ド迫力の鉢合わせ
2015・10・7~愛媛・松山市~
来てよかった。松山秋祭りのクライマックスと言われる道後の鉢合わせを鑑賞に行ってきた。鉢合わせとは、2体のみこしをぶつけ合うこと。「けんかみこし」とも言われ、全国的にも有名な祭りだ。もう寝ようかなと思っていた午前2時過ぎ。トイレのなかで、鉢合わせのことを思い出した。松山に帰ってきて3年目になるが、これまで1度も生で観たことがなかった。せっかくだから行こうか。眠い目をこすりながら、会場の道後温泉駅前に向かった。
午前4時過ぎに到着すると、すでに多くの見物客が待機していた。道中も、法被姿にねじりはちまき姿の男性らを数人見かけた。実は、こんなに早い時間の祭りは初めてだったが、会場に着いて、テンションが上がってきた。同4時半を回ると、それぞれの氏神から、担ぎ手である舁夫(かきふ)たちがやってきた。すでに声を上げている人もおり、やる気にみなぎっていた。
午前5時半になると、伊佐爾波(いさにわ)、湯の2神社が開門。8町8体のみこしが宮出しされ、太鼓の大きな音色に乗って、道後温泉駅前にぞろぞろと集まってきた。伊佐爾波神社の135段ある急こう配の石段を担いできて、それぞれの待機場所に移動。乗り手を見たら、多くがすでに興奮状態のように見えた。担ぎ手はなんと2500人を数えるという。スケールが違うね。
もちろん、本番は鉢合わせだけど、多くのファンに自分たちのみこしを披露することも大事な見せどころだ。開始時間が近づくと、多くの観客が集まり始めた。なんと、7000人を超えたという。多くの視線を浴びながら、乗り手は担ぎ手に指示を出す。そして、息をそろえた担ぎ手がいっせいにみこしを差しあげた。ワッセ、ワッセと声を上げながら、みこしを揺らしていた。
鑑賞に訪れた観客は県内に住む人だけでなく、観光客も多い。なかには、外国から訪れている人々もちらほら見かけた。上のほうを見ると、海外からの取材陣の姿が。フランス人映画監督が手掛けた道後の鉢合わせのドキュメンタリー映画が9月に公開された。日本国内だけでなく、海を超えて、注目度が高まっているのか。すごいなあ。
午前7時、注目の鉢合わせが始まった。8体それぞれが2回ずつ、こなすという。みこしをぶつけ合うのは、五穀豊穣を願うためであると同時に、1年間眠っていた神様を揺り起こすためでもあるだそうだ。大唐人VS道後村。2015年最後の対戦だ。両陣営が馬場に移動。大唐人の乗り手は多くの担ぎ手に大声で指示を出していた。もう、気合十分だ。
一方、道後村の乗り手は大きく腕を振り上げ、担ぎ手のテンションを高めた。担ぎ手も、まだか、まだかと息を荒げている状態。2015年の道後の秋祭りを締めくくる一番だけに、そうなるのも当然だった。
さあ、両陣営の戦闘態勢が整った。乗り手同士が眼光鋭い視線でにらみあう。もちろん、下の担ぎ手たちも、目の前の宿敵に火花をバチバチと飛ばし合う。「もってこ~い、もってこ~い!」と大声を上げ、相手を挑発し始めた。
乗り手の掛け声に従って、担ぎ手がいつでもスタートできる体勢に入った。担ぎ手同士の声がそろい、担ぎ手がみこしを斜めに傾けた状態で走り出した。そして、みこしがぶつかった。ドスンッという鈍い音が会場内に響き渡った。
乗り手の体が浮いてしまうほどの大きな衝撃が生まれた。これこそ、テレビのニュースで何度も観てきたシーンだった。まさにド迫力だ。
闘いは、道後村の優勢状態。大唐人のみこしが大きく下に傾いている。乗り手は「上げろ、上げろ!」と元の状態に戻そうと、担ぎ手に大きな声で指示を飛ばした。
勝利を確信しても、まだまだ闘いは終わっていない。乗り手同士もヤジを飛ばし合い、そして「押せ、押せ!」と叫びまくる。最後のとどめをさそうとしていた。
「離れろ!」。大会運営委員長?の声に従って、両陣営が離れていく。道後村の乗り手は相手に見せつけるように大きくガッツポーズ。担ぎ手も勝利の雄たけびを上げていた。
互いのプライドをぶつけ合う、男と男の対戦の集大成。日本各地のあらゆる祭りでもそうだと思うが、この日を1年の最大の出来事として生活している人たちは少なくない。そういう思いは観ているだけで十分に伝わってきた。勝負に勝った後、興奮のあまり、胴上げをして喜んでいる場面もあった。
朝がめっきり弱いから、これまではどこかで、最初から訪れるのをあきらめている部分があった。でも、こうやって初めて道後の鉢合わせを目の当たりにして、なんでもっと早く来なかったんだろうと後悔した。もう上着がないと風邪をひいてしまうような寒さになったけど、祭りの場だけは熱い空気でみなぎっていた。2016年秋の道後は、もっと、もっと熱くなるんだろうなあ。
十三さんの愛車
2015・10・6~愛媛・松山市~
一度は乗ってみたいなあ。この自動車、めっちゃカッコいいよね。「マルサの女」や「お葬式」「あげまん」などのヒット作で有名な映画監督・伊丹十三さんの愛車・ベントレーだ。市街地から自転車で10分も走らない場所にある「伊丹十三記念館」の、入り口前のガレージに展示されている。根っからの車好きで知られた十三さんが乗った最後の車だそう。ベントレーはイギリスのエリザベス女王の公務専用車としても使用されている高級車でもある。
十三さんがこの車を購入する際、妻で女優の館長・宮本信子さんに「人生最後の車だから、これを買いたい!!いいですか??」とお伺いをたてたそう。それもそうだ。松山市内であれば、一等地の立派な新築マンションが買える値段だそう。ほかにも、ジャギュア、ロータス・エラン、ポルシェ、シトロエンなどにも乗っていたという。昔もいまも、高級車ってステータスを示してくれるものなんだろうね。
青空とコスモス
2015・10・5~愛媛・松山市~
夕暮れになると、すっかり肌寒くなってきた、きょうこのごろ。でも、スカッと晴れた昼間は、陽光がとても気持ちいい。道を歩けば、コスモスの花がきれいに咲いている。春はさくら、夏はヒマワリ。そして、秋はコスモス。季節を表す花を見れば、自然と心が洗われるよね。青空をバックにすると、ピンク色の花びらがとても映える。めっちゃきれいだ。
コスモスの花ことばを調べてみると「乙女の真心」や「乙女の愛情」とある。ピンク色は「少女の純潔」なのだそうだ。さだまさしの代表的な曲「秋桜(こすもす)」も、あの三浦百恵が歌っていたから、より一層印象深く人々の心に突き刺さる歌になったんだろうなあ。でもね、男も花を見る時には乙女になるのよ。少なくとも、フェミニストの横チンは乙女心で花を鑑賞していますからね。















