悠釣亭のつぶやき -185ページ目

ドナルドの大渦

鳴門の大渦というのがある。
海流で大きな渦ができ、近くを通る船を飲み込み、砕いてしまう
あの、大きな渦の事だ。

今、世界はトラジイの仕掛ける、ドナルドの大渦に巻き込まれ
ようとしている。
渦に巻き込まれないためには、近寄らないか、強力なエンジンで
すり抜けるしかなさそうだ。


MAGAの旗印の下、彼がやろうとしている事は、とにかく米国に
利益がある事すべて。
それが、真に米国をGreatにするかどうかはまったく別問題だ。

WHOからの離脱、パリ協定離脱、石油・天然ガスの採掘、不法
移民の排斥などは直接的な害にはならないかも知れないけど、
やり方が米国の品位を著しく傷つけるものであることは確かだ。
世界に対する責任なんぞは米国のためにならんから放棄する
ってのを他の国が止めるすべはない。

関税の強化は世界経済を混乱させるだろう。
友好国であろうとなかろうと、米国への品物には関税をかけて
自国産業を守るなんて事をすれば、他の国とて、はいそうですか
では済まないだろう。

カナダを51番目の州に、グリーンランドとパナマは俺のもの、
ガザ地区はリゾート化するから住民はエジプトかヨルダンに
引っ越せって、真っ当な人間の考える事か?傍若無人にも
程がある。
自国の都合以外には何も考えない国がGreatである筈が
なかろう。

ウクライナ停戦は侵害を受けた方が譲歩せよだと。
国際法や国家主権なんてものは頭にないようだし、それが将来
何をもたらすかにも思いが至ってない。
果てはウクライナの天然資源を米露で折半しようだと!
また、非核化国の悲哀を世界に知らしめた罪も大きい。


トラジイを見ていると、米国内に千人に1人ほどは居る、品の
無い成金米国人を思い出す、それも、飛び切りの。
ワシは成功者だから、何をしても許されると思ってるし、そう
振舞う。

自分が中心で他人の気持ちは考えない、中華思想も冷や汗を
掻きそうだ。
ノーベル平和賞?だって?イグノーベル、平和攪乱賞の間違い
でしょ。


さて、トラジイのやり方の影響は?
石油・天然ガスの採掘については、うまく行けば、エネルギー
インフレの抑制に効くかも知れんが、錆付いた掘削機を復活し、
一気に掘れるか?100$/B以上なら採算が採れると言って
たが、それでは効き目が薄かろう。

カナダ、メキシコ25%、中国20%の関税、他も徐々にって
いうが、日常品の多くを輸入に頼っている米国で、国内の
物価高に国民が耐えられるか?
報復関税は農家を苦しめる結果になるだろう。

不法はダメなのはわかってるが、多くの移民は国内底辺の
汚れ仕事を支えてきた低賃金労働者な訳だが、その仕事を
一般労働者がカバーできるのか?出来るとしても賃金上昇は
避け得まい。

政府効率化省によって追い出された何万人の労働者たちは
どこへ行くのか?
国内産業を興したり、海外からの投資で新しい仕事を作り出す
のには大層な時間が必要だろう。


国際法、力による現状変更、国家主権を蔑ろにし、今まで
米国を支え続けてきた同盟の意味を失わせ、世界の良識を
体現してきた欧州を困惑に陥れ、見方も敵もカネの前では
同列に扱うような振舞いは米国への信頼感を一気に萎ませる。

日本国への波及はどうなるのか分からんが、既に、関税問題
では、間接的に大きな影響が出ることになるだろう。
かといって、労賃の高い米国での生産へのシフトが大幅に素早く
進むとは思えない。
タイやベトナムへ移したところで、すぐに追加関税の渦が及ぶ。
自動車、機械等への関税は日本の産業、特に中小企業には
大きな痛手になるだろう。

安全保障費用の高騰も懸念事項となろう。
自分の国は自分で守るのが当たり前とはいえ、力対力の国際
関係を良しとするのか?
それは予期せぬ紛争を起こすだろうし、米国の戦争への加担
は容赦なく要求される事になるのも懸念材料だな。

他の国はどうなっても構わん、米国さえ繁栄すればよいという
のが、Greatな米国だというのなら、結局米国はGreatな野蛮国
になり下がってしまうという事。
Greatとは自分だけが良くなる事ではなく、他から尊敬される
国になることだと思うがな。


渦を避けるには、近寄らないで静観し、目立たぬように自己の
利益を追及するか、米国の作れない高額商品をシッカリ売り
つけるかしか道は無いようだ。
尻尾を振って無理難題にも追従することが世界をGreatにする
とはとても思えないんだが。