東京も暑さが本格化
梅雨入りはいつかしら。。。


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今年の読書感想文全国コンクールの課題図書についての考察記事。今回は5~6年生の課題図書の1冊について。
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※この記事はあくまでも私が感じた総体的な印象と、「こんな子におすすめ」、「こういう子なら書きやすいかも」 という点だけピックアップしています。私の感想や作品のあらすじ、書き方のポイントなどには一切触れませんのでご承知おきください。
ドアのむこうの国へのパスポートトンケ・ドラフト&リンデルト・クロムハウト 作リンデ・ファース 絵西村由美 訳
著者であるトンケ・ドラフトさん、リンデルト・クロムハウトさんはオランダ人。私自身はオランダの児童文学には疎い立場ですが、ご両名ともオランダではかなり著名な児童文学作家です。そのおふたりの共著による作品。
リンデ・ファースさんはオランダ人のイラストレーター。アニメーター、絵本作家としても幅広く活動されている方です
そして翻訳の西村由美さんは、オランダの児童文学を多数翻訳されている方で、トンケ・ドラフトさんの他作品の翻訳も手がけています
今年の小学5~6年生の課題図書の1冊に選出された、こちらの作品。
主人公は、ラウレンゾーという小学生の男の子。
作家さんご両名がオランダ人で、当然のことながら、物語の舞台はオランダ。10人だけのクラス、その10人全員が前の学校では居心地が悪くて転校してきた――という設定

つまり日本で言うところの、生きづらい特性を抱えた児童の支援学級、と解釈できるお話です。
しかし、作中では「障害」や「疾患」という言葉は出てきません
(作家の意図か、訳者の意図かはわかりませんが)ちなみに主人公ラウレンゾーも、ある特性を抱えています。

これは児童書に限ったことではありませんが、海外文学作品を日本語で読むことは、専門の方が翻訳されていても、少なからず障壁があるものです
絵本ではなく文章が主体の本であれば、なおさらです。(しかもこの作品の原書はオランダ語です。英語とはまたちがう難しさも多いものと推量しています)

この『ドアのむこうの国へのパスポート』は、日頃から本をたくさん読んでいて、文章を読みなれている子 におすすめしたい1冊です。まず日本の設定ではないので、お子さんによっては世界観に入るのに少しわかりにくい部分が多いかもしれません。
当然、日本人にはなじみのない名前ばかりで、登場人物もかなり多いです。パスポートのほかにも、ビザの申請、大使の役割など、小学生には少々難解なフレーズも少なくありません。
しかし、日本との違いに興味を持てる子や、なにかしらの生きづらさを感じる子、他者と打ち解けることに苦手意識がある子にエールを感じてほしい作品でもあります。
哲学的なセリフも多い作品なので、お子さんが読んだ後、年月を重ねてから再読することで、理解が深まりそうな作品です。
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お読みくださりありがとうございました♪