摸倣と共感力
~AT教師養成学校で学ぶこと(43)~
【共感力とは?】
カウンセリングでは、同情じゃなくて、共感することが大事だと言われます。
同情は、依存関係を奨励するのに対して、
共感は、色んな事情に置かれている人間として認め、自立を促す。
勿論、人間の交流の中では、感情的なやり取りや、同情も時には入り混じりながら、他者が介入できない「本人」が向き合うべき課題を共有したりしながら、相手の人間としての在り方を認める。そこに、結果的に「同情」でなく「共感」が現れる。
そんなプロセスになることが実際には多いです。
「共感力」が発揮されるには、相手の状況を、部分的に感情的に反応することはあっても、相手の存在全体として大事なものを捉え、自分の捉え方を修正して、
バランスとまとまりのある自分が存在することが必須条件です。
私達の日常では、感情に流されたり、集団の心理的圧力(常識の感覚、周囲の期待値など)に影響されて、不本意な言動をすることは、待ったなしで起こり続けていますが、大事な瞬間に(例えば、人生の岐路、カウンセリングとかATレッスンの真っ最中とか)、自分が一つになって向き合うことの積み重ねが、「本来の自分」の歴史を作り、「自分」を成長させ、自立した存在として生きる経験値をつけることになります。
【共感力と残虐性】
サイコパスは、自分の利益の為なら、手段を厭わない。
例えば、人を利用したり、虐待行為をしても、自分の中の心のバランスが乱れない人。
だから、嘘をつくのも上手い。常識的に見たら、流石にこういう所で嘘つかないだろうという期待を簡単に裏切れる。
「道徳心を持った共感力のある人」として演技を巧みにすることもできる。自分の中の葛藤も少ない。なぜなら、これが自分の利益になるから。
だから、社会的成功を収めているサイコパスは、やたらと頭を使う必要があるので、情報処理のスピードも早く、機転が利く。頭がよくないと生き残れない事情があります。
顔色を見るのが上手く、和やかに会話を進め、自分の本音が見透かされないように振る舞い、人気がある人の傾向を的確に捉えることができる。
逆に、他人の目に晒されていない時は、冷酷な容貌をしたり、深い怒りを持ったり、汚い言葉を吐いたり、残虐性を剥き出しにします。
この性質は、考古学的にも、絶滅した「ネアンデルタール人」と我々人間の祖先「ホモ・サピエンス」の比較にも現れています。
ネアンデルタール人の発掘現場では、死人を埋葬したり、死者を敬う装飾品や祈りの象徴となるものが見当たらない。筋肉質で、腕力は強い。共感力の欠如が伺われます。
ホモ・サピエンスは、人や動物や自然を大切に扱い、スキルを要する細かい作業をする運動能力に長け、繊細な言語能力で集団で危機を乗り越える力を発揮する。共感力によって生き延びる。
【「自分」の捉え方】
この傾向は、「自分」の捉え方にも影響します。(ちょっと極論になりますが、)
*ネアンデルタール人は、自分は生き物であり、生きるか死ぬかという世界にいる為に、「自分」(自己イメージ)に対しても欺いて、生物学的生存の為に考え行動する。自分の気持ちや感情を切り裂いてでも、生存に有利な方法を選択する。
*ホモ・サピエンスは、「自分」は、魂や心があり、大切に、労りの気持ちで、自分の内面を大事にする。生物学的生存より大事なものが人間としての在り方に宿っていて、それを守る方が、自分の生物学的な生存より大事である。
人間を進化論に当てはめると、生存戦略の基礎が、「生物学的生死」か「魂や霊の継承」のいずれかが活かされる環境も影響していたと思われます。
例えば、縄文文化の衰退は、自然の恵みの恩恵を大切に守りすぎた為、気候が厳しくとも移住せずに、固執して滅びたとも言われています。
また、対照的に、ネアンデルタール人が絶滅した理由は、過酷な自然条件の中で、集団で団結したり、知恵を分け合って乗り切ることができなかったからとされています。
と言っても、我々ホモ・サピエンスの子孫にも、ネアンデルタール人の遺伝子は結構入っていて(人ゲノムの1〜4%)、一説によると、ネアンデルタール人が残虐にホモ・サピエンスをレイプしたからだとも言われています。
(と言えども、ネアンデルタール人の遺伝子が残虐性を持っているとは言えないけど)
注: この発見で、2022年ノーベル医学生理学賞をマックスプランク研究所の
Svante Paabo氏が受賞しています。
【多様性の中での戦い!】
SNSでも、結構心ない言動する人いますね。
相手を全否定したり、人を悪人に仕立て上げたり、人が亡くなることを笑ったり祝福したり。
葬式で喪に服する人の前で拡声器で大声出して邪魔をしたり、棺桶に落書きしたり。
共生社会としては受け入れられないような言動をする人は、いつの世にも一定数います。
こうした反社会的行動には、道徳や倫理に基づくと排除したくなるけれども、している本人は、悪いこととは思っていない。
こういう人が一定数いる「多様性」の中で社会は動いています。
しかも、「多様性を認めろ!」という人の中にも、排他的に自分の受け入れられる枠内の多様性のみを求めている人もいるので、話は一筋縄ではいかないわけです。
「一体どうやって社会の整合性が保たれるのだろうか?」
と疑問に思う人も多いでしょうが、
「なるようになる!」
という側面もあります。
日本国内でも、暴力で革命を訴える政治集団とかが、公の場で明示してしまう。
社会秩序を考えると、多様性をどこまで受け入れるかの線引きも必要な気もしますが、
「秩序がない、混沌とした社会をあるがままでいいじゃないか!」
って言う人もいます。
ということで、感情、心情レベルでは納得できないことも、社会では起こっています。
政治とか経済の話は、各人がそれぞれの前提や基礎(DNAも含めて)があり、
複雑に動く社会を扱っているので、
どれが正しいかという判断はとても難しいわけです。
ATの実践は、そういうレベルの決断や正しさは、基本的に保留します。
もっと、生活の瞬間瞬間に根ざした捉え方や言動に焦点を当てて取り組みます。
多様性の中の戦いを、自分の内面に見出す。
自分の中の多様性をまとめていく作業。
この力(統合力)を使って自分を生きる体験を積み重ねる。
東京アレクサンダーセンター(TAC)では、自分自身を大事に扱い、他者からの影響や共感力を育てることで、「本来の自分」が使われる体験できる環境を中心に学習する場です。
興味がある方は是非、私達の活動を体験してみてください。
お待ちしております!
ご意見、感想ドンドン書き込みしてください!
<<お知らせ!>>
*平日(火曜、金曜日)のイブニングクラスです!

詳細はホームページをご覧ください!
Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)
予約、ご質問は、すべてメールにて、
yoshiinadabsn@gmail.comにお問い合わせください。
《新入生募集》
*東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2026年4月からの生徒募集(1名)しています。
*若手教師によるトライアルレッスン!
*【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)
4月、5月の開校日は、
4月 27 28 休日
5月 休日 休日 休日 8
11 12 13 15
18 19 20 22
25 26 27 29
《福岡での個人レッスン》は、2026年5月10日(日)、11日(月)です。
(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、yoshiinadabsn@gmail.comにお願いします。)
5/10(日)5/11日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会
ブログ:https://ameblo.jp/yoshi-inada/
フェイスブック:https://www.facebook.com/yoshi.inada/
稲田 祥宏(@yoshiinada) • Instagram写真と動画
https://x.com/YoshiInada
youtube; Yoshi Inada AT - YouTube