篤姫 21~25話 NHK 2008年放送 ※現在NHKBSで再放送中 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

レビュー一覧

1~10回  11~20回

 

原作 宮尾登美子『天璋院篤姫』
脚本 田渕久美子
楽曲 吉俣 良

キャスト

 

感想
御台所となった篤姫。だが家定からのお渡りがなく、いがみあう者たちも協力し合って対策。
そんな状況でようやく家定と話をする機会を得た篤姫に、うつけのフリをしていた真の理由を話す家定。
そして側室志賀との女同士の争いに加え、幾島が圧倒的迫力で篤姫に迫る、次期将軍への「慶喜」推挙。
ハリスとの謁見に慶喜同席を勧めたのが篤姫と知り、激怒する本寿院。この、ホンネ丸出しの高畑敦子の迫力がスゴい(笑)

順調に出世の道を歩む西郷に対し、嫉妬心を燃やす大久保。
鬼になると言う息子に「私は鬼の母になるだけ」の言葉が重い。


あらすじ
第21話「妻の戦」
管理され切った生活を送る篤姫。大奥にも春が訪れる。
婚礼以降一ケ月、殿のお渡りの気配がない。なぜうつけのフリをするのかが疑問の篤姫。とにかく訳を知りたい・・・
本寿院に呼び出される幾島。滝山と家定の乳母 歌橋もいた。
皆が集まり「困りましたなー・・・」
いがみ合う中でも髪型を何とかする事で意見が一致。
滝山が提案した「おまた返し」。かんざしの重さに苦しむ篤姫。
それは翌朝披露された。仏間で家定と会う篤姫だが、家定は無反応。思わす今宵のお渡りを懇願する篤姫。

「今宵のう・・・」と言いつつ去った家定だが、その後お渡りの連絡が入る。
お渡りの時、なぜうつけのふりをするかを家定に聞く篤姫。

うつけではないと言い返す家定。話は堂々巡りで家定は「疲れた、寝る」と布団をかぶったがその直後「子を持つことはない。持つ気もない」と真顔で言った家定。



お渡りのあと、その顛末を幾島に話す篤姫。子ができぬのか作らぬのか・・幾島は密書を小の島経由で斉彬に伝えた。西郷から密書を受け取った斉彬は「大奥は思った以上に厄介」と呟く。
慶喜擁立派にもその話が伝わる。話は進め易くなったが、元々斉昭は質素倹約で大奥からは不評。進め方が微妙になる。
家定と楽しそうにしている志賀を見て、部屋に呼んだ篤姫。
単刀直入に上様の事を訊く篤姫。うつけであるとの噂。
そんな事はどうでも良く、私はあのお方が好きと返す志賀。志賀が上様を利用しているという噂についても、利用などしようがない、お子がおできになりませぬゆえ、と話した。

家定からの、次の渡りが告げられる。慶喜公のこと、きっかけだけでも作って下さいと言う幾島に「わかっておる・・」
姿を見せた家定は「母に泣きつかれてのう・・」とボヤく。
いつもと様子が違う事に気付いた家定に、お志賀の方をなぜそばに置こうと思ったかと訊く篤姫。ここでも話は食い違う。
「うるさーい!」と言って布団をかぶる家定。
篤姫の心に芽生え始めた、愛情と嫉妬。


第22話「将軍の秘密」
お志賀を供にして池の魚を釣る家定。遠目に見る篤姫。
あれやこれやと気にする自分を小さいと嘆く篤姫だが、薩摩の父母を思い出して真の夫婦に思いを馳せる。
一橋慶喜に面会する斉彬と阿部。是非とも次代将軍にとの勧めに
「火中の栗を拾えと?」と返す慶喜。また、天下を取るほど骨の折れることはない・・・面会を終え、やや落胆の斉彬。
感想を訊かれた西郷は素直に「むやみな自信が透けて見える・」

斉彬と西郷は安政4(1857)年5月、薩摩に戻った。
小松家を訪ねた西郷だが、江戸の事をなかなか話さない。
登城せよとの命を受けて斉彬に面会する尚五郎。公方様のうつけの噂や、慶喜公推薦のために篤姫は大奥に入ったのかなど、立て続けに質問。篤子がうつけではないと言っている、と諭す斉彬。

篤姫を訪れる阿部。斉彬と慶喜を引き合わせた話をするが、篤姫はまだ子を成す事を諦めてはいないと言った。
自分に人気があるのは、何も言わぬ老中だからと言う阿部に「言えばいいではありませぬか」と励ます篤姫。
その勢いで朝の仏間の折り、家定にお渡りを申し出る篤姫だが、
「今宵はダメじゃ、お志賀のところへ行く・・・」

