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久しぶりに秋竜山『竜山漫録—秋竜山の読書絵日記(1998)北宋社』を拾い読みしていたら「漫画を描くあいまに、スケッチして歩くのは、私の唯一の道楽みたいなもの」などとあり、特に風景画を好み人物を描き込まなかったが、人物も風景だと考え至り描くようになったなどとある。
漫画やエッセイなどの仕事の合間に、道楽でスケッチを描くのかと驚いてしまうが、まぁ読書家で知られる竜山のことだから他の趣味もあったのだろう。「あった」と過去形にしたのは、今年の3月に竜山先生亡くなられていたのですね。享年80歳。まったく知らずにいました。残念です。
秋竜山の読書狂(1985)青英舎 扉スケッチ
銀座へはよくスケッチにでかけたようで、竜山先生は歩きながらスケッチができるらしい。『秋竜山の読書狂(1985)青英舎』扉にスケッチが載っていたので掲載する。漫画とは全然違う。読書がらみのエッセイが多く遺されたが、書評というよりも自身の笑いネタに重点が置かれていて〝らしい〟内容になっている。
秋竜山の読書狂(1985)青英舎
秋竜山:本屋で雨宿り(1988)立風書房
竜山漫録—秋竜山の読書絵日記(1998)北宋社
松崎天民:銀座(1927:1992)中公文庫
秋竜山のお勧め本、松崎天民『銀座』は届いたばかりで読み始めたところ。銀座を舞台にしたミステリに北村薫のベッキーさんシリーズ三部作があり、銀座の露天をプロットに使った部分など、明らかに松崎天民『銀座』や小松崎茂&平野威馬雄『懐かしの銀座・浅草(1977毎日新聞社)』を参考にしている。
松崎天民は以前、北村薫のミステリを読んだときに気になったものの、すっかり忘れてしまっていた。この機会に読んでみよう。