16番ゲージレイアウトのこと..など

16番ゲージレイアウトのこと..など

16番ゲージの鉄道模型レイアウト・白縫鉄道川正線の制作記です。

 あけましておめでとうございます。

 本年が皆様にとりまして、幸多き一年となりますようお祈り申し上げます。

 さて、昨年も大きな進捗がなかった川正線の製作ですが、少年時代に誓ったレイアウトコンペへの参加を果たすため、今年はもう少し頑張ろうと思っています。

 新年最初の投稿は工作とは呼びづらいものですが、完成へ向けた小さな一歩であることは確かです!

(1)道路橋の設計

 道路と水路が交わる箇所に道路橋を架ける必要があります。

 当初は、非常に短い橋になる予定だったので、小さな石橋(こんな感じ)を架けようと思っていました。

道路と水路の交点、分水工着工前

 

 ところが、前回も書いたとおり、下のイメージ図のような分水工を設けることにしたので、道路橋についても考え直さねばなりません。

道路と水路の交点、分水工竣工イメージ

 

 分水工を設けるために、水路の幅を拡げ道路を切り開きました(石積みの延長工作はこれからです)。

 これだけのスパンがあれば、欄干のある本格的な道路橋が架けられるかもしれませんね。

道路と水路の交点、分水工第1期工事着工

 

 そこで、古いタイプのコンクリート桁橋に狙いを定め、いつものとおり色んな資料を漁っていると、今回も、以下のとおり、非常に参考になる文献を見つけることができました。

 

参考文献:羽野 暁 「大正~昭和戦前期橋梁の親柱・高欄デザインサーベイ」 第一工業大学研究報告 (第26号), 63-71, 2014-03-01

 

 興味ある方はリンク先をご覧いただきたいのですが、この文献には、大正期から昭和初期に造られた福岡県内の橋梁の欄干が多数掲載されています。中でも私が作りたいと思ったのは、中間市の県道203号に架かる堀川橋(昭和7年竣工)です。

 文献の写真を転載するわけにはいかないので、ストリートビューを共有しておきます。

 どうやらこの橋は、道路の拡幅で片側の欄干が撤去されたようで、現存するのはこちらの一方のみです。とても可愛らしく小さな欄干で、私の道路橋にぴったりです。

 

位置情報(33.82186422927919, 130.7084606238144)

 

 最初はペーパーで作ろうと考え、2DCADによる設計に取り掛かったのですが、立体のイメージも見たくなり、3DCADでも設計を行いました。

道路橋3Dイメージその1

道路橋3Dイメージその2

 出来上がった3Dイメージを見ていると、ペーパーでの造形が非常に困難に思えてきました。

 特に、きれいな円を切り抜いての積層はハードルが高そうだと自信を喪失してしまい、結局のところ、DMM.make に3D出力を外注することにしました。完成品が届くまでの間、分水工の工作は一時中断です。橋の現物がないと橋台の工作も難しいので仕方ないですね。

(2)おかしな編成の年越し運転

 3D出力を外注した後は、恒例の年越し運転です。

 今回の編成は、日付を跨いで走るイメージから、ブルートレインにしようと数日前から決めていました。

 問題は牽引機です。EF58が第一候補でしたが、やっぱり、一年の締めくくりと新年の始まりは川正線の主力機関車が担うべきと思い直し、9600を選択しました。

 

20系の先頭に立つ9600。現実ではありえないおかしな編成です。

20系と9600

 

こんな小さなローカル駅にブルトレが停車するのもおかしいですね。

20系とローカル駅

 

 おかしな編成ではありますが、蒸気サウンドとブルトレの組み合わせも悪くはありません!

 
 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 

(1)分水工の検討

 前々回に書いたとおり、下写真の箇所に分水工を追加します。

 入院中に、どんな分水工を作るかについて、ある程度の検討を行いましたが、作るからには分水工についての理解を深めるべきと考え、いつものように、CINII を利用して文献を探してみました。

分水工を追加する箇所
 
 その結果、分水工の分類に言及した古い文献が見つかりました。
 今の分類方法とは異なるかもしれませんが、私のレイアウトの時代設定は昭和40年頃なので、時代的にはぴったりです。
 見つけた文献から、分水工の分類に関する記述を引用します。
 
