Rickie Lee Jones と柳橋界隈 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 sketchbook.081 Rickie Lee Jones

 

最近は内田魯庵の「思いだす人々」の〝絵日記版ブログ〟みたいになってきました。さて、リッキー・リー・ジョーンズも同世代のミュージシャン。若いころはずいぶん荒れた生活をしていたらしいけど、まぁ素敵なおばさんになりました。ちょっと名古屋弁みたいなニャーニャーしたイントネーションが、懐かしい。

 

Rickie Lee Jones - Chuck E's in love

 

 井上探景:両国橋及浅草橋真図 木版摺

 

木村荘八らが中心になって両国・浅草など〝ありし日の〟柳橋界隈を回顧、多くの絵画や写真画像を蒐集しつつ主に明治時代について書き留めている。日本橋のあたりは、木村荘八が木下杢太郎(明治末ころに描いた)スケッチ帖から選んで模写したものが多く掲載されている。

 

表紙は明治末ころに(年増衆の夏の着尺地として)流行った「絽つむぎ」を木版で再現したもので、玄人通人の本なのだろう。限定千部の出版。

 

 中澤弘光:川口蒸気船発着所 オフセット印刷

 互笑会編:柳橋界隈(1953)東峰書房(右側)

 

原図は井上探景(安治)の大錦3枚続ものを複写縮小して彫り直した労作で、馬の首などは小さくなり過ぎ「よくわからなくなったので」木村荘八が描き直したとある。錦絵を担当したのは三宅陽蔵で戦後の木版技術の最高度を示している。

 

さて、近代以降はこうした江戸明治を回顧する編集本が多く出版される。関東大震災によって江戸情緒が壊滅、戦争によって明治の残り香も霧消したことが理由のようだ。