ツアーのバスは不思議な建物の前に着きました。


こちらは八海山龍谷寺の観音堂、慈雲閣で
インドのグプタ朝時代の建築様式に範をとった建物だそうです。

慈雲閣には山脇敏男氏の手による十一面観世音菩薩像が奉安されていました。
ここから長い廊下を歩いて本堂へと進みます。

龍谷寺の雲蝶作品は、本堂の欄間4面と室中入口の欄間2面。
(定かではないものの)小林源太郎との共作とされる欄間が2面。

本堂の欄間、麒麟(上)と獏(下)。


唐獅子と牡丹が彫られたものが、違う構図で2面。
どちらも親子の獅子です(写真はその一部、親獅子の姿)。


それから、室中入り口に二間の欄間を使って
「得誠和尚の行履(あんり)」という作品がダイナミックに彫られています。

得誠(とくじょう)和尚は船頭に身をやつして、よき後継者を探していました。
そこへ夾山善会(かっさんぜんえ)という一人の僧がやってきます。

禅問答をして「この人だ」と思った得誠和尚は
なんと棹でもって夾山を水中へ叩き落とします。
(このへん、凡人には理解できない世界です)

その、今まさに水中へ突き落したという瞬間が欄間の彫刻になっています。

舟に仁王立ちになって棹を振りかぶる得誠和尚。
この棹が欄間からはみ出してるんです。
(後から棹をつっくけたのではなく、最初から意図して彫り上げてある)


波間に真っ逆さまの夾山善会。
この先に(写真には写ってないけど)夾山の笠も波に浮かんでいたりして
ドラマチックな場面を見事に彫り出しています。


得誠和尚の行履の裏面は葡萄の葉のレリーフ。
シンプルに見えますが、葉が浮き上がっているということは・・・


本堂左手奥にある「妙光堂」には
竹内勝山氏の手による、百二十余体の佛像が奉安されています(撮影不可)。

如来さまや菩薩さま、十二支の守り本尊さんなどが勢ぞろいなさっていて
どの仏さまも温かみのある可愛らしい御姿で
仲良く寛いでおられるような雰囲気でした。