「歯周病があると、かかりやすい口の中以外の病気とは?」 

こう問われたら、まずはどんな病気が浮かびますか?

 

歯が悪いと、口臭や歯槽膿漏になるのは知っているけど・・・ 口の中以外の病気??

これと言って浮かばない方が多いのではないでしょうか? 健康意識が高い方であれば、

糖尿病が思い浮かぶかも知れませんが、歯周病と多くの内科的疾患とが密接な関係にあることが近年明らかになってきたのです。

 

糖尿病以外にも、よく知られたものでは、

 

「高血圧、認知症 心筋梗塞や脳卒中」等

思いもよらぬ病気と関係しているんです!

 

どうして? これらの病気の共通点は何だと思われますか?

 

それは動脈硬化により進行する病気なんです。

 

動脈硬化とは様々な原因による血管壁の炎症です。炎症によって血栓が形成され動脈が硬化し、やがてはこの血栓によって血管が閉塞してしまうのです。

 

それら以外にも、肺炎や早産、低出産体重児等とも関連あるといわれています。

 

では、なぜ歯周病があると血管壁に炎症がおきるのか?不思議ですよね。

 

それは、心筋梗塞等を発症した血管壁に沈着したアテローム(ヘドロみたいなもの)から、なんと歯にしか存在しないはずの歯周病菌が検出された! という報告が多数あり、そこから調査が始まりました。その結果、歯肉周囲の炎症によって、歯肉から血管へのバリアが破壊され、歯周病細菌が血液中に流入してしまい(=菌血症)、細菌が血管壁で炎症をおこし、動脈硬化や血栓を形成することがわかってきたのです。患者さんの中には、カゼでもないのに突然高熱を発症するも、じきに治って、を繰り返す方がみえます。一定数はこれが原因だと思われます。軽度の菌血症をおこしているのですね。

  

その結果、血圧が上昇(=歯性高血圧)したり、進行すれば脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。余談ですが、心筋梗塞になってしまった方で、歯のトラブルを抱えていなかった人は皆無に近いですね(ほとんどの方は歯がボロボロ)。また、菌が血中に移行しなくても、炎症そのものが炎症性メディエーター(インターロイキンやTNFα等)を産生して、それが血管壁にも炎症をおこしているためとも言われています。歯周病があると糖尿病が悪化する原因もこれに似ていて、この炎症性メディエーターがインスリンの抵抗性を上昇させることで、インスリンの血糖降下作用が弱まり、血糖値が上昇するためなんです。

 

また、認知症との関連でいうと、アルツハイマー型認知症では、その原因とされる脳内に沈着するβアミロイドが実は歯周病の炎症巣で作られ、脳に運ばれているのではとも言われています。長寿で元気な人は歯が健康な人が多いですね。健康長寿のためには、2080運動(80歳で自分の歯が20本)ともいわれる所以ですね。

 

適切な歯周病治療を行えば、糖尿病ではHbA1Cが0.6%、血圧が高めの方では血圧降下作用も見込めるといわれています。あなたのお薬が一種類減るかも知れません。

 

歯なんて・・・黄ばみ等の着色は気になるけれど、痛くも痒くもなければ、気にも留めない方が多いと思われますが、歯をみがくと血が混じる、歯茎後退、知覚過敏、歯が浮いた感じがする等は歯周病の危険なサインです。このような方や、高血圧や糖尿病等の持病がある方は、歯周病がこれ以上悪化しないように、心筋梗塞や脳梗塞等の致命的な内科的合併症を発症しないよう、

 さあ、あなたも今日からせっせと歯周ケアを!タフトブラシ、フロスや歯間ブラシを持って

健康な歯から健康なカラダを目指しましょう!

 

そして、近いうちに歯医者さんを受診して歯周病の状態を見てもらい、定期的なプラークコントロールや歯科受診を行って、未病を防いでいきましょう!

 

参考文献:medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-140416.pdf