みなさんこんにちは。
今日は「AGAの悪役（？）DHT」についてお話しします。
AGA（薄毛）の原因が男性ホルモンから作られる「DHT」であることは何度かお話ししました。
（男性ホルモン自体が薄毛の原因になるわけではありません。）
ではDHTは人体にとって髪を薄くするだけの完全な悪者なのでしょうか？
実はDHTは男性の「性の成長」にとって必要なものと言われています。
具体的には、胎児～思春期までの間に男性器を成長させたり、生殖能力（子供を作る能力）を発達させたりします。
なので、男の子を妊娠している妊婦さんも含めて、思春期以前の男性（男の子）はフィナステリドを飲んではいけません。
一方で、20歳を超えた男性はすでに性の成長は完了しているので、DHTは髪を薄くする悪者としてしか働かなくなります。
DHTの働きはその他にも、汗の分泌を増やしたりニキビの原因になったり、前立腺に作用して前立腺肥大症の原因になったりします。
どれもマイナスにしか働かないように思えます。
事実、フィナステリド・デュタステリド内服でDHTを作らないようにしても、特にこれといった不都合は生じていないようです。
20年以上治療をしている患者さんも診ていますが、特に問題はありません。
「DHT」は20歳を超えた男性にとっては悪い作用しかなさそうなので、薄毛が心配なら積極的に内服治療をして問題ありません。
余談ですが、フィナステリド・デュタステリドには「DHTを作らなくする」働きしかありません。
男性ホルモンを下げる作用はありませんし、付随して男性機能が低下したりすることもありません。
安心して治療を検討してみてください。
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