ホロヴィッツ。シューマンのクライレスリアーナ | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

ウラディミール・ホロヴィッツ

 

夜のレコード鑑賞。最近のお気に入りはウラディミール・ホロヴィッツ演奏、シューマン『クライレスリアーナ (1969録音)』ちょっとキャデラックのヴィンテージ車のような演奏で、久しぶりに聴いてびっくり。左手のタッチが(演奏スタイルが真逆な)グレン・グールドを彷彿させるところがあって意外な。

 

初来日は最晩年の1983年、NHKホールで2回のコンサートを開催テレビ放送されたのを覚えている。プログラム前半終了時の休憩時間にインタビューを受けた音楽評論家吉田秀和は「ひびの入った骨董品」と評す。この批評に接したホロヴィッツの希望で1986年に再来日、すばらしい演奏を披露し面目を施した。

 

R.シューマン:クライスレリアーOp.16

 

さて、ホロヴィッツとグレン・グールドともに左手の打鍵が強いことから近似性を感じたのかも。ただ、グールドが「クライレスリアーナ」を演奏したというのは寡聞にして聞かない。検索したところ、グールドによる演奏はシューマンのピアノ四重奏&五重奏以外の録音は見あたらなかった。

 

バッハからブラームス、シュトラウスなども録音しているのに、シューマンは室内楽だけでピアノ独奏は演奏しなかった? なぜだろう? ないものねだりで聴いてみたいような。

 

獲物のネズミを捕らえた博物館のフクロウ