篤姫 1~10話 NHK 2008年放送 ※現在NHKBSで再放送中 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

原作 宮尾登美子『天璋院篤姫』
脚本 田渕久美子
楽曲 吉俣 良

キャスト
今和泉島津家
於一(おかつ)→篤姫→天璋院  宮﨑あおい
島津忠剛(しまづ ただたけ)    長塚京三 篤姫の父
お幸(おゆき)                     樋口可南子 篤姫の母
島津忠敬(しまづ ただゆき) 岡田義徳 篤姫の兄
菊本(きくもと)       佐々木すみ江 奥女中
しの                 小林麻子 奥女中

島津家
島津斉彬(しまづ なりあきら)高橋英樹 篤姫の養父
英姫(ひさひめ)       余貴美子 斉彬の正室
島津忠教(ただゆき)→久光       山口祐一郎 斉彬の異母弟
島津斉興(しまづ なりおき)  長門裕之 斉彬の父
由羅(ゆら)                        涼風真世 斉興の側室 忠敬の母
島津忠義(しまづ ただよし)  中川真吾 忠教の嫡男
於哲(おてつ)       吉高由里子 忠教の娘
島津右近(しまづ うこん)   加治将樹 忠教の子
広川            板谷由夏 篤姫付きの老女
幾島(いくしま)                  松坂慶子 篤姫に仕える老女

小松家・肝付家
小松清猷(こまつ きよみち)   沢村一樹 尚五郎の師
お近(おちか)                     ともさかりえ 清猷の妹
肝付兼善(きもつき かねよし)榎木孝明 尚五郎の父
肝付尚五郎→小松帯刀     瑛太 篤姫の幼なじみ

その他
調所広郷(ずしょ ひろさと)   平幹二朗 薩摩藩家老
西郷吉之助→西郷隆盛             小澤征悦
スガ                                    森脇由紀 西郷の妻
大久保正助→大久保利通          原田泰造
大久保利世(おおくぼ としよ)大和田伸也 大久保の父
フク                                    真野響子 大久保の母
有馬新七(ありま しんしち)   的場浩司
伊地知正治(いじち まさはる)三宅弘城

阿部正弘(あべ まさひろ)      草刈正雄 老中
井伊直弼(いい なおすけ)      中村梅雀
堀田正睦(ほった まさよし)   辰巳琢郎

ジョン万次郎                         勝地涼
徳川斉昭(とくがわ なりあき)江守徹

徳川家祥→徳川家定        堺雅人
徳川家慶(とくがわ いえよし)斉木しげる 家定の父
近衛忠熙(このえ ただひろ)   春風亭小朝 島津と近い公家

 

相関図



感想
2023年暮れからNHKBSで再放送されているため視聴中。
この番組は、今までの大河の中では一番印象深いもの。
特に好きだったのは楽曲。吉俣良の世界観は素晴らしい。
内容はほとんど忘れていたが序盤のトレースで、幕末のペリー来港に端を発して、島津の小藩の娘が本家の養女となり、徳川家に風を吹き込んで行く話だと思い出した。

3話までは島津藩の内紛が描かれ、島津斉彬が藩主となる。
於一が斉彬を怒らせるが、強い印象を残した。
島津本家に養女として求められた於一。そして篤姫となる。
お姫様教育係の幾島との攻防。
将軍家 徳川家祥の御台所として望まれている事を知る篤姫。
島津家は徳川との婚姻関係により中央とのパイプを繋いで来た。
篤姫の前には11代将軍・家斉の正室 寔子がいる。
ペリーによる鎖国日本への圧力が、篤姫を誕生させた。
政略結婚そのものだが、そこに篤子の意思を取り込ませて、ポジティブな話として展開して行く。

オマケ

そういえば奥女中 菊本の言った「おなごの道は一本道にございます」というのが2008年の流行語大賞に入っている(16位)

 

代表曲

メインテーマ

正鵠(せいこく)

驀地(まっしぐら)

良し

 


