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図書館で久しぶりに岩波書店のPR冊子『図書』を手に取ったところ、新関公子の連載『東京美術学校物語』が始まっていてコピーをとらせていただいた。近代以降の官制美術学校の歴史を展観するようす。新関は東京芸大付属芸術資料館(現東京芸術大学美術館)勤務(-1974年)東京芸大美術館教授(2002-08)『ゴッホ 契約の兄弟(2012)』で吉田秀和賞受賞している。
ゴッホに関してはフィンセントとテオ・ファン・ゴッホの兄弟愛から語られることが多いが『ゴッホ 契約の兄弟』では、弟テオは兄フィンセントをかなり戦略的に売りだそうとしていた。と、今までにない視点を提供している。ゴッホ文献は原典を読み込んだという20年余の労作です。
岩波書店のPR冊子:図書
ついでといったら失礼になるかな。佐々木孝浩『日本書物史ノート』も昨年7月から連載中で、こちらは和本・写本・装釘などの歴史、天平時代に始まったとされる版木印刷の歴史を、商業化が始まる江戸時代まで(-2023.05)を通観している。こちらも私のライフワークに重なる部分などで味読中。
どちらの執筆もいずれ書籍化されるのだろうが、コピーした冊子は(新刊本と違って)書込みや線引など勝手自由なところがうれしい。もちろん、完結の折にはきちんと製本して私だけの一冊となる。