~前回のあらすじ~
おい、EPSON!
スタート時点でEPSONが動いていないため、ここからのタイムは全てスポロクの提供でお送りいたします。
EPSONでの時間管理はもうできないし、スポーツタイマーは全然置いてないしで最初から最後まで自分がどんなタイムで走っているのかほぼ分からないという初めての経験をした。
●スタート~5km(21'14")
始まりは大混雑。ゆっくり走ることもできず、前に歩き出すだけ。スタート地点を過ぎたあたりから少しずつ走れるようになるが、ジョグとすら呼べないペースでゆっくりと歩を進める。EPSONはまだ測位できていない。
なるべく混雑にならないようにこのコースはいつも最初の600mくらいを直線にしてくれているんだけど、やっぱりこの直線では御一行がバラけることはない。そろそろ最初のカーブが見えてきたというあたりで、やっとEPSONがGPSを拾ったので、すぐスタートを押す。
EPSONに唯一期待することは自分が4'00"のラップを刻めているかを教えてくれること。1kmごとのラップが鳴る位置は、本来の距離とは全く異なるのでこの時点でもう何の役にも立たないが、これについては幸いにして1kmごとに看板があるから時計がなくとも距離で迷わずに済む。どんな形であれキロ4ペースで走り続けられているのが分かるということが「ミホノブルボン作戦」にとって大事なのだ。
2回目のカーブを曲がったところでEPSONが最初のラップを4'09"と知らせてきた。このラップでかなりの余裕があるので、最大の不安だった体調は大丈夫そうでホッとする。そろそろ作戦を遂行できそうだな。
ここで一つ気になるのは、Aブロックは3時間以内ではないのかってこと。まあ、3時間以内がAブロックというのは自分の勝手な予想だし、もしかしたら間違ってるかもしれないからそれは別にいいんだけど、後ろから交わす時に左右に動くという無駄な動きをしたくないんだよね。
そんなモヤモヤを抱えているうちに2回目のラップ3'58"が刻まれる。お、良い感じ。ここからはしばらく開けた直線に入るので一気に走りやすくなる。3回目、4回目のラップはどちらも3'57"。
さあ、ここからがさいたまマラソンの本当の始まりだぜ。
●5~10km(41'31")
5kmを過ぎたところに最初の給水。今日は割と暖かいので積極的に給水をとりたい。加須の悪夢がよぎるが、さすがさいたまは分かってる。最初にアクエリアスゾーンが5、6テーブルくらいあって、そのあと水ゾーンも同じくらいある。甘いアクエリアスを飲んでから水でその甘さをとるっていうのが理想的な給水の仕方なので、さいたまは意図的にこの配置にしてくれているはず。
コーラのかっこいいカップに入ったアクエリアスをちゃんと飲めた。うん、おいしい。自分の給水の仕方が悪いわけではなかった。加須の給水はなんだったんだホント。水もちゃんととれたので、口に含みつつ身体にちょっとだけかける。
直線を終え、左に曲がったところで道が狭くなる。前の方に人がわんさかいる。なんだこれ。少し一緒に走ったが、ちょっと遅いので集団から抜けて前に出る。集団の先頭に目をやるとサブ3のぺーサーが2人いる。そうか、これみんなサブ3狙いのランナー達なのか。
サブ3ってこんなに速いペースで走らないといけないのか。それともまだこんなところにいる自分が遅いってことなのか。いや、ペーサーがうまく配分できてないんじゃないか。とりあえず、4'00"ペースで走るなら4'15"ペースの集団と仲良くしているわけにはいかない。先に進む。
この区間で、さいたまマラソン最長の7kmの直線に入る。直線とだけ言えば走りやすいコースを想像するところ、さいたまの直線はずっと上ったり下ったりでランナーの脚を削ってくる恐怖の直線だ。