安政4年5月26日。ハリスの要求により下田条約締結。
英、仏が中国を攻めている今、その後我が国に通商を迫る筈。まずはアメリカと条約を結ぶべき、と説明する阿部にいきり立つ斉昭。それに対し開国は避け難く、一丸となって事に当たらねばと強く主張する阿部。その勢いに押されて静まる斉昭。
同年6月17日。薬を飲む手が止まる家定。「阿部が、死んだ」
嘆く斉昭に松平春嶽が「あの者が動き出すのでは・・・」
彦根の井伊直弼もその事を知る。側近が慶福(よしとみ)様を推しましょうと言うのに「次の将軍は今の公方様に決めて戴く」

翌朝の仏間で、阿部が亡くなった事について思い出話などしたいと、家定にお渡りを申し出る篤姫。「化けて出るぞ」と家定。
阿部の死を知った斉彬。「頼りはお篤だけ・・・」
慶喜の件を上様に話すと言う篤姫に喜ぶ幾島。お渡りの報せ。
渡って来た家定に、自分は一橋公を次の将軍にとの密命を帯びてここに来たと話す篤姫。己が秘密を持つのは卑怯との考え。
そうならば、阿部が死んだのは痛手であろうな、と家定。
いつまでもうつけのままではおられぬ様になった・・・
阿部の考える、皆でまとめる政に合わせ任せていた。密命のことも阿部を見ていて分かっていた。今のままでは幕府は滅びる。
鎖国を続けても外から砲火を浴び、強引に国を開けば攘夷派と開国派の間で合戦となる。幕府にそれを押さえる力はない。
手立ては、阿部が考えていた国挙げての政だが、徳川宗家も一大名に過ぎなくなる。誰が将軍になろうと同じこと。
上様は身勝手だと言われて「そなたに何が分かる」と家定。
自分は父の九番目の子。兄弟は二十六人いたがみな早逝した。唯一の生き残り。これまで何度も毒を飲まされて体はボロボロ。
もう長くはない。だからうつけの真似で運命を笑いたかった。
案ずるな。そなたの密命のこと、誰にも話さぬ。
「私がお助けします。私はあなた様の妻にございます」と篤姫。
「儂は誰も信じぬ。この世の、誰一人としてだ」と言う家定。


第23話「器くらべ」
香炉に仕込ませた火薬を破裂させて女子衆を驚かせる家定。
一方下田のハリスが公方様に面会を申し出る間に、英国「ポーツマス号」も下田に来港。それを大失態と言い堀田を責める斉昭。
だがその三日後、斉昭は幕政から身を引く。
本寿院とその取り巻きは、明るいうちから酒盛りをして祝う。

上様はうつけでない事を本人から聞かされた、と幾島に伝える篤姫。だが斉昭の隠居でますます慶喜擁立は難しくなった。
そんな時に上様のお渡りが告げられる。
ハリスが面会をせがむ事に閉口する家定に、囲碁を持ちかける篤姫だが「陣取りの様な争いはいやじゃ」
それならば、と「五つ並べ」を提案。すぐにハマる家定。


その折りに慶喜の事に触れ「なぜ会うてもおらぬのに推す」と問われた篤姫は、それもそうだと面会を計らってもらう様頼む。

そして数日後面会が実現した。篤姫は慶喜にハリスの事、我が国とアメリカとの関わりについて意見を求めた。だが慶喜は、それは将軍家の役目であり、格別の意見はないと言った。


我が父はそなたをいたく買っておるとの言葉にも

「その様な器量はございません・・・」そして下がった慶喜。

斉昭退陣の報は薩摩にも伝わり、尚五郎は大久保と酒を飲んで西郷を羨み、愚痴を重ねる。そこにお近が来て怒る。
国を思うのも大切ですが領地、領民の事を考えて。

大きな所ばかり見ていたのでは国は亡びます・・・」
いっそ離縁して下さいとまで言われ、目が覚める尚五郎。

篤姫は慶福にも会うことを幾島に宣言。反対の幾島だが無駄。
「菊見の会」と称して慶福を招いた篤姫。明るく好印象。


幼名を菊千代と聞いて、菊の花を慶福に案内する篤姫。
一段落して菓子を食べる場面で、慶福が異常に気付き「これは痛んでおります。食べてはいけない」それを聞いて滝本が係の者に毒見をさせると言うのを「食べられぬと分かっているものを毒見させるのは間違い」とただす慶福。素直に礼を言う篤姫。