分水工の分類に関する引用
 
引用元カンガイ用水路における分水工タイプの推移について 前川 勝朗 農業土木学会誌 44 (4), 236-242,a1, 1976
 
 この分類のうち、(2)ー2に該当する射流分水工を作ることにします。
 前々回と同じですが、射流分水工の実例として、米沢市上新田を流れる水路を示しておきます。(Google Map の位置情報:37.935357153665976, 140.13933371858107)

 
 複数のサイトを参考にしながら、射流分水工の仕組みを図にしてみました。
 射流分水工では、水流を分ける直前に設置される堰が重要な役割を果たすようです。
 上に示した米沢の水路にも堰が設けられています。
 この堰を水が乗り越えることで、射流が発生し、ついで跳水を経て常流へと水の流れが変化します。私の頭では理解が困難ですが、このおかげで、引用文にあるように、支線水路への分水量の比率は支線の幅に応じてつねに一定になるのだそうです。何だか凄い仕組みですね。
 
 理解はできないものの、射流分水工の仕組みがわかったので完成イメージを描いてみました。
 せっかく苦心して作った水路の幅を広げる必要がありますが、これは現物合わせで何とかなるでしょう。射流から跳水、常流への水流の変化をうまく模型化できるかどうかが課題になりそうです。難しそうですが、楽しそうな工作でもあります。
分水工の完成イメージ

(2)8620が逆機で牽く混合列車

 分水工のイメージ図を描き終えたところで、列車を走らせたくなりました。

 今日の気分は混合列車です。8620が逆機で牽引にあたります。

 レイアウト上で編成を組んだら、色んな角度から眺めて列車を愛でましょう。これも鉄道模型の楽しみ方のひとつです。

 まずは、駅構内の外れから城址を背景にした眺めです。写真だと眼で見える範囲の一部しか再現できませんが、構内を見渡しながら国鉄時代の感傷に浸りました。

城址を背景に停車する混合列車
 
 次は、プラットフォームに上がったところから列車を見つめます。子どもの頃、久留米駅の跨線橋を降りながら、列車が見え始めた時の高揚感を思い出します。
プラットフォームの端っこから見る混合列車
 
 最後は、城址の二の丸から俯瞰したイメージです。この角度から駅を見ると、肥薩線の車窓から見た真幸駅を思い出します。初乗車の時の感動は忘れられません。
城址から俯瞰する混合列車
 
 いよいよ出発進行です。
 今日の動画は、駅からの出発シーンと駅を通過するシーンです。
 
 
 本日も、ご訪問ありがとうございました。
 冠動脈の掃除を無事に終え、およそ一週間ぶりに自宅に帰ってきました。
 ドアを開けると、いつもは不愛想な愛犬が控えめに尻尾を振ってくれました。
我が家の愛犬ころ美
我が家の愛犬・ころ美 黒柴の雌で11歳です。
 
 それでも、感情表現が苦手な彼女のことです。多分、彼女の中では、はち切れんばかりに尻尾を振っていたんだと思います。「ただいま、ころ美!」
 
 さて、今回の入院は、前回より時間の余裕がありそうだったので、病室に6冊の本を持ち込みました。時刻表以外の5冊は、入院に備えて購入したものです。
入院に持ち込んだ6冊の本
 
 いずれも初版は相当に古い本です(「草雲雀」は 2015年なのでそうでもないかな)。
 右端に見える森村誠一の「人間の証明」は、昭和40年生まれの私が小学6年の頃に映画化され、小説も爆発的にヒットしました。
 「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね? ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ~」という西条八十の詩が流れた映画のCMをご記憶の方も多いでしょう。
 当時の私は、初めて読んだ小説である松本清張の「点と線」に大いに感化され、駅や列車の描写が味わい深い清張の作品群(「眼の壁」「砂の器」「ゼロの焦点」「Dの複合」等々)を濫読しており、「人間の証明」には手が伸びませんでした。
 以来四十数年、いつかは・・との思いをやっと果たしたことになりますが、「人間の証明」を読みながら思い出すのは、やっぱり当時のこと。「あの頃は清張をよく読んだなあ、「点と線」に出てきた”あさかぜ”や、「ゼロの焦点」の北陸鉄道能登線は無くなっちゃったなあ。」なんてことを思いながら、最後は復刻版時刻表を開くことになります。
 九州育ちの私が時刻表を開くと、なぜかページは北へ延び、いつも気になる列車のひとつが”はつかり”です。
1964年10月の常磐線下り時刻表
 
