さいたまマラソン(2024.2.12) 下巻 ~そして伝説へ~ | 走るの嫌い

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でも速くはなりたい

前回までのあらすじ~

ハーフの通過タイム1:26'17"は、キロ換算すると4'05"くらいになるが、走っている最中は4'00"よりは少なくとも借金があるということがぼんやりと分かるだけなのであった。

 

 

●21.0975~25km(1:42'02")

ハーフを超えるとすぐに給水所があった。ここからは5kmごとではなく、2.5kmごとの設置になるようだ。間隔が短くなったからといってその分給水所が簡素なのかというとそんなことは全くない。

 

給水しかとらない自分にとっては、給水所が広くてとりやすいことが大事なので本当にありがたい。前回まではこんなに給水所大きくなかった気がするので改良ポイントなのかも。コロナ以降は給水もいろいろと言われるようになったけど、それによる影響が少なからずあったのかな。

 

このあたりでさいたま市から越谷市に一度突入する。越谷市のマラソンではないし周辺に別に越谷っぽさがあるわけではないから仕方がないかもしれないけど、せっかくなんだからもうちょっと越谷色を出したらいいのにね。越谷市に入った直後のところでガーヤちゃんが応援してくれるとかさ。越谷市を走ったという事実を今現在も知らないランナーもそれなりにいるんじゃないの。特に県外からの参加者は。

 

え、ガーヤちゃんがいたくらいでここが越谷市だと分かる人はほとんどいないって? 知らんがな。

 

国道463号の起点である神明町(北)交差点で折り返し、ここから35km過ぎまではこれまで走ってきたコースをほぼ戻ることになる。

 

 

●25~30km(2:02'18")

25kmの給水付近。ここが今回のマラソンで一番つらいゾーンだった。周囲に建物がない中で、強い向かい風が襲い掛かってきた。周りのランナーもみんな失速。最初の混雑時のラップ(4'09")を除くと、この区間で記録した4'08"が結果的には最も遅いラップだった。

 

ただ、この後向かい風にずっと苦しめられたかというとそういうわけでもなく、区間にして1km弱程度。そのあとは、風に苦しめられることもなく、次のラップは3'59"と戻せた。

 

風の被害は完全になくなったところで、眼前に現れた浦和美園駅前の陸橋。平坦な道は終わり、ここからまた上り下りを繰り返すことになる。この陸橋は緩やかだけど結構長いんだよね。

 

「鶴巻陸橋」を過ぎると「浦和大学」まで緩やかな下り坂が続く。ここは走りやすかったけど、「浦和大学」から見えるは「新見沼大橋有料道路」への坂道。

 

下り坂の直後に用意されている上り坂はよりキツく感じる。ここが折り返し最初の難関だったんじゃないかな。やられた人結構いるでしょ。自分はこの坂があることを知っていたから全く動じなかったけどね(えっへん)。まあ、動じなかっただけでこの上り坂のところで4'03"を叩き出しましたけどね。

 

坂を超えた先の一直線「新見沼大橋」も風はほとんどなし。ここで風が無いのはでかい。向かい風だった場合はもちろん悪影響があるし、川の上だから風が吹くと寒いんだよね、ここ。

 

いやあ、今回のマラソンの気候条件はとてもいい。2月とはいえここまで条件が整うことって滅多にないんじゃない。難コースのさいたまで記録を叩き出すには今日を逃したら多分一生無理。もう大分前から走ることにウンザリしているけど、集中力を切らさないように踏ん張る。

 

「新見沼大橋有料道路」を抜け切る前に30kmの標識。練習でこなした30kmまでは無事に来られた。タイムも練習とほぼ同じで来られていたようだ。

 

さて、問題はここからペースを上げられるかどうか。いわゆる30kmの壁的なやつは特に感じないけど脚に余力がないなー。このまま4'00"を刻み切ろう。

 

 

●30~35km(2:22'27")

