悠釣亭のつぶやき -70ページ目

トランプ関税に負ける世界

トラジイがどこまで意図したことかはわからない。
しかし、結果的に世界はトランプ関税に翻弄され、敗北感に
押しつぶされているように見える。


本来、関税とは、輸入国の輸入業者が輸入国政府に対して
支払うものだ。
だから、関税を高くすれば、輸入国政府には入って来る税が
増えるが、それを支払うのは輸入国の国民で、実質的な増税に
なる筈なんだ(下記、関税について)。

トラジイがよく言う、「○○国に関税を支払わせる」というのは
本来の意味からすると完全な間違いのはずなのである。
ところが、今起こっていることはそれとは聊か趣を異にする。


それは大きく次のような要因による。
①関税分を輸出国側が吸収しようとする。
②輸入業者が輸出国の子会社である。
③関税は手段であって、真の狙いは別にある。

輸出国にとっては、関税分を価格に上乗せすると売れなくなる
という強い懸念がある。
だから、輸入国内で相当の競争力が維持できる品物以外は
コストを削減し、利益を減少させてでも、価格上昇を抑えようと
厳しい努力をする。

これは関税を課するものにとっては願ってもない事で、結果的に
関税は輸入国が払うのではなく輸出国が被ることになってしまう。
今回のように、個別の国に対する制裁関税じゃなく、濃淡はあっても
全ての国に高関税を課してるんだから、自分の国の製品だけが
売れなくなる訳じゃないのに、輸出側が見事に「囚人のジレンマ」
に落ち込んでしまっている。

より高い関税を課されている国ほど苦しいんだが、どの国も堂々と
関税分を価格に上乗せすれば、輸入国国民がたちまち悲鳴を上げ
政府は高関税を維持できなくなるはずなんだが。


多くの製造各社は輸入国に自社輸入品を取り扱う子会社を持つ。
で、関税はその業者が輸入国政府に支払う。
輸入仕切り値が変わらなければ、そして、販売不振を懸念して
関税分を価格に上乗せできなければ、その会社は関税分だけ
減収となる訳だ。

子会社の利益減は親会社に回るから、結局は親会社が今まで
通りの利益を上げるには輸出仕切り値を下げるしかないという
ことになってる。
価格に上乗せするという発想が消えてしまってる訳だ。


トラジイは関税をネタにして、各国を強請っている。
それが敵対国ならいざ知らず、同盟国とて何の痛痒も感じてない。
今後は米国離れが加速するのは当然の結果だろう。
そして、関税を梃子にして、より大きな利益を毟り取ろうという
意図が丸見えだ。

日本国の場合、80兆円の投資がそれだ。
自由になるカネを世界中から集めて、自国の発展に使おうという
意図がギラギラ出ている。

出さなきゃ関税をもっと上げるぞという脅しがよく効いている。
本来なら、「関税を高くすりゃ国民が困るだろ」って反論すべき
なのに、「ご無理御尤もでございます」と、トラジイのトリックに
完全に嵌ってしまっている訳だ。

本来なら、高い関税には報復関税が許されるところなんだが、
恐くてそれすら実行できてない。
WTOなんぞはトラジイの理不尽な横車に歯止めを掛けるべく
世界協調して価格上乗せ運動を行なうべきなのに、機能不全。
こんな時に働かないWTOなんぞ、トラジイでなくても脱退を考慮
すべきかもな。

かくして、トラジイの思惑は完璧に達成され、世界が戦々恐々と
来たるべき世界不況に怯える結果となっている。
反米国家連合が形成され、経済圏も2分される様相だ。
このままでは世界恐慌→戦争という最悪の結果も懸念される。


世界がこぞってなすべきは、投機的なギャンブル政治を絶対阻止
することのはずなんだ。
少なくとも、15%で済んだって喜んでる場合じゃなかろう。
国際協調を乱しているのが誰なのかは明らかなのに、各国が
自国だけの思惑で行動しているのは混沌の容認という事無かれ
主義に他ならないように思えてならない。