対岸の地震じゃない…
2014・3・14~愛媛・松山市~
正直、怖かった。いま、思い出すだけでも、身震いがする。午前2時6分ごろ、ふとんの中。体が揺れるのを感じて、目が覚めた。天井が揺れている。緊急地震速報を知らせる携帯電話のアラームがけたたましく鳴り響き、ガタガタと大きな音がした。大きな横揺れがやまない。テレビやコンポ、机の上のもの、あらゆるものが揺れている感覚があった。動けない。怖くて動けなかった。
しばらくすると、揺れが収まった。急いでテレビをつけた。ニュース速報で、震源地が伊予灘でマグニチュード6.1と知った。西予市で震度5強、松山市と故郷・宇和島市が5弱。愛媛県内で5強の地震があったのは芸予地震以来13年ぶりという。すぐに宇和島に住む両親と弟に安否を問うメールをした。わずか30秒で「大丈夫だよ」の返信。ホッとひと安心。でも、しばらくは眠れなくて、テレビのニュースにクギづけになった。
人間って、自身が経験していないことは100%、理解することなんてできないと思っている。本当のことを打ち明けると、地震の怖さを今回、初めて知った。阪神淡路大震災と東日本大震災はテレビや新聞などで知っているだけで、当事者ではない。だから、映像や写真を見て、その被害の大きさや怖さを感じ取ることはできても、本当の実感はなかった。だから、同じ日本で起きている大災害であっても、心のどこかで「対岸の地震」という思いが1%でもあったことを完全否定できない。
初めて体験した真夜中の、震度5以上の地震。周囲で大きな被害がなかったのはよかったが、今後も余震があるとの報道にビクビクしている…。幼少のころから「地震、雷、火事、親父」という言葉を何度も聞いてきたが、本当であると実感した。南海トラフの大地震が、いつ来てもおかしくないと言われている。まったく準備をしていない自分のダメさを痛感。今回の地震を教訓に、防災グッズなどを購入するなど、しっかり心構えをしなきゃと真剣に思っている。
見応えのあるシャッターアート
2014・3・13~愛媛・松山市~
こんなアートなら、どんどん見てみたい。すっかり日が暮れた柳井町商店街。シャッターが下りている通りをダラダラと歩いていると、奇抜なスプレーアートが目に入った。青い壁の向こうから、ブッダがつき破ってくるではないか。けっこう迫力のある絵なので、インパクトは十分にあった。吹き出しの中には、なぜか¥マーク。誰かがラクガキで書き足したのだろうか。
聞くところによると、昨年6月に町おこしイベントとして、イラストレーターたちが空き店舗のシャッターにライブペイントで描いていったのだという。ブッダ以外にも、インドサイや悪魔?のアートなどがあった。シャッターが閉まった店が目立つことはさみしいが、その一方でこんなアートなら、歩きながら見るだけでも楽しい。明るいうちは買いものをして、店が閉まった夜はシャッターアートが並んだら、商店街も盛り上がるんだろうけどね。
変わらないことの奇跡
2014・3・12~愛媛・松山市~
いつも同じ景色を見ながら、いつものように自転車に乗って会社に向かっている。でも、ふと立ち止まって考えてみると、そのこと自体が奇跡であることをあらためて感じる。赤信号を待ちながら、そんなことを思ったりした。
おしゃべりをしながら、2列で走り抜ける女子高生。左右にワンレンの長い髪をなびかせながらカッコよく歩く女性。高らかに笑いながら散歩するオバちゃん2人組。大きな乳母車にワンちゃんを乗せて歩く夫婦…。その背後には、大好きな観覧車も見える。
当たり前のようだけど、当たり前じゃない。1分前にあった風景が、次の瞬間には消えてしまうこともあることを、だれもが知っている。まぶしいほどの青い空。ちょっぴり冷たい空気。次の日は雨かもしれない。翌日はポカポカ陽気かもしれない。そのすべては、自然がもたらしてくれるもの。そのすべてをしっかりと受け止め、1歩ずつ前進しよう。いや、前進したい。