あらすじ
第1話「天命の子」
1835年の鹿児島。妊娠中の薩摩藩 今和泉島津家 お幸は「その娘を江戸に連れて行く!」と叫ぶ男の夢を見る。
そんな折り、藩主島津忠興の世継ぎ 島津斉彬が初のお国入り。
分家に出来る子にと今和泉島津家、肝付家にお守りを渡す斉彬。斉彬の父 島津斉興の側室 お由羅は我が子の忠教を継がせたい。
産まれた於一(おかつ)はすくすくと育つ。世にある貧富の差について問う於一にお幸は、人それぞれの役割りを説く。
時は流れ、厳しい財政の薩摩藩。将軍への目通りの際、不正はないかと追及される忠興 斉彬親子。そこに世継ぎの徳川家祥が乱入して玩具でやりとりをし、斉彬は気に入られる。
成長して12歳になった於一は、同時期に生まれた尚五郎と小松清猷の塾に通う。
そんな時、西郷吉之助が年貢にあえぐ農民を代表し、島津忠剛のところへ直訴状を持参する。だが更に上納金三千両を納める必要がある忠剛は、財務を仕切る調所広郷に相談するも、お家取り潰しを匂わせられ、自ら蟄居閉門する。
これを打破するため、強引に尚五郎を連れ調所を訪れる於一。
薩摩藩が持つ膨大な財政赤字の説明をする調所。

第2話「桜島の誓い」
蟄居の効果もあり許された忠剛だが、大幅に体力を消耗する。
そこに吉之助が訪ねて来て、自分の直訴状で迷惑をかけたと謝る。民のために働きなさいと許した忠剛だが、於一の兄 忠敬は怒りに任せ木刀で打ちかかる。於一を守りそれを止めた吉之助。
その場に居合わせた尚五郎に「剣術も弱いの?」と迫る於一。
神社で稽古をしていた吉之助らを見つけ、手合わせを申し出る尚五郎。大久保正助の相手で簡単に負け、打ち身をする尚五郎。
格上の肝付家と知り、大久保家に担ぎ込んで治療する吉之助ら。
その時、皆の話す藩の様々な話に驚く尚五郎。
お由羅の呪詛調伏が噂される中、斉彬の子が次々死ぬ。調伏の証拠となるものを小松清猷が提出した。
調所からの呼び出しの手紙を受け、尚五郎を無理やり連れて会いに行った於一。「しばらく江戸に行くので姫の顔が見たかった」と言う調所は記念にと、贋金の銀貨を一枚於一に渡す。
江戸城に呼び出された調所は阿部と対峙する。抜け荷や贋金の詮議をはぐらかした調所が退室すると、斉彬が顔を出す。
藩に戻った調所は、全ての罪を被って服毒自殺した。
尚五郎と、桜島の見える丘に調所から貰った銀貨を埋める於一。
藩内で斉興の隠居を求める文書が出回ると、反斉興派は粛清され、大久保家の父は喜界島に遠島、正助も謹慎。忠剛は寝込む。

第3話「薩摩分裂」
父の不調の意味が分からない於一が訊くが、叱責される。
尚五郎が大久保家の心配をするのが気になる於一は家から鰹をくすね、彼に附いて大久保家を訪れる。恐縮する正助の母 フク。
老中 阿部が斉興に隠居を勧告するが聞かず、遂に将軍家から茶器が渡された(隠居の命令)それでも忠教を藩主にしたいお由羅。
藩主となった斉彬が上様にお礼参りをする。その時に家祥と言葉を交わし、うつけではないと直感した。
薩摩への帰路、親戚筋の京都 近衛忠熙を訪ねる斉彬。斉興の吝嗇を嘆く忠熙は斉彬の就任を祝った。老女の幾島を見る斉彬。
斉彬の藩主就任に元気になった忠剛。その祝いの鯛と角樽を横流しして大久保家を訪れる於一。困惑するフクだが喜ぶ若者たち。
大久保家の窮状を知った於一は、かんざしを抜いて役立てて欲しいと言ったが、フクは「微禄ですが誇りがあります」と固辞。
失意で帰る於一と尚五郎に、窮状を見て助けてくれたのは吉之助とあなた方だけだったと頭を下げる正助。
家で母に、ある人の誇りを傷付けたと言った於一。
お幸は、その人が弱い人でないなら誇りは傷付かないと諭す。

第4話「名君怒る」
藩主として初めてお国入りした斉彬だが、報復人事は行わず「先代から変更しない」と宣言。自宅で怒る忠剛。
大久保父の遠島は解けず、正助も閉門のまま。納得しない於一。
於一と尚五郎は小松清猷を訪ねて訊く。殿を信じよと言う清猷は二人を茶室に誘い、妹のお近に香を焚かせる。
斉彬が島津四分家の家族を招く催しが開かれた。受け答えの作法を於一に教え込む忠剛。その席上最後に呼ばれた於一は、好きなものを聞かれ「史書を読むことです」と答える。次いで於一は、斉興側についた者が罰を受けないのは何故ですか、と訊く。
場が凍り付く中で斉彬は、与えられた罰は必ず回復させるが、刃には刃で返されると説き、私が信じられなければ即刻この国から出て行くことだ、と言って退席した。
落ち込む於一だが尚五郎は大いに褒め、大久保らに赦しは近いと伝える。我らの殿を信じようと言う吉之助。
斉彬は於一を思い出し「もう一度会ってみたいものだ」と言う。
一方津島忠教の子 島津右近が、於一を見初めたと言い出す。

