寒さが厳しくなり、睡眠中に何度も尿意でおきてしまう 夜間頻尿の方が増えてきています。

 

年齢と共に夜間頻尿は増える傾向にありますが、60歳以上では男性約85%、女性では約75%と有病率は高く、2回以上起きるようになると、睡眠障害によって生活に支障がでてきます。夜間頻尿が1回くらいで、明け方であればまだいいのですが、それが真夜中の2-3時頃であったりすると、またそれが深夜の2回3回となると睡眠が妨げられ、その後に眠れなくなるということもあり、体調も芳しく無くなり、大きな悩みとなってきてしまいます。

 

ここで、注意すべきことがあります。

 

夜間頻尿のみならず、次の症状や持病を伴う方は、夜間頻尿は続発性である可能性が高いため、まずはその対処が必要となります。当院に御相談いただくか、泌尿器科受診をお勧めします。

 

・昼間の頻尿もあり、頻回に尿意を感じるが一回尿量は少ない

・残尿感や尿意切迫、尿失禁がある

 

・高血圧、糖尿病、心不全がある

・前立腺肥大や過活動性膀胱等の泌尿器科疾患を指摘されたことがある

・薬剤服用中(降圧剤であるカルシウム拮抗剤や抗不安薬、抗うつ剤)

・不眠症、睡眠時無呼吸等の睡眠障害を指摘されたことがある

 

これらに該当しない方は、単純な夜間頻尿症ですので、これから夜間頻尿を改善するために重要な生活習慣をお伝えしますので、ご参考になさってください。

 

 

まずは、夜間頻尿の方の8割は水分の摂り過ぎです。

 

「毎日2リットルの水を飲みましょう!」という、個体差や年齢、季節、基礎疾患等を考慮しない一律の誤ったマスコミ啓蒙によって、それを鵜呑みにしてしまい、真冬でも真夏(大量の発汗や運動量が多く、酷暑による脱水がある季節ですよね)と同じように水分を摂取したらどうなるか?です。それを考えてみれば、ガッテンだ!ですね。

 

 

人間の至適水分摂取量は、この時季であれば体重の2%程度(60kgの方;1200ml/日)で、一日尿量が2500ml程度になるように飲水量を調節することが大切です。

 

食べ物の半分は水分として考えて、それに飲水量を加味して考えます。まる一日尿をためられる休日等に一日尿量を測ってみると、大体の水分摂取の取り方がわかるとお思います。

 

・夜間頻尿改善の10ヶ条

 

(夕食時)

1. 塩分の多い食事は避ける(体内水分が増えて夜中に尿量Up)

2. 夕食に多くの野菜や果物は食べない(水分含有量が多く ベジタリアンに頻尿症  

  が多い)これらを多く食べるなら朝、昼に 夜は少なめに

3. 夕食時や就寝前3-4時間のアルコール、カフェイン(コーヒー、日本茶、紅 

  茶、エナジードリンク)は避ける(水分摂取過多と利尿作用増強)

 

(就寝前)

4. 夕食後から就寝直前の飲水を控える(これは重要です!)

5.  夕方から就寝前までに30分程度の歩行や軽いスクワットをする(日中に下肢にた 

  まった体水分を血管内に戻して利尿を促す)

6. 入床1-2時間前に入浴する(スムースな入眠を促す)

7. 冷え対策(下半身を冷やすと、夜間頻尿は必発です! お腹から腰、下肢、足首まで温めるアイテムを:腹巻、下肢保温タイツやレッグウォーマー)冷え性も方は首や肩も冷やさないようにここを守る保温チョッキを

 

8. 中途覚醒時には、トイレで強い光を浴びたり(トイレの明かりは蛍光灯でなく優しい電球色の間接照明で)、うっかりとスマホをみない(ブルーライトを浴びない)

 

→これらはかなり大事なことで、強い光を浴びると交感神経が一発で活性化してメラトニン分泌が抑制され余計眠れなくなる。眠れなくなると更に交感神経が興奮して、膀胱が過活動をおこし更なる夜間頻尿、中途覚醒という悪循環。不眠と夜間頻尿は双方向性に悪化傾向助長する

 

(その他)

9.スクワット等で下半身の筋肉量を増やす(下半身の筋肉量はカラダ全体の2/3を占め、筋肉は最大の水分貯留庫であり、片足で500ml、両足なら1リットルの余剰水分をここにためられる。これがないと、組織内や血管中に水分が溢水する→それが就寝後に腎臓に一気に流れ込み夜間頻尿の大きな原因となる)

 

10. 朝、一定の時刻に起床する。昼間に30分程度日光を浴びる(概日睡眠リズムを整えることで スムーズな入眠と中途覚醒を避ける)

 

実は…かく言う私も医者の不養生から?一時期、夜間頻尿に悩まされていた時期もありましたが、これらを実践することで、悩みから解放され現在ではぐっすりと朝まで眠ることができるようになりました^^;

 

夜間頻尿に悩む皆様の一助となれば幸いです。

 

 

 

またブログします。