その後、家定のお渡りが告げられる。
家定に、自分は間違っていたと話す篤姫。人の上に立つのは慶福様ではないかと言う篤姫に「変わったおなごじゃ」と驚く家定。
「儂も会うてみるか、ハリスと・・・」片方聞いて沙汰するなという、篤姫の母の言葉を覚えていた。
その夜、幾島が薩摩藩邸との間で密書をやりとりしていた事が、滝本から本寿院に告げられた。怒る本寿院だが
「世継ぎは公方様が決める・・・」何も知らない篤姫。


第24話「許すまじ、篤姫」
ハリスが家定に面会を求め続けて一年。ようやく幕府が認めた。
安政四年秋、婚礼から十ケ月。家定と五目並べをする篤姫。
ハリスに会うのを躊躇う家定を弱虫呼ばわりする篤姫は、逆に良い知恵はないかと持ち掛けられる。
一方幾島は相変わらず慶喜公ご推挙の願いばかり。だが篤姫には気がかりな事があった。本寿院は最近つとに冷たい。
その本寿院は心強い味方が戻ったと喜ぶ。井伊直弼が江戸屋敷に戻って来たのだ。堀田に対しては世継ぎの件に諸大名が関わるべきでないとけん制。公方様には従弟である慶福様以外には考えられないと重ねた。
薩摩から動けない斉彬は、西郷を徒目付として江戸に戻した。

篤姫は、ハリスが立ったままの謁見を求めていると聞き、彼の身長を訊いた上で畳を積み上げさせた。これなら見下ろされない。
だが斉彬からの指示を受けている幾島は、何としても公方様と慶喜様を会わせるよう篤姫に迫る。そんな時お渡りが告げられた。
畳の上に座る案を面白がる家定は、礼をしたいと篤姫に言った。
ハリスとの謁見の時に、なにとぞ一橋様を同席させて欲しいと願い出る篤姫。あっけないほどに「よいぞ」と言う家定。
涙を流す篤姫に「赤子の如きみたいじゃのう・・」と笑う。

そして安政四年十月二一日。ハリスの、家定への謁見が執り行われた。その前に慶喜と話す家定。「そちは将軍になりたいのか?」「とんでもございません」「なりとうないのか、ふーん」
慶喜が謁見に同席すると聞いて激怒する本寿院は、篤姫を見つけると掴みかかった上、具合を悪くしてしまった。

次の渡りの時に、家定が謁見の事を篤姫に話す。


「いやー、面白かった」ハリスの挨拶のあと立ち上がって歌舞伎の様に腕を出し、見栄を切って「・・・満足至極であーる。プレジデントにしかと伝えるべーし」とやったという。


これからが難しいと話す篤姫。無理に開国しては戦いになる。
慎重にすべき。開国派も攘夷派も帝に目を向ける・・・
そちはおなごにしておくには惜しいと言う家定。
慶喜公はいかがでした?と訊く篤姫に、あの者がますます好きではなくなったと言う家定。「強いて言えば「勘」じゃ」
以前の儂なら世継ぎなどどうでも良かったのに・・・


第25話「母の愛憎」
我らがここに居る意味を説く幾島。だが篤姫に残る疑問。
何故慶喜なのか?
本寿院が朝の祈りを篤姫に遠慮する様指示し、夜のお渡りも伝えず、代わりに志賀をあてがった。
一方薩摩では、尚五郎とお近が領地に引っ越す準備中。
大久保も西郷について熊本に行く事になっているが、その西郷は、世継ぎの件が上手く運んでいない篤姫に送る密書を斉彬から託された。大久保の母 フクは息子のために羽織を新調した。
本寿院と対峙する篤姫。上様を思う気持ちに嘘はないと訴える。
これでは嫁を苛めているようじゃ、と退席する本寿院。
熊本まで出向き、細川家家老 長岡監物と面会する西郷と大久保。話が通商の内容に及ぶと監物が咳払い。

西郷は大久保に「席を外してくれんか」と頼む。

控えの間で畳を叩く大久保。

 

お渡りの夜。また篤姫の体調が悪く、志賀が相手をすると聞いて「儂は御台に会いに来たのじゃー!」と言って倒れる家定。
だがそれは仮病であり、本寿院に今までの事を感謝しつつも、今後は心安らかにと諭す家定は、自ら篤姫の所まで出向いた。
「そちが来んので儂が来た」と言う家定。
「そちがおらぬと面白うない。まるでこの世から色が消えた様じゃ」「私もでございます」「儂ら、気が合うのう・・・」
どうするか訊く滝山に「そのままでよい・・」と本寿院。

思いの外帰宅が早かった大久保に母 フクが声をかける。
「オイは鬼になりもす」と言う大久保に母は
「あなたが鬼なら、私は鬼の母になるだけのこと」と励ます。