新シリーズ!「自己の使い方」(1)

ATって一体何の学習?

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

新シリーズです!

そもそも「アレクサンダーテクニーク(以下、AT)」って何を学習するのか?についてお話しします。

 

【「学習」の概念を変えろ!】

一般の「学習」の概念では、

何か新しい物に接して、考えたり体験する中で、理解して、知識や知恵として自分を肉付けして豊かにするという印象を受けるかもしれません。

しかし、「ATの学習」は、そもそもの「自分」という設定を見直して、様々な刺激に対して反応して歪んでしまう自分を修正していく学習です。

それも、頭も身体も一緒に使って、「自分の全部」を巻き込む体験を積み重ねていきます。

 

 

私達には、自分の既に知っている知識や経験をもとに、新しいものを取り入れる「習慣に基づいた学習」というとても強い習性があります。

でも、既に知っていることを前提に学習することは、自分の癖を助長するだけで、知識や体験に対する捉え方がどんどん歪んでいくだけになってしまいます。

 

知識や知恵を自己正当化の為に使って、自分の成長(自分の大きな変化や根底から覆るほどの価値のある体験の積み重ね)をむしろ妨げてしまいます。

 

新しい自分、心新たに取り組む自分、今までの経験では通用しない問題に挑んでいく自分は、「学習」が、自分の表面を飾るのとは対照的に、

自分のプライドや虚栄心を捨て、

自分をさらけ出して、

本来持っている底力を発揮したり、

取るに足らないものに悩まないで、

自分をもっと大きく深く大事に扱って、

生活が心の底から納得する為の活動にシフトしていきます。

 

なぜなら、周囲への気配りや体裁を整える為のエネルギーを最小限にして、

「本来の自分」が基準になっていくからです。

 

【ATの学習】

ATの創始者FMアレクサンダー氏の著書「The Use of the Self」の中で、彼のレッスンでどの様な事が行われているのか描写する部分が多数あります。

吃音を持つ人、

目をボールから逸らす癖のゴルファー、

病弱で何ヶ月も寝たきりで歩けない人、

 

こうした人達に、アレクサンダー氏がしたレッスンは、 

1. 人間の全般的な機能を妨げない基準を毎日の様に繰り返し体験させて、

2. 習慣的な反応が出てきそうな時に(特に、習慣的に「しよう」という刺激が一番出そうな時critical moment)、習慣的な反応が出ない方向に向けて、自分を歪ませない方向に導ける(direction を与える)様にする為に、一緒に体験をしていきます。

3. そして、活動の最中でも、自分をリニューアルし、次々と出てくる習慣的反応が出ない方向(inhibition)に自分を形成し続けられることを基準に生活することを習得させます。

 

彼の言葉では、

You cannot know a thing by an instrument that’s wrong.

壊れた道具(既に習慣化されているパターン)によって、新しいものを知ることなどできない。

 

You can’t do something you don’t know, if you keep on doing what you know.

(既に習慣化されて)「知っている(と思い込んでいる)こと」を続けていても、自分の知らないことを習得することはできない。

 

You are not here to do exercises, or to learn to do something right, but to get able to meet a stimulus that puts you wrong and to learn to deal with it.

あなたがこのレッスンにくる理由は、与えられたエクセサイズをしたり、正しい何かを学ぶことではなく、あなた自身を歪めるような刺激と向き合い、それにどう対処するかを学ぶ為なのです。

 

【ATの学習を見直そう!】

アレクサンダー氏が強調している所は、私達人間が簡単に陥る習慣的な反応に対して、自分を歪めずに、「本来の自分」が対処することの重要性なのです。

 

脳科学、心理学、機能解剖学などの知識をいくらつけた所で、自分が歪んで、歪んだ自分が好き勝手に解釈して、良し悪しをきめ、「習慣的な自分」を助長する様な学習は、

ATの学習とは、真逆なのです。

 

AT教師の発信するものの中には、

「最適な身体の使い方」「独自の理論」

の様な、その教師が作ったより新しい有効な「やり方」?

をうたったものもあります。

新しい考え方やアプローチを入れて、改善する手法などを示すAT教師もいます。

 

しかし、これらが、もし、既に知っている世界にちょっと色付けして改善するものであるとしたら、それは、ATの学習からは外れています。

 

それらは、もしかしたら役に立ったり、楽になったりするかもしれないし、価値のあるものになることもあるかもしれないけれども、「本来の自分」を取り戻す取り組みではないからです。

 

ATに興味を持っている人、ATを学んでいる人、AT教師として活動している人、

どのくらいATの世界に入り込んでいるかは関係なく、

私達は、本当に「自分」の為の学びになっているのか、再度検証する必要があります。

 

ATを便利で、わかりやすく、楽にできるイメージを持つこと自体、悪いことではないかもしれませんが、ATを実際に体験していくと、こうした既存の言葉で描いたイメージや感覚とはかなり違うものになります。

 

と同時に、今までの自分が知り得なかった世界が展開していることに目覚めていく体験になるでしょう。「自分」の設定を整えることで、既存の価値を超えた、もっと大事なものを発見することになるでしょう。

 

セルフフルネス(AT)の取り組みに参加しませんか?

東京アレクサンダーセンター(セルフフルネスアカデミー)でお待ちしております。

 

新入生募集

東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2024年9月からの生徒募集(2名)しています。

 

《若手教師による初心者のためのATトライアルレッスン生募集》

 

詳しくは、ホームページをご覧ください!  

Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)

 

【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)

6月、7月、8月の開校日は

 

6月 24 25 26 28

7月  1  2  3  5

    8  9 10 12

8月  5  6  7  9

《福岡での個人レッスン》は、2024年7月14日(日)、15日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

7/14(日)7/15日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会 (alextech.net)

 

いずれのクラスの予約、ご質問は、すべてメールにて、

yoshiinadabsn@gmail.comにお問い合わせください。 

 

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