カンチブレーキ祭り開催(夏の終わりの風物詩ではない) | 休業日報

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地味な自転車や機械、軽トラの事。

内地よりも早く夏の終わりが訪れる北海道。(一部の道民は本州の事を内地と呼びます)


夕暮れ時の風がちょっぴり、ひんやりし始めました。


私が住む地域では、その年に採れたカンチブレーキを持ち寄り、皆でカンチブレーキを換装したり、制動力対決で崖へ向かってチキンレースやジャックナイフ角度対決などをしたりして翌年の豊作と安全を祈願します。


それはさておき、予想以上に乗って楽しいCANNONDALE KILLER V900をレギュラー入りさせるために、通過儀礼とも言えるカンチブレーキの強化換装をします。





購入してからいつかは使おうと思っていたがパーツ不足のDIA-COMPE VC800と手持ちで最強の制動力を誇るSHIMANO BR-M651の予備を前後に使います。





本当は前後同一が良かったんですが、いつパーツが集まるか分からないのけど早く使いたくてしょうがないので・・・。


VC800は左右のテンションを調整するカム周りのパーツが欠品。


出来ればこう言うパーツは樹脂で作ってほしくは無いなあ。


この個体はまだ加水分解などの劣化してないが、アジャスターを前オーナーが馬鹿力で回したのか、ひとつ潰れちゃってます。


ひとまず1セットは確保出来たのでいいけど。





コレはカッコいい、このカクカク感がたまりません。


アーム長もまあまあ長いので制動力には期待出来ます。





フロントは実績のあるBR-M651です。


微妙にダサいが問答無用でぶっちぎりの制動力。


リッジランナーに前後装着しているがそちらは外したくないので、この間オークションで落とした予備を投入。


レギュラー車両は一定以上の制動力が欲しいというか、私は自転車の楽しさの半分くらいはブレーキにあると思ってます。


正直、ディレイラーとかはグレードが低かろうが、無くてもそれほど気にならない。





これだけではカンチブレーキの神様に奉納するカンチブレーキが足りないのでビアンキSIKAさんのブレーキも交換です。


SIKAさんはペダルとチェーン以外、SUNTOURが使われているので、否応無しにSUNTOURを選択せざるを得ない。


SUNTOUR SE XC PROの前後セット(フロントはSE無し)が欲しいが値段がなあ・・・。


注)SE とはSELF-ENERGIZING SYSTEM自己増幅装置?自己活性化装置?と訳するのかよく分からんですけど、アーム根元のシリンダー内の螺旋状の溝で誘導され、ブレーキシューがリムに食い込む方向に押される機構です。


フロントはあまり効きの良くないXC LTDを、ギリギリまでチドリを下げたセッティングでどうにか使える様にしたがリアがどうにも甘い。


となればリアだけSE XC PROがあるので交換です。


まあ踵がぶつかる可能性があるのでセッティングに限界はあるし、SEの掛かりにクセがあるんでどうかなあとも思いますが。





見た目のハッタリは最高に効きます。


踵を気にして、まずは控えめなセッティング。





このくらいだとXC LTDと変わらない効きです。


3フィンガーで思いっきり握れば、まあ効くかなあ的制動力。


しかもSEって車速が遅い時やレバーを弱く握っている時は構造的に自己増幅作用があまり働かないのです。


都市伝説でSE XC PROは、セッティングが決まると前転するくらい効くとか言われたりしますが、SE付きのブレーキはリア用しか存在しないですし、フロントに付けても使う事は出来るが向きが逆になるのでSEが効きません。


リアがどんなに効いても前転は出来ない。


笑い話にマジレスはこの位にしときます。


大部分の人は分かってて笑い話にしてるのですが、話が一人歩きしてSE XC PROが神格化されてオークションとかで馬鹿みたいな値段になってますよねえ。


常識的なお値段で出品してる人もいますが。





踵とのせめぎ合いでギリギリの開き具合に。


チドリももう少し下げれば制動力が上がるのはわかっているんですが、MTBとしてこれ以上クリアランスを狭くするのはどうにも受け入れられない。





ああ、至福のひととき。


さて、2台のザックリとしたインプレですね。



CANNONDALE KILLER V900


フロント BR-M651

やはり強力な制動力とコントロール性が最高です。

アームの剛性もあるんでしょう、メカニカルアドバンテージを上げるセッティングをしてもレバー入力の柔らかさが最小限です。


リア VC800

制動力は前のBR-CT10よりは明らかに向上。

しかしそれほどメカニカルアドバンテージを上げるセッティングでは無いのに入力に柔らかさが多めに出る。

アームの剛性も若干低いのかも知れないがサドルポストのアウター受けの位置とワイヤーの取り回し位置が微妙なフレームなので、まあしょうがない。

でも超カッコいい。



BIANCHI SIKA


リア SE XC PRO

踵との兼ね合いで本来の制動力が発揮出来ないのは26インチMTBのリアカンチブレーキの宿命とも言える。

しかしギリギリまで拡げたアームのセッティングではXC LTDよりはコントロール性と制動力が向上。

SEが効くまでの時間とSE作動具合のフィーリングの差はレバー入力と車速に左右されるので慣れるしかない。

見た目でハッタリの効かせ具合は最強レベル。


もっと世界には私の知らないカンチブレーキが存在するんだろうなあ、もっと集めて使ってみたいなあ。