ゴースト血管、聞いたことありますか?
ゴーストとは幽霊という意味合いでなく、様々な理由によって血液が流れなくなっている毛細血管が、まるでゴーストタウンのように人がいなくなった街に似ていることからそう呼ばれています。
正常では大動脈から動脈が枝分かれして、徐々に細くなり末端では細動脈から毛細血管となり(太さは毛髪の約1/10とかなり細いミクロンの単位)、そこで酸素や栄養分を細胞に与え、細胞から二酸化炭素や老廃物を受け取って、細静脈から太い静脈に流れ、最後は心臓に戻っていきます。その走行は枝葉とよく似ています。枝分かれして葉がついている細い枝が細動脈で、葉の葉脈が毛細血管というイメージをもってもらえると分かりやすいと思います。
このルートが淀みなくスムーズに流れていれば何の問題もないのですが、様々な理由によってこの毛細血管がダメージを受けるとそこでの酸素や栄養分、老廃物の授受がうまくできなくなり、毛細血管自体が炎症によって障害を受け、血管としての体も機能も果たせなくなり、やがて廃管のようになり血液が通っていない血管となってしまうのです。ちなみに、この状態は漢方では血虚や瘀血(オケツ)のひとつと考えられます。
そうなると、ゴースト血管周囲の組織だけでなく、その先の組織への酸素や栄養分の供給が絶たれてしまい、大量の老廃物によって炎症がおき、やがて細胞は老化し死んでいきます。体内に生じたゴミ出し(広い意味でのデトックスです)がうまくいかないと様々な不調を来しやすいのです。例えが悪いですが、換気の悪い、大量の生ごみが腐敗したゴミ屋敷を想像してもらうとイメージしやすいと思います。腐敗ゴミにより有毒物質が発生しやすく微生物感染がおこりやすく、発火(=炎症)しやすいですよね。
では、なぜこのような血管ができてしまうのでしょうか?
2つのことが考えられます。
ひとつは、糖質過多の食生活です。高血糖になると血管に糖化がおこりAGEs(終末糖化産物)が血管をサビさせます。また強いストレス、電磁波、食品添加物、農薬等の化学物質により生じた活性酸素が血管を酸化させ炎症をおこし、年と共に血管をゴースト化していきます。また、高血圧や高脂血症等の他の生活習慣病も原因となります。末端の血管にまで圧負荷が続くと、やがて血管は炎症をおこし動脈硬化をきたしますので、毛細血管のゴースト化が加速します。
もうひとつは、カラダのどこかに炎症がおこりそれが続くと、そこを治そうと新しい血管が病巣に向かって伸びていきます(血管新生といいます)。ただ、その血管が「出来損ない」の血管であるため、血管としての体も機能もはたしていない「ゴースト血管」であることが多く、それが痛みの続く原因になっていることも多いのです。
ガンの栄養血管がゴースト血管の最たるものです。
このため、これが体表面の可視化できるところでおこると、シミ、しわ、たるみ、薄毛、むくみ等やアトピー、慢性湿疹、乾癬等の難治性湿疹ができたりします。
一方、体深部の血管におこると高血圧、認知症、脳梗塞等の心血管疾患を、関節等の整形外科関連におこると関節リウマチや膝や頸部、腰部等の痛みを、内臓血管に生じると慢性腎臓病、肝障害等を発症したりします。
自覚的には、細胞や組織が低酸素で血行不良の水浸し状態になるので、むくみ、冷え、倦怠感、うつ、頭痛、胃腸の不調、喘息や鼻炎、慢性のセキ等の症状が表れやすいです。
では、血管のゴースト化を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか?
まずは高血糖、高血圧、高脂血症等の動脈硬化を来さないような食生活、運動を行うことは基本的な事として、それに加えて毛細血管の収縮と拡張を担っているのが細動脈周囲をまとっている自律神経なので、この働きを整えることと、血管をゴースト化する悪性の活性酸素を除去するには、現在当院で推し進めている水素療法が最適と考えています。
水素を吸入すると、皆さん「手足がポカポカしてきた、眼や頭がスッキリしてきた!」と仰られ、人によっては手足がムズムズしてきたと仰られる方がみえますが、これは水素によってゴースト血管に血流が再開した為と思われます。手前味噌になりますが、1年近く私を悩ませ続けた原因不明の臀部痛も、とにかく動き出しがマックスの痛みで水素治療によって劇的に改善したところから、このゴースト血管が原因であったのでは?と思っています。
またブログします。