第5話「日本一の男」
斉彬へのお目通りで怒らせたと沈んでいた於一に、その当人から頼山陽「日本外史」全巻が届く。有頂天の於一。


忠教が忠剛に、息子 右近が於一を見初めたと告げる。
彼は元々由羅騒動の元凶。即答を避ける忠剛。

戻って妻 お幸に相談する忠剛。

それを漏れ聞いた於一の兄 忠敬が尚五郎に教える。
大久保家へ話しに行く尚五郎だが、西郷の縁談で相手にされず。
そんな時、斉彬はジョン万次郎を屋敷に招き、アメリカの様子を訊く。沿岸の防衛計画が役に立たないと断じる万次郎。
先の話を小松清猷へ相談に行った尚五郎だが、居合わせた於一に連れられ、万次郎からアメリカの自由な社会の事を聞かされる。
尚五郎に「私は日本一の男の妻になりたい」と言う於一。
また於一は、父から聞かされた相手 右近を一目見たいと尚五郎に懇願し、道場の稽古を覗き見る。
思い余って夜分忠剛を訪れ、於一を妻に欲しいと告げる尚五郎。
「あいわかった」と請け合う忠剛。右近を断る理由にしたい。
翌日斉彬の呼び出しに応じた忠剛は、於一を島津本家の養女として育てたいと告げられる。

第6話「女の道」
戻った忠剛はこの事を於一に伝える。感涙する奥女中の菊本。
意味が良く分からない於一。夜、尚五郎の事を思い出す忠剛。
忠剛は肝付家を訪れ尚五郎と父 兼善に謝罪。放心の尚五郎。
フラ付く尚五郎に声を掛ける万次郎。海防の仕事をしており、失恋の話を聞くとアメリカの事情を話して励ます。
今和泉家でいつもの様に於一と囲碁対局をする尚五郎だが、於一がなぜ自分が養女に求められているのか分からない、との疑問に「殿様のお気持ちを訊いてみたら」と助言。


その希望を父に話すと拒絶されるが、母が応援。動いた父。
一方忠教が斉彬に、海防掛を辞して領地に下がりたいと申し出る。於一を養女にした事や、万次郎を海防の補助に使っている事かと質す於一に、互いに信用していないと返す忠教。
殿へのお目通りが叶う事になり、於一が登城する時「おなごの道は一本道にございます。定めに背き引き返すは恥にございます」と伝える菊本。


対面した於一が、自分を養女にしたい理由を訊くと、そうやってはっきり意見を述べるところと、我が母親に似ているところだと話す斉彬。得心した於一は晴々した気持ちで帰宅する。
だがそこへ侍女が駆け込んで来る。菊本が自害したとの知らせ。
菊本の亡骸にすがって号泣する於一。

第7話「父の涙」
菊本の自害を受けて忠剛は、菊本は元々この屋敷に居なかった事にする、と於一に言い渡す。納得がいかない於一。
母がその後来て説明する。母への遺書には身分の低い自分が姫に仕えていた事こそ恐れ多く、我が名が家中から削られる事を望んでいる、と書いてあったという。死を以って己を消し去った。
そして於一への遺書は父が焼き捨てさせたとも。
母からお守りの仏像を手渡される於一。
尚五郎と碁を打っていても上の空の於一に「あなたを思う者の気持ちや覚悟を分かっていない!」と叱る尚五郎。感謝の於一。
一方斉彬は江戸に上がり、前水戸藩主 徳川斉昭からアメリカ ペリー提督の艦隊が日本に向かっている事を知らされ、軍艦製造を命じられた。戻って忠剛に砲台建設を命じた斉彬。

更に姫のお城入りを早めるようにとも言った。
慌ただしく時は過ぎ、お城入り前夜の家族での夕食。
祝いに訪れた尚五郎に、碁でも打ってはいかがかと促す忠剛。
最後となる碁を打ち終わる二人。形見に本など・・・と言う於一に、互いのお守りを交換しようと言う尚五郎。頷く於一。
そしてお城入りの日。六名で担ぐ駕籠に乗り出発する於一。その途中で見送る尚五郎がお守りを差し出すと、於一も駕籠の中でお守りを出してかざした。号泣する尚五郎を見つめる西郷たち。
於一を送り出した忠剛は放心。



