2008年から10年、大停滞の世界 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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異常な大停滞の世界

先進国経済、10年ぶり需要不足解消へ 浮揚力は弱く(日経)

 2008年のリーマン・ショック以降、先進国を苦しめてきた「需要不足」と呼ばれる状態が今年、約10年ぶりに解消される見通しとなった。米国の景気回復を追い風に貿易や投資が刺激され、需要が増えている。だがデジタル経済化に伴う経済の変質などの構造問題で物価の伸びも鈍い。金融緩和に頼らず、浮揚力を高めていけるか。主要国の経済運営は、なお難しいかじ取りを迫られている。

 国際通貨基金(IMF)の推計によると、日米欧などの先進39カ国はリーマン危機直後の09年、国内総生産(GDP)の3.9%にあたる1.5兆ドル(約163兆円)の需要不足に陥った。急激な需要減は大量の失業を招き、企業の設備投資も急減。だが、先進各国の経済対策で需要不足は徐々に解消に向かい、18年には0.1%と小幅ながらプラスに転じる見通しだ。

(中略)

 需給ギャップが10年ぶりプラスとはいえ、中国や新興国との競争激化などで先進国がかつてのような成長トレンドを描くのは難しい。サマーズ元米財務長官が唱えた「長期停滞論」に重なるもので、各国当局者の戸惑いは消えない。この先、需要超過の勢いや物価、利上げテンポなど様々な景気の変数がどう推移するのか。世界経済が安泰といえる状況にはまだ遠い。

 この記事の筆者は後進国との貧困への競争や、もしくはネットの普及によるAmazonなどのオンラインショッピング、もしくはAI等による機械化での労働環境の構造変化なども懸念要因として挙げておりますし、それらも確かに世界経済の停滞の要因でしょう。

 しかし一番の問題は2008年のリーマン・ショックに見られる大恐慌レベルの金融危機、これを引き起こした「金融市場が主、商品市場が従」「金融経済が主、実体経済が従」という不健全な構造がいまだに解決されていないということです。

 ようやくなんとか世界経済は2008年以前のレベルにまでは至らないが、それでも回復傾向と表現しても差し支えはない。しかしその根本の問題を世界経済は未だに内包し、解決い至っていないのであれば、根本的な治癒とはいい難いというわけです。

 

 この長期停滞に様々な学者たちが出した診断と処方箋というのは「財政出動」になるわけです。A・H・ハンセン、ローレンス・サマーズ等々もそのように唱えているようです。

 財政出動が効果的に発揮されるためには、自由貿易をある程度保護貿易にせざるを得ないし、また金融規制の強化という課題も避けては通れません。

 長期停滞論が唱えられたのは20世紀初頭、そして21世紀初頭というわけでして前者は第一次グローバリズム、後者は現在のグローバリズムの時代というわけです。つまりは根本的な治癒にはグローバリズムの是正そのものが求められるという結論になります。

 もしくは理想論として、世界各国の先進国がいっせいに財政出動を行うという協力体制が挙げられますが、これは政治力学、国際政治学における力学、もしくはEUなどのシステムの関係上、不可能であることはいうまでもありません。妥協に妥協を重ねた産物であれ、生みだすのは至難の業と言わざるをえない。

 

 1つの解を示すのならば、たとえば1929年の金融危機に全く影響を受けなかった国家はどこか?というと共産主義であるソ連という回答が正解でしょう。共産主義とソ連の体制そのものは私は好ましくなく、むしろ批判の対象としているところですが、グローバリズムに染まらない独自の経済体制、経済方針というのが、現在の長期停滞を招いている根本的な要因に対して一国がとり得る対処法となるのは明白です。

 そう考えると「緩やかな社会主義」もしくは「公益資本主義」への転換というのが、世界経済の面からも、そして自国の安全保障の面からも、さらには国民生活の面からも”世界的”に求められていると考えます。

日本に転換点は来るのか?

