昨日の東証日経平均株価は大幅反落し、終値は469円安となりました。前週に続き乱高下が続いています。
本ブログではアベノミクスに対して批判的な意見を表明し続けていました。金融緩和の本来の目的であった消費者物価の2%上昇の目処が立たなくなったことで、「一本目の矢」は失敗であったと結論を出しています。
株高をもってアベノミクスを成功としている経済評論家の方々もいるようですが、頼みの株高も怪しい雲行きになりつつあります。
だからと言って、「それ見たことか」というには、まだ早いでしょう。診断士にとって大事なことは経済学の原理原則に従って、今起きている経済現象を説得力のある形で周囲の人達に説明することです。
4月16日 アベノミクスについて
http://ameblo.jp/yattarude48/entry-11512724038.html
4月16日 アベノミクスの行く末
http://ameblo.jp/yattarude48/entry-11512431505.html
5月8日 アベノミクス 一本目の矢の行方
http://ameblo.jp/yattarude48/entry-11526744073.html
東洋経済6/1号の特集が「まだ間に合う日本株大作戦」となっているのは皮肉ですが、野口悠紀雄教授の連載では、長期金利に関する考察が載っています。
従来、長期金利上昇の原因として、銀行が国債を売って株を購入したからという説明がなされていますが、野口教授はこの説に疑問を投げかけます。
診断士の方であれば、財務科目で習ったように、国債はリスクフリーと見做されます。よって、銀行が、単純に国債を売却して、既に高値圏にある株式を購入するとは考えにくいですよね。
そこで、野口教授は銀行が国債を売ったことは事実だろうが、それは残存期間が長期の国債を売って、短期の国債を購入したのではないかという仮説を立てました。
確かに残存期間を短縮しておけば、金利上昇が生じた場合の損失を抑えることができます。つまり、銀行の国債売却は株式というハイリスク・ハイリターン投資を求めるような積極的なものではなく、将来的な金利上昇の可能性に備えた防御的なものだという説を唱えています。
長期金利の上昇は、金融機関に巨額の評価損を発生させるため、銀行がリスクヘッジをかけるのは当然の流れでしょう。1%の金利上昇で銀行の6.6兆円の評価損が発生するという試算もあるようです。
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