悠釣亭のつぶやき -9ページ目

コメ価格の低下とコメ離れがもたらすもの

前に、コメの価格高騰は投機筋による一時的なもので、
今年になれば必ず下がると書いた。
その後どうなったかを調べてみた。

下記記事を書いたのが2月末だったが、年明けから
順調に価格低下が始まっていた。
直近半年の価格は下記のようで、それ以降も順調に
一度も上がること無く下がり続けている。




ま、当然と言えば当然で、民間在庫は昨年の35%増
だし、いくら銘柄米と言えども、5kgが5千円もすりゃ
買い控えるからねぇ。
売れない→安くする→それでも売れない→更に安く
という流れが出来ている。


もう少し長い目で見てみると、2024年夏の価格が
2千円強だったのが、1年で倍の値段になっている。
備蓄米放出で、一時期低下はしたものの、秋のピーク
には実に4,500円という高値を付けた(銘柄米だと
5千円越え)。



 

ここらあたりで消費者も気付いたんだろう。
在庫が多く、新米も予定通りの収量が確保されてるのに、
こんなに高いはずがないと。

で、今年になると、一方的に価格が低下し続けてきた。
業者も、在庫が売れ残るよりは利が薄くても売りたいと
いうマインドになったんだろう。


順調に下がっているとはいえ、現時点ではまだまだ高く、
3,600程度になっている。
今後、今年の新米が出始めれば、この値段じゃ売れない
から、さらに下落するんだろう。

消費者側から見れば、これまでの4千円越えは論外で、
今でもまだ随分高いという感覚だろう。
今のままでは、コメ以外の食品への移行も更に進むと
思われる。


問題なのは、2026年新米の米価なんだろう。
肥料、農薬、燃料費、梱包材等々、コメ生産にかかる
費用が軒並み値上げとなっている。
一説によれば、生産コストが40%増ほどになっている
という(いつが起点なのかよくわからんが)。

取引価格が4割増しなら売値も同様に上がるとすれば、
3千円程になろうけれど、この夏以降はもっと下がる
だろうね。
そうすると新米の買値も叩かれる。
農家収入が減れば、農業への継続意欲も低下する。

基幹的農業従事者はこの5年間で2分の1となり、
更に減り続けている。
2026年には、とうとう100万人を割ることに
なりそうだ。
高齢化も進んでおり、日本の農業の持続性に黄色ランプ
が点いている。





そんな中、8日、改正食糧法が参院を通過し、成立した。
「生産者が「需要に応じた生産」に主体的に努力する」
ことが明記されたと。
ホント、バカじゃね?

毎年、需要が分からんから苦労してるんであって、
政府が何100万トンは必ず買うと言えば済む話だろが。
更に言えば、持続可能な価格で買い上げろって。
消費者には3千円切る程度の値段で売り、差額補填すれば
すべて丸く治まるだろうが。

このままではあと10年も経てば、米不足が常態化する
んじゃなかろうか。
作り手は減る、いくら作れば値崩れせんのかも分からん、
出来過ぎれば潰れる、というと、もう辞めたって言いたく
なるわな。


長年、猫の目行政と言われ、持続的減反だ、今年は
増産だ、売れる分だけ作れって、何もしないでいる方が
ずっとましな行政が食糧の安全保障を蝕んでゆく。