 残念ながら日本国内において、まずは世界経済を俯瞰して分析をし、診断と対処法を考えようという動きは非常に微弱であると言わざるを得ません。私の知る限りにおいてそれをやってのけたのは、中野剛志さんや柴山桂太さんのみといったところです。

 まあ、世間的にも財政出動の必要性があまり論じられないどころか、むしろメディアなどによると未だに旧石器時代の遺物の如き「クニノシャッキンガー」という論調が蔓延る有様ですから、上述した動きが微弱というのは誰しもご理解いただけるところでしょう。

 

 この問題の根本はどこにあるのか?さすがに世界経済の情勢を知らない!と国民の責任にするのはいささか問題があるように思います。むしろ政治でいうと、その国民に正しい認識を提供する役割の知的エリートたちの怠慢である、というのが私が感じるところです。

 この場合でいうと、その責任の大半は日本の経済学者およびそれに連なるエコノミストなどに帰結するものと思われます。

 

 では経済学者やエコノミストなどの論調はどうか?というと、少なくともニュースなどで見る限りにおいて、メディアに露出している経済学者やエコノミストの質というのは非常に低いと言わざるを得ません。メディアに露出する彼らが日本の経済学やその周辺の本流であるとするのならば、全体として最悪に近いといえるでしょう。

 

 さらに言及するのならば、このように経済学界隈が全くあてにならないどころか、むしろ足を引っ張る状況において、日本の左派にせよ右派にせよまったく経済に関心がない、経済に無知である、見ようとしていないという状況は驚くべきものがあります。

 左派は共産主義の敗北を受けて経済への関心を放棄し、右派はそもそも論として経済に取り組んでこなかった。その経済への無関心こそが「グローバリズムへの迎合と、伝統と文化の保守という矛盾する主張」をする右派であるし、もしくは「弱者への保護を求めるくせに、緊縮財政をよしとする左派」という矛盾なのであります。

 率直に申し上げると、日本の右派、左派の大変およびネットで蔓延るネトウヨなどは、現在の世界の経済情勢に対して、そして日本の経済での様々な問題に対してなんら役に立たない、むしろ有害とすらいえる存在でしかないというのが現状でしょう。

 

 そしてその声の大きな右派、左派をあわせたようなものが「安倍政権である」とするのは、いささかも不自然なことではありません。自民党や安倍政権は長らく「左派の主張もいつの間にかと入れる」という戦術でやってきたのですから、日本の右派、左派の混合体とでもいうべきものでしょう。

 だから左派がいくら「安倍政権打倒」を掲げても、ブーメランとして帰ってくる結果になるし、または右派が「安倍政権の擁護」をしても、擁護しきれない矛盾が山のように溢れ出てくるわけです。

 

 つまり世界の経済情勢と状況、そして日本の政治を見る時に前者は「大停滞」といえるでしょうし、後者は「迷走」といえるでしょう。

 大停滞のこの波乱含みの時代に迷走する日本、果たして転換点はくるのかどうか?すぐに転換点を迎えるなどという楽観的観測は成り立たず、厳しい時代になりそうです。

 

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本日の男の料理 アジフライ定食

 一人暮らしだと完全自炊がしんどいときはあります。そ~言うときは買ってきたお惣菜+作っておいたもので、簡単に済ませちゃう段取り。

材料

  • 買ってきたアジフライ
  • 冷凍しておいたご飯
  • 作っておいた余りの味噌汁
  • 切っておいた千切りキャベツ

調理手順

  1. ご飯は多めに炊いて、炊きたてのうちに水を少々足して混ぜ、ラップで冷凍すると思ったほどに味が落ちません。私は熱々のうちにラップにくるんで、そのまま冷まさずに冷凍しちゃいます。
  2. 味噌汁は1度に4人前ほど作っておくと、その後2日間位の汁物になるので便利。
  3. キャベツの千切りも、ようやくキャベツの値段が落ち着いてきたので、多めに作っておいてボールにでも入れてラップしておけば2~3日は持ちます。
  4. 最後は買ってきたアジフライ。電子レンジでチンするだけ。アジフライとキャベツに醤油をかけて、即席アジフライ定食の出来上がり!

 キャベツの千切りはスライサーでやると簡単ですが、包丁の腕を磨きたいなら包丁で頑張りましょう(笑)ちなみに画像のキャベツの千切りは包丁です。

 

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