日頃のEペース走で坂のあるコースを走る理由は、こういう難コースで脚をやらないようにするため。上り坂であっても下り坂であってもこの区間は順調に4'00"で巡行した。周りを見ていると上り坂が苦手な人結構多いね。
●10~15km(1:01'42")
10kmを超えた直後に2回目の給水。ここもアクエリアスと水をとる。ここも給水ゾーンが広々としていていいね。
給水をとった後、すぐに「新見沼大橋有料道路」の上り坂が見えてきた。
去年のさいたまランフェスではこの橋が最大の難関だったんだよね。新見沼大橋の開けた直線を走るまでにそれなりに上る必要があって、それに加えて新見沼大橋は川の上を通っているので結構な風を受けながら走らないといけない。この日もそれなりの向かい風がもてなしてくれた。上り坂に向かい風は結構効くぜ。この道路はこの後もう一回通るので、人によっては「新浦和橋」よりここの方が印象に残ったかもね。
「新見沼大橋有料道路」を抜けると緩やかな下りで、「浦和大学」の目の前を通る。その後、少し急な上り坂を上りながら「鶴巻陸橋」へ。さいたまランフェスではここで折り返したので、ここから先を走るのは4年2か月振りになる。何だか感慨深いなー。
一つ目の陸橋を抜けると、すぐに浦和美園西口(南)から続くもう一つの陸橋が出てくる。これって両方とも「鶴巻陸橋」なのかな。こっちの陸橋の方が角度があるのに加えて坂が長いので走りにくい。
ここの上り坂が続いているところで13回目のラップが鳴り、4'05"とターゲットから外れたラップが出たが、そこからの下り坂を含む14回目のラップは3'57"。うまく帳尻合わせができている。
このあたりで一つ気になったことがあって、なぜか左足の親指が痛くなってきた。直前に爪がとれた指だ。爪が無いことによる影響か、それとも左足の着地が上手くいっていなくてつま先で走りすぎているのか。うーん、なんだろう。
答えはどちらでもないことが分かるのはゴールしてシューズを脱いでからになる(下巻で触れたい)。痛いことは痛いが、走れない痛さではないのでそのまま放置する。
●15km~21.0975km(1:26'17")
15kmを超えたところに3回目の給水。ここでアクエリアスを飲んでいたら左足にかけてしまった。本来、これくらいはそんなに気にする必要ないんだけど、ここからの1.5kmくらいの直線が向かい風だったので脚が冷えた。そのせいで左足が少し動かしにくくなった。長い直線ではなかったので、そこを抜けてからはまた元に戻ったが、脚には極力水分をかけないようにこの後の給水はできるだけ慎重にやらないと、と思った。
このあたりで、コース上数少ない名所(名所って言い方が全くふさわしくないのは分かっているけど)である「さいたまスタジアム2○○2」が左手にお目見えした。
3回くらい意味もなく左をチラチラ見た。他のランナーは、誰も興味なさそうに、いや、レースに集中した真剣な眼差しで前方だけを見つめていた。
さいたまスタジアムゾーンを抜けると20kmを過ぎた。ここで4回目の給水。
あとちょっとで半分。ハーフのところで現在の時刻を把握しようとしたんだけど、ハーフの計測システムが近づいてきてもスポーツタイマーが見当たらない。今年は、ハーフにスポーツタイマー置いてないのか。アテが外れた。
前回はここにスポーツタイマーが置いてあった。「まだ半分なのか。。。」と絶望した時もハーフ通過のタイムが分かったから、さらに絶望したんだよなあ。
もしかして、スポーツタイマーは関門のところにしかないのか。関門は微妙かつ半端な距離のところにばかりあるので、走りながら計算して今の状況を把握するのはちょっと難しい。
この時点では問題なく4'00"を刻み続けられているので、少しでも時間を把握しようとするのはこのあたりで完全に止めて、邪念を持たずにただただ「ミホノブルボン作戦」を遂行することを心に誓った。
次回に続く。