前回の続きです。
12人産んじゃった助産師さんの「褒める」そして「ペアレント・トレーニング」アドバイスについて。
ペアレント・トレーニングについては先月のブログで触れられています。
より具体的かつ詳細なので、こちらに突っ込みます。
最初に立ち位置を明確にします。
私は発達障害の当事者、家族ではなく、専門家から直接得た知見はありません。
そのため、以前このブログに触れた時には、助産師さんの実践内容についてはスルーしました。
前回、ペアレント・トレーニングでの「褒める」ことと、一般的な「褒める」ことは違うのではないか。と書いたのは、このブログを読んで受けた印象が根拠です。
わたしがペアトレを軸として
現在心がけているのは
『子どもの好ましい行動をほめて
好ましい行動をどんどん増やしていく』
具体例として、聴覚過敏のある第7子さんと弟妹との出来事を挙げています。
リビングで弟妹が騒ぎ、静かにしてと複数回伝えたが弟妹は聞かなかったので殴りかかった。
号泣され、さらにイライラが募ってお尻を蹴った。
母親が「やめなさい!」と止めに入り、大爆発した。
まずは、子どもの行動を3つにわけます。
「好ましい行動」ーあいさつができる、ルールを守れるなど
「好ましくない行動」ー騒ぐ、ぐずる、屁理屈をいうなど
「許しがたい行動」ー人への暴力、暴言、物を壊すなど
ふむふむ。これは「許しがたい行動」でしょう。
中1の姉が、小3の弟といずれかの妹(小2、年中、0歳はないと思いたい)に殴りかかる。蹴る。
殴る蹴るだけでもアウト。その上、体格差。
これはひとつの『好ましくない行動』
のように見えますが
そっち?好ましくない??許しがたくない???許しがたくなくなくない????
静かにしてと、落ち着いて伝えることができた。
再度「静かに!」と伝えることができた。
蹴ったけど、けがにつながらないおしりを選択できた。
『許しがたい行動』だと思われる一連の流れの中に
よくよく観察すると
『好ましい行動』が3つも隠れているではないですか!
まぁステキ〜♡
まじすか
「今さ!
危険な顔とかじゃなくて
安全なお尻を選んで蹴ったよね?
案外冷静~!
さぁごはんにしよか!」
そして、ハイタッチ!
褒めるんですか
ほほほほ ほ 褒め 褒めるんですか
第7子さんにとっては、「尻を選んだ」ことは認められるべきスモールステップなのかもしれません。
この是非は私には判断できません。
でも、「蹴った」その許されがたい行動は、褒めるところがあれば、なかったことになるんでしょうか。
褒めた上での、落ち着いてからの言い聞かせはないんでしょうか。
足が出る、その前に、養育者が警告を出すことはできなかったのでしょうか。
「やめなさい!」突然大きな声で入ったように読める、この介入は適正だったのでしょうか。
「危険な顔とかじゃなくて」
日常的に、危険な顔を狙われる事態も起きている前提がなければ、こんな評価は出てこないと思う。
ああ、そういえば、「しね、きえろ」の暴言もあたりまえのお家だった。
助産師さんちの日常は、私が想像するのとはかなり違うのかもしれない。
※2021/10/01追記。
そんなことないでしょう、さすがに、と思いながら書いていたけど。顔、頭を狙うのは、日常的な光景だったみたいです。
弟妹の目からすれば、年相応に騒ぎ、遊ぶ。
運悪く姉を刺激し、言う事聞かないでいると殴られ、泣けば激昂され、蹴られる。
母は姉を止めてくれたけど、蹴った姉はなぜか褒められている。
そして
「さぁごはんにしよか!」
毎日ひとり5分ずつのお母さん独り占め時間、この日、蹴られた子たちと助産師さんはいったいどういう会話をしたんだろうか。
ブログに書かれていないだけで、実際は第7子さんへの言い聞かせも、弟妹へのフォローも行われているのかもしれません。
でも、ブログからは、「発達障害児の暴力、暴言はまあ置いといて。その中でも良いところを見つけて褒めよう」「一般的には許されないことでも、褒めよう」このようにしか読み取れません。
大事なところが抜け落ちている。表現されていないのか、実行されていないのか。
こんな具体例をあげて、助産師さんがペアレント・トレーニングを紹介した理由がこちらです。
ただ、改めて専門機関で講義を受け
ペアレントトレーニングを学ぶとなると
それなりの時間とお金がかかります。
それって、
ちょっとハードルが高い・・・
と思うんですよね。(^◇^;)
なので、現在わたしが
自閉症スペクトラムの(第7子)、
そして他の子どもたちへも応用し、
意識的に実践している
ペアレントトレーニングを使った関わり方を
ご紹介したいと思います。(前置き長いな〜)
「お金かかるでしょ、専門家に学ばなくても私がアドバイスしてあげるよ」と。
間違ってると思います。
好ましい、好ましくない、許されがたい 3分類の設定軸がそもそもズレていると思います。
表面はペアレント・トレーニングでも、本質の違うものが伝播されてしまう。
生兵法は怪我のもとと申します。
例え当事者としての経験者であっても。助産師さんが軽々に発信していいものだとは思えない。
ペアレント・トレーニング、助産師さんの発信だけをみて、「こんなものか」とは思わないように。
必要性を感じる方は、きちんと専門家にかかることを強くおすすめします。
記載にあたっては厚生労働省の令和元年「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」を参照しました。
同じ動画から、さらに続きました。