 このページの”はつかり”は下り列車ですね。
 下り”はつかり”と言えば、鮎川哲也の短編推理小説を思い出します。
 鮎川哲也は、いわゆる本格派の推理作家で、松本清張や水上勉なとの社会派推理小説が好きだった私が鮎川哲也を読み始めるのは20歳を過ぎてからでした。
 大人になってからの読書は、少年時代みたいには印象に残らないものですが、この「下り”はつかり”」は、キハ81が登場することもあって妙に印象に残っています。
KATO・HOのキハ81、ヘッドサインは”はつかり”
 
  ~確か、この小説では、鉄橋を渡る”はつかり”の姿が重要な意味を持つんだったな~
 入院中にそんなことを思い出すと、我が家の模型鉄道が恋しくなりました。
小さなポニートラスを渡る特急”はつかり”
 
 よーし、退院後の一番列車は”はつかり”に決めた!
川正駅の改札越しに見る特急”はつかり”
 
 ”はつかり”に留まらず、復刻版の時刻表には、今は無きローカル線や夜行急行、長距離鈍行など空想の種が一杯です。そんな空想や読書で入院の無聊を慰めつつ、心臓カテーテルのちょっとした苦痛をやり過ごし、川正線の業務に復帰しました。
 
 復帰後の一番列車を動画に撮りました。

 

 最後に、「人間の証明」に話を戻します。

 正直に言うと少し腑に落ちない点もありましたが、それは読み終えた後にあら捜しをするようなもので、読んでいる間は非常に面白く感じました。私と同じく、気になりながらも未読の方がいらっしゃいましたら、読んでみることをお勧めします。

 また、他の4冊もそれぞれに読みごたえがありました。自分で言うのも何ですが、私の読書量は決して少なくないと思うのですが、没入すれば、もっとたくさんの本を読めることに改めて気付きました。アマゾンプライムの映画も良いけど、これからは読書も良いですね。

 

 前回の記事に書いたように、入院中は水路の分水工についても考えを巡らせておりました。

 その結果は、次回以降の工作でお見せしたいと思います。

 

 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 以前に書いたとおりの事情で、明日から再び入院です。
 一度では除去しきれなかった冠動脈内の不要物を掃除してきます。

水路の分水について

 再入院を前にして、新たに作ることになった水路の分水について考えてみました。
私のレイアウトの水路分水箇所
 前回の記事では、小学生の頃に自分が眼にした形態である”水門のある分水”を作るつもり、と書きました。以下のリンク(前回と同じです)は、水門のある分水の事例です。

 

 

 ところが、ちょっと調べてみたところ、分水の形態にも色々あるようです。

 これについては、関東農政局のサイトに分かりやすい説明がありました。

 

 自分の経験と、これまで調べたことを合わせると、3つの分水方法がわかりました。

 なお、この分類や名称は私の独断であり、分水工に関する専門的な記述ではなく、あくまで模型化の参考として記しているものです。

1.水門のある分水工

 上記のリンク先と同じく、小川用水の分水門です。

Small floodgates in Kodaira, Tokyo - Aug 12, 2007

Eidantoei / kssk, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

2.水門のない分水(素朴な分水工)

 ググって見つけた米沢市上新田の事例です。

 県道235号線沿いにあります。(位置情報:37°56'07.2"N 140°08'21.7"E)

 水が分かれる所に小さな堰があります。水門のない分水ではこうした堰を設けることが多いようです。

3.円筒分水工

 竹田市にある 音無井路十二号分水(Wikipediaへのリンク) です。

音無井路十二号分水 - panoramio

sk01, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
 
 さて、この3つの分水工のうち、どれを作りましょうか?
 3の円筒分水工は大掛かりに過ぎるので、1か2になると思いますが、どちらも捨てがたい気がします。入院中にゆっくり考えることにしましょう。

ブルートレインで遊ぶ。

 わずか一週間ですが、しばらく鉄道模型で遊べなくなるので、川正線で色んな列車を走らせました。今日の遊びで一番熱中したのは、懐かしのブルートレインです。

川正駅のブルートレイン1
 
 随分むかしの話になりますが、コロナ禍のはるか前、東京出張の機会も多かった時代、私の出張帰りの楽しみは、個室寝台に大丸の弁当を持ち込んでの一人宴会でした。
川正駅のブルートレイン2
 
 鉄道模型を始めた中学生の頃、16番でブルトレを走らせるには、大きなスペースと当時の私にとっては莫大な予算が必要だと知り愕然としました。
 そんな少年が大人になって、自室のレイアウトでブルトレを走らせているなんて夢のようです。これもプラ製品のおかげですね。各メーカーの皆様、ありがとうございます。

