DIA-COMPE XCMから987に換装されたマッドロックですが、ジワジワとギロチンシューが後退する現象を解消しないと危ないだけで無く、楽しくありません、つうか乗れません。
今日中に直して意地でもマッドロックに乗る。
まずは裏側が湾曲しているギロチンシューに食い込んで固定するスペーサーがツルツルだったので、ダイヤモンドヤスリで突起部を復活させます。
全てのパーツは同じ様に見えても、購入からアーム毎に組み合わせを変えずに使ってます。
その方が初期トラブルの特定と解消に役立ちます。
よく見ると他のアームには付いているギロチンシューの締め付けナットに薄型で内径が大きいワッシャーが他のナットにはあるが左前には無い。
出品時の写真にもワッシャーが無い・・・。
あまりにも新品の様な輝きだったので、装着前の細部確認を怠ってしまいました。
まあ、無い物はテーパーリーマーとヤスリで地道に作りました。
それだけでは無く、アーム表側の湾曲スペーサーが歪んでいます。
これでは規定の摩擦力が発生しません。
前の作業者が湾曲スペーサーを間違って装着、シューが滑るので馬鹿力で締めたんでしょう。
ここだけアームにひどいキズがあり、湾曲スペーサーのキズとピッタリ合致。
やったのが過去の所有者なのか出品者なのかは不明ですが、ちょっとゲンナリします。
別に抗議したり返品しても面倒なだけですから、流用出来るパーツを探したらDIA-COMPE 986の湾曲スペーサーがピッタリだし、ワッシャーも同一寸法でした。
表面仕上げが少し違いますが気にしない。
ピッタリです。
この為にDIA-COMPE986を買ったかの様だ。
再度、組み直して試乗すると控えめに言っても効きます、良いです。
前後共にコントロール性も高く、ロックさせたりジャックナイフも容易になりました。
ブレーキを掛けるのが楽しくて「このブレーキは当たりだぜ」とか「ああ、ようやくマッドロックのカンチブレーキを探す旅は終わりだなあ」などと思いながら小一時間乗り回しました。
これでマッドロックの仕様は確定。
SHIMANOの BR-M651やSUNTOUR J-1(仮称)に引けを取らない制動力を発揮してます。
左 DIA-COMPE 987
中央 SUNTOUR J-1(仮称)
右 SHIMANO BR-M651
この3種の制動力の大きさは、アームが比較的長いと言う事に由来しています。
それとアームの外側への振り出しが少ないのでメカニカルアドバンテージを上げる角度を張り出しを抑えつつ取り易い形状になってます。
あくまで他のカンチブレーキと比較してなので左右の張り出しは他の種類のブレーキから見ると馬鹿みたいに出っぱってますけど。
左から
SUNTOUR XC-LTD
SHIMANO BR-M650
SHIMANO BR-CT10
右側のBR-CT10以外は制動力を上げづらいです。
まあ、アームが短くてもメカニカルアドバンテージを上げる事は可能ですけど、チドリがタイヤに寄り過ぎたりとか左右の張り出しが大きくなり過ぎるとか、色々と問題が出やすいかと感じます。
その点、BR-CT10はヤフオクで良く出品されるDEORE-LX(BR-M561)とかSTX-RCとほぼ同一形状(長くて張り出しが少ない)なので扱いやすいカンチブレーキですね。
シューをなるべく固定ボルト側に寄せられるかも重要ですが、そこはフレームのカンチ台座取付位置によりシューの適正位置は影響を受けたりしますから。
左から
DIA-COMPE XCM
DIA-COMPE 986 (SUNTOUR X-1)
DIA-COMPE XCT
コレらはアーム長が短く制動力が上げづらいです。
しかも制動力を上げようとすると左右の張り出しがヤバい感じになる。
ここで言うアーム長とは固定ボルト部分からストラドルケーブル(アーチワイヤー)取付位置までの直線距離を言います。
3つともアーム長は55ミリ位で、XCTがちょっと長い位だったかな。
アームの曲がりは基本的に重要ではありません。
この中ではシューを固定ボルト側に寄せられ、アームがちょっと長いXCTは制動力が比較的上げやすい形状ですね。
ちなみに上の写真はDIA-COMPE 987についてきたギロチンシューですが、シューの根元に湾曲スペーサーで固定した跡が見えます。
そんな所を固定していてはカンチブレーキ本来の制動力を発揮出来ません。
こんな間違ったカンチブレーキの使い方をしながら「カンチブレーキは効かない」と間違った評価を言いふらす人が世間には沢山いますからとても残念な気分になります。
正確には「カンチブレーキはセッティング幅がとても広い為、その人が自分に合ったセッティングを出せなかった」それだけです。
まあレース機材とか合理的移動手段と自転車を捉えれば、作業者によってセッティングに大きな差が出てしまう、セッティングに時間が掛かるのは事実ですからその点でカンチブレーキにダメ出しをするのは理解出来ますし、私もそう言った利用には向かない機材だとは思います。
DIA-COMPE 987とBR-CT10(BR-M561、STX-RC類似)長さ比較。
この2つの様にアーム長が60ミリを超えるタイプは制動力を基本的に上げやすいです。
BR-M651ですと70ミリ程あり制動力は簡単に高くしやすいですが、カンチブレーキ自体も撓み、台座にも負荷が大きい、制動力を上げれるイコールリムへのダメージも激増と悩みも増えていきます。
BR-M651とBR-CT10の長さ比較。
お気に入りカンチブレーキがまた増えました。
マッドロックのカンチブレーキを探す旅は終わりましたが、次のカンチブレーキ台座を求めて新しい旅が始まります。