31kmを過ぎたところで一度左折して東浦和駅方向に向かう。前回はこのあたりで完全に失速したのであの時の嫌な思い出がよぎる。後ろからたくさん抜き去られました。

 

でも、大丈夫。今日は私が抜き去る側です。ここで結構な数を追い抜いたかな。

 

ここは東浦和駅からの大通りなので、さりげなく人が多くて応援が熱いんだよね。第2回はコースが違って、ここを走ることはなかった。無駄な折り返し地点が増えたと言えなくもないけど、ここは今後も入れてほしいところ。

 

東浦和駅の折り返しゾーンを抜けて国道463号に戻ると、32.5kmの給水ポイント。

 

ここでみんなお待ちかねの コカ・コーラ が登場!

※当日はもちろん紙コップでの提供でした

 

ひゃっほう!

 

4'00"のラップを刻み続けること以外でもう一つ走る前に決めていたこと。それこそここの給水所でコーラをとることであった。急に糖分をとることの危険性を考えなかったわけではないけど、まあ、いいじゃんそういうのは。

 

ゴクゴクとコーラを飲む。

 

うまい! もう1杯!

 

実際には2杯目をとれるほどコーラの給水場所がなかったので1杯しか飲めなかったが、おいしくいただきました。

 

当日の企画で、参加者の1人にだけコカ・コーラ1年分が当たったらしいんだけど、これってどこで発表してたんだろう。

 

コーラによるパワーアップは特になかったものの、その後も順調に進む。34km近くの「中尾陸橋」の上り坂の前あたりで、「女子3位だぞ! 頑張れー!」という男性の声援があった。

 

目の前にいる女性が女子3位らしい。女子の選手は途中からほぼ見かけなくなったが、あと3人も前にいたんだ。失速しているようだったのでその女性を抜き去る。

 

そのあとすぐに女子2位と思われる方もいて、やっぱり失速しているようだったので抜き去った。さっきの声援が正しければ前にあと1人いるはずだけど拾いきれるかなー。

 

 

●35km~40km(2:42'46")

確かここらへんだったと思うんだけど、「2時間55分行けるぞー!」って声援をもらった(別に自分だけにくれた訳ではないけど)。あれ、そんな時間で走っているつもりはないんだけどな。自分が想定しているより遅いところで走っているってことのか、失速しても粘り続けられれば55分を出せるって意味だったのか。とりあえずこのまま行けば少なくとも2時間55分は切れるってことだという整理をしました。御声援ありがとうございました。

 

今回は過去の大会と比べて声援が特に大きかった気がする。街中が4年振りのフルマラソン復活を喜んでくれている感じがしたね。声援に応えられるだけの元気が今回なかったのでどこも素っ気なく通過したのが申し訳ない。まだ病み上がりで実質病人みたいなものなので許してください。

 

さいたまランフェスの時は「中尾陸橋」を超えたところでバナナの恰好した人を後ろから抜いた時に「ファイト!」って話しかけるくらいの余裕があったんだけどね(あの時はコースを2往復かつ10kmとの同時開催。自分は2週目で、バナナさんは10kmの人だったと思われる)。

 

36kmを過ぎたところで、さあ、いよいよ見えてきたさいたまマラソンのラスボス「新浦和橋」。

 

コース一番の急坂が、序盤でもなく、中盤でもなく、終盤でもなく、こんなところで待ってるというのがさいたまマラソンの最大の特徴。

 

この急坂があることを事前に知ってるかどうかは重要だと思うんだよねえ。初めて走った第2回は、コースを事前に学習していなかったので、涙が出てくる辛さだったよ。。。

 

ここの通過ラップは4'07"。ここの急坂は上り坂もあるかわりに下り坂もあるから、上りで遅くなった分は下りでカバーしきれると踏んでいたんだけど、その想定通りにはいかなかったみたい。まっ、これくらいは許容範囲。

 

