日米首脳会談共同記者会見 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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さて安倍・トランプ会談が行われたようで、共同記者会見が開かれたようです。
 
上記から(4)までたどれますので、是非とも「どのようなものだったのか?」について見ていただきたいと思います。
その上で私の感想なのですが、安倍総理がぶち上げたアメリカへの雇用対策として51兆円という日米イニシアティブ以外、殆どが旧来のスタンスと変わらないという点です。
つまり尖閣諸島は日米安保5条の対象である、北朝鮮の弾道ミサイル及び核開発の批判、中国に対しては穏健に接していく理想主義的外交、日米間での経済協力や自由貿易。
ただ若干異なる点と言えばトランプが「アメリカの安全保障が大事だ、アメリカの雇用が大事だ」といつも通りアメリカファースト節を披露したことでしょうか。
 
今回は外交上のそれぞれの思惑、戦略が交差したというよりむしろ政治的な思惑が交差していると見たほうが良い気がします。
つまり低い支持率に悩むトランプは、日本の安倍総理という長期政権を担う、そして支持率の高い総理から持ち上げてもらうことで現状を打開したいという訳かもしれませんし、安倍総理としては「従来の日米間のスタンス」を維持してもらいたい、ということでこのような当たり障りのない会談になっているのでしょう。
ちなみに「従来の日米間のスタンス」とはアメリカの政治学者等々がストレートに「アメリカの保護領、属国」と表現する関係です。
【日米首脳共同記者会見・全文(2)】において安倍総理はこのように発言しております。
私の名前は『アベ』ですが、時折、米国では『エーブ』と発音されます。しかし、私はあまり悪い気はしないわけでありまして。あの偉大な大統領の名を、わが国においても知らない人はいないからであります。農民大工の息子が大統領になる。その事実は150年前、将軍の統治の下にあった日本人を驚かせ、民主主義へと開眼させました。米国こそ民主主義のチャンピオンであります
 
・・・・まぁ外交上のおべっかとして言っている、と取れなくもないのですが安倍総理が過去にも何度かこの手の「アメリカによって日本は民主主義に目覚めた」という発言をしておりまして、私は非常に苦々しい思いで聞いております。
前にも書きましたとおり明治維新とは「欧米列強の圧倒的な工業力と軍事」から日本を守るために「近代国家化」したわけであって、初代の総理大臣である伊藤博文が民主主義的な手続きと体制づくりより先に、殖産興業政策を優先させたことは有名な話です。
また何故民主主義に近代国家が変遷してきたのか?というのも国民皆兵制度が強かったからという要素が非常に大きく、アメリカが例外的に最初から民主主義の国家であったことは成り立ちと地政学的に特異であった、というだけの話です。
※トクヴィルによると地理的には外敵を気にせずに良かったし、アメリカへの入植者は敬虔なキリスト教徒たちが主であったようです。
 
つまりまぁ、安倍総理というのは極めて日本的に言うなら親米、アメリカ風に言うなら「属国、保護領の従順な首相」なのは論じるまでもないでしょう。安倍総理の史観が「アメリカによって日本は民主主義に開眼した」のだそうですから。この物言いは「非常に恥ずかしいこと」とは総理は考えておられないようです。腹が立ちますわ。
おっと、話がそれました(笑)
 
本日の進撃の朝刊「いよいよ日米首脳会談」によりますと、まだアメリカの対アジアの戦略は人事が決定しておらず流動的だそうです。
であるならばトランプが「従来の日米のスタンスの確認」だけに終止したのはうなずけますし、逆に言えばこの時期に訪米して話し合うということが「吉か凶か」と言われますと、ちょっと不味いんじゃないか?と思います。
安倍総理としては従来の日米のスタンスでいたいために、わざとこの人事がまだ決まっていない時期に訪米して言質を取ったとも言えますが、問題はトランプ大統領がアメリカンファーストという原則は決して曲げないであろうということです。
つまり後日、人事と戦略が決定してからアメリカの方針が変わることも十二分にありえます。
 
ここで一つアメリカがこれから取るであろ2つの選択肢を書いておきますと、1つは同盟戦略。これは従来型の戦略になりますが、アメリカの国力がこのまま衰退を長期的に続けるならば、得られるメリットよりもコストやリスクが増大した時点で戦略が破綻するのは明白です。
他国の戦争のためにアメリカが血を流す、というわけですから継続できるとは私には思えません。
であればアジア地域からの撤退戦略にいつか舵を切る、という話になるんだろうと思います。
それがトランプ政権のときに訪れるのか、もしくは20年後なのか?は私にはわかりませんが、三橋氏が常々「このままだと20数年後に日本の世界におけるGDPの比率は下がり、逆に中国がこのまま行けば日本の10倍以上のGDPを獲得する」と危機感を抱いているように、そしてそのときになって力の無くなった日本を「アメリカが守ってくれる」とは私にはどうしても思えません。
 
また安倍総理はアメリカに対して「投資をして雇用創出!」という極めて正しいソリューションを示すのに、何故日本国内で緊縮財政を続けるのだ!とも思います。
今回は安倍総理は「従来の日米関係の確認」に訪米した、それ以外の意味が今のところ、日米首脳会談からは一切見いだせないし、そしてその従来の方針では「もはや立ち行かなくなる」というのは将来的に可能性が非常に高いわけです。
つまりまぁ、何の果実も得られない「外交パフォーマンス」の疑義が濃厚で、そんなことをしている暇があったら財政出動して欲しいなぁ、と思ってます。
 

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