第8話「お姫様教育」
嘉永6(1853)年 6月。幕末へ向けて疾走を始める日本。
島津本家の養女として鶴丸城に入る於一。ここには江戸城と同様大奥があり、それを仕切る老女 広川が出迎えた。阿蘇の姿を見て喜ぶ於一だが、庭に出る事も許されない。意気消沈の於一。
蟄居を解かれ、役を得た大久保正助を祝うため尚五郎が訪れる。
鯛の話から於一を思い出す皆。一方娘が居なくなり脱力の忠剛。
「ペルリ」の浦賀来港で協議する斉昭、斉彬、阿部。その話のあとで阿部が「ところで姫は?」と斉彬に訊く。言葉を濁す斉彬。
斉彬は江戸から薩摩に降る途中、京都の近衛に立ち寄り、幾島を貰い受けたいと申し出た。
侍女からお香の話を聞いた於一はお近を呼び寄せる。それに伴い母からの手紙を持参したお近。母は残されていた菊本の遺書を託した。臆する事なく前に進めとの激励。涙する於一を咎める広川に一喝する於一。人が変わった様に自分を取り戻す於一。
そして広川が客の来訪を告げる。その相手が幾島だった。

第9話「篤姫誕生」2/5
於一に挨拶する幾島。斉彬の姉 郁姫の老女として、嫁ぎ先の近衛家で、姫が亡くなっても勤めていた。手始めに於一の薩摩訛りから手を付ける。大きな声に閉口する於一。薙刀の指南も。


江戸城では十二代将軍 徳川家慶が急死。その枕元で「ねじを巻いたらどうじゃ」と無邪気な息子 家祥に唖然とする阿部。
この危機に、御三家ではない斉昭に海防参与を依頼する阿部。
斉彬が戻り対面する於一。新たな名「篤子」が授けられた。皆からは「篤姫」と呼ばれる事になる。またペルリが日本に来た情報を教えられ喜ぶ篤子は、斉彬に軍備を増強する意味を問われ、戦をしないで済むためにと答える。我が意を得たり、と斉彬。
その後幾島に篤子の様子を訊く斉彬。ジャジャ馬だと返す幾島。


ペルリの話に驚愕する西郷と大久保は、尚五郎に頼み小松清猷を訪れ、殿の真意を聞き出す。殿の言う専守防衛を説く清猷。
ある時斉彬に呼ばれる幾島。篤子が将軍家の継嗣 家祥様の御台所に望まれていることを知らされ絶句する。
一方雨降る中で花に水やりをする家祥。「綺麗に咲けよ・・・」

第10話「御台所への決心」2/12
本格的な幾島の教育が始まるが、篤子は作法、琴、鼓、薙刀等、何をやらせても身が入らない。
いっそ御台所の話を伝えてはと言う幾島に「まだ早い」と斉彬。
更に家祥の噂を気にする幾島。斉彬はそれについても「あの方は世間で言われる暗愚だとはどうしても思えぬ」と言った。
一方江戸城では阿部が黒船対策の献策を家祥に諮っていたが、菓子を食べるばかり。非常識な案に「それ面白い!」と喜ぶ。
また海防参与になった斉昭は、アメリカと戦う事に意欲を持つ。
更に続く幾島と篤子の攻防。幾島は斉彬に、将軍家はおろか平侍にも嫁げないと言った。それを受けて斉彬は直接篤子に会う。
そして「輿入れ先は決まっている。それは将軍家」と伝えた。
驚く篤子はそれ以来不眠と食欲不振を起こし、母に会いたいと言い出す。そしてある夜、部屋から脱走を試みるが捕まる。
斉彬が篤子を呼び出す。碁を打ってくれる様頼んだ篤子は、その最中に自分は利用されるのですかと訊き「そうだ」と返す斉彬。
姫が嫁げばこの薩摩から種々のことがやり易くなり、日本を変える事が出来ると加えた斉彬。納得した篤子は、江戸へは自分の意思で行き、殿のお役に立ちたいと言った。
嫁ぐ相手が家祥様だと聞き、どんな御方ですかとの問いに「そなたが自分で見極めるがよい・・・」
幾島は腹を括り、地獄の釜の底まで姫に付き合うと斉彬に告げる。