山火事、雨が降らないと収まらないのか
2日午後、岩手県大槌町の平野公三町長は4月22日に
町内で発生した山林火災について鎮圧を宣言した。
4月30日には、既に、町内に出されていた避難指示は
住宅への延焼の恐れが無くなったとして解除されていた。
22日の火災発生後、消防ヘリや消防、地元消防団
の他、近隣県からも応援を得て、大規模な消火活動が
実施されていたが、火の勢いは収まらず、延焼が進み、
合わせて1600ヘクタール以上が焼失したという。
火は山沿いの住宅街に迫り、住宅など7棟と倉庫1棟が
類焼した。
東日本震災で被災した人たちが震災後、被災者用に
高台に造成された今の住宅地に多く移り住んだのが
裏目に出た状況もあった。
そして、火災発生以降、町の人口の30%に当たる
1558世帯3257人に避難指示が出された。
火災の原因は定かではないが、この時期のこの地域は
雨があまり降らず、乾燥した状態になることが多かった。
低気圧が日本海を通る時はもっと北の東北から北海道が
雨になり、太平洋側を通る時は関東から海上に離れて
行く経路を取るからである。
消火作業は自衛隊機のほか、山形県、福島県、東京都、
茨城県、札幌市、横浜市の防災ヘリコプターが空から
消火にあたり、陸からも約1600人態勢で消火活動が
行なわれた。
車の行ける場所からはポンプで放水するが、急斜面が
多く、行けない場所も多いため、人が15kgもの
水を背嚢に背負い、ポンプで火元に直接掛けるという
大変な作業が行われたという。
山への登り降りだけでも大変な作業となる。
普通の山火事では下草や灌木などが燃えるが、乾燥し
過ぎると、樹冠火災という木全体が燃え上がる現象が
起こり、大量の火の粉が吹きあがって延焼して行くと
いう。
林道では火の付いた松ぼっくりが山から転げ落ちて来て
低い方にも延焼するため、道路上で抑えて消し止める
作業も行われたという。
延焼と家屋への類焼を防ぐための大変な努力の結果、
28日までに、「献身的な消火活動で、深刻な局面は
脱したと認識している」との声明があり、それ以上の
延焼の危険が去ったということになったが、至る所に
火種があり、それを地道に潰してゆく作業に移ったと
いうことだった。
一方で、天候は29日昼間に少しだけ雨が降り、この
作業の助けになったほか、5月1日午後から翌日にかけ
まとまった雨が降って、2日の鎮圧宣言に繋がった。
一方で、これ以上の雨が降ると、今度は泥流などの
恐れがでるという。
火災で保水力がなくなる結果である。
程々の雨で収まると良いんだが。
そして、これだけの大火災だったにもかかわらず、山林
以外の被害は極小で、怪我人は避難所での転倒など2人
だけだったのは不幸中の幸いというしかない。
思うに、これだけ大規模な火災になると、消防ヘリだけ
ではとても非力だな。
火災の前線に沿って、大量の水と消火剤が投入されないと
延焼が防げない。
そのためには、もっと容量が大きく、繰り返し時間の
短い消防飛行機が有用なんだが、日本では山林火災が
頻繁でない上、高価な機材になるからか、自治体規模
では保有できない。
気象が荒っぽくなっている昨今、国の何機かの保有で、
全国を網羅するようなことを考える時期なのかも。
また、根本的には、山林の整備が十分でないのも大きい。
上からの消火も、落ち葉が大量にあったり、枯れた
下草が大量にあったりすれば、火種まで届かない。
消えたかに見えてもまた発火する結果となる。
材木利用の山林の価値が薄れてきていると言えども、
山林はいろいろな活用方法があるはずだ。
活用することで、害獣対策にもなる訳で、真面目に
考える時期に来ていると思うんだが。
毎年のように繰り返される大規模山林火災。
雨が降るまでは、今ある非力な消火活動に頼るしかなく、
なかなか鎮火できない現状をどう考えるんでしょうね。
喉元過ぎれば、次に起こるまでは安心だって、策が
無さすぎるでしょ。