高村眞夫。写実のひと | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

高村眞夫:オダマキ

 

当地、新潟県長岡市出身の画家高村眞夫(1876-1954)の8号ほどの油絵作品『オダマキ』を知人コレクターから見せていただいた。戦後昭和21年頃のもので、以前一人暮らしの友人の世話をしていたところ「世話になった」と形見分けにいただいたのだと。その友人は高村と同じアパートに住んでいたのだそうだ。

 

 

高村眞夫:オダマキ 右下のサイン

 

素焼きの鉢物のオダマキを描いたもので、ケレンがなく技巧の後も見えず(その無技巧な)深沈と佇んでいるようなところが、当時の高村の心の深層を表しているようで、つい見入ってしまう。高村眞夫(しんぷ)の代表作といえば、かつて国立博物館の入口左側に展示されていた『停車場』あたりだろうか。

 

高村眞夫・藤島武二:正則洋画講義

 

高村眞夫と藤島武二共著による『正則洋画講義 肖像画/パステル画法/人物画(日本美術学院)』出版は大正時代と思われるが奥付がないため不明。ネットでも調べてみたが、どうやらもともと奥付がなかったような。教則本として使われたものだろうか? ちょっと珍しい私の蔵書。

 

 

高村眞夫の新潟県近代美術館収蔵作品

 

 

もうひとつの明治美術(2003)展(右)

 

上掲は高村眞夫の新潟県近代美術館収蔵作品で、右の裸婦像は高村の奥さんがモデルとの確認をいただいている。近年、美術館は自館収蔵品に限って撮影を許可している。おかげでこちらの代表作品は常設展示された折に撮影させてもらった。高村の力量を感じさせる。

 

事務所近くの桜並木が満開に。例年だと4月下旬頃なのに、連日高温続きで週明けから一気の開花です。週末まで持ちますやら。