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 「カンチャナブリ’BKK旅行編」はお休みです。来月に再開予定です。

 

 僕は、サウジアラビアで働くことになった。

 サウジを内側から見たその様々な「魅力」の記録第25弾

 今月行ってきた世界遺産のある「ハーイルへの列車旅編」をお送りします。いつものごとく、アクシデントつづきの旅(3日間)となりましたが、サウジの良さにもいくつか触れ、思い出深いものとなりました。

 また、日本人で、ハーイルに列車での個人旅をする人はまだいないと思うので、旅行詳細を記録しておきます。

 ※ハーイル旅行は、車や飛行機で行く人や、旅行社ツアーでの列車利用をした人は、知り合いでもいますが、この記録は、“足”のない旅行者がどのように楽しむかという点で参考になればと思います。

 

 では、まず、ハーイルへ行くための手段。

①飛行機・・・ハーイル空港は街の南にある。リヤドから片道6800円、70分。

②列車・・・リヤド市内にはリヤド駅が2つあり、間違えやすいので注意。ハーイルには北駅から行く。(→詳しくはここ参照!) ハーイル駅は街の北外れにある。片道4200円、4時間半。ハーイル駅にはレンタカーあり。

③自家用車・・・リヤド在住の方はこれが多いかな? リヤドから630㎞、6時間。ガソリン65円/L、燃費10㎞/Lとして、1台分のガソリン代4000円なので、家族で行くときは経済的。

 

 1年前に、僕は奥さんと一緒にもう一つの世界遺産の地「ホフーフ」へ行ってきた。

 その様子は2か月前のブログに書いた。

 

 ホフーフはナツメヤシの景観「アハサーオアシス」、今回のハーイルは岩絵(ロックアート)が世界遺産である。どちらもサウジの6つの世界遺産の中ではいまいちマイナーだ(個人の感想です)

 遺跡と比べると見栄えはしないが(個人の感想です)、なぜここを選んだかというと、僕が気楽な列車旅が好きだからである。市内にあるディルイーヤを除き、あとは飛行機利用一択となるからだ。

 

 ホフーフで“苦労した経験”(※ホフーフ旅行参照)を踏まえ、今回はアプリで予約を事前にしていった。奥さんは帰国してしまったので、今回は上司との二人旅。では、はじまりはじまり。

 

◆   ◆   ◆   ◆   ◆

 

 9時半、リヤド(北)駅発のハーイル行き、4時間半の列車乗車から旅は始まった。

 内心、心配していた、アプリでの乗車券が通用するかどうか少々不安であったが(過去のトラウマです、何事もなく通過できた。(※→実は、帰りにはこれでトラブル発生!)

 空港と同じく、手荷物はコンベアーに置き、自身は赤外線ゲートをくぐり、待合室へ移動。きっかり30分前にホームへのドアが開き、電車内へ。これらはホフーフ行で慣れたものである。

 ※電車内では、アプリで座席まで指定してあったのですぐに座れたが、進行方向とは逆向きの席で、向きは変えられなかった。お祈りスペース(※ホフーフ旅行参照)のある車両B号車の№1、2だったが、次回は選択しないように気を付けよう。

 

 ホフーフ旅行では、列車の窓は全てすりガラスだったが、今回はしっかりと外を見ることができた。

 ハーイルに着くまでには2つの駅を通り過ぎる。駅はハーイルも含めて街中から離れているので、駅構内も含め、車窓はほとんどが土漠、砂漠だった。

 しかし、おもしろいことに、ほんのときどき見間違いかと思えるほどの緑の畑?が出現したのは驚きだった。砂漠の中に一区画だけポツンと現れるのである。いったい何を作っているのだろう?(※下記ビデオ参照)

 

 僕らの前に、サウジ人の父親と小学校低学年くらいの娘が座っていたのだが、僕らが日本人だとわかると親しげに話しかけてきた。怖れていたいつものパターンだ。英語のできない僕としては大変困った状況である(と言っても、彼は半分くらいはアラビア語で話していたが)

「ハーイルから何で行くんだ?」

「俺は車を持ってる? 乗せてやる。」

「俺のうちに遊びに来い。」

などなど。最後のは、話では聞いていたが、初対面の者を自宅へ招き入れ接待するのが好きな“サウジ人あるある”だ。おもてなし文化か? 形は違えど日本人と似ている気がする。

 本当は行ってみたかったのだが、上司ともども、英語でのコミュニケに自信がなく遠慮した。

 

 ハーイルに着いて、父娘と別れ、アプリでUberを呼んだ。リヤド駅へ行く際も使用したが、Uberは行き先を事前にアプリで指定できるので、行き先を英語で説明しなくて済む。ホフーフのときも同様で、地方では英語の全くできない運転手もいるので助かる。(※いやいや、Uberは全能ではないことを、翌日思い知ったのでした!)

