相変わらず、総合政策の問題は面白いですね🤔
今年は、総環両方とも、SFCでは型にはまらない学生を歓迎していると問題文に明記していましたね。
昔からこれは変わらず、今は先が見えない時代と言われるいるので、特に大切だと思います。
また、SFCは予備校や塾に問題を予想されるのを嫌うので、毎年本当に良くできた問題が出されてますよね。
これに対しては、学ぶ学問領域とアドミッションポリシーをしっかりと抑えることですね。
加えて、問題作成者と会話をする感じで、「設問の意図は」「なぜ、これらの資料をだしたか」と自問自答することもいいと思います。
模範といっても、受験生皆さんの問題へのアプローチや解答は一つではないので、昔から抵抗はあったのですが、、これは単なる私の考えにすぎず、SFC受験生の皆さんが、少しでも参考に慣ればと思い、今回はアプローチだけでなく、模範解答を書きました☺️
当塾では、SFC受験担当講師、みんなで解答を書いていきます。
講師其々の目線があり、また得意分野があるからです。
今回は、問1は、慶應SFC院生K講師、問2は、私、塾長の神島が作成しました。
設問はやや略して書きますね。
【設問】
慶應義塾大学総合政策学部では、問題発見・解決型教育を実践してきました。
とあり、今回はトレードオフの解消について出題されています。
トレードオフに直面した時にとりいる代表的な対処方針としてイロハと3つあげてます。
そして、資料がテーマ1から3まで。
1.コーポレートガバナンス
2.パーソナルデータ
3.サプライチェーン
となってます。
【問1】
1. それぞれのテーマについて、重要であると思われるトレードオフ関係を1つずつ指摘してください。
【解答】
・テーマ1
株主の利益とステーキホルダーの利益
・テーマ2
マイナンバーカードの普及とプライバシー保護
・テーマ3
平時の在庫最小化による生産活動効率化と有事の安全在庫確保
2. 上であげた関係が、どうしてトレードオフとなるのか理由を考え、それぞれ120字以内で論じてください。
【解答】
テーマ1
株主の利益を優先する場合は自社の成長と資産の増加を目的とした行動を取るため、自社以外のステークホルダーの利益が後回しになってしまう。そのため、株主の利益とステークホルダーの利益はトレードオフの関係にある。
テーマ2
マイナンバーカードを普及させるため利便性を向上させていくと、多くの個人情報が紐づけられることになる。そうなると個人情報が一元的に集約されるためプライバシー保護が難しくなる。したがって、この二つはトレードオフの関係にある。
テーマ3
平時には在庫を必要最低限にすることが生産活動の効率化に繋がる。一方で、在庫が必要最低限であると有事に対応することができない。そのため、有事のための安全在庫の確保は平時の生産活動の効率を下げる。したがって、この二つはトレードオフの関係である。
(アプローチの仕方)
今回の問題はトレードオフの関係を正しく理解した上で文章を読んでまとめていく方法が無難だと思います。
【問2】
問1で指摘したトレードオフ関係から1つを選び、3ページに記したイ、ロ、ハのいずれかの対処方針を用い、どのような方策で1000字以内で論じてください。なお、イ、ロ、ハではない別の考え方で対処できるという場合には、その旨記し、どのような考え方か説明した上で答えてください。SFCでは型にはまらない学生を歓迎しているので、本当にそれが正しいと思ったら、臆せず挑戦してみてください。
*解答は読みやすいように、行間を一部あけています。
(解答)
個人の行動履歴データをいかに活用するか、そのルールづくりはどうするか。
資料によると、国家と企業による個人のデータ利用の例が書かれている。
この資料に沿って議論をすると、つまり、EU型かGAFA型、あるいは中国型という議論になるだろう。
果たして、この問題の真の論点はどこに存在するのかを考察してみたい。
第一に、EU型の背景は、ヨーロッパの歴史からくるものである。個人の権利を早くから唱え、啓蒙してきた由来からくるものである。加えて、第二次世界大戦での、ナチスのユダヤ民族へのジェノサイドも大きいだろう。
上記の事を考察すると、地域の文化と歴史が強く相関するものだといえる。
第二に、GAFA型は、企業によるグローバル化である。国家を介さず、活動するものである。当然、営利企業なので、個人のデータというのは、あらゆる点で企業の大切な財産になる。
第三に、中国型は、いわゆる上からの強制である。近頃デジタル人民元を作ったり、コロナ対策など、利点は多いが、国民のプライバシーはない。
以上のように、三つの型を考察してみたが、私が考える方策は、台湾型である。
まず、台湾型の定義をしてみたい。近い例として、コロナ騒動の時のマスク対策をあげる。論点は誰がマスクを購入したという情報は政府が共有したことである。また市井のプログラマーの人達が作ったマスクマップの存在も大きい。つまり、市民が政府を強く信頼しているからである。
ではなぜ、市民が政府を信用するのか。
それは政府が市民にしっかりと説明し、方策を透明化していることに起因する。
我が国が台湾のような形になれるのか。
行政の変革も大切だが、まず国民への方策を打ち出すことである。
その解決策の一歩として、本論で提案をしたいのが、政府がベーシックインカムを行うことである。
現在、貧困化が進んでいるが、その日を暮らすのが精一杯という家庭に、日々の事以外を考える余裕があるのだろうか。また、政治を真剣に考えることができるのだろうか。
まず解決策のはじめとして、政府が国民へのインセンティブとして、ベーシックインカムを実施することである。
このように、ベーシックインカムが実現し、国民生活が安定し、政府への多少なりとも信頼が醸成されると、この国の政治のことを考える余裕と精神が生まれるのではないかと考える。
(997字)
(アプローチの仕方)
今回は、下の紙に要素を分解して、真の論点を私の仮説として探しにいったのですが、本当に汚いですね笑
まるで子供の殴り書きです、、
いろいろな解き方の手法がありますが、まず手を使って、考えることですね。
あとは、ファクターを抽象化してくと分かりやすいですね。「そもそも」とか「要は〇〇」とか考えながら。
私は歴史オタクで、国際情勢が大好きなので、このテーマを選びました。また医療の公衆衛生やその他のデータ活用は、日頃からAO対策でも考えているからでもあります。
やはり、受験生の皆さんも、自分が興味があるテーマ、つまり、深掘りができるものを選ぶといいのではと思います。
日頃から、SFCの研究領域に関するテーマを、友達とディスカッションするだけでも、力がつくと思います。
あとは試験はもちろん時間内に終わらすものですから、構想に関しては時間を意識するといいですね。
試験は知識テストではありませんが、学校の政経や歴史をしっかりやり、ニュースや上記の研究領域のどれかでも抑えておけば、総合政策対策に役立つと思います。もちろん、研究領域は、環境情報対策やAO入試にも役立ちます。
では、今回はここまでにしておきます。
受験生の皆さん、頑張ってください!