フィギュア 三宅咲綺
飯城 いいき 雄三『エラリー・クイーンの騎士たち(2013)論創社』では、エラリー・クイーンがわが国の本格ミステリ作家に与えた多大な影響を論考している。わけても横溝正史は、クイーンの影響を強く受けたことで知られる。
横溝正史の戦前の作品『真珠郎』『白蝋変化』『迷路の三人』においては「トリックをいかに効果的に使うか、いかに不可能状態を強調すべきか」に力点が置かれているのに対して、戦後登場する金田一耕助シリーズ『本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」『犬神家の一族』では「トリックを使う必然性をいかに設定するか、トリックを見破る手がかりをいかに設定するか」へと変化、傑作群を生み出していく。
1970年代の横溝ブームを支えた角川文庫版 横溝正史集/杉本一文 表紙絵
『エラリー・クイーンの騎士たち』によると、横溝正史の作家デビューは1921年で、1929年にデビューしたクイーンよりも先輩だが、1932年に横溝が編集する「探偵小説」にクイーンの『阿蘭陀靴の秘密』を連載したことがきっかけとなり、トリックの手法などを自作に取り入れる。
ところが戦後なると、クイーンに対する知見が深まるとともに、そのトリックを見破るロジックこそが本格ミステリの醍醐味であると理解することになる。横溝の戦後の傑作群はその成果であると飯城雄三氏は述べている。
本著では「エラリー・クイーンから日本の本格ミステリ作家たちへ」とリードを付し、横溝正史、鮎川哲也、松本清張、笠井潔、綾辻行人、法月倫太郎、北村薫、有栖川有栖、麻耶雄嵩らを取り上げて解説している。
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イラストは、グランプリ・シリーズ・カナダ大会の三宅咲綺。