 

 駅へ来てくれた若い運転手は、英語はまあまあできた。そしてとても親しげだった(僕的には嫌な予感がした…)。いろいろ話しかけられた後、案の定、

「僕のうちに遊びにおいでよ。」

と誘われてしまった。断れば済むことなんだが、断るとすごく残念がるのだ。それが日本人としては申し訳なく、でもやはり断った。

 

 14:30 ホテルにチェックイン。街の中心からは10分ほど離れているが、70㎡の広いワンベッドルームが魅力で選んだ。やはり、リビングが別になってる部屋の方が断然過ごしやすい。ちょっと古い作りではあったが、満足であった。この時点では・・・。(※ムムッ、トラブルの気配?)

 

 30分ほどしてホテルを出発。ホテル周りを歩きながらスーパーなどの場所をチェックし、Uberで「アーリフ城」へ。

 ※ハーイルには市内中心に、歴史的建造物である3つのお城がある。一番古いのが「アーリフ城」、順に「バルザン城」「アルキシュラ城」である。あとの2つの詳細は2日目に記述。アーリフ城は最も有名で、17世紀にアル・アリ家が建設した。もとは要塞で、アッラシード家が増築。山頂にあり、市内のどこからでも眺めることができる。アーリフ城は、ラマダンの月を眺め、イフタールの大砲を発射し、日中の断食の終わりを告げるための集会場所として使われてきた。(※イフタール;断食明けの食事)

 

 まず、Google mapでみつけた、アーリフ城のすぐ南にある“博物館”と記された建物に寄ってみたが、ボロボロで廃墟と化していた。(※これを筆頭に、この3日間、“廃墟”訪問を何度かすることになる!)

 そういえば、この街自体がとても古い建物ばかりである。今にも崩れそうな無人の建物がここかしこにある。

 

 そこはあきらめ、前にそびえるアーリフ城に上ることにした。

 Gmapだと24時間営業と書いてあるが、開いている気配はない。(※サウジあるあるです!)

 しかし、外階段があり、ほぼ屋上まで行くことができた。そこからの眺めはハーイルの街が一望でき、一日目から幸先がいいなあと、この時は喜んだ。(※ムムッ、この書き方、今後のアクシデントの予感?)

 

 城内に入るドアは、16時前なのに開いておらず、おそらく現在は公開はしていない?ようだ。ただでさえ数少ないハーイルの観光地なのに、こんなに立派な城を公開していないのはもったいない。(※後で調べたところ、修復のため?1年以上前から閉鎖されている。だが修復している様子はない?)

<中はこんな感じらしい。イフタールの大砲もある>

 

 昼を列車の車内販売のパンで軽く済ませていた僕らは、そのまま近くのレストランに入って、早い夕食をとることにした。

 Gmapをたよりに探し、おいしいレストランに出会うことができた。

 

 今日は早めにホテルに戻って休むことにした。

 リビングでゆったりしながら、明日の動きを相談し、その後、シャワーを浴びたのだが、残念ながらバスタブがなかった。いや、それどころか、洗面所自体はけっこうな広さなのに、シャワーブースさえなかったのだ・・・。これは驚きだった。

 もちろん、シャワーはあった。便器の横の40㎝四方くらいのスペースで浴びるらしい(まあ、香港のチョンキンマンションの、便器の上で浴びるシャワーよりはまだましか・・・?)

 先に利用した上司が、

「このシャワーはとってもよく考えられている。トイレや洗面が濡れないように工夫されている。」

皮肉交じりで 感心していた。

 意味が分からなかったが、実際に利用してみるとその通りだった。シャワーが便器の横についてるわけだから、さぞや便器に飛び散るだろうと思ったのだが、うまく考えられてて(?)、シャワーは微妙な量しか出ないようになってて、だから飛び散りようもなく、そのため頭は手洗いの水道で洗った方が手っ取り早く(こちらはなぜか水の勢いがある)、だからよけいに飛び散りようがないのだ。

 古いホテルの洗礼を受けたが、それでも僕らはその後、ぐっすり快眠することができたのであった。

 

 明日は、いよいよ世界遺産を見に行こう。(つづく)