映画 みをつくし料理帖
ネット配信で映画『みをつくし料理帖(2020)角川映画』を拝見。長い原作を上手にまとめ、美しい映像に仕上がっている。澪役に松本穂香。澪の寄る辺となる料理屋「つる屋」の親父は、誰かと思ったら石坂浩二。京都の老舗料理店・天満一兆庵元女将、ご料さんこと若村麻由美はほんとに時代劇に収まりがいい。
高田郁:みをつくし料理帖(2009-14, 2018)全11巻
原作は高田郁『みをつくし料理帖』後日談特別編を含む全11巻。ライトノベルに分類されるのだろうが、いきとどいた料理の記述などを含め一気読みさせてくれる。
幾度か映像化されていて、北川景子版(2012,2014)は残念ながら未見。時代劇初挑戦だった映画『花のあと(2009)』の北川の和装、特に髷が似合ってなくて、ついスルーした。失敗。黒木華ドラマ版は「すばらしい」とくりかえし書いた。
黒木華 ドラマ版(2017.2019)
そして、今回の映画松本穂香版も幾度か泣いた。寄る年波もあってジーさんはいたって涙もろい。松本穂香はなんというか、薄ぼんやりとした役にはぴったり。決め啖呵はなかなか。ただ、なによりもすばらしいのが脇役で、先述の石坂浩二、若村麻由美、そして浅野温子。吉原・忘八ちょい役の松山ケンイチも。
前にも書いたが、高田郁作品は花登筺を思いださせる。