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 僕は、サウジアラビアで働くことになった。

 サウジを内側から見たその様々な「魅力」の記録第22弾

 「ホフーフ旅行編」を中断して、今回はサウジ市内を5時間、自転車で走ってきた感想の「サイクリング編」

 

 11月のサウジは、自転車で走るにはちょうどいい気候である。夜は、20℃を下回るが、日中は25℃~30℃で、自転車で走ると、風が心地よい。

 

 ということで、20km離れた知り合いのお宅まで、自転車で出かけることにした。

 下記のブログに書いた店は8km地点で45分かかったので、今回は2時間かな?

 中学生の頃は、自転車で一日90kmのサイクリング旅を毎年恒例にしていたし、定年直前3年ほどは愛車のバイクが壊れ、10㎞離れた勤務地にママチャリで通っていたので、今でも往復40kmくらい走れるだろうと思ったし、自分の住んでる地区ではない場所を走るのにワクワクして出かけた。

 

 僕の自転車は、LuLuで買ったファットバイク(太タイヤ自転車)だ。タイヤが異常に太い。普通の自転車は4㎝幅だが、僕のは10㎝ある。人と変わったのが欲しくて買ったのだが、これが少々目立ちすぎて実は困っている。

 

 サウジでは自転車に乗っている人はほとんど見かけない。ただでさえそういうお国柄なのに、ファットバイクは目立ちすぎて、すぐに声をかけられるのだ。

「ナイスバイク」「ハウマッチ?」「どこで買った?(と言ってると思う)」などなど。(ほとんどなに言ってるかわからないけど…。)

 

 この日も、行きに10回以上は声をかけられた。その中で、新しいバージョンに出くわした。

 歩道を走っていると、3人組のサウジ人が話しており、僕はいったん降りて横を抜けようとした。すると、そのうちの一人が、例のごとくアラビア語で親しげに話しかけてきた。ここまではいつもと一緒。

 さあ、なんて答えようかな?と考えていると、なんと彼は、おもむろに僕の手からハンドルを取り上げ、奇声を上げて自転車にまたがり走っていってしまったのだ。

 まさか、乗り逃げすることはないだろうが、新しいパターンだったのでとても面食らった。二人の友達はにこにこして見ている。僕も笑って待つしかなかった。

 少しして、「これを見ろ」とばかりに“両手放し”で奇声をあげて戻ってきた。

 最後までアラビア語で話しかけられるので、僕も途中から英語はやめて、日本語で会話をした。お互い、最後まで分かり合えないコミュニケーション?をとって別れた。

 

 サウジの道路は自転車にやさしくない、と上記のブログに以前書いたが、この日は南に走ったのだが、キングアブドゥラ通り以南は、歩道が途切れる部分には必ず傾斜がつけてあり、たいへん走りやすかった。つまり、僕の住んでいる北部が、がれきも多い開発途上地区だってことがよくわかった。

 ただ自動車の、車優先・自分優先の運転は変わらず、こちらが(交通弱者が)少しでも注意を怠ると、とんでもない目にあうのに違いはなかったし、自動車同士でも、信号が青に変わったとたんに発車しないと、後続車が必ずクラクションを鳴らす点はあきれるほどだった。

 

 とにかく延々と走り続けて、行きは2時間15分ほどかかって目的地へ。

 ※日本の道だと、ママチャリで10km40~50分で走れます。

 知り合いのお宅に3時間半ほどお邪魔をし、車で送るという申し出を断り、またひたすら自転車をこいで帰ってきた。

 帰りは暗くなっていたので、やはり行きとは違い、なかなか思うように進まず、足も2度ほどつって、おしりも痛くなってきた。不幸中の幸いな点は、暗くてサウジ人に声をかけられたのは2度だけだったこと。

 店に寄ろうかとも思ったが、一度休憩するとこぐのが嫌になりそうなほど疲れてきてしまい、とにかくペダルを踏み続けた。そうして2時間45分かかってわが家へ着いたのだった。

 

 さすがに往復40㎞/5時間のサイクリングは、もうやめようと思った。

 僕も年かな?