問題はこのあとで、「さいたまりそな銀行本社」から「埼大通り」にかけては走っていても分からないくらい緩やかに上っていくんだけど、ここのラップまで4'07"を出してしまう。まずい、このまま最後までズルズル行く可能性がある。

 

いったん流れに任せて走るのをやめて意図的にスピードを出す。まだこういうことをできる余力はある。次のラップは3'58"。何とか戻せたが、無理に力を入れないペースで走ろうとすると4'00"ではもう走れないということだ。こうなったら最後まで意図的に速く走ろうとし続けるしかない。

 

40kmに向かう途中の「たつみ通り」から左折するところで、ルイージの仮装をしている人を抜く。

 

パッと見ただけで分かるくらいのガッツリ仮装をしながらこんなタイムで走れんのかあ、はえーよ。この日のために高級ハーフタイツを買おうかどうか迷っていた自分が恥ずかしくなる(結局買わなかったけど)。結局のところ、走るのは道具じゃなくて人なんだよな。改めて思いました。

 

 

●40km~ゴール

ゴールまで2kmちょっと。あと残り僅かなので少しでもペースを上げたいところだけど、左脚が攣りそうな感じがする。ここにきて体調不良による筋肉痛が影響してきた。ペースをもう一段階上げるのはリスクがあると判断し、現状維持を選択。

 

ここで最後の給水所。ここで給水をとるタイムロスと位置取りの変更による脚への負担を考えたら通り過ぎるのが最善策。今日最初で最後の給水パス。周囲のランナーも当然のように誰も給水に手をつけない。

 

残り1kmの看板。ゴールに向けてここからペースを上げる人、完全に失速する人、脚を攣って止まってしまった人。様々な人が交錯する中、自分はここでも4'00"ペースを継続。というか、ペースを上げきれない。数分耐えるだけでもうゴールなのに走るの今すぐ止めたいくらい辛いんだよー。えーん。

 

北与野駅の高架下(北与野デッキ)を抜け、さいたまスーパーアリーナ入口交差点を右折。

 

何となく思い出してきたぞ、この光景。

 

2本の高架下を抜けるとついに現れたさいたまスーパーアリーナ!

 

前回はこの直線上にゴールが設置されていたけど、今回のゴールはまだ見えない。今日はスーパーアリーナが見えると同時に左折し、スーパーアリーナの周辺を70m程度走る。

 

そして、右折してスーパーアリーナ内に入る。ちょっとした上り坂になってるけど、これまでの坂に比べたらこんなもんなんぼのもんじゃい!

 

赤い絨毯が敷いてあって、何だか特別感ある! ここまで来たら最後だけでも猛ダッシュじゃー!

 

FINISH!

 

4年2か月振りのフルマラソン、ここに完結。「ミホノブルボン作戦」、完遂してやったぜ。

 

室内ゴールはいいねー。名古屋ウィメンズみたい。スーパーアリーナでやってる、って感じがしてすごくいい。第2回なんかは想定してないところにゴールがあったからゴールしたっていう達成感があまりなかったんだよね。

 

そういや、自分の記録はどうだったんだ? 何分で着いた?

 

どこを見ても分かんない。ゴールのどこにもスポーツタイマーが無いじゃんか。

 

前回まではあったんだよ。SEIKOがスポンサーから外れたからとかそんな理由なんだろうけど。FINISHゲートに吊り下げなくてもいいので、次回はゴールくらいにはスポーツタイマーを設置してほしいな。

 

ここにいてもタイムは分かりようがないので頭の中で何となくの計算をしてみる。目標の2時間50分は多分切れていないけど、途中の声援にあった2時間55分までは絶対にかかっていないはずで、おそらく2時間51分から52分の間と予測。

 

結局、今日の記録を知るのは数時間後になるのだけれど、概ね予想通りの結果に落ち着いた。うん、まあ上出来。

 

スタート時の混雑による影響で序盤が遅かったから後半上げていないのにネガティブスプリットで走れた。フルマラソンでネガティブスプリットはなかなかすごいよね。序盤の借金を返せるくらい上げられたらもっと良かったんだけど欲を言えばキリはない。