 

 さあ、頑張って冠動脈の掃除に行ってまいります。

 本日も、ご訪問ありがとうございました。

 前回、民家の敷地内の雨水処理を考えたところですが、今回は、敷地から出た雨水の処理について考えます。
 現状では、雨水が道路上を流れていくことになります。
 当レイアウトの時代設定は、私の生まれた昭和40年頃なので、村落内の里道(注)に側溝が整備されていないことは珍しくないと思われ、このままで良いとも思うのですが・・。
水路切削前の宅地と道路
 
 近年、毎年のように豪雨に見舞われ、雨水に敏感になってしまった久留米市民としては、ちょっと寝覚めが悪いのです。
 そこで、思い切って、道路と宅地の間に水路を新設することにして、民家の敷地となるスチレンボードをカットしてみました。
 う~ん、ベースのベニア板をカットしないと水路は作れませんね。
宅地のうち、水路が走る部分をカットしたところ
 
 という訳で、ベースボードを切り込みました。
ベースボードを切り込んだ状態
 
 ベースボードを裏から見たところです。
 当レイアウトの台枠は、矢崎のイレクターで組んでおり、イレクターの部材を使用してベースボード(5ミリ厚)をネジ止めしているのですが、この構造のおかげて、ベースボードと横梁、縦梁が密着していません。
 従来のようにベースボードに角材を打ち付ける構造だったら、後から切込みを入れるのは不可能だったと思います。結果的に、私の台枠は、行き当たりばったりのレイアウト制作に好適だったことになりますが、これは偶然の賜物です。
 皆様には、レイアウトに着手する前に、しっかりプランを練ること、特にシーナリィをよく考えることをお勧めします。
ベースボードの裏面
 
 続いて、新たに設ける水路の起点と流末について説明します。
 起点は、先に造形した水路が里道を潜る所です。里道の橋の下で水路が分岐することにしました。
水路の起点
 
 水路の分岐箇所には水門を設けることがあります。
 私の通った小学校の近くに、水門のある水路の分岐があったのですが、今では暗渠になってしまったので、参考のために、ググって見つけた分水門のリンクを貼っておきます。

 私のレイアウトにも、リンク先のような可愛い水門を設けようと思っています。

 何だか、次から次に工作を増やしているようですが、私の目指す”説得力のあるシーナリィ”作りのためには仕方ありません。

 

 水路の流末は暗渠で線路を潜り、線路の向こう側で顔を出して下流の田んぼを潤します。

水路の流末
 
 県内一の農業産出額を誇る我が町久留米は(全国でも26位(R5))、水田も多く、水路もあちこちに張り巡らされています。下写真のように住宅街を暗渠で潜る水路を目にする機会も多くあります。
 写真は撮れなくなっていましたが、実家の近くには、久大本線の築堤を貫く暗渠もあって、これは、久大本線の敷設時からのものだと思います。
久留米市内の暗渠
 
 ベースボードの切抜に使ったのは”引き廻し”と呼ばれる鋸ですが、今回は、カッターナイフにセットできる鋸を使ってみました。
 水路を切り込む際は、下穴を開けて、その穴に鋸刃を差し込んで切り始めるのですが、手持ちの引きは廻しやや鋸刃が大きく、タミヤの鋸では太刀打ちできそうにありません、そこで、ホームセンターを物色してみつけたのがコレです。OLFAカッターの大刃の代わりにセットでき、非常に便利です。みなさんにもお勧めですよ。
カッターナイフに替刃をセットした引き廻し鋸
 
 水路の切り抜きを終えた後、レイアウトのスイッチを入れました。
 今日は長編成の列車を動かしたい気分だったので、川正線で運転できる最長(=ギリギリ機回しができる長さ)の客車5両の列車を運転しました。
 
 工作を進める度に、レイアウトの設計段階でシーナリィを軽視していたことのツケが噴出するようです。これも、鉄道模型の奥深さなのかもしれません。果たして、目指す再来年のレイアウトコンペに間に合うでしょうか。
 本日も、ご訪問ありがとうございました。
 
注:里道(りどう)
 国道や都道府県道、市町村道とは異なり、道路法の適用を受けない道路。小さな路地やあぜ道が多く、国や都道府県、市町村による積極的な維持管理はなされない場合が多い。河川法の適用を受けない水路などと合わせて、法定外公共物と呼ばれる。