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袴田さんの無罪判決を一日も早く!!!

袴田さんの再審開始の決定がなされて、ますますこの事件に

対する世の中の関心が高まっているのに、検察は有罪立証に

動くと決定したようだ。

 

私が毎日フォローしているTBSのBS「報道1930」では、特集を組んで

いた。基本的な問題意識は、なぜ、検察は有罪立証に固執するのか

というものだ。

 

検察の「行動様式」に理解ができないのは、一般国民も含めて

同じであろう。ただマスコミが正面切ってこの問題を取り上げる

ことには意義がある。

 

検察の論理を代弁してみせた大澤孝征元検事は、「世の中で言われて

いるように、メンツにこだわった訳ではない。あくまで法の良心に

従って行動しているだけだ」と発言。長期にわたる裁判を問題視する

のは、「感情の問題」であり、度外視するべきだという。

 

片や、市川寛元検事は、「今回の検察の方針には問題がある」と

指摘した。さらに元裁判官の木谷明氏も「今回の決定の背景には

検察のメンツがある」のではないかと発言。

 

コメンテーターとして登場した元検察官・元衆議院議員の菅野志桜里氏は

明快に、検察の不当性を指摘し、村木厚子元厚生省官僚のえん罪事件後に

発表された「検察の理念」を引用して見せた。

 

「権限の行使に際し,いかなる誘引や圧力にも左右され ないよう,

どのような時にも,厳正公平,不偏不党を旨とすべきである。

また,自己 の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず,

時としてこれが傷つくことを もおそれない胆力が必要である」

001320631.pdf (kensatsu.go.jp)

 

まさにこの視点がいま問われているのだと思う。

 

 

 

 

ベルリンフィルのサラ・ウィリス

ベルリンフィルで首席ホルン奏者のサラ・ウィリスを始めとした

木管五重奏のコンサートに行ってきた。(7/18東京文化会館小ホール)

 

ベルリン・フィルハーモニック・ウィンズ(木管五重奏)

フルート:アンドレアス・ブラウ

オーボエ:アンドレアス・ヴィットマン

クラリネット:アレクサンダー・バーダー

ファゴット:リッカルド・テルツォ

ホルン:サラ・ウィリス

 

当初予定されていたメンバーとオーボエとファゴットの奏者が

変更になったが、中心はサラ・ウィリスだ。

 

世界の主要オーケストラの中で、女性でホルン奏者の首席を務めた

のは彼女が最初である。

 

このコンサートも司会も含めて、彼女が仕切っていた。

爽やかで聡明な印象を残す彼女だが、ベルリンフィルのイベント

などでもユーモアたっぷりの振る舞いを披露している。

 

米国のメリーランド州ベセスダの生まれで、おそらく彼女の

父親は外交官か何かであろう。国籍も米国と英国の両方を持つ。

 

Home - Sarah Willis (sarah-willis.com)はホームページだ。

 

当日のコンサートの演目は以下の通り。

モーツァルト(U.G.シェーファー編曲):オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』のハルモニームジークより 序曲

ベートーヴェン(M.レヒトマン編曲):弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op.4(木管五重奏版)

ボザ:スケルツォ Op.48

クルークハルト:木管五重奏曲 Op.79

 

バーンスタイン(R.プライス編曲):『ウエスト・サイド・ストーリー』組曲より

「アイ・フィール・プリティ – トゥナイト」

「マリア」「アメリカ」

マランド(J.シュマイザー編曲):オレ・グァッパ

ロドリゲス(J.シュマイザー編曲):ラ・クンパルシータ

アブレウ(J.シュマイザー編曲):ティコ・ティコ

 

〈アンコール〉

ディニク:ホラ・スタッカート

 

小ホールは650人ほどのキャパを持つが、当日は満席。

木管楽器のバラエティとホルンを楽しめるプログラムで

あった。

 

客層もオーケストラの定演とは違っているような気がした。

私の隣の席の婦人は、一人で来ていたが、前半ではよく

睡眠をとっておられたような・・・

 

ともかく、もし次の機会があれば、ぜひ、来たいと感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ESG投資の成り立ち、実践と未来」

ESG投資の成り立ち、実践と未来

本田桂子 伊藤隆敏

日本経済新聞出版 2023年5月刊

本体価格 2500円

 

いまや流行り(fad)とは到底言えないレベルの普及度である

ESG投資であるが、実務家と学者がコラボして完成させたのが

本書である。

 

本田氏はマッキンゼー出身で、MIGA(多数国間投資保証機関)の

長官CEOも務めた経歴を持つ。

 

伊藤氏は、一橋大学卒業後、ミネソタ大学准教授をはじめ、一橋、

東大、政策研究大学院大学等で教職を務めた。さらに特筆すべき

ことは、大蔵省副財務官などの公職の経験もあることだ。

 

ESG投資については、「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の

高度化に関する有識者会議」の座長を務めたことから始まっている

ようだ。

 

さて内容であるが、手堅い構成と理論づけや独自インタビュー調査が

ユニークである。

 

冒頭の部分で、「ESG投資の定義が重要だ」という主張から展開される。

類似の投資概念である、「インパクト投資」「サステナブル投資」

「リスポンシブル投資」「社会的責任投資」などについても、

明確な答えがないのが現状だと捉える。

 

全編を通して言えることだが、奇をてらわず、地に足の着いた

解説ぶりである。

 

第六章では、本田が実施したアセットオーナーや運用機関に対する

独自のインタビュー調査の結果が示されている。

 

ESG投資投資で常に議論となる「一般の投資を上回るリターンが

得られるのか」という点に関しても、伊藤の経済学的視点での分析を

加えて解説している。

 

様々な問題点を指摘したうえで、今後の課題として、データ開示基準の

設定や、非財務情報開示の促進など、バランスよく目配りしている。

 

ESG投資を巡っては、米国を中心に賛否の議論が高まっているが、

そんななかで、本書は、全体像を示すとともに、バランスよく

諸課題を整理していると評価できよう。