 

しかし、加須に引き続いて今回も目標にギリギリで届かず。毎回、絶妙な目標設定してますねえ。フルもハーフもまだまだ頑張らなきゃダメだぞ、ってことだろうね。

 

そういや、女子1位の方は最後まで見かけなかった。どうやら拾いきれなかったみたい。悔しいな。

 

 

●ゴール後

メダルとパン、アクエリアスをもらう。事前に分かっていたこととはいえ今回はフィニッシャータオル無し。ちょっと寂しい。そして疲弊した脚をさらに疲弊させようという運営の作戦にまんまと嵌められてそれなりに段数のある階段を上らされた(まあ、アリーナ内をゴールにする以上、この導線になるのは仕方がない)。

 

問題はここからですよ。手荷物を取りに向かうと1か所にだけ結構な列ができている。過去はもっと遅くゴールしたけどこんなことなかったぞ。どうなっているのか確認してみると、どうやら手荷物の返却をブロックごとで分けていて、しかも1つの窓口だけで手渡しているらしい。

 

いやいや、この時間はAブロックのランナーしかゴールしてないんだからこんなオペレーションにしたら混雑するに決まっとるやないか!(関西人でもないのに思わず関西弁)

 

まあ、この時間はまだゴールしているランナーがそこまでいなかったので何十分も待たされることはなかった。ただ、この後一緒に走ったCブロックの人の手荷物返却に付き合ったんだけど、こちらは悲惨だった。

 

オペレーションはどのブロックも同じなのでゴールした人が多い時間帯になればなるほどその分混雑する。しかもCブロックのランナーの並ぶところなのかDブロックのランナーの並ぶところなのか、はたまたCでもDでもないのか、全然分からない。途中から誘導が入って多少は整列されたけど混雑が緩和されたわけではなかった。

 

自分が見た限りではあからさまに怒りを露わにしている人はいなかったけど、走った後にこういうことされるとせっかくのマラソンの満足度が一気に下がっちゃうよね。レース中はストレスレスだっただけに余計に悪目立ちした感じがするよ。

 

ふくしまもゴール後の導線がひどすぎて散々な評価をされていたのを思い出す。次回は手荷物関係のオペレーションだけはよく検討して改善してほしい。

 

話は戻って、手荷物を受け取った後は、着替えるためにエスカレーターで5階に向かう。脚にガタが来たようで荷物を持ちながらエスカレーターを乗り継ぐのがとてもたいへんで、2階から5階に行くのだけでも一苦労。

 

さすがに着替え場所は今の時間ならガラガラ。走る前とは違って優雅にゆったりとお着替え。近くでYouTubeの撮影をしてるっぽい人なんかもいた。

 

ここで、途中から痛かった左足の親指を確認。靴下を脱ぐとやっぱり結構な大きさの水膨れになっている。今までこんなところに水膨れができたことないんだけどな、と原因を探ってみると、靴下に何かついている。ん、なんだこれ…

 

ロ、ロイヒの温シップ!?

 

実は、高熱のせいで脚の筋肉痛がひどかったので、普段はつけないシップを何日か前から走る直前まで脚にペタペタと貼っていたのだ。

 

走る前の着替えの時に全部とったんだけど、どういうわけかそのうちの1枚が靴下の親指部分についてしまったらしい。シップ自体はとても薄いのでこんなことになっているとは全く気づかなかった。

 

けど、こんな薄いシップでも少しずつ悪さをするとここまで大きなダメージを与えてくるんだということを身体を張って知った。今後は、走る前に必ず靴下をチェックすることを心に誓う。

 

着替えも終わり、それからは会場内に戻って一緒に来た人達の帰還をのんびりと待つ。そして合流して手荷物を受け取とろうとしたところでたいへんな目に合うのであった。

 

ありがとう、さいたまマラソン。来年も出るよ。

 

~ Fin ~