ブログ 目次

 うちの家族は、夏には友人家族と7~10日間タイ旅行。冬は2回、6日間のスキー.。そして春は、大阪や九州へ国内旅行というのが常だ。

 たまには国内旅行の代わりに近場の中国へでもと思い、息子が小学5年の3月末に香港へ5日間出かけた時の話。

 

 4回目の香港なので、“自由旅行”にした。(※一回目の香港とのギャップすごい?)

 (※自由旅行とは、についてのブログは以下参照)

 

 普通のツアー旅行では、案内に5つ星ホテルとうたっていても、実際に泊まる部屋は、ベッドが二つ並んでるだけの狭いとこがほとんどだ。広くてもせいぜい40㎡だろう。

 それが嫌なのと、奥さんや子供にタイを好きになってほしいため、僕はバンコク旅行では、自由旅行のよさを発揮し、ホテル選択の際、リビングと寝室が別になった広いファミリールーム(60㎡~110㎡)を必ず選んでいる。

 しかし、今回行くのは、そんなに思い入れがあるわけではない香港。バンコクより物価は高いし、でも立地はいいとこがいいので、僕は以前より気になっていた宿を選ぶことにした。

 立地が良くておまけに安い、ジャッキーチェンの昔の映画にも出てくるし、沢木耕太郎の「深夜特急」にも出てくる有名な場所「チョンキンマンション」である。

 ただし、ここは永いこと“悪の巣窟”として有名な場所だった。そこが、今ではいくつかのホテルやゲストハウスとして営業をしているらしい。

 奥さんや子供は何も知らないまま、僕だけワクワクしてそこを予約してしまった。

 

 日程は、

1⃣日目・・・渡航~男人街

2⃣日目・・・アベニューオブスターズスターフェリー利源街ミッドレベルエスカレーター~ピークトラム~ビクトリアピーク

3⃣日目・・・<オーシャンパーク>シンフォニーオブライツ女人街

4⃣日目・・・<ディズニーランド>

5⃣日目・・・帰国

 

 僕は、基本、公共交通機関のみの利用で、タクシーは使用しないのが信条。移動そのものが観光であり、“旅”を満喫するためだ。そうやって楽しんだ4回目の香港を紹介!

 

◆   ◆   ◆   ◆   ◆

1⃣日目

 中国東方航空で出発。安いが格安航空ではないので、機内食も出る。上海乗継なので、2回も。僕にとっては大きなメリット!

 

 香港空港に着き、まずはエアポートバスに乗るところから「観光」は始まった。タクシー移動では味気ない。英語の苦手な僕にとっては、チケットを取ること自体が冒険なのだ。

 おまけに香港のバスは、2階建てバス。運よく、2階の最前列に陣取ることができ、宿のある香港中心地「尖沙咀(ツィムサーツイ)」に向かった。

 70分で尖沙咀に着いた。目の前に大きなビルが立ち並んでいる。

 一回目の香港訪問では怖かったこの街並みも、4回目ともなると懐かしくなる。奥さんにとっては3回目、息子にとっては2回目だが物心ついてからの訪問としては初なので、わくわくしてはしゃいでいる。

 

 チョンキンマンションをさがした。大通りを30mほど歩くとすぐあった。この時点では、奥さんと息子は、チョンキンマンションがどんなとこなのかまだ知らないのではしゃいでいた。

 ところが、一歩、チョンキンマンションに足を踏み入れると、外の華やかさと明るさとは裏腹に、薄暗い上に、髭をはやしたいかつい外国人らが廊下に座ってるし、奥の方はシャッターを下ろした店も目立つさびれた空間が現れた。

 

 僕らは、その中を恐る恐る進んだ。

「ねえ、ここ、違うんじゃない? 本当にここなの?」

 エレベーターホールへ抜けると、少しほっとして奥さんが聞いてきた。僕は聞こえないふりをして宿泊ホテルのある階ボタンを押した。息子もこの時点でほとんど無言になっていた。

 仕方がないので、少しだけ説明をすることにした。

「ここはジャッキーチェンの映画にも出てくる“有名”な場所なんだよ。」

 ジャッキーチェン好きの息子に合わせ、そう説明した。でも、けっして、ホテルとして有名なのではなく、悪の巣窟として有名だということは言わない。

 

 そうこうするうちに、目的の階に着いた。目の前に受付がある。

 受付のお兄さんはやさしく、少し安心した。部屋はそのすぐ左手を行ったとこだそうだ。

 先にも述べたように、このマンションは、たくさんのオーナーが部屋を買い取り、それぞれホテルやゲストハウスとして経営している。そのため、廊下は変なとこでドアがあって仕切られたりしており、ナンバーロックされ、解除キーを知らないと進めないようになっている。

 狭い廊下を左へ進むと、ドアがあった。解除キーを打ち込むと、また別の廊下が現れた。

 右の一番隅っこが僕らの部屋らしい。ドアを開けると・・・。

 

 目の前にはもうベッド。シングルベッドが壁にくっついて二つあった。ベッド同士の隙間は30㎝ほど。ベッドだけで部屋はいっぱいだ・・・。

 入ってすぐの隙間90㎝ほどが荷物を置くところ。その横にトイレとシャワーの空間があるが、シャワーは便器の上でやるしかないほど狭い。部屋全体で8㎡もなさそうだ・・・。

 

「もう帰る!!!!!」

 

 バンコクでは広いホテルにばかり泊まっている奥さんと息子は、部屋に入った途端、そういって怒り出したのだった・・・。(つづく)