それは、「北風効果」を想定した緊張を想起するからです。

(緊張を「悪い状況」と重ね合わせるからです!)

 

「太陽効果」と結びついた「筋活動」は、解放感を伴った「ポジティブな変化の始まり」と捉えられるからです。外の世界と結び付く為に、自分をオープンにし、外の刺激を自分の栄養とする筋活動です。

多くの人が無自覚であったり、

自然に起こったり、

自分にとって当たり前の反応過ぎて

この種の筋緊張は「脚光を浴びない」傾向にあります。

やろうとして意識して作られた緊張ではないからです。

 

「北風効果」の筋活動は、自己防御の感覚を作り、

自分を固める、自分を変えない様に頑張る、怒りや恨みや固執する感情を持つ、

相手のあらゆる情報をシャットアウトする、心も身体もとざすことで、自分の中でグルグルと思考が回り、妄想が誘起される。

 

反対に「太陽効果」の筋活動は、自分を開くことで、

柔軟になり、自分の心や身体の変化を許容し、

外の世界をもっと広く深く知りたくなり、

自分の血となり肉となり、

相手のあらゆる情報を受け入れ、

「自分」が外の世界との関係において何者なのかを明らかにする方向に向かいます。

 

「太陽」みたいに、自分に必要なものに直面すると、私達は、「喉から手が出る」様に、筋肉を使い、関わろうとするんですね。

 

【セルフフルネス(AT)のワーク】

セルフフルネスのワークでは、実際、この「太陽効果」の筋肉活動に焦点を当てることに多くの時間を費やします。

(「北風効果」の筋肉活動は、多くの人は既に慣れ親しんでいるため、あまり必要ないと捉えています!)

自分の(心と身体の統合された)良い緊張が高まることが、

むしろ、扱っているものや人間の情報をより深く抽出する体験に結びつくことを、

「心と身体の統合機能」を通じて取り組んでいます。

 

(頭だけが指令する筋緊張(end-gaining)ではなく、)

「心と身体の統合機能」として起こす筋緊張は、

心と体を介して色んなプロセスを経た(means-whereby)

本当の自分に裏付けされた(reasoning)

自分全体が関わり、深い納得感を得る、外の世界と内面の世界の変化を引き起こす

自分の成長に沿った活動を基準にするように、自分自身を導く活動です。

(自分の使い方)

 

筋肉活動が、自分の栄養の為に使われるわけです。

もし、地球上の人間の筋活動が、皆この方向に行くと、

敵対関係にある人間との融和は起こって、世界平和をもたらす!

かどうかまでは、私にはわかりませんが、

魅力的な考え方ではありますね!笑

 

この「筋肉の緊張」は、体験を積み重ねていくしかないので、

是非、セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)のレッスン、クラスに足をお運びください!

お待ちしております!

 

新入生募集

東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2024年9月からの生徒募集(2名)しています。

 

《若手教師による初心者のためのATトライアルレッスン生募集》

 

詳しくは、ホームページをご覧ください!  

Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)

 

【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)

6月、7月、8月の開校日は

 

6月 17 18 19 21

   25 25 26 28

7月  1  2  3  5

    8  9 10 12

8月  5  6  7  9

《福岡での個人レッスン》は、2024年7月14日(日)、15日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

7/14(日)7/15日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会 (alextech.net)

 

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