16番ゲージレイアウトのこと..など

16番ゲージレイアウトのこと..など

16番ゲージの鉄道模型レイアウト・白縫鉄道川正線の制作記です。

 川正線を忘れたわけではありませんが、前回に続いてOナローの話です。

 

 まずは、転車台の話から。

 前回も書いたように、土地を奪われたHOナローの駅舎をヤフオクに出品してみました。

オークションに出した軽便駅舎

 結果は、渋沢栄一さんを超える金額で落札され、連れ合いともども驚いてしまいました。

 特に連れ合いは、「こんなものを欲しがる人がいるとは?」と納得いかない様子。

 私の方は、「これで転車台の財源ができた!」とご満悦で、英国にある Kitwood Hill Models 製の転車台(画像のリンク1画像のリンク2)を購入してしまいました。

 購入したのは、リンク先の画像にあるように、直径3.5インチ(約9センチ)の小さな転車台ですが、モーターもついた”完全キット”です。価格は43.5ポンド(約8,700円(R6/7/14現在))なので、送料を考えなければ、財源も十分です。

 Kitwood Hill Models の説明によれば、出荷までに、長い場合は6週間くらいかかるとのことなので、気長に待つことにしましょう。

 

 さて、次は駅舎の話です。

 Oナローのレイアウトを作ろうと考えていた10数年前、こんなキットを購入していました。

ビーバークリーク駅のパッケージ写真

 これは、米国にある banta modelworks 製の Beaver Creek Station です。当時は人気のあるキットだったと思いますが、既に絶版のようです。箱に記載の価格は、89ドル95セントでした。

 中身はこんな感じで、木製部品とプラスター製部品とで構成され、プラスターによる石積み表現が秀逸です。

ビーバークリーク駅キットの部品

 

ビーバークリーク駅キットのプラスター部品

 当時、プラスターによる石積みの造形に魅了され、さらに、全体の姿の可愛らしさにも魅かれて購入したのですが、いざ、キットを開けてみると、窓部分が開いていないことにガッカリ。

 作例の多くは、この部分を黒く塗って組み上げられていたようですが、そんな気にはなれず、そのまま手を付けずに幾歳月・・、という結果と相成りました。

 でも、今見ると、これはこれで面白そうです。むしろ、窓の開いてないことを逆手にとって、窓に映る青い空や、緑の森を表現できるんじゃないかと前向きに考えています。そのためには、OHPフィルムか、透明のシールフィルムに青空を印刷して・・、と頭の中で組み立てを始める始末です。

Santorin (GR), Fira -- 2017 -- 2626

Dietmar Rabich / Wikimedia Commons / 「Santorin (GR), Fira -- 2017 -- 2626」 / CC BY-SA 4.0

 
For print products: Dietmar Rabich / https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Santorin_(GR),_Fira_--_2017_--_2626.jpg / https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/

 何だか、Oナローに前のめりな感じですが、川正線も忘れてませんよ。

 

 という訳で、最後は、川正線の動画です。

 朝の駐泊所で、給水を終えた8620が、遅く目覚めた9600に場所を譲る様子です。

 本日(7月14日)は、当地を含む北部九州に線状降水帯の予報が出されたり、仕事関連の所用があったりと、気の休まらない一日でしたが、最後は、蒸気のサウンドに癒されました。
 やっぱり、鉄道模型って楽しいですね!
 

 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 水路の造形作業は続行中ですが、報告まではもう少し時間を要します。

 このところ、更新が滞っているのが気になって仕方ないので、本日は、実現する可能性が極めて小さい妄想について書いてみます。

 

 連れ合いの圧力に抗しきれず、HOナローのレイアウトを解体しました。

HOナローレイアウト全景

 このレイアウトは、職場の文化祭に出品するため、川正線の習作も兼ねて作ったもので、駅舎以外のストラクチャーは川正線と兼用です。

 そうした経過もあり、現在、駅舎がポツンとあるだけになってしまい、連れ合いは、”不用品”と判断したようです。

HOナローレイアウト駅舎

 私が鉄道模型やバイクツーリング、乗り鉄や油絵、さらには晩酌を楽しめるのは、理解ある連れ合いのおかげなので、おとなしく言うことを聞くことにしました。

 土地を奪われた駅舎は、試しにオークションに出してみようと思っています。

 

 そんなわけで、HOナローのレイアウトは敢え無く解体となったのですが、「そう言えば・・」との思いが頭をよぎりました。

 早速、レイアウトルームのクローゼットを漁った結果・・・。

 「ありました!」

 10数年前に、とりあえずエンドレスまで作ったOナローの線路です。

Oナローのエンドレス

 PECOのOナロー用フレキシブル線路と、同じくOナロー用のYポイントと左分岐ポイントで構成しています。

 フレキシブル線路にも関わらず、カーブが形を保っているのは、自作のレールベンダーで線路を曲げたからです。レールベンダーはパンチングメタルとボルト、ナット、スペーサーで自作したものです。写真をお目にかけたかったのですが、何処かに隠れてしまったようです。興味のある方は”レールベンダー”で検索されてください。製品や、モデラーの方々の自作例を目にすることができます。

 

 さて、レイアウトプランの全貌は下の図をご覧ください。

 カーブ半径は、190mmで設計しました。

 私の考えるプランには、ほとんどの場合、機回し線と転車台が登場します。

 どんな小さなレイアウトでも、実際の列車の運行を意識した運転を楽しみたいからです。

 このプランは、Nゲージの小レイアウトと同じくらいのスペースで、Oスケールを楽しもうと欲張ったものです。

Oナローのレイアウトプラン

 準備した車両は、とりあえず2両です。

 まずは、Cタンクです。これは、以前紹介したバックマンのHOスケールのCタンクに、同じくバックマンのOn30のBタンクから、キャブと煙突と前照灯を移植したものです(以前紹介したCタンクとは別の機関車です)。

OナローのCタンク蒸気機関車

 続いて客車です。

 これは、グンゼ産業(系列の「Gマーク」だったかも?)が大昔に出していた、1/45の東京市電のプラモデルの幅と長さを切り詰めて、米国製のアーチバー台車を履かせたものです。このプラモデル、今でも時折、オークションで見かけることがあります。

 私の悪い癖で、塗装が手についていません。

Oナローのダブルルーフ客車

 久しぶりに走らせてみると、意外にちゃんと走って、非常に楽しい時間を過ごせました。

 

 ところで、プラン図に書いた転車台ですが、確かに作った記憶がありますし、最近、目にした覚えもあるのに、なぜだか見当たりませんでした。

 ちょっと残念ですが、ググってみたら、こんな素敵な転車台を見つけてしまいました。円安は痛いですが、コスパも悪くなさそうです。困ったことに、食指が動き出しそうです。

 それに、Oサイズの駅舎を作るのも面白そうですね。

 ちょっとゲテた車両工作も楽しんでみたい。

 最初に妄想と書きましたが、頭の中では、Oナローのレイアウトが具体化してきましたよ!

 

 でも、ここはグッと堪えて、川正線の工作を急ぎましょう!

 

 今回、”Oナローゲージ”を、新たなカテゴリーとして作りました。

 いつの日か、Oナローゲージのつづきの記事を書くことがあるのでしょうか?

 

 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 当レイアウト「白縫鉄道川正線」は、盲腸線のダイヤ運転を楽しむことを主目的にしていますが、それ以外にも、いくつかの遊び方があります。

 今回は、「特急列車編」と銘打って、懐かしのL特急を走らせます。

少年時代のスター、L特急「有明」

 鹿児島本線の花形列車「有明」は、私たちのスターでした。私の中では、門司港~西鹿児島間を走破するイメージが強いですが、昭和55年のダイヤ改正では、博多~熊本間の運行が増えました。今回は、この運行を川正線を使って再現します。

 

国鉄485系電車 hidechan1013, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

「有明7号」の運行ダイヤ

 昭和55年10月の有明7号のダイヤです。

 博多を10時5分に発車し、終点・熊本には11時50分に到着します。

 

昭和55年10月・有明7号運行ダイヤ

 このダイヤを、駅の通過も含めて再現します。エンドレスを一周するごとに駅に停車、または通過していくことにします。博多~熊本は、エンドレス32週の長い旅路です。

模型用ダイヤの設定

 通過駅を意識した運転を実現するため、駅の通過時刻を設定します。

 少々乱暴ですが、停車駅間の列車の速度を一定として、時刻表に記載のキロ数(門司港起点)から、通過時刻を秒単位で割り出します。

有明7号・模型用運行ダイヤ

 下の写真は、私の好きだった木造駅舎時代の大野下駅です。

Onoshimo Station 2 

MK Products at Japanese Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

運転上の問題

 上のダイヤに沿って列車を周回させるのですが、これには、ちょっとした問題を孕んでいます。実物では、駅間の距離や勾配などによって、駅間の所要時間が決まるのでしょうが、私のレイアウトでは、エンドレスの周回ごとに駅に到達することになるので、駅間距離は常に一定です。

 この問題の解決策として、レイアウトの運転では、駅間の速度を調節することで各駅の時刻に合わせていくことにします。

高速時計の改修

 以前紹介した鉄道模型用高速時計を、この遊び用にちょっと改修し、時刻に合わせて、停車駅や通過駅を表示できるようにしました。

 この他にも、実際の国鉄のダイヤに合わせて、発進、停止の時刻を15秒単位で設定できるようにしたかったのですが、短時間では無理そうだったので、今回は見送りました。これは今後の課題ですね。

 改修後の動きは、最後の動画でご覧ください。動画の制限時間のせいで、停車駅や通過駅の表示時間が非常に短くて心苦しいですが・・。

特急「有明7号」出発!

 昭和55年頃の有明は、485系が主役だったと記憶しています。

 16番の485系は、アリイのプラモデルをDCC化した編成しか持っていないので、未塗装の状態ではありますが、この編成に頑張ってもらうことにしました。

 

アリイの鉄道プラモ・485系
 
 動画は、鳥栖を発車して久留米に到着するまでの様子です。
 動画制限時間の1分間に収まるのはこの区間しかありませんが、これは、動画用に爆走させたものであり、実際の運転は、もっとゆっくりです。
 
 
 博多~熊本なんて、乗車した時はあっという間でしたが、模型で運転すると非常に疲れます。高速時計の倍率を5倍に設定すると、20分ちょっとの運転ではありますが、とても密度の濃い、とても楽しい時間が過ごせました。
 今回は列車を動かしただけですが、駅や車内のアナウンスを加えると、もっと面白いかもしれませんね。高速時計に音声を組み込めるものなのか、ちょっと調べてみることにしましょう。
 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 4月から6月は、私の仕事の繁忙期。主宰する会議や出席する会議が数多く、大きな主催イベントもあって、目の回るような忙しさです。

 そんな訳で、今回は工作の報告ではなく、田んぼの取水方法に関する検討結果を報告します。

 

 下写真が、現在制作中の”緩やかな棚田”です。

 水路から取水するのは、一番上の田んぼだけで、下の田んぼへは”田越し灌漑”で水を送ります。(田越し灌漑については、以前の記事に書きました。)
棚田の取水箇所と灌漑方法

 

 私が近在で目にする田んぼでは、下図のような取水方法が多いようです。

 水を入れる必要がない時は、パイプの口を板などで塞いでおきます。

取水方法図1

 この方法は、水路の水位が、水田の水位より高い場合に用いるものです。

 ところが、作成中の水路は、下左の試作品のように、擁壁を少し高くする予定なので、水田との関係が下右のようになり、この方法を使うのは困難です。

 

水路の試作&取水方法図2

 

 このような場合、図にも書いたように、堰を設けて水位を上げる手法を取ることがありますが、当レイアウトでは、それも難しいのです。

 棚田の一番上の田んぼの畦の高さは、線路の路盤の高さに迫ります。そして、この水路は線路の下を潜るので、あまり水路の水位を上げたくないのです。もっとも、以前も紹介したように、富山地鉄では、こんな風に「線路のすぐ下が水路」という場所が珍しくないそうで、これも面白いかしら、とは思うものの、他の方法も検討してみましょう。

 

 さて、これが現代のレイアウトであれば、揚水ポンプを設置することで解決するのですが、私のレイアウトは昭和40年代初頭の設定です。当時の揚水ポンプの普及具合がわかりません。

 そこで、その頃の田んぼへの揚水方法について、文献を漁ってみたところ、かなり古い文献ですが、面白いものを見つけました。

 

 この文献の冒頭に、揚水方法の変遷が書かれているので、引用してみます。

 

「土地の自然傾斜を利用して灌水する事の不可能な場合には、水を重力其他の抵抗に打ち勝たせて揚水する必要がある。

(中略)

 我國に於いて古くから用ひられて居る撥釣瓶、振釣瓶、踏車(水車)、揚水水車等は

(中略)

 是等は何れも流動作用を伴はないで、所要の水を容器と共に移動させる極めて簡單なものであ り。水車以外は人力に依るのであつて、揚程效率は何れも小さいものであ る。今 日でも最も多く用ひられて居るものは踏車、撥釣瓶であつ て、

(中略)

  是等簡單な揚水器具は後述の動力に依る喞筒利用の以前は極めて多く用ひられた事は云ふ迄もないが、今日でも尚用ひられて居り、昭和13年1月。 農林省耕地課調査に依る「人力に依る耕地の灌漑」に依れ、北海道以外の内地で水田約7萬5千町歩、畑約5千町歩が灌漑され、踏車役10萬、撥釣瓶約5萬2千箇を數へて居る。

(中略) 

 次に高度に進歩した動力に依る揚水機で我國農業上最も重要なもめは渦巻喞筒と縦型喞筒であ り、こ の爾種が殆ど大部分を占めるが、他に少數の軸流ポ ンプ、往復ポ ンプ、揚水車等がある。本稿で取扱はうとする揚水機は是等であつて、人 力に依るものは漸次是等動力に依る揚水機に代へられて居る。」

 

引用元:動力に依る灌漑用揚水機の地理學的研究 (1) 竹内 常行 地理学評論 17 (1), 35-59, 1941

 

 この文献の発表は1941年(昭和16年)です。もう少し読み進めていくと、すでにこの時点で、揚水ポンプが相当普及していたことがわかります。

 したがって、私のレイアウトでも、田んぼへの取水にはポンプを使うことにしようと思いますが、この文献で、へえ~と思ったのが、踏車なる揚水器具です。昔はこんな仕組みがあったんですね。Wikipediaのリンクをご覧ください。私と同様、踏車を知らなかった方にとっては、とても興味深いと思いますよ。

 なお、撥釣瓶(はねつるべ)や振釣瓶(ふりつるべ)については、揚水器具としての使い方がよくわかりませんでした。

 

 これで、水路から田んぼに水を取る方法が決定しました。畦の上に、ちょっとくたびれたポンプ小屋を作るのも良いかもしれませんね。

 このストリートビューは、久留米市三潴町高三潴にある”旧三井寺ポンプ所及び変電所”という、昔の農業用水施設で、登録有形文化財です。

 私の作るポンプ小屋はこんな立派なものではなく、木造を考えていますが、駅のランプ小屋みたいなレンガ造も一興かな、と思っています。

 

 ところで、今回の記事も、ここまで鉄道の話が皆無だったので、最後はレイアウトの動画で締めたいと思います。

 久しぶりに、未だ未塗装のアリイのプラモデル(EF66と24系)を走らせました。

 EF66の下回りは、パワトラを2台使って、Digitraxの廉価版デコーダーでDCC化したものです。

 アリイのプラモは、ボディの厚みやディティールに難がありますが、こうして走らせてみると、ちゃんと鉄道模型に見えるから立派なものです。

 

 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 水路の造形について、現在の進捗状況を報告します。

 

 ゴールデンウイーク中に、水路の底面と、擁壁の展開図を作図しました(擁壁の作図方法は前々回に書きました)。

水路底面と擁壁の作図

 右岸、左岸という言葉を聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、下流の方向を見た時に、右側の岸を右岸、左側を左岸と呼びます。

 前回も掲載しましたが、擁壁の長さは1メートルを超えます。擁壁の全長

 1メートルを超える図面なんて、私のプリンターでは出力できないので、分割してA4サイズに収めました。

擁壁を分割してA4に収めたところ

 出力したA4の図面をスチレンボードに貼り付けて、擁壁を切り出しているところです。

 

擁壁の切出し作業

 接続部をコピー用紙で裏打ちして、1本に繋いだら(1本に繋いだ写真を撮り忘れました)、ケガキ針を用いて、石積みの描画に着手します。

石積みの描画

 石積みの描画の後は、ジェルメディウムで石の表面を盛り上げるのですが(過去記事参照)、ジェルメディウムの塗布、乾燥後に擁壁を曲げると、経年的に影響が出そうな気がして、ジェルメディウムを塗る前に、水路底面に取り付けることにしました。

 下写真は、擁壁を、水路底面にセロハンテープで仮留めしたところです。

 この写真だと、擁壁が直立して見えますが・・。

擁壁を水路底面に取付1

 大丈夫!

 設計どおりに傾斜しています。

擁壁を水路底面に取付2

 この状態で、石の表面にジェルメディウムを塗り始めました。

 接着も兼ねて、擁壁と水路底面の境界にも丁寧にジェルメディウムを塗布します。

擁壁にジェルメディウムを塗布しています。

 擁壁の作図を始める前は、一抹の不安がありましたが、どうやら設計どおりの造形ができそうですね。

 水路脇の棚田や、水路を渡る小さなデッキガーダーの情景が現実味を帯びてきました。

 とは言え、水路の造形には、まだまだ時間がかかりそうです。

 次の進捗報告まで更新が途絶えるのも癪なので、次回は、水路から田んぼへの揚水について書いてみようと思います。

 本日も、ご訪